ピカチュウのヒーローアカデミア   作:でかすぎ史郎

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15話 轍

「ん?あれは!轍だ!」

 

 上鳴はそう叫ぶ。

 そこにはパラドックスポケモン『テツノワダチ』にそっくりな巨大ロボットがいた。

 その大きさは『土震のヌシ』とでも言うべきだろう

 もちろん本物のポケモンというわけではない。

 絢爛崎美々美が制作した結果、たまたま似た姿になっただけだ。

 

「ウィ・ルドン・ファー!」

 

 上鳴にテツノワダチは気づいた。

 そして攻撃の為に『じしん』を行う。

 大地が揺れた。

 

「チッ!『でんじふゆう』!」

 

 間一髪で上鳴は『でんじふゆう』で浮遊し『じしん』を回避する。

 電気タイプである彼にとって地面技は効果抜群である。

 紙耐久の彼がまともに受けたら危なかった。

 

『こちら芦戸!なんか揺れてるけど大丈夫?』

 

『あー、こちら上鳴。堀った穴を通って援軍に来てくれ』

 

『了解!』

 

 小型無線で芦戸が上鳴を心配する。

 そして彼らは合流を果たす。

 

「なにあれ!?象さんだ!」

 

「ああ、それでいて轍みたいだ。それでゴールの前から一向に離れない。一定の距離まで近づくと攻撃をしてくる。片方が釣り出してその隙にゴールとかは出来なさそうだな」

 

「校長先生の妨害を何とかしたと思ったらこれかぁ!」

 

 テツノワダチによってゴール前は『てっぺき』の要塞と化していた。

 

「でも結局はロボットでしょ?私の酸と上鳴の電気でイチコロだよ!」

 

「だな!早速やるか!」

 

 そうして彼らはまたしてもテツノワダチに近づき奇襲をかけた。

 

「喰らえ!」

 

「ピィィカァヂュー!」

 

 芦戸の『アシッドボム』と上鳴の『10まんボルト』!

 しかしテツノワダチには効果がないようだ。

 なぜならコイツは耐酸対電気加工をしてあるからだ。

 

 このテツノワダチは完全に対上鳴、対芦戸用に調整されている。

 

「げぇ!効いてない!」

 

「ウィ・ルドン!」

 

「「うわあああ!!!」」

 

 テツノワダチの『ころがる』!

 彼らは機械に圧し潰されそうになりながらもなんとか逃げる。

 

「どうする!どうする!このままじゃ!赤点だよ!林間合宿いけなくなるよ!」

 

「どうしようか芦戸?」

 

「まさかの打つ手なし!?でもさっきの『あなをほる』とかで地中を通るのはどう?」

 

「いやあの技は奴の『じしん』の影響を受けるから無理だ。奴が地中を探知する機能があればゲームオーバーだ」

 

 特に『あなをほる』最中に直撃すれば『じしん』の効果は倍になる。

 危なすぎる賭けだ。

 

(おそらくアイツは鋼タイプは入ってるよな。電気が効かないから地面タイプ。つまり弱点は格闘タイプ。なら『かわらわり』で何とかするしかないな……………なんとか『ボルテッカー』が使いたいが無効化されてしまう……………いや待てよ!)

 

 上鳴は考える。

 そして一つの答えを導き出した。

 

「芦戸!お前の個性は溶解液を出せるんだよな」

 

「そうだけど………」

 

「酸の濃度を薄く、つまり液体、水のみを分泌することはできるか?」

 

「出来るよ」

 

「じゃあアイツを『みずびたし』にするんだ!」

 

 上鳴の策はこうだ。

 まず芦戸がテツノワダチを『みずびたし』にして相手を水タイプ、つまり電気技が弱点の状態にする。

 そこに上鳴が『ボルテッカー』を撃ちこみ弱点を突いて倒すという案だ。

 

「なるほど!水に濡らして通電しやすくするんだね」

 

 芦戸は自分流にポケモン世界の法則を理解する。

 こうして作戦は実行に移される。

 

「ピカァ!『かわらわり』」

 

「喰らえ!『みずてっぽう』」

 

「ウィ!」

 

 上鳴の『かわらわり』と芦戸の『みずてっぽう』、効果は抜群だ!

 テツノワダチは怯む。

 

「さあ今だ!」

 

「エイ!『みずびたし』!」

 

 芦戸は酸性を極限まで薄めた液体を放つ。そして『かわらわり』で出来た亀裂に水が入り込む。

 つまり『みずびたし』状態になった。

 

「よし!行くぞ!『ボルテッカー』!ピカピカピカピカァ!」

 

 黄色い電光が迸る。そしてテツノワダチを飲み込んだ。

 爆発音が轟いた。

 

「やったぁ!倒した!」

 

 芦戸はそう言って喜ぶ。

 上鳴達の周りにはテツノワダチだった物の残骸が飛び散っている。

 つまり勝利したのだ。

 

「ふぃぃぃ!なんとかな!」

 

「じゃあ後はゴールをくぐるだけ「いや待て!」

 

 上鳴は芦戸に待ったをかけた。

 

「どしたの上鳴?」

 

「高得点狙おうぜ」

 

 高得点、つまりハンドカフスで先生を確保することだ。

 逃げるだけでも悪くはないが目指すは高得点だ。

 

「でもそれで探してるうちに時間が切れたら本末転倒だよ!」

 

「だから芦戸はゴール前で待機していてくれ。俺が捜索する。時間までに見つからなかったらゴールをくぐれ」

 

「なーる、理解!」

 

 芦戸は理解する。

 それを見たピカチュウは俯瞰して戦場全体を見る為に『ロケットずつき』で飛びあがった。

 

(個性的に根津校長は建物をどうこうする力はない。故に使ったのは…………重機だ。つまり重機があるエリアにいるはず……………………いた!)

 

「これは見つかった気がするのさ!」

 

 そう言って根津校長は重機から降りて逃げ出す。

 上鳴は逃がすまいと『こうそくいどう』+『でんこうせっか』で根津校長を追う。

 

 根津校長は元が鼠、それなりに速いが上鳴は更に速い。しかも根津校長は重りをつけている。

 直ぐに追いつく。

 そして……………

 

「降参さ」

 

『報告!芦戸・上鳴チーム条件達成!』

 

 上鳴はハンドカフスを根津校長にかけて彼らは条件を達成した。

 

(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)

 

「皆!土産話を楽しみしてるぜ!」

 

 期末試験から一夜明けて、翌日。

 教室を開けた上鳴の目に飛び込んできたのは男泣きしている切島と絶望している砂藤だった。

 彼らは唯一、期末試験の演習をクリアできなかった。

 

「まっ、まだ分からないよ!どんでん返しがあるかもしれないよ…!」

 

「緑谷、それは口にしたら無くなるパターンだ…」

 

 緑谷が期待を持たせようとするも瀬呂は静かに首を振り否定する。

 実の所、瀬呂も試験開始早々にミッドナイトの眠り香を受けて爆睡。峰田の機転のおかげでクリアできたものの、彼はクリアに何も貢献してないのである。

 

「ピカァ、まあ頑張れよ」

 

 上鳴は「合宿にもいかずに一緒に残ってやるよ」とは言わない。

 彼は林間合宿に行きたいのである

 

「しかし切島がいないと爆豪のお世話は誰がするんだろうな?」

 

「あぁ?なんつった電気鼠ぃ!」

 

 上鳴はナチュラルに爆豪を煽る。

 爆豪はキレた。

 

「まあ冗談はともかく、ドンマイ」

 

「クソッ!俺らも合宿いきたかったぜ!」

 

 そうして切島と砂藤は落ち込み陰の気を放つ。

 まあ敗者に情けなど不要だ。

 そして相澤先生が入って来た。

 

「予鈴が鳴ったら席につけ!おはよう、今回の期末テストだが…残念ながら赤点が出た。したがって………

 林間合宿は全員行きます」

 

「「どんでんがえしだぁ!」」

 

 切島と砂糖は見たこともない表情をし喜びを露わにする。

 

「筆記の方はゼロ。実技で切島・砂藤・瀬呂が赤点だ」

 

 結局、今回赤点になったのはそもそもクリアできなかった切島・砂藤・そしてペアとしてはクリアできたが勝利に貢献できなかった瀬呂の3人だ。

 

「赤点を取ったら補修地獄とおっしゃってたのは………」

 

「追い込むためさ。そもそも、この林間合宿は強化合宿だ。赤点を取った奴ほど力をつけてもらわなきゃならん。合理的虚偽って奴だ」

 

 尾白の質問に相澤は答える。どうやら今回も嘘だったようだ。

 

「だが全部が嘘だったわけじゃない。赤点者には別途に補習時間を設けてある。学校の補習よりきついから覚悟しろよ」

 

 最後の相澤の言葉に赤点軍団の顔が曇る。

 彼らが地獄を見るのは確定はしている。

 

「まぁ、何はともあれ全員で行けてよかったな」

 

 1日の授業が終わり帰り支度を整えている上鳴がそう言う。その意見に多くのクラスメイトが同意するようにうなずく。

 

「一週間の強化合宿か」

 

「けっこうな大荷物になるね」

 

「暗視ゴーグルとピッキング用品と小型ドリルが必要だな」

 

 峰田の言う暗視ゴーグルとピッキング用品と小型ドリルを何に使うのかは置いといて、一週間分の着替えやタオルなど持っていくものは数多い。

 

「あ、じゃあさ!明日休みだしテスト明けだし、A組みんなで買い物行こうよ!」

 

「おお良い!何気にそういうの初じゃね?」

 

「わーい、行く行く!」

 

「ピカァ♡楽しみだぜ!」

 

(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)

 

「ってな感じでやってきました!県内最多店舗数を誇るナウでヤングな最先端!木椰区ショッピングモール!」

 

 翌日、待ち合わせの場所には普段着のA組の面々が集まっていた。

 休日ということもありショッピングモールには子連れからカップルまで大勢の老若男女が買い物を楽しんでいる。

 

「普段着の女子、じゅるり………そそりますなぁ」

 

「峰田ちゃん最低ね」

 

「というか上鳴、その服装は何だ?」

 

「いや変装」

 

 上鳴は御着替えピカチュウの『ドクター・ピカチュウ』の服装をしている。

 なぜならばリューキュウの事務所に職場体験した時に大勢に囲まれたからだ。

 これがショッピングモールで起こるのならクラスメイトに迷惑をかけてしまうという配慮から彼は変装をしている。

 

「これはこれで可愛いな」

 

「照れるぜ」

 

 そう言って上鳴は耳郎に褒められた。

 そして彼女の肩の上に乗った。

 

「僕はウェイトリストちょっと重めの欲しいんだけど」

 

「私は虫よけ」

 

「ウチ、大きめのキャリーバッグ買わなきゃ」

 

「ピカ?俺も一緒に行くぜ耳郎」

 

「目的がばらけてるから時間決めて自由行動すっか!」

 

 切島の提案によって生徒達は自由行動をすることになった。

 上鳴は耳郎と供にキャリーバッグを買いに行った。

 

「そういや上鳴ってキャリーバッグとか持てなくない体型的に?」

 

「だな、俺は全部オーダーメイドだ。だから後で家族と共に用意する」

 

 上鳴はピカチュウなので小さい。

 故に全部の服やキャリーバッグなどは全てオーダーメイドだ。

 

「うへぇ~、小さすぎるのはそれはそれで大変ね。日常生活が大変そう」

 

「悪い事じゃないんだぜ。例えば電車に乗る時とかはいっつも網棚の上だ。だから満員電車とか関係ない」

 

「フフ、なにそれ」

 

 耳郎は笑う。

 そうやって彼らはたわいのない時間を過ごす。

 そして耳郎はキャリーバッグを入手した。

 

「あのさ、上鳴。ぶっちゃけウチのことどう思ってる?」

 

「どうって?」

 

「いや印象を聞いてんの」

 

「それは「大変ですわ!耳郎さん!上鳴さん!ショッピングモール内にヴィラン連合が現れましたわ!麗日さんが通報を致してます。」

 

 上鳴が答えは八百万が話しかけて中断される。

 その後は緑谷が死柄木と遭遇したことでショッピングモールは封鎖されて買い物イベントが中断されて終わった。

 結局答えは聞けず終いだ。




・テツノワダチの技構成
『じしん』『アイアンヘッド』
『ころがる』『こうそくスピン』

 推定レベルは49。
 上鳴チュウはパルデア地方には行ったことがないのでテツノワダチの存在は知りません。

・もしも上鳴チュウが演習試験で他の教員と戦ったのなら。
VSオールマイト
パンチの風圧で電気技は無効、フィジカルも格上なので勝てない。

VSイレイザーヘッド
異形型なので個性を消せずに相性有利。

VSミッドナイト
遠距離から『10まんボルト』でひたすらに攻撃して勝利。

VSプレゼント・マイク
超遠距離のヴォイスを持っているので厄介。
原作の口田みたいに音が伝わりにくい地中を『あなをほる』で攻撃すればいける。

VSセメントス
セメントスの個性が地面技か岩技かで判定が変わる。
地面技なら負け。岩技なら『アイアンテール』で相性有利をつけるし機動力で翻弄出来て勝ち。

VSエクトプラズム
いくら分身が出ようと『ほうでん』の範囲攻撃で倒せる。

VSパワーローダー
地面を掘ってトラップをしかけるも『でんじふゆう』で無効化。
試験にならない。

VS13号
電気も吸い込まれるけど近づけば勝ち。


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