ラギアクルスのハンター撃退記(仮)   作:ディア

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投稿が来月に成り得そうだったのですが今月中に投稿出来ました。


第10話 捨てられたオトモアイルー

☆☆★★★★☆☆

 

~孤島~

 

ハンターの中には人間だけでなく、鍛治職を得意とする竜人族、モンスターの中で最も人間と交流しているアイルー族がいる。竜人族は人間とほぼ同じの身体の構造をしており、人間のハンターと同じ条件でハンターになれる。

しかしアイルー族は別だ。現在アイルー族がハンターになるには余程ギルドに貢献してハンターになるパターンとオトモアイルーとしてハンターになるか途中で自立してハンターになるパターンしかない。

 

前者のパターンは史上初のアイルー族でのハンター、コブが成し遂げているがその道を辿る者はほとんどいない。いたとしてもコブ以外が全員失敗して飛竜等に襲われて死んでいるだろう。

よってアイルー族でハンターになるのは必然的に後者の道を辿ることになる。だがその道は決して易しくはない。ハンターの中にはオトモアイルーを奴隷か何かと勘違いしてこき使ったり虐げる者もいる。当然そんなことをすればオトモアイルーは逃げてしまう。ギルドでもそのことが問題になり…幹部達は対策を打ったが一時的な効果しかなかった。

 

最初はハンターがオトモアイルーを虐げるように禁止したが…今度はオトモアイルーがわざと傷つきハンターに虐げられたと言ってハンターを訴えるといった暴挙に出てしまったので改正した。

 

その改正した決まりとは…オトモアイルーが証拠を集めればハンターを訴えることが出来るというものになった。しかしこれが出来たことによりハンターは証拠を集めさせないように隠蔽してオトモアイルーを虐げた。つまり決まりが出来る前とほとんど変わらない状態になってしまった。

 

そんな状況下の中でコブはオトモアイルーが自立してハンターとなるように幹部達に提案して実行させたのだ。これによりハンターはオトモアイルーが自立せず自分の元で働くように待遇を良くしてオトモアイルーの虐げられる数はぐっと減り、オトモアイルー自身もサボったらハンターに自立しないと思われて待遇が悪くなるので態度も改善した。

そのおかげかコブはアイルー族として初のハンター名誉賞を受賞し、アイルー族の中で知らない者はもはやいない英雄になった。

 

改善したとはいえやはり問題は起こる…オトモアイルーになりたてのアイルーが虐げられる対象となった。新規のオトモアイルーは経験不足で自立したくとも出来ないという隙を突いたものだった。報告数が少ない上証拠も少ないのでギルドは何も言えないし、コブはそれ以上の過酷な過去を歩んできたので何も言えない。

 

そしてそんなハンターから逃げてきたゴールドの毛色のオトモアイルーがトボトボと歩いていた。

彼(?)の名前はアッシュ。平和主義という性格故にモンスターを攻撃せず採取だけ続けていたら彼の雇用主に引っ叩かれ戦うように強制させられ嫌になって飛び出してきたのだ。

「これからどこに行こうかにゃ?…僕の性格で雇ってくれるところなんてほとんどないと思うし…」

アッシュは前に雇って貰ったハンターから逃げて以来、これまで雇って貰おうと必死に宣伝してきたが平和主義という性格が全てを帳消しにするが如く、誰も雇ってくれなかった。キッチンアイルーとして生きていこうと決意したこともあったが料理をすると奇跡の料理ダークマターが出来上がってしまうので結局オトモアイルーとして行動することになった。

「そういえばポッケ村にはラージャンブラザーズ捕獲の為に色んなハンターがいるって聞いたことがあるニャ。そこで宣伝すれば僕も雇って貰えるかニャ?」

アッシュはそう考えると孤島からポッケ村の近くの雪山へと向かうべくイカダを作り、10番エリアでイカダを漕いでいると何かが見えた…

「何ニャ…あれは?」

それは鉱石の塊が動いているようにしか見えなかったが次第に近づくにつれてその形が見えてきた。

 

ラギアクルスだ。それも異変種のラギィだ。

 

「ニャニーッ!?」

アッシュは大慌てで引き返そうとするがもう遅い。イカダは大破し、泳げないアッシュ自身は咄嗟にラギィにしがみついていた。

「助けてぇぇえ!!」

アッシュは物凄い勢いでラギィとともに先程までいた陸地に戻され目を回してしまった。

 

★★☆☆☆☆★★

 

俺はイーオス達と別れを告げ、孤島へと帰還するために火山付近の川を使って泳いでいた…これなら砂漠に行ってしまうことはないし、安全だ。ネンチャク草でつけているから鉱石が外れることはない。まあ半永久的に装備している防具みたいなものだ。

 

陸地に上がると俺の頭から何かぎ落ちてきた。

「ウニャ~…」

防具をつけた金色のアイルーが目を回し、俺の前で倒れた。しかし参ったな…こいつは見た所オトモアイルーみたいだ。こいつが悪魔アイルーという可能性も否定出来ないがそれだったらとっくに殺されている可能性が高い。流石にアイルーは食う気にはなれん。

『海に捨てるか…』

俺はボソッと呟くとアイルーは大慌てで逃げようとした。

「ちょ、ちょっと海には捨てないでニャ!」

アイルーは俺つぶやきに答えるかのように答え、手を振って慌てていた。

『あん?なんで俺の言葉わかるんだ…?』

俺の言葉は大体がグォ…とかガゥ…とかになってしまうので通じない。通じたとしても大体は「食事をするか…こいつで。」などと間違って通じてしまう。

「それは貴方様が僕に伝えたいと思っているからニャ。僕達アイルー族は知性のあるモンスターなら大体の言葉がわかるニャ!だから…助けてニャ…」

しかし ドヤ顔から涙目になったり忙しい奴だな。まあ俺の体格は後一回りしたら希少種に迫る程デカイし、顔は凶悪だ。…そういえばモンスターの大きさは年をとる度にデカくなるんだよな。

 

その理由としては甲殻種のダイミョウサザミやショウグンキザミのヤドの骨が理由だ。あいつらのヤドはモノブロスやグラビモスなどの頭殻を使っている。だがどう考えてもあいつらのヤドはあまりにも大きすぎる。どのくらいかだと?サザミやキザミの最小金冠サイズのヤドがようやくモノブロスやグラビモスの最大金冠サイズの頭の大きさよりも同じかそれよりも大きいくらいだ。

 

そこで俺は仮説を立てた。寿命で死ぬ前の飛竜種はハンターが見かける金冠サイズよりも大きいんじゃないかってな。デカブツが現れないのは体力の衰え、あるいはデカくなりすぎた代償として動けないのが原因だと考えられる。ラギアクルス希少種なんかは体力の衰えが比較的少なく技を磨いているから人前に出ても問題はなく目撃情報がある…と俺は考えている。

 

話が逸れた…兎にも角にも警戒を解かせないとな。

『そうか。ところでお前は見たところオトモアイルーのようだが…なんでお前の相棒はいないんだ?』

ハンターってのは厄介極まりない。あいつらはしぶといし、倒した次の日には別のハンターがわらわらとやってくるしな。俺が武具を剥いでいるのは俺と戦えば武具を失う恐れがあるとハンターに警告させるためだ。そうすれば俺を討伐しようなんて輩は減る。ハンターにとって武具や道具は命と同じくらい大切なものだからな。モンスターになって初めてオオナズチが秘薬を盗む理由がよくわかる…それでも卑怯?むしろ4人がかりで挑むハンターの方が卑怯だと俺は思う。

「いないニャ…僕の平和主義の性格が仇になって捨てられたニャ。」

『すまないな。そんなことを聞いて…』

「いや僕はこれからポッケ村にいるハンターに雇われようとしていたところだから気にする必要はないニャ。」

ポッケ村…もしかして2ndの舞台の村か。だとしたら雪山だな。

『雪山か…懐かしいもんだな。』

「懐かしいってどういうことニャ?」

『雪山に昔行ったことがあるんだよ。俺はハンターから逃げるために旅をしてきたんだよ。』

「それじゃ僕を雪山に連れてってくれませんかニャ?」

…こいつ。

『…まあいいだろう。その代わりハンター達に俺はハンター達と敵対したくないことを伝え…危ねえ!』

俺はアイルーを咥えて飛び出すと俺とアイルーがいた場所に隕石のような跡が残り、タフなアイルーとはいえ食らったらひとたまりもないものだった。

『てめえか…』

そしてそれをやった張本人ならぬ張本モンスター…リオレウスが俺の前に降りてきた。

「グゥゥゥゥ…!」

レウスは俺を威嚇して来たので俺も構えるとアイルーが呟いた。

「えーと…『何俺の縄張りに入ってきているんだ…コラ!』だそうニャ。」

『翻訳が出来るのか?』

「これくらいは出来るニャ。」

『こっちは古龍にも勝ったんだ。邪魔をするなら容赦なく叩き潰すと伝えてくれ。』

「わかったニャ。」

アイルーはブツブツいってレウスに伝えるとレウスは咆哮をして俺を睨みつけていた。

「えーと『はっ!ハッタリもいい加減にしやがれ!それにどんな相手だろうが俺は愛する家族の為にお前を倒さなきゃいけないんだ。邪魔をする奴は…殺す!』だそうですニャ!気をつけてくださいニャ!」

なるほどな。だがこっちも舐められ放しってのは癪だ。

 

『アイルー…耳を閉じて離れていろ。』

「え?…わかりましたニャ。」

ものわかりの良いアイルーは俺の前から逃げ、地面の中へと潜った。

「グォァァァァッ!!!」

俺は久々に使うティガレックスの咆哮でリオレウスを威嚇する。簡単にいえば戦闘の始まりだ。

 

「グゥォォ…!」

レウスがよろけ、狼狽えている隙に俺はレウスの首元に噛みついた。

「グゥぁぁぁォォ!!」

レウスが必死に抵抗するがアグナコトルを楽勝で引きちぎるほどの俺の力に逆らえる訳もなく敗北した。

『ふん…こんなものだな。』

俺はレウスをぶん投げるとレウスは横たわり、血をダラダラと流して気絶した。

 

「ニャヘー…とんでもないニャ。」

『確かにそうだな。自分でもとんでもない力だと思うぜ。この前はギギネブラ亜種を怯ませるのが限界だったのに今じゃリオレウスを簡単に倒せる。』

「ギギネブラ亜種…確かこの前ギルドの方でマークってハンターが凍土で捕まえたって聞いたことがあるニャ。」

『それは本当か?』

だとしたら俺の功績を横取りしたってことになるな。いや俺はモンスターだし…していないのか?

「これは確かニャ。マークはそのおかげで今やG級のハンターになったって聞いているニャ。」

『おいおい随分レベルが低くないか?そういうのはラオシャンロンやシェンガオレンとか退けないとなれないんじゃないのか?』

「でもマークにG級のクエストを受けさせるために昇格させたって噂も流れているニャ。」

『逆じゃないか?それ…』

「実力は折り紙つきなのに面倒くさいとかいう理由で昇格を断るような問題児らしかったニャ。だから無理矢理人材が不足しているG級にねじ込んだのかもしれないニャ。」

『それでいいのか…ギルド。』

「元々ギルドの幹部達はG級ハンターだしその経験に基づいているんじゃないかニャ?」

『だとしたらかなりの脳筋だな…』

俺はハンター側に同情した。




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