「こんちわ、今日もお願いします」
「ええ、毎度ご苦労様です」
今日も今日とて俺は指名手配犯を捕まえヴァルキューレに連れてく。俺はあれから休日は指名手配犯を片っ端から捕まえて賞金を貰う生活をしている。稼いだ賞金のうち8割はアビドスの借金返済や銃弾などの費用に回している。おかげでアビドスの財政は多少は余裕が出てきた。
「今日は人が多いですね」
「あなたのおかげで最近は治安が良くなってきましたからね。こちらも仕事が減って助かってますよ」
ヴァルキューレは常に忙しいらしくいつもは人が少ない。しかしカンナさん曰く俺が指名手配犯を片っ端から捕まえてくるため最近は問題を起こす学生が少なくなったそうだ。
「あなた、最近ではゲヘナの不良どもに”魔人”なんて呼ばれてますよ」
「誰ですかその異名付けたやつ!?」
誰が魔人だ。魔人と言ったらブウのことだろ。あんな化け物といっしょにしないでほしいものだ。と言ってもこの世界で魔人ブウのことを知ってる奴なんていないか。
「まあ、あなたの強さならそう呼ばれても不思議ではないと私は思いますよ」
「・・・僕の中の魔人の定義に僕は当てはまらないんですよ」
「ヘイローを持ってないのにあのバカ力や気という力を使ってる時点で説得力ないですよ」
「ぐぬぬ・・・」
俺からしたら平気で銃をぶっぱなすこキヴォトス人も結構やばい奴だと思うんだけどな。
「どうぞ、今回の報酬金です」
カンナさんから今回の賞金を貰う。
「どうも。次もお願いします」
カンナさんに挨拶をしてヴァルキューレを出る。
「せっかくだから今日は温泉でも入っていくかな」
ゲヘナにはヒノム火山という火山が存在する。そのためかゲヘナには温泉設備が多く存在するのだ。
俺は温泉に入るため再びゲヘナに向かう。ゲヘナに着いた後、俺はその辺で見つけた銭湯に入る。
「ふぅ~いい湯だ」
ゲヘナは治安は終わっているがこのように温泉などの一部設備は非常にいいと思う。アビドスは砂漠に半分埋もれているのでたまには温泉に入りたくなるのだ。
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「いや~よかったよかった」
1時間ほど温泉に入った後銭湯から出てきた。スマホで時刻を確認してみると午後5時となっていた。
「さっさと帰って修行でもするかな。・・・ん?」
家に帰ろうと思ったら何やらいつも以上に騒がしい。
「向こうの方で何かあったのか?」
ゲヘナではいつも銃撃戦などで騒がしいが今回は少し様子が違うようだ。騒ぎの中心と思わしき方へ向かう。
「ひゃっはー!他の不良軍団が減った今ゲヘナは我々グラサン団のものだー!野郎ども、やっちまえー!」
「ひゃっはー!」
「くそ!なんとかして取り押さえろ!」
「だ、ダメです。押さえられません!」
「応援はまだですか!」
覗いてみると何やら不良軍団とゲヘナの風紀委員会がぶつかり合っていた。聞こえたことからどうやらグラサン団とかいう不良軍団が他の不良軍団が減ったことを機にゲヘナを制圧しようとしているみたいだ。それを阻止すべくゲヘナ風紀委員会が何とか取り押さえようとしてるみたいだ。しかしどうやらゲヘナ風紀委員会が押されているようだ。
「しかたないなあ」
俺は見かねて戦場へと飛び込んだ。聞こえた限り原因は俺にもあるみたいだし。
「だあ!はあ!」
「ぎゃ!?」
「な、なんだお前」
「お前たち、少し暴れすぎだ」
不意打ちで数名を気絶させた後、不良軍団の前に少し威圧しながら立ちふさがる。
「なんだと!てめぇ偉そうに言ってんじゃねえぞ!」
「おまえ!何をしてる、早く逃げろ!」
ゲヘナの風紀委員が逃げるように促すがすでに銃弾の嵐が俺に向かって放たれていた。
「・・・!」
俺はその銃弾の嵐の中で自分に当たる奴をすべてキャッチした。
「なっ・・・」
「はあ!」
そこから不良軍団めがけて飛び蹴りを繰り出す。繰り出した飛び蹴りは不良軍団の中心に炸裂し地面を抉りながら多くの不良を吹き飛ばす。
「でりゃ!」
そのまま他の不良軍団も次々気絶させていく。
「な、なんなんだお前・・・は!まさかこの強さ、おまえ”魔人”か!」
「僕は別に名乗ってないけどな」
そういうと不良軍団がざわつく。どうやら”魔人”という異名は俺の想像よりも不良どもにとっては大きな存在らしい。
「だ、だがこいつらがあればいくら”魔人”といえども!」
後ろの複数の戦車が砲身を俺に向ける。
(おそらく衝撃波では決定打にはなりずらいか)
「なら!」
戦車が撃ってくる。俺は放たれた砲弾をジャンプして躱す。
「なに!?」
(このくらいの威力で!)
「はぁぁぁぁ!!」
俺は戦車に向かって気功波を放つ。放たれた気功波は戦車の装甲をいともたやすく貫通し破壊した。
残りの戦車も気功波を放ち破壊する。
「ば、ばかな・・・。我々の最高戦力が・・・」
「悪いが戦車をいくら集めたって僕は倒せないさ」
俺は気を拳にため思いっきり前に突き出す。そこから放たれた気は衝撃波となり残りの不良どもをすべて吹き飛ばした。吹き飛ばされた不良どもはそのまま気絶した。
「すごい・・・」
後ろで見ていた風味委員の1人がそう呟く。こうしてグラサン団と名乗る不良軍団による暴動は収まった。
「さてと・・・」
こいつらもヴァルキューレに叩き出してもいいけど流石に人数が多いな。どうしたものか。
「応援要請が来たから駆けつけたのだけど、いったいこれはどういう状況なのかしら」
するとこの場に新たな声が響く。声の方を見てみると白髪のホシノと同じぐらいの身長の女性が立っていた。
「・・・この状況、あなたがこれをやったのかしら」
倒れている不良ども見ながら俺に問いかけてくる。
「ええ、そうですけど」
「ヘイローなし、男性、目元の傷・・・そう、あなたが”魔人”ね」
これは驚いた。まさか風紀委員にもその名が知れ渡ってるとは。
「・・・私はゲヘナ風紀委員会1年、空崎ヒナ。あなたの名前は?」
「アビドス学園1年生、孫ゴハンです」
「孫ゴハン、グラサン団の確保の手伝い感謝するわ」
「いえ、僕はたまたま通りかかっただけで勝手にやったことですから」
「それでも手伝ってくれたことは事実よ。ついてきて、お礼をするから」
俺は言われたままヒナについていく。
(なんかこの人、ホシノと似た気配を感じるな・・・)
そんなことを思いながら俺はヒナについていった。ちなみあいつらの後始末は風紀委員がやってくれるようだ。
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あの後ヒナについていきお礼として食事をおごってもらった。
「別にお礼なんて大丈夫だったのに」
「あなたの活動のおかげで最近は面倒ごとが減ってきた。そのことも考えると当たり前のことよ」
「僕はただ自分のためにやってるだけだけどね」
「それが結果としてゲヘナの治安維持にも働いてるのよ」
食事が終わり店の前でそんなことを話す。ちなみヒナに敬語じゃなくていいと言われたためタメ口だ。
「あなたはこれからも賞金首を捕まえ続けるの?」
「そうだね。しばらくは続けると思うよ」
「そう。なら何か困ったことがあったら連絡して。ある程度は力になれると思うから」
「それはありがたいな」
そうしてお互いの連絡先を交換する。
「じゃあ私は先に失礼するわ。まだ仕事があるから」
「ああ、がんばれよ。じゃあな」
ヒナはゲヘナ学園へ帰って行った。
「さてと俺もさすがにそろそろ帰るか」
時刻を見てみると午後7時半となっている。俺は暗くなった空を飛び家に帰るのであった。
グラサン団は僕がその場で1分で作ったオリジナルの不良軍団です。今回ヒナを出したのは僕が好きだからです。