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しかし参ったな…行くあてなんてねえぞ。
「ラギィの旦那。どうするニャ?」
『適当にぶらぶらと歩くしかねえだろ。』
「それだったら塔に行かないかニャ?あそこは結構珍しい素材とか落ちてるニャ。」
塔か…金銀リオなら相性とかでねじ伏せることはできるが、最悪ミラルーツと遭遇する羽目にあうから行きたくないんだよな。俺の目的は生きることだ。例え外道と呼ばれても生きた奴らが勝つんだからな。ハンターにせよ、モンスターにせよ、な…真正面から戦うのは時代遅れの侍だ。
「『兄貴…いざとなったら俺たちを盾にしてください!』」
『出来るか!自由にしろとは言ったが命を粗末にするんじゃねえ。つーか、塔に行ってもやることなんてほとんどねえぞ…』
塔で珍しい素材って言われてもピンとこないしな。でもキリンとかなら食っても美味そうだ。…しかし地形的にこの巨体じゃ動き辛いからハンター達にタコ殴りに合う可能性が高く俺と塔の相性は火山よりも悪い。
「でも…つい最近、あそこに関して変な噂があるニャ。」
『噂?』
「塔の近くに天空に浮かぶ城が時折見かけられるらしいニャ。」
天空浮かぶ城ってラピ○タか!?ゲームが違うぞ!!でもそうだとしたら転生者が他にもいることになるのか?
「その城に潜り込んでアイテムをささっと回収すればラギィの旦那の強化にも繋がるニャ。その為にはラギィの旦那の力が必要ニャ。」
それを転生者が作ったとしたら転生者と会って交渉するか。まだ捨ててない防具とか引き換えにすればいいか?
『よし行こう。』
リスクが高いが転生者と会う必要があるな。もしもこれで見慣れぬ鉱物とかあれば鎧の強化が進む。最悪逃げれば良い…
俺達はまっすぐ塔へと向かった。
☆☆★★★★☆☆
〜ギルド〜
その頃、ギルドではハンター数十名が亡くなった後始末や依頼者の信頼回復をしていた。何しろ自分達で決めた規則を破ってまで雪山のモンスターを殲滅しようとした結果、失敗した。それも有望なハンターを数十名も失うというおまけ付きだ。
ミラボレアスなども含まれる災害指定種の一頭、ラギシトリオンが妨害したと説明したところでギルドやハンターの信頼はある程度回復した。
「ギルド長!今度は火山にてラギシトリオンがいるとの情報です!」
「またかね!?」
しかしラギシトリオンはミラボレアスとは違いどこにでも現れる。そんな災害指定種を放ったらかしにしているギルドは何をやっているんだ。という声もあるのも事実でハンターを数十名も失ったギルドに発言力もなくどうしようもなかった。
「ええい!いつものようにしろ!」
ギルドはラギシトリオンがいる場所を封鎖し、絶対に立ち入らないように細工してその中にハンターを数名行かせると、適当な鉱物を採掘させラギシトリオンがいなくなるまで待機させる。そしていなくなった後にラギシトリオンの鎧の一部と同じ鉱石(マカライト鉱石等)をみせてラギシトリオンを撃退したように見せかせる…これが最近のギルドのやり方だった。
「ですが…もうピッケルの数が足りません。」
これによってピッケルの数が足りなくなるのも事実で最近の商人達もピッケルを過剰に買い、そして高く売りさばく…これによって初心者は涙目だった。
「ならば現地調達をさせるように言え!」
現地調達とは調合によってピッケルを作れという意味である。しかしピッケル系のアイテムは棒状の骨が必要不可欠であり、これまた商人が嗅ぎつけて棒状の骨を買い占めた。ハンター涙目である。
「大変です!」
「今度は何かね!?」
「G級ハンターのマルスとリコが火山からラギシトリオンに襲われたと報告を受けました!」
「あんな採集だけのハンターなんぞほっとけぃっ!」
ラギシトリオンのせいでかなり忙しくなった今、ギルドはとある報告書を見逃していた…
ヤマツカミ目撃情報
塔にて目撃が多数報告され、現在ヤマツカミに刺激を与えぬように慎重に調査中。
ヤマツカミ。そのモンスターはシェンガオレン、ラオシャンロンに続いてオトモアイルーを連れて行けない古龍の一種であり、アイルー族の天敵とも言える存在だ。
しかし見た目は苔がついた球体に顔と蛸のような足がついた生き物でとても古龍には見えない。しかし古龍の概念はどの種族にも属さないモンスターであり、キリンやテオ・テスカトルなどは龍ではなくファンタジー化したアフリカにいそうなイメージの動物の姿だ。
ヤマツカミ古龍らしくない論は置いといて、危険度で言えばラージャンやイビルジョーなどとほぼ同格であり、リオレイア希少種とリオレウス希少種の二頭同時討伐するのと同じくらいの危険度である。
ラージャンもイビルジョーもタフネスであり、ハンターが苦戦するのはこのタフネスさにある。…しかしヤマツカミはその比ではない。ラオシャンロンやシェンガオレンには及ばないが他のモンスターに比べるとかなりタフネスである。その上一撃必殺の技や回避が難しい技を持っている。しかしその一方で攻撃の動作が遅いため、ラージャンやイビルジョーと同格とされているのだ。
もしもラージャンやイビルジョー…とは言わずともリオレイアやリオレウス並に早く動ければラギシトリオン同様に災害指定種となっていただろう。そのくらいヤマツカミの攻撃力は高い。
そんなヤマツカミの情報を置き去りにしてギルドはラギシトリオンの対応やハンターの信頼回復、その他諸々の対処に追われていた。
〜塔〜
「金銀夫婦どもかかってこいやーっ!!」
「「グォーッ!!」」
そんな最中、ラギシトリオンに執着しているマークは塔でリオレイア希少種とリオレウス希少種の二頭狩猟クエストをこなしていた。
何故彼がこんなことをこなしているのかというと、ギルドが出した捕獲命令によるものだ。ギルドはハンター達にラギシトリオンを狩る権利を制限した。その権利はモンスター毎に決められた捕獲した点数を一定以上満たしたら得られるというものだ。もちろん点数は頭振りであり、一人で狩れば点数も稼げるので権利を得るには一番良いのだ。
ザクザクザクッ!!
マークの流れるような太刀が二頭を斬り刻み、尾を切り、翼をも破壊する。
「てめえらは大人しく俺の糧になってればいいんだよっ!」
流石に二頭はマークの激しい攻撃から少しでも離れようと空を飛ぶ。そしてある程度上空に浮かんだところで二頭がブレスを吐こうときた。
「このアホー鳥が!空飛んでいるんじゃねぇぇぇっ!」
しかしマークは閃光玉を投げ、空を飛んでいた二頭を墜落させ、飛んでいる間に用意しておいたシビレ罠と落とし穴に二頭が嵌った。
「これで終わりだっ!」
そして捕獲用麻酔玉を二頭に投げる。すると二頭は眠りについた。
「手間かけさせやがって…このバカ竜どもが…!」
ゲシッ!
マークが試しに蹴りを入れても何一つ反応がないことから捕獲されたとわかる。
「これで後はラギシトリオンの情報を待つだけだ。…ん?」
そしてマークは見てしまった。空高く浮かぶ緑の城を…
「随分面白そうな城じゃねえか…」
好奇心旺盛なマークは口元に笑みを浮かべ、その城の向かう先…塔の内部へと向かっていった。
最初は主人公だけの視点で投稿するつもりでしたが文字数があまりにも少なく、どう繋げるか散々迷って3ヶ月も遅れました…すみません。