個性把握テスト翌日。
意外にも普通の授業が始まった。
プレゼントマイクの英語の授業が普通に始まり普通に終わった。
お昼もクックヒーロー、ランチラッシュの料理の普通に美味しい料理を普通に頂いた。
ちなみに上鳴の昼食は卵とケチャップのサンドイッチである。
当たり前のことだが上のパンはちゃんと乗っている。
だが普通なのはここまでだ。
午後の授業はヒーロー基礎学が始まった。
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!!」
1‐Aの教室に入って来たのは最強無敵のNo.1ヒーローにして平和の象徴、オールマイトだ。
その圧倒的なオーラはまさしく本物。
そんな彼の登場にクラスは大盛り上がり。
「オールマイトだ!本当に先生やってるんだな…」
「
「画風が違い過ぎて鳥肌が」
オールマイトはそんな彼らが鎮まるまで待ってからタブレットを生徒達に見せる。そこにはBATTLEと書いてあった。
「ヒーロー基礎学、ヒーローの素地を作る為に様々な訓練を行う課目だ!早速だが今日は戦闘訓練!」
その言葉に全員の胸が高鳴る。
オールマイトがそう言うと教室の左壁から何かが入ったボックスが出て来た。そして彼はそれを指さす。
「そしてそいつに伴い、要望と個性届に沿って誂えた
「おおお!」
「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!」
「はーい!」
オールマイトの言葉に全員がうなずきコスチュームに着替える。
入試でも使われたグラウンド・βへと集合した生徒達の見た目は本物のヒーローのようだ。
「似合ってるじゃん」
「そっちもね」
上鳴と耳郎はお互いのコスチュームを褒めあう。
ちなみに彼の衣装はマスクド・ピカチュウである。
持ち物は電気技の威力を上げる『じしゃく』を持っている。なおこの衣装を作ったサポート会社にはポケモン知識がない為、なぜ彼が意味もなく磁石を装備しようとしているのかと困惑したそうな。
「ブーツについてるのはスピーカーか?」
「そ、プラグを挿して爆音の指向性を操作できるってわけ」
「なるほど」
そうして互いのコスチューム談義は盛り上がる。それはオールマイトが来るまで続いた。
「さあ始めようか
オールマイトが到着して早速、カンペを読みながら説明を行う。
前提として凶悪ヴィラン出現率は多いのでそれを想定して屋内戦を行うとのことだった。
ルールは以下の通り。
①ヴィラン組とヒーロー組に分かれてビル内で2対2の屋内戦を行う。
②状況設定はヴィランがアジトに核兵器を隠していている。
③ヒーローは制限時間内に核兵器を確保するかヴィランを捕まえれば勝ち。
④ヴィランは制限時間内に核兵器を守護するかヒーローを捕まえれば勝ち。
⑤チーム決めは公平にくじ引き。
⑥ヴィランチームには5分間の準備時間が与えられる。
である。
そして生徒達はくじを引いていく。
「………Gだ」
「ウチと同じじゃん」
上鳴は運よく耳郎とコンビを組むことになった。
互いの個性もコスチュームの機能などをよく知っているので出来れば敵対して欲しかったと彼が思っているのは秘密だ。
そしてコンビが決まったのを見てオールマイトは対戦カードを決める箱から番号を引き当てる。
「よし!まずはAチームがヒーロー、Dチームがヴィランだ。それ以外の皆はモニタールームに行こう」
第1回戦:Aチーム緑谷&麗日VSDチーム爆豪&飯田
結果はAチームの勝利。
緑谷と爆豪が戦っている間に、麗日が核兵器に接近し飯田がそれを防衛。
だが緑谷が『すてみ』で麗日を援護を行う。
それにより麗日が意表を突くことに成功し核兵器を確保したのだ。
第2回戦:Bチーム轟&障子vsIチーム尾白&葉隠
結果はBチームの勝利。
推薦入学者の轟がビルごと相手を『こおり』状態にし核兵器を確保するという圧倒的なものであった。
「よし3回戦はGチームがヒーロー、Cチームがヴィランだ」
「Gチームってウチらじゃん」
「だな、作戦たてようぜ」
第3回戦:Gチーム上鳴&耳郎vsCチーム八百万&峰田*1
八百万&峰田は5分間の準備時間でビル内の守りを固める。
一方の上鳴&耳郎は作戦会議をしていた。
「確か八百万は2回戦目の轟と同じ推薦入学者で個性把握テストでは1位を取っていた人だよね。やばそうだね」
「でも簡単に負けてやるつもりはない。アイツらの個性知ってるか耳郎?」
「八百万はバイクとか万力とか色々な物を作り出してたよね。だからたぶん創造の個性かな?峰田は紫色の玉を出していたことしか印象にない」
「おそらくは紫色の玉は自分が触れると跳ねてそれ以外だとくっつく個性だ」
上鳴は興味本位で個性把握テスト時に生徒達の様子を観察していた。
峰田が反復横跳びの種目で個性を使っていたことをよく覚えている。
「じゃあ紫色のものには触れないほうがいいね」
「それに創造も厄介だ。取れる選択肢も多すぎる。トラップが仕掛けられてるかもしれない」
「じゃあさブレーカーを落として奇襲するってのはどう?」
耳郎の策はこうだ。
まずブレーカーを落として照明を無効化。その隙に電光で光源を作れる上鳴と音で感知できる自分で有利を取っての奇襲だ。
「いや相手には八百万がいる。ライトや暗視ゴーグルが作られるかもしれないな…」
「……………流石は推薦入学者、対応力がダンチだね」
そうして作戦会議は盛り上がる。
(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)
訓練開始の時刻になった。
耳郎は上鳴と共にビルの中に入り個性で索敵を始める。
「ビルの最上階で2人とも待ってるね。おそらく穴熊作戦かな?」
「予想通りだな。作戦通り…正面突破といくか」
作戦はゴリ押しだ。
ぶっちゃけ八百万が万能すぎてなにやっても無効化されてしまう。
ならばスペックで押し切った方が良いという判断だ。
「鉄製のバリケードに……….トラップかっ!」
上鳴はバリケードを壊しながらトラップを避ける。
核兵器に至るまでの道、そこには大量の足止めバリケードとトラップがあった。
そうして時間をかけながら2人は仕掛けを壊していく。
「いた!壁の向こうにいる。心音が上がった。たぶん警戒している」
「オッケー『アイアンテール』!」
そうして最後の壁を壊した。その瞬間だった。
紫色の玉と網が降り注いだ。
「おっと!」
上鳴はそれを『こうそくいどう』で躱す。
彼の目の前にはシートを羽織りゴーグルを額にかけた八百万&峰田がいる。
「くそっ!上鳴のやつ、
「当たらなくても大丈夫ですわ峰田さん!既にトラップとバリケードで十分に時間は稼ぎました。時間は残り1分。近づけさせないだけで私達の勝利は確実」
八百万は網を個性で創造しながらそう言う。
彼女の作戦は、兵器の道までにバリケードやトラップを仕掛けまくり時間切れまで粘るだ。
この戦闘訓練において彼女を突破する難易度は轟に匹敵するだろう。
「玉には玉だ喰らえ『エレキボール』!」
「効きませんわ」
上鳴の『エレキボール』。
八百万達には効果がないようだ…
「それは絶縁シートか」
「へへへ!電気は対策済みだぜ!」
絶縁シートに包まった峰田は『たまなげ』をする。
彼は個性把握テスト時に聞いていた。
耳郎の「
それにピカチュウは見た目からして明らかに電気を使いそうだ。
なので対策はバッチリだ。
「くっ!」
絶縁シートのせいで電気技は効かない。『アイアンテール』をぶちかまそうにも弾幕が激しすぎて近づけない。そして時間はない。
このまま押し切れるとヴィランチーム側は思っているだろう。
だが上鳴はそう思っていない。
電気がメタられることも、近距離戦に持ち込めないことも想定済みだ。
そのために用意しておいた『とっておき』があるのだ。
「ピッカァ♡」
上鳴は『チャームボイス』を発する。魅惑の鳴き声で相手に精神的なダメージを与える。
ピカチュウはタマゴ技で『チャームボイス』を覚えることが出来る。
ちなみに遺伝経路は彼の父親である
「グッ!テメェ!テメェ!可愛い子ぶって女子からの人気を得る気だなぁ!」
峰田は悪タイプ*2なので
彼は血涙を流して苦しんでいる。八百万はドン引きだ。
そしてその隙を見逃さない女がいる。
峰田の体にプラグが挿しこまれた。
「あぎゃぎゃぎゃぎゃ!」
「峰田さん!?」
峰田は突然の攻撃を受けて気絶する。
耳郎の仕業だ。彼女は戦いが起きている部屋の向こうからプラグを伸ばして奇襲をしたのだ。
彼らの作戦は上鳴でごちゃらせてから耳郎の奇襲である。彼女のイヤホンジャックは正確さと不意打ちの凶悪コンボが強みだ。
「さ、これで八百万1人。残り30秒。時間もないから迅速に倒さないとね」
「クッ!」
耳郎はラストスパートをかける為に前に出てくる。
彼女は個性把握テストで個性を碌に活躍できなかった。だがそれは裏を返せば個性が隠匿されているということでもある。そして上鳴も健在。
これは誰がどう見ても情勢は明らかだろう。
だが八百万は諦めない。彼女は手元にあるスイッチを起動する。
瞬間、部屋の照明が切れた。辺りは真っ暗になる。
事前に照明のリモコンを創造していたのだ。
「ピカッ!?」
「上鳴、電気で明かりを!」
「遅いですわ!」
一瞬の隙を突き八百万は絶縁シートで上鳴を包み込む。そして絶縁シートと峰田が残したもぎもぎにつける。これで完全に拘束できた。
そして彼女は暗視ゴーグルをかける。対して耳郎は暗闇で視界が封じられている。
暗所での有利を活かした襲撃、奇しくも耳郎が提案した作戦そのものだ。
だがそれは打ち破られることになる。『ちょうおんぱ』が八百万を襲った。
耳郎がサポートアイテムのブーツから音を出したのだ。そして彼女は視界が封じられても音で探知が出来る。
八百万が『こんらん』している間に『早業』で八百万&峰田に確保テープを巻きつける。
「ヒーローチームWIN!」
それをカメラ越しに見た*3オールマイトのアナウンスがビル内に響き渡る。
ヒーローチーム、つまりは上鳴&耳郎の勝利である。
(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)
「八百万の個性チートかよと思ったけどそれに勝ちやがった!スゲェぜ!」
「ケロ、峰田ちゃんに血涙を流させた技はなんなのかしら?電気・尻尾の硬化・俊敏な動きとも違うようだったけど」
「残り時間25秒、ギリギリの戦いだったね!」
生徒達は口々に戦いの感想を述べる。
今回の戦いは第2回戦とは違い非常に白熱したものだった。
「上鳴ぃ!そのあざとい声なんなんだよぉ!オイラにも教えろよぉ!」
「ピ、ピカァ…」
「上鳴さん、耳郎さん。私達の完敗ですわ」
「いやいやウチの個性が割れてない読みで勝ったようなもんだし。イヤーマフとか作られてたら勝負は分からなかったよ」
耳郎の言う通りだ。それほどまでに創造の個性は万能。
「今回のベストは八百万少女だな!」
そう言ってオールマイトは講評を語る。
耳郎が言ったように今回は個性が露呈してない読みが当たったからこその勝利である。
そしてヒーロー側はトラップやバリケードなどを正面から突破するなどほぼ無策だったのに対して、ヴィラン側は暗所での奇襲など策を弄していた。
特に八百万がもぎもぎを利用して上鳴を拘束するまでの流れは見事である。
次に峰田。もぎもぎで牽制をしたのは良かったがイヤホンジャックに気づく注意力が足りない。
相手が1人しかいないのだからもう1人の存在にも注意を払うべきだ。
最後に上鳴&耳郎。見事な動きだったが彼らは奇策で形成を逆転されてしまった。
ヒーローならば最後までどんな状況でも対応しなければならない。
「――といった感じかな。両チーム共、素晴らしい戦いだった!」
オールマイトはそう言って締めくくった。
その後、全ての訓練が終わりオールマイトは緑谷に講評を聞かせると言ってその場を後にしてヒーロー基礎学の授業は終わった。
(俺の腕も訛ったな。照明を消された程度で隙を作ってしまうとは)
放課後、体育館γに上鳴はいた。
トラップによる消耗と時間制限で焦っていていたとはいえ、彼は八百万に簡単に拘束されてしまった。
歴戦のポケモンにあるまじき失態。
故に鍛え直す為に自主練をしていた。
「なにしてんのよ上鳴」
「おお耳郎じゃないか。いや鍛錬をしているだけだ」
「ウチも混ぜなよ」
「ピカ?」
「1人で練習するより2人でやった方がいいでしょ」
「……………ありがとよ」
そうして彼らは
(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)ピカチュウの技
『エレキボール』『チャームボイス』
『アイアンテール』『こうそくいどう』
素早さを上げて高火力を出すコンボを狙っての『こうそくいどう』と『エレキボール』。
バリケードを壊す為の『アイアンテール』。
電気を対策され敵に近づけない時の最終手段としての遠距離攻撃『チャームボイス』。
因みに今回のサブタイトルはオールマイトの有精卵発言とタマゴ技をかけています。
職場体験どうする?
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ポケモン世界からの刺客と戦う
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