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戦闘訓練から数日後。
学級委員長を決めたりマスコミにセキュリティ3が突破されたりなど色々とあった。
ちなみに上鳴は学級委員長投票は自分に入れた。
かつて彼は人に率いられる
まあなんやかんやあって委員長は飯田になったが。
そうして、いつものヒーロー基礎学の時間になった。
「今日はレスキュー訓練だ。今回コスチュームの着用は各自の判断出構わない。中には活動を限定するものもあるだろうからな。それと訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく」
そう言うと相澤は教室を後にする。残った生徒達も素早く身支度を整えてバスへと向かうのだった。
「か、上鳴くん」
「ピッカ?」
「えっ、えっと………戦闘訓練の映像を見たんだけど凄かったね。立ち回りというか体の動かし方」
上鳴はバスで偶々隣になった緑谷から声をかけられた。
なんだかんだで話してない珍しいコンビだ。
「ありがとな。だけど最後には拘束されちまった。まだまだ精進が必要だぜ」
「それでもやっぱり凄いよ。僕なんか個性を扱いきれてないし。タマゴが爆発しないような感覚で調整していきたいんだけどどうしても難しくて」
緑谷の顔は暗くなる。
彼は個性把握テスト・戦闘訓練の全てで反動ダメージを負っている。
「まあ気にすんな。反動技も悪くはないと思うぜ。それに俺も似たような
上鳴はかつてポケモンであったので反動技に理解がある。
現に『ウェーブタックル』『すてみタックル』『フレアドライブ』『ブレイブバード』などの反動技は対戦でもよく使われていたことがある。
「切り札!?そんなものまで」
「あの0P仮想敵を倒した技?」
会話に耳郎も参加する。
彼女は『ボルテッカー』を間近で見ている。
「な!あれを倒したのは緑谷くんだけじゃないのか!?」
「緑谷、お前あれを倒したのか。やるなぁ」
「で、でも相討ちだったしそこまでじゃないよ」
飯田の指摘に緑谷はそう言って謙遜する。
彼らの会話を皮切りにクラスの雰囲気が弛緩していく。
「でも増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来ることが多い。俺の硬化は対人じゃ強ぇけどいかんせん地味なんだよなー」
「僕は凄くかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する個性だよ」
自分の個性にネガティブなコメントをする切島へ緑谷がフォローを入れる。
「でも電気が放てて硬化出来る奴がいるしなぁ…」
「俺の尻尾も被り気味だしその気持ちわかるぜ」
「ピカァ?でも俺が硬化できるのは尻尾だけだし尾白の尻尾よりもリーチは短い。なんだかんだで被らないと思うぜ」
上鳴はネガティブブラザーズこと切島と尾白をフォローする。
「というか上鳴は何の個性なんだ?」
「電気鼠だ」
「なんでそれで尻尾が硬化するんだ?」
「それウチも気になる。戦闘訓練では音で攻撃してたし多彩すぎでしょ」
「ケロ、まるで個性が複数あるみたい」
上鳴は生徒達からの質問攻めに窮する。「ポケモンです」と言っても、この世界にはポケモンがないので通じないだろう。
「まあ個性は世代経るごとに複雑に混ざり合うとか言うし………」
「そうだね☆こういうことも徐々に普通になっていくはずさ。つまりキラメキは止めらないってことさ☆」
青山が珍しくフォローを入れる。
ヴィランとの内通者である彼は個性が複数持ちの存在、AFOを知っている。なので個性が複数あるように見える上鳴のことを同じAFOの手先だと思いフォローを入れたのだ。
「キラメキ…つまり派手で強いつったらやっぱ爆豪と轟と上鳴だな」
「ケッ」
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気でなさそ」
「んだとコラ!出すわ!」
「ホラ」
蛙吹の指摘に爆豪は逆切れをする。この調子だと人気は出なそうだ。
「まあ俺は個性も派手で見た目も可愛いからな。爆豪よりは人気出る自信がある」
「黙れ!鼠!」
上鳴からの追撃で爆豪の『いかり』のボルテージはさらに上がる。
実際にピカチュウは世界三大ネズミ*1に数えられるほどに人気である。
ポケモンが無いヒロアカ世界であっても、そのビジュアルから人気は出るだろう。
「もう着くぞ!いい加減にしとけよ…」
「はい!」
相澤からの指摘により車内は静まり返る。
そうして時間は経ちA組は人命救助訓練の会場、嘘の災害や事故ルームUSJへと到着した。
そこにはスペースヒーロー13号がいた。
「13号、オールマイトは?ここで待ち合わせるはずだが」
「それが制限ギリギリまで活動してしまったみたいで仮眠室で休んでます」
「不合理の極みだなオイ。……………仕方ない始めるか」
相澤と13号はゴニョニョのように話し合ってから授業を始めると宣言する。
イントロダクションとして13号は素晴らしいスピーチをする。
それが終わった時、突如として何者かが現れた。
「ピカ?」
元野生の直感で上鳴は感知をする。
縄張りを侵す存在のことを。
反射的に噴水のある中央広場を見る。
そこには黒い靄から出てくる謎の集団がいた。
相澤や13号は長年の勘でそれに気づいた。
「ひとかたまりになって動くな!」
「え?」
「なんだありゃ?また入試みたいなもう始まってんぞパターン?」
奇しくも命と安全の為の訓練時間に奴らは現れた。
命と安全を奪う存在、それこそが……………
「ヴィランだ!」
相澤はゴーグルを装着し鬼気迫る声を発する。
その声は生徒達はいつもと違うと思わせるには十分だった。
「ヴィラン!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてバカすぎるだろ!」
「侵入者用センサーを無効化し隔離空間で少人数がいる時間割を襲う。バカだがアホじゃねぇ。用意周到に画策された奇襲だ」
轟はそう言って現れた集団を評価する。
「13号!お前は生徒を避難させろ!俺が喰いとめる」
相澤は指示を下し臨戦態勢に入る。つまりヒーロー、イレイザーヘッドとして動き出すということだ。
「待ってください。イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……………」
「一芸だけではヒーローは務まらん」
緑谷の言葉を遮りイレイザーヘッドは飛び出しヴィランと交戦を開始する。
そして彼は圧倒的な実力でヴィラン達を掃討する。
「みなさん速くこちらへ!」
「させませんよ」
13号が避難させようとした矢先、生徒達の前に現れたのは黒い靄のヴィラン、黒霧であった。
「初めまして我々は敵連合。我々の目的は平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして」
一気に緊張度が上がる。それすなわち彼らには何らかの勝算があるということだからだ。
「しかしオールマイトはいらっしゃらない様子。まあそれとは関係なく私の役目は」
「死ねぇ!」
爆豪と切島は敵意を感じ取りいちはやく爆発と殴打で攻撃を行う。
だが黒霧はそれをワープの個性で躱した。
「危ない危ない。生徒といえど優秀な金の卵。私の役目はそんな彼らを
散らして嬲り殺す」
その言葉と同時に生徒達に黒い靄が襲い掛かる。
そして上鳴も靄に包み込まれてしまった。
「なんだここは?」
ここはUSJの山岳ゾーン。だがそれに答えるものはいない。
なぜならば………
「来たぞ!ガキンチョ共だ!」
「グヘヘ、1人良い体してる奴がいるじゃないか」
「きゃわいい黄色鼠ちゃんもいいな。剥製にしたらマニアに高く売れそうだ」
周りにいるのはヴィランだからだ。
既に上鳴・耳郎・八百万は包囲されている。
「ピィーカァー………チュウウウウウ!」
上鳴はに『10まんボルト』をヴィラン達に放つ。『エレキボール』はいちいち『こうそくいどう』を積まなければ本領を発揮できず使い辛いので技を取り換えた。
「電気系なら俺に任せろ」
そう言ってスカルマスクのヴィランが向かってくる。
だが無駄だ。上鳴の個性はそれだけではない。
「『アイアンテール』!」
「ぐふっ!」
鋼の尾がスカルマスクに襲いかかる。紙屑のように簡単に吹き飛び瀕死になる。
スカルマスクは電気系の個性持ち、つまりは電気タイプなわけで鋼技は半減だがレベルが違いすぎた。
「さ、やるぞ2人とも」
後は消化試合だ。
八百万も耳郎も並のヴィランより強い。
あっという間に掃討は完了した。
「終わりましたわね」
「あっけないほどにね」
「こいつらは捨て駒だな。本命は中央にいる奴らだ。俺は援軍に行く。2人はどうする?」
「もちろん」
「ヒーロー志望として戦いますわ」
そうして彼らは中央広場へと向かった。そこではイレイザーヘッドと死柄木が戦闘を行っていた。
「その個性じゃ集団との長期決戦は向いてなくないか?それでも真正面から飛び込んできたのは生徒に安心を与える為か?かっこいいなぁ」
死柄木の指摘は正しい。現にイレイザーヘッドは死柄木に肘を崩され追い詰められている。
だが絶望はそれだけではない。
「ところでヒーロー、本命は俺じゃない」
そう言った瞬間、脳みそが丸出しで筋骨隆々のヴィラン脳無が起動する。
そしてその拳はイレイザーヘッドに炸裂しようとしていた。
回避は不可能、絶体絶命だ。
「ピーカー!チュ!」
電光が迸る。上鳴が『10まんボルト』で脳無を攻撃し拳による攻撃を抑止したのだ。。
超常以前の人間は42V、通称死に(42)ボルトで感電死する危険がある。その2000倍以上の電圧が襲い掛かった。
しかし相手は上位個体の脳無、少し動きを止めた程度で全く応える様子はない。
「いい動きをするなぁ………脳無やれ」
死柄木がそう言うと脳無は指示に従い上鳴を殺そうとするが、またしても横槍が入る。
「やめろぉ!SMASH!」
緑谷がOFAを使って初めて反動のないパンチを繰り出して脳無を吹き飛ばす。
既にイレイザーヘッドによって個性は消されている。ショック吸収も超再生もない。
「チッ!どいつもこいつも」
「サンキュー緑谷!お礼に切り札見せてやるぜ!『ボルテッカー』を!」
上鳴は電圧を最大まで高める、そして『でんこうせっか』の勢いで突っ込んだ。
「個性が無しだと分が悪いな。脳無!攻撃を避「させないよ!」
死柄木の声が音で掻き消された。耳郎の仕業だ。
「喰らえ!」
脳無は死柄木の「避けろ」という指示が聞けずパンチによる迎撃を選択する。
個性が使えない状態の脳無であってもオールマイト並のパワーはある。
未熟かつ『でんきだま』がないピカチュウ程度の『ボルテッカー』では競り負けてしまうだろう。
だがイレイザーヘッドの捕縛布・八百万が創り出した網・耳郎の『ちょうおんぱ』・峰田のもぎもぎ・蛙吹の舌で脳無の動きを妨害しているならば話は別だ。
「ピィィィガァァァヂュー!!!!!」
激突によって生じた爆裂がUSJを貫いた
「……………まさか対オールマイト用の切り札がここまで痛めつけられるとはな」
脳無の片腕は歪んだ粘土細工のように折れている。
一方の上鳴も反動ダメージが大きい。今の状況では『ボルテッカー』は放てないだろう。
「イレイザーヘッドのせいでせっかくの複数個性が形無しだ。脳無、鼠小僧の攻撃は極力避けながら相手しろ」
状況は最悪だ。このままではオールマイト並のパワーで全員すり潰されてしまうだろう。
その時、死柄木の隣に13号を倒した黒霧が現れた。
「死柄木弔。生徒1名に逃げられました。おそらく直ぐにでも援軍が来ます。退避を」
「はー、はぁ~。黒霧、おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ。流石に何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ。脳無、せめてそこの鼠小僧だけは殺して帰るぞ」
死柄木が黒霧の報告を受けて指示を出す。
脳無は無事な方の腕で襲いかかるも失敗する。
なぜかというと。
「私が来た!」
「ピカ………オールマイト」
「遅くなってすまない上鳴少年」
「チッ!黒霧!逃げるぞ!脳無は足止めだ!」
オールマイトが現れてからの展開は一方的だった。
ショック吸収も超再生も無効化されている脳無ではオールマイトに敵わず簡単に敗北。
死柄木と黒霧は命からがら取り逃がすという結果で終わった。
「なんてこった…」
「これだけ派手に侵入して逃げられちゃうなんて…」
「それより今は生徒らの安否さ」
警察や他のヒーロー達も続々と駆けつけ生徒達の無事は確認される。
怪我人は13号と上鳴だけであった。つまり正史よりも遥かに少ない負傷者で終わったということだ。
事件はこれにて一件落着と相成った。
「ってぇ…両腕折られた、脳無もやられた、手下共は瞬殺だ、子供も強かった、平和の象徴は健在だった。話が違うぞ先生………」
薄暗いバーの中、真っ暗なモニターから声が響く。
事件の首謀者である死柄木は重傷を負い敗走していた。
「違わないよ。ただ見通しが甘かったね」
「ワシと先生の共作、脳無は?回収してないのかい?」
「回収する時間は取れませんでした」
「そもそも脳無の性能がクソだ!ただのガキに腕をお釈迦にされたぞ!」
「…………………へぇ。それは誰だい?」
「電気を扱う鼠小僧だ!」
「電気鼠………つまり異形系の個性か。それは興味深い。彼が喜びそうだ」
悪の魔王はニヤリと微笑む。
光が強ければ闇もまた強くなるように。
正義が強ければ悪も栄えるのは道理である。
だがそれが表に出てくるのはまだ先の話である。
(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)ピカチュウの技
『10まんボルト』『ボルテッカー』
『アイアンテール』『こうそくいどう』
『エレキボール』は使い勝手が悪すぎたので『10まんボルト』が再登板。
緑谷に切り札を見せたかったので『ボルテッカー』を採用。
原作の上鳴は個性で電波を飛ばせたり130万Vを使えてたりと、電気の扱いならあちらの方が上っぽい描写が多々ある。
職場体験どうする?
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ポケモン世界からの刺客と戦う
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ステインと戦う
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どっちもやろう