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ラギィことラギシトリオンは自分がその名前になったのは知らず、火山でラージャン達を癒す為に必要な薬草を探していた。
『チッ…こんなんだったら薬草の場所覚えておくんだったな。』
しかしラギシトリオンは原作知識を持っているとは言え火山に薬草があるかどうかなんて覚えておらず、せいぜい武器や防具に使う素材やお守りがどこにあるかなんかを把握する程度だったのと火山での活動はそれらを集めることだった。
『少なくとも麓にはねえか…まいったな。』
結局、ラギシトリオンは麓を散々探したが薬草は見つからず、あることを決意した。
『やるしかない…か?』
それは火山に入ることだ。もちろん溶岩に潜り込むのではなく、ハンター達のように歩いていける範囲で登るという意味だ。ラギシトリオンはこれをしたことはある。しかしその時はハンターから奪ったクーラー系のアイテムを使って入った。だが今回は何もアイテムは使えない。強いて言うならば自分の鎧である鉱石の一部に含まれている氷結晶くらいだが所詮気休め程度だ。それ以上の効果は見込めないだろう。
『行くぞ!!』
ラギシトリオンは決意して火山の中へと入って行った。
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暑い…やっぱりこのラギアクルスの身体は火山で活動するには向いてないか。だがこれもあいつらの為だ。
「部下を救えない上司は上司である資格はない。」…これはとあるまとめサイトから出てきた名言だ。この名言はイジメられている部下が上司に相談して解決しようと動いて解決したのだがその時部下が何故自分を救ったのかを尋ねた。その答えがこれだ。この言葉を聞いて俺は感動したよ…今時こんなセリフを吐いて実行出来るなんてのはほとんどいないからな。だから俺もその上司のように部下を救える人間になりたい…それに奴らが苦しんでいるのに俺だけが楽するのは我慢出来ない…だからあいつらの苦しみに比べれば火山の暑さくらいなんでもねえ!
『とにかく草を探そう。話はそれからだ。』
まずやることは草を探すことだ…ん?あれはイーオスどもか?こっちに気づいて俺に近寄ってきた…?
「ギャァ!ギャァ!」
俺を警戒している?…いや違うな。ついてこいってか?一か八か試してみるか。もしそれでダメだったら諦めるしかないな。
「グォ…」
イーオス達が案内したのはG級素材のメランジェ鉱石とエルトライト鉱石の山だった…何でそれがわかるのかというとハンター達が俺の鎧の中にメランジェ鉱石とエルトライト鉱石があったとか言っていたのでマカライトなどの下位素材やユニオン鉱石など上級素材とは違う奴を探したらほんの一部だけ見つかった。
…確かに欲しかったけど違う!雪山でハンターに部位破壊されたけど俺が一番欲しいのはそれじゃねえ!…でも回収して体に貼り付けておこう。そして鉱石を摘んでいくと人影が見え、覗くと…そこにはハンター(♀)がいた。
「げっ!?ラギシトリオン!?」
おっと気づかれたか。…ん?ラギシトリオン?この前までラギィとか呼ばれていたのにそんな名前になったのか…まあいい。俺がどんな名前になろうが関係ない。
『回復アイテムだけよこせや!』
俺は軽く頭突きしてハンター(♀)を突き飛ばすと生肉が落ちたのでそれを食ったら身体が痺れ始めた…なんてことにならないように捨てた。
「あーっ!私の特性毒生肉がーっ!?モンスターにばれないように色や匂いを誤魔化したのに…」
やっぱりか…しかしこんな奴が本当にハンターなのか?いくらなんでも慣れていなさすぎる。
「リコから離れろ!この化けもんが!!」
後ろから金属と金属がぶつかり合う音が聞こえ、ハンター(♀)ことリコを無視してそちらを見るとボロボロになっている大剣使いのハンター(♂)が俺の鎧を大剣で殴っていた。
「マルス!」
「リコ!逃げるぞ!」
おーおー…リア充リア充。
「えっ?でも…」
「そういう約束だろ!行くぞ!」
マルス君とやらはどうやらリコに無理やりせがまれ、ここに来たらしい。話が見えてきた…マルスがモンスターを狩っている間にリコはメランジェ鉱石やエルトライト鉱石を採掘をしていた。メランジェ鉱石やエルトライト鉱石はG級素材だ。ということはこいつらはG級ハンターだ。しかし俺如きにビビって何もできないハンターがG級ハンターをしているのはありえない。元の世界でいう寄生プレイヤーのような奴らと同じくコネでのし上がった奴らだと考えた方がいい。
となれば人一倍ビビりでケチな奴らだから回復薬やグレート、秘薬なんかも持っている可能性が高い。その一方で薬草は持っていない…が好都合だ。
アイテム略奪、武具追剝ぎがハンターから逃げるための鉄則。悪役みたいだがそれが身についてしまった俺は二人のハンターから大剣と片手剣、回復アイテムとクーラー系アイテムを頂戴した。
その後、二人がどうなったかというとドスイーオスとイーオス達にフルボッコにされながらも下山したらしい。悪運の強い奴らだ…
そんな話はさておき、薬草の代わりとなる回復薬グレートを手に入れた俺は手負いのラージャンを回復させてやるとみるみると元気になり、前よりも生き生きとした目をするようになった。
「『兄貴!ありがとうございます!』」
『構わねえよ。お前達に頼みがある。』
「『頼みとは?』」
『自由に生きろ…それだけだ。雪山に帰るなり火山に住むなり何なり自由にしろ。』
「『…はいっ!それじゃ兄貴についていきます!』」
そしてラージャン二頭が仲間になった。
『好きにしろ。』
端から見ればおかしな光景だな。ラギアクルスの変異種がラージャン二頭とアイルーを引き連れるなんてな。
ちなみにこの作品に擬人化は一切含まれていません。擬人化した作品で成功した例はほとんどありませんし、その成功した作品も文章力があってこそ成功したのですから…ヘタレな作者にはそんなことはできません。