ラギアクルスのハンター撃退記(仮)   作:ディア

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第12話 雪山でもギルドでも大荒れ

★★☆☆☆☆★★

 

『おい、そろそろ雪山へ行くぞ。』

「わかったニャ。」

俺はアイルーを背中に乗せ、雪山へ連れて行くとロアルドロスを始めとした孤島のモンスター達が「お気をつけて!」と言わんばかりにヤ9ザのように並んで頭を下げていた。

『行ってくる。』

 

そして数日後、雪山に着くと…そこ(2番エリア)にはあり得ないと言っていいほど数多くのポポやギアノスといった小型モンスター達が虐殺されていた。

 

小型モンスター達の傷を見ると太刀や片手剣などによって傷つけられた切り傷で死んでいることがわかった。つまりこれをやったのはハンターだということがわかった。

「惨すぎるニャ…」

だろうな…こいつは元オトモアイルーとはいえ平和主義者だ。こんな多くの死体を見ちゃ気持ち悪くもなるか。

『このまま行けばお前の命は保証されないが行くか?』

「…行くニャ。これから先、僕はそれ以上に酷い物を見ることになるニャ。だから行ってこれよりかマシって思えるようになるニャ。」

『そうか。それじゃ行くぞ。』

俺はその先(6番エリア)へと向かった。

 

「ヴァァァ…」

そこにはかつて俺を慕ったラージャンが血だらけの状態でヨロヨロと俺の方に歩いて来た。

『大丈夫か?』

俺の言葉をすぐに翻訳し、アイルーはラージャンの側へと駆け寄りラージャンが吠えるとアイルーはそれを翻訳し始めた。

「『何十人も連れたハンターがやってきて…俺達の雪山のモンスターの縄張り、いや虐殺しています!…兄貴!これ以上雪山からハンターの好きにさせないでください!』」

『わかった。ところでもう片方のラージャンはどうした?俺の記憶に違いがなければもう一頭いたはずだが…』

「『相棒は俺を助ける為にこの先で囮になっています…今頃死んでいるでしょう。』」

俺はそれを聞いて遂にキレた。まずキレる要因となったのは雪山での無差別な殺害。自分勝手だった俺を兄貴と呼んで慕ってくれたラージャン達を殺そうとしたこと。そして自分の情けなさだ。これらが合わさって俺はブチキレた。

 

『おい…アイルー。お前は下山しろ。』

俺は感情を抑え、そう言って俺に乗っていたアイルーを下ろした。

「え?でも…」

『ここから先は俺達の問題だ。お前が首をつっこむもんじゃねえよ。』

「…わかったニャ。」

俺はアイルーが土に潜り込んで下山するのを見届けると口を開いた。

「ヴォォォォォッ!!」

ティガレックスすらも凌ぐ咆哮で叫び、その先へと急いだ。

 

☆☆★★★★☆☆

 

「へへっ…ラージャンの奴も大したことねえな!」

ハンター達は浮かれていた。G級と呼ばれるラージャンを自分たちの力で追い詰めていたからだ。人間誰しも自分たちの力で自分よりも格上の存在を超えたとなれば誰だって浮かれてしまうものだ。

「ヴォォォォォッ!!」

突如後ろから咆哮が聞こえそちらに注目すると地震が起こった。

「な、なんだ!?」

ハンター達はそれを怯え構えると現れたのは今、話題となっているラギィだったからだ。

「まさか…ラギィなのか?!」

ラギィの姿はラギアクルスとは少し異なっているという認識がありラギアクルスに少し脚色を加えたような姿がラギィというものだったが今回ばかりは違った。あまりにも変わっていたからだ。今のラギィの姿は火山で発掘した鉱石物を身に纏い、メカニックな姿となっていた。

「グォォォォーッ!!」

突進。それはケルビなどでもやる攻撃だ。だがディアブロスやグラビモスなどの飛竜種がやれば脅威となる。それは何故か?重く頑丈だからだ。特に突進を武器としているディアブロスは重く、突進に適したスピードがある。一番重いのはグラビモスだが物理攻撃で最強と言えるのはディアブロスの突進と答えるハンターが大半だ。

そのディアブロスよりも速く動き、グラビモスよりも重いラギィが襲いかかったらどうなるだろうか?

「ぎゃぁぁぁぁッ!!」

ブチッグチュ…!

答えは単純、その突進は物理攻撃最強となり避けきれなかったハンターを殺した。

「グォォ…」

『てめえら覚悟は出来ているんだろうな?』

とラギィは言いたかったが生憎彼はモンスター。言葉が通じるはずもないので唸る程度にしか見えない。

「…なあ、皆…こいつも狩っちまおうぜ!」

1人のハンターがそんな馬鹿なことを言い始めた。

「何言っているんだよ!さっきのあれ見えてなかったのか!?」

当然先ほどの惨状を見たハンターの1人が止めようとするが無駄だった。今の彼には欲しかなかった。

「バーカ。さっきやられた奴らは足引っ張っていた奴らだ。ラージャンを倒した今の俺達なら狩れるぜ!」

「…そうだな。ラージャンが狩れたんだ。たかだかラギアクルスに負けるかよ。」

1人がそう言い、その場にいたハンター達もそれに賛同し始めた。

「おい!何を言っている!ラギィは狩猟したらギルドから追放されるぞ!」

だがそれでも反論するハンターはいた。しかし最初にラギィと戦うと言い始めたハンターが口を開けて説得した。

「痛めつける程度なら問題ないさ。」

最後まで反論していたハンターは舌打ちして片手剣を取り出してラギィに立ち向かった。

 

ガキン!キンキンキン!

しかしハンター達の攻撃もむなしくまるで攻撃が通じない。それもそのはず…ラギィの周りにあるのはラギィがパンチしても壊れないような代物ばかりの鉱物だ。もちろんそれだけではない。鉱物の中にはお守りが混じっており、隙間に見えるラギィの皮膚を硬化させていた。

 

「ガンナーは貫通弾を使え!打撃系は前線に出てラギィの頭を狙え!斬撃系はそのサポートだ!」

そこでハンターのリーダーはラギィ対策として貫通弾でラギィの皮膚を貫通させて攻撃、ハンマーなどの打撃系の武器の使用者には頭を攻撃させて気絶させるように指示した。これはグラビモスなどにも使われる対策で、逆にフルフルなどは打撃系の武器が効きづらいので大剣や太刀など斬撃系の武器で攻撃するのが一番良いとされている。

「…グォッ!?」

ラギィは少し退け、ハンター達から少し距離を取りつつも逃げない。その理由は満身創痍のラージャンにあった。ここで逃げてしまえば間違いなくラージャンは殺される。逃げる訳にはいかなかった。

「よし今だ!」

 

BBBBBOM!

 

ハンターの爆弾がラギィを襲い、ラギィの鎧が剥がれた。

「グァァォォォォーッッ!!!」

ラギィは咆哮を放ちジャンプする。それが仇となった。

「撃てーッ!!」

ババババババン!!

ガンナーの弾が一斉にラギィにあたるがラギィは構うことなく打撃系のハンターへと襲いかかった。

「ぎゃぁぁぁぁっ!?」

ドスン!とラギィの体重から潰れたハンターがあまりにもグロテスクな姿となり死ぬのを見届けたラギィは雷を纏った。

 

「グァオ!」

そして雷突進をしてラージャンを抱えるとその場からすぐに逃げてしまった。

「逃すな!あのラージャンだけでも仕留めるんだ!」

そしてリーダーのハンターが大声で叫んで指示をすると揺れが起こった…

「なんだ!?」

それは雪崩だった。よくよく考えて欲しい。ティガレックスを上回る咆哮が二回、ラギィの体重によるのしかかり、そして何度も指示による大声…これだけ暴れて雪崩が起きない方がおかしいのだ。

その雪崩はハンター達を巻き込み、殺していった。

 

『…これで一応手当てはし終わったな。』

ラギィは薬草を使ってラージャンを手当てをしていた。なんとか一命は取り留めたもののまだ目覚めていない。このままでは間違いなく寝ている隙を狙われてしまうだろう。

『砂漠か…火山かどっちか連れていくか。』

ラギィはそういってもう一頭の寝ているラージャンを見て連れていくことに決めた。

 

~ギルド~

「なんということだ…まさかあそこにラギィが現れるとは…」

ギルド幹部達は頭を抱えていた。数十人のハンターによるラージャンブラザーズの一斉討伐の失敗。その原因にはラギィが関わっていた。

「だから言ったでしょう!数を多くしても良いものではないと!」

反対していた幹部が全員を責める。しかし彼とて最後は賛成していたのだ。

「…あれは災害指定種による妨害があったから失敗したんです。」

女性幹部がそういってフォローするがそんなものはミラボレアスなどの古龍でも一部のモンスターでしかいない。ラギィはその一部のモンスターではない。

「何をふざけたことを!ラギィがいたから失敗した?そんな言い訳が通る訳ないでしょう!?」

「いいえ、あの場にいたのは災害指定種ラギシトリオンです。」

女幹部はそう言い切った。

 

「ラギシトリオン…?」

「ラギシトリオンはラギアクルスから生まれたモンスター。シトは死徒…つまり死を呼ぶ死神、リオンはリオレウスやリオレイアのリオ…つまり王者を超えた者。早い話が死神の王がラギアクルスの中に乗り移った姿がラギシトリオンという訳です。」

それを聞いて幹部達は思った。「この女…そこまでして残りたいか?」と。しかしそれを口に出さなかったのはその案をパクろうとしたからだ。

「いや…今回出てきたのはセア・トレトニアだ。海の近くに現れた雷の正体がそれだとされている!」

「違う!アルブム・エレクトロだ!奴は山を荒らした人間達を懲らしめた白いトカゲだ!雷を出して懲らしめたことからそう言われている!」

「ヴァリアティオだ!正式名称ヴァリアティオ・レぺンテだ!ギルドで突然変異が現れたらそう名付けるように義務付けられているはずだ!」

「ギガルクルスだ!ラギアクルスよりもはるかにデカイ身体からハンター達からそう呼ばれているぞ!」

 

その後4人が名前をつけて功績を上げようと騒いで会議は大荒れとなってしまった。

「…もう好きなように呼んだら?」

ギルド長はそうぽつりと呟いた。結局呼びやすさからラギシトリオンと決まってしまったのは余談だ。




ということで決まりました!ラギィの名前はラギシトリオンです。…自分で考えておいてなんですがめっちゃ厨二ぽい名前ですね。その名前にした理由は活動報告にて一票きちんと入っていたのとその他が多すぎて結局こうなりました。考えてくださった皆様に申し訳ありませんが私の考えた名前にしました。

ちなみにラギシトリオン以外の名前は読者の皆様によって考えられたものです。ありがとうございました。
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