「今回の体育祭、両者トップクラスの成績!まさしく両雄並び立ち今!
緑谷vs轟!スタートォォォ!」
緑谷VS轟。
オールマイトとエンデヴァーの後継者同士の一騎討ち。
それを上鳴は控室のモニターで見ていた。
(轟が勝つだろうが……………でも緑谷なら)
緑谷は技の全てが反動ダメージが大きくまともに戦えない。
だがそれでも彼なら何かしてくるだろうという確信が上鳴にはあった。
(轟の個性は半冷半燃。冷凍の弱点と燃焼の弱点をカバーしあえる無敵にも思える個性だが…)
上鳴は違和感を抱く。理由は知らないが、轟は個性把握テストでも戦闘訓練でも雄英体育祭でも半冷しか使っていない。
ならば半冷の個性を使えば使うほど体温が下がるという弱点をつけば勝てるかもしれない。
(やはり『ひかりのかべ』は要らなかったか)
上鳴は対飯田戦に向けて『ひかりのかべ』を『ボルテッカー』に『10まんボルト』を『こうそくいどう』変更した。
飯田は物理攻撃しか使わないので特殊攻撃を半減する技は要らないという判断だ。
そして次に戦うであろう轟も
一方の『10まんボルト』は電気枠は『ボルテッカー』があるので消去法で消した。そして穿天氷壁の回避する為に『こうそくいどう』を採用した。
(これなら今の俺でも轟に勝てるかもな)
そう思いながら彼らの戦いを見守る。
「全力でかかって来い!」
緑谷は指を犠牲に轟の氷を防ぎながら叫ぶ。
(こりゃ次の試合とか考えてないな)
リカバリーガールがいるとはいえ緑谷のケガは一回の回復で治る領域ではない。
だが緑谷は止まらない。そして轟の腹に拳を炸裂させる。
どう見てもダメージが大きいのは緑谷だが現に追い詰められているのは轟だ。
「君の力じゃないか!」
緑谷の言葉が轟いた瞬間、轟の左から炎が噴き出した。
そして彼に蓄積していた冷気はキレイさっぱり消える。
轟が憎んだ父の力、母を追い詰めた炎。それを使った。緑谷に勝つために。
「勝ちてぇ癖に敵に塩送るなんて!ふざけてやがる!」
そして最後の衝突が始まる。
OFAと膨冷熱波の衝突。
モニターには音割れした爆音と衝突により生じた煙しか見えない。
「緑谷くん場外!よって勝者は轟くん!」
ミッドナイトの声が響き勝敗が決する。
(アレ、これヤバくね?やっぱ『ひかりのかべ』必要だったじゃん。まあいいか、より強い相手と戦えるってことだし)
想定が外れた上鳴は1人で負けを確信しつつも飯田との戦いへと赴く。
上鳴vs飯田が始まった。
「上鳴くん。スポーツマンシップにのっとった戦いをしよう」
「ああ!」
飯田は前回の試合でまんまと騙されて企業への売り込みに利用されてしまった。
だからこそ今度こそ正々堂々とした戦いを望んでいるのだ。
「早速だが!いかせてもらうぞ!」
そう言って飯田はエンジンで『かそく』し『とっしん』してきた。
上鳴はそれを『あなをほる』でセメントで出来た地中に潜むことで躱す。
(レシプロは使ってこなかったか。こっちの『あなをほる』を警戒してか。ならば!)
上鳴は『あなをほる』、掘って掘りまくる。するとコートは地盤沈下が発生して地形が凸凹になる。
飯田は対地中技を持ってないので何も出来ない。
そして上鳴は地上に出て来た。
「おっとぉ、上鳴!地中を掘ってフィールドを無茶苦茶にしたぁ!これによって飯田の機動力を殺したぁ!」
「なるほど考えたな上鳴くん!」
「さあここからが本番だ!『ボルテッカー』!」
上鳴の体は小さい、故に凹凸があるフィールドであっても小回りが利く。
そしてそのフィールドでは飯田の個性:エンジンはフルで活用できない。
「ならば正面から打ち破るのみ!レシプロバースト!」
飯田のレシプロバーストと上鳴の『ボルテッカー』がぶつかり合う。
速さと重さは飯田の方が上だが威力は上鳴の方が上だ。
「なんちゅう戦いだ!狭いフィールドでぶつかり合っている!」
プレゼントマイクはそう言って驚く。
そして10秒間にも及ぶ、ぶつかり合いに勝利したのは………
「飯田くん場外!上鳴くんの勝利!」
上鳴だ。まともにぶつかれば飯田が速さで翻弄して勝利していただろう。
だが事前に『あなをほる』でフィールドを自分有利にしていた。
それが勝利につながった。
「負けたよ上鳴くん」
「そっちも強かったぜ」
両者は握手をする。
その美しいスポーツマンシップに会場は湧き上がる。
そして彼らはリカバリーガールから治療を受けて観客席に戻る。
「やったな上鳴」
「ああ、後は轟だけど………」
「まあ頑張れ」
耳郎はそう言って上鳴を励ます。
流石にあの戦いを見て勝てとは言えない。
そして芦戸VS常闇の戦いが始まる。
結果は常闇の勝利。芦戸の酸を黒影で防ぎそのまま戦闘不能に持っていった。
光さえなければ彼は無敵に近い。
次は切島VS爆豪。
切島が速攻を仕掛けたが爆豪の猛攻には敵わずそのまま敗北し爆豪の勝利。
これで轟・上鳴・常闇・爆豪の4強が揃った。
(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)
「準決勝!推薦1位の轟*1と入試1位の上鳴。事実上の最強決定戦だぁ!」
上鳴はコートで轟と相対している。
彼の過去は分からない。
だがそれでも勝つ。それが雄英体育祭だ。
「そんじゃ!3! 2! 1! START!!!」
「速攻だ!『あなをほる』」
そう言って上鳴は弱点*2を突くために『あなをほる』。
だが轟は今までの相手とは次元が違う。
轟は上鳴が掘った穴に氷を流し込む。
「嘘だろぉ!」
上鳴は全力で『あなをほる』。後ろから迫る氷から逃げる為に。
轟対策の為に編み出した技は逆に弱点をつかれてしまう技であった。
「おいおい!絵面が地味だなぁ!」
「だが有効な戦法だ。耳郎・飯田戦で活躍した穴掘りの技は対策済みだったわけだ」
このままでは地中で氷漬けにされてしまう。
これにはたまらず地上へと緊急避難する。
「あ?」
「……………お」
上鳴が出た場所は偶然にも轟の右側、つまり半冷の方へと出てしまった。
彼の穿天氷壁が迫る。
「ピカァァァァァァ!」
そのまま氷の壁に巻き込まれ上鳴は凍り付いた。
「上鳴くん動ける?動けないわよね……………勝者は「ピカァッ!」
上鳴の氷が溶けた。
彼はポケモン、『こおり』状態は20%の確率で治る。
瀬呂とは違うのだ。
「テメェ!
「ルザミーネ、誰だ?」
「……………!なんでもない!」
「そうか」
そうして戦いは再開する。
上鳴は穿天氷壁を『こうそくいどう』で避けつつ反撃の機会を狙っている。
(さっきから一向に炎を使ってこないな。緑谷戦は意図せず出たのか?いや希望的観測はよくない。ここで勝負を仕掛ける!)
「ピカァピカァピカァピカァピカァァァァァ!!!!!」
上鳴は『ボルテッカー』を放つ。
轟も当然、警戒していたので全力の穿天氷壁で迎撃する。
電気と氷がぶつかりあい爆発が起こる。
「まだぁまだぁ!」
「なに!?」
電気と氷の戦いに勝ったのは電気だ。
そのまま轟の腹に『ボルテッカー』が炸裂する。
だが穿天氷壁で威力が殺されたのか瀕死には至らない。
会場は派手な攻防に大興奮だ。
そして上鳴は再度の穿天氷壁を警戒して距離を取る。
今度は『こおり』が溶けるかは分からない。
「上鳴くんが押している」
「頑張れ!上鳴ぃ!」
「これは本当に勝てるかもな」
緑谷・耳郎・障子が固唾を飲んで戦いを見守る。
その時だった。上鳴は口を開いた。
「使って来いよ左側」
「…………………」
「お前にどんな事情があるかは知らないが使わなきゃ俺には勝てないぜ!このガラルヒヒダルマ野郎!」
上鳴は元ポケモン。故にポケモンとしての闘争本能がある。
全力の相手と戦いたいと思うのは必然だ。
「どいつもこいつも!うるせぇなぁ!」
瞬間、轟の左側から炎が出てくる。
そしてそれを解き放った。
これにより冷やされた空気が膨張し『ぼうふう』を引き起こした。
いわゆる膨冷熱波だ。
「ピィィィカァァァヂュウゥゥゥ!」
それに対抗するは『ボルテッカー』!
互いの必殺技がぶつかり合い、緑谷戦の時のような『だいばくはつ』が発生する。
この戦いを制したのは……………
「ピカァ………」
「クッ……………」
強い衝撃を受けた。轟がそれを理解した時には彼の体は場外へと落ちていた。
そして、それは上鳴も同様だ。
ミッドナイトは宣言を行う。
「両者場外!引き分け!」
膨冷熱波の威力は『でんきだま』がない状態の『ボルテッカー』より上だった。
だが轟は緑谷戦以降どこか調子が崩れていたのに加えて、低威力とはいえ『ボルテッカー』を喰らい弱っていたので踏ん張りが効かなかった。
故に膨冷熱波の反動に勝てず場外に押し出された。
要するに轟の『じばく』である。
「エンデヴァーの息子さんと引き分けやがったぞ」
「やはり実力は本物」
「もう下手なプロより強いんじゃ………」
会場は騒然となる。
まさかここまで凄いとは思わなかったからだ。
「引き分けの場合は回復後、簡単な勝負……………腕相撲などで勝敗を決めて貰います!」
ミッドナイトの指示により上鳴と轟は一旦退場する。
そして次の試合、常闇vs爆豪が始まる。
勝利したのは爆豪である。光に弱い常闇の黒影では光を発する爆破は相性が悪かったようだ。
そして上鳴vs轟の延長戦が始まった。
勝負を決めるは腕相撲である。
「ミッドナイト主審!上鳴の手が小さすぎて腕相撲が出来ません!」
轟がミッドナイトにそう報告する。
ピカチュウ小さすぎ問題がここに来てまた噴出した。
「待ってくれ!轟、俺には尻尾なら丁度いい大きさだ。尻尾と勝負で構わないなら俺もやるぞ」
「それで構わない」
そうして腕?相撲が始まる。
上鳴は異形型、轟は異形型ではない。つまりフィジカルに大きな差がある。そして彼には『アイアンテール』がある。
結果は火を見るより明らかだ。
「上鳴くんの勝利!」
勝ったのは上鳴、まあ勝負の形態が悪かった。
これが別の形態だったら勝っていたのは轟だったかもしれない。
「また戦おうな轟」
「ああ………!」
そうして次の戦いが始まる。
決勝、上鳴vs爆豪の頂上決戦が。
「まさか半分野郎じゃなくて鼠が決勝の相手だとはなぁ!」
「全くだ。試合という形式じゃなかったら結果は違ったかもな」
「まあいい、お前もさぞや強ぇだろ。ぶっ殺す!」
「流石に言葉が鋭利すぎないか?」
そうして戦いが始まる。
「死ねぇ!」
「ピカッ!」
爆豪の『ニトロチャージ』を『こうそくいどう』で躱す。
上鳴は二段階素早さが上がっているが、爆豪は1段階しか素早さが上がっていない。
「『アイアンテール』!」
「効くかぁ!」
そう言って爆豪は『アイアンテール』を躱しつつ『カウンター』を決める。
上鳴はダメージを負う。
「お前が硬化してるのは尻尾だけ!
「俺には電気とか色々あるんだが?『こうそくいどう』!」
「お前は攻撃するときに複数の技を撃てねぇのと技を4つしか使えねぇ!それがテメェの弱点だ!」
(チッ!粗暴な割に弱点を良く見抜く!)
爆豪の指摘は正しい。
例えば『アイアンテール』を撃ちながら『10まんボルト』とかはできないのだ。
一応、『10まんボルト』と『でんこうせっか』を組み合わせた『ボルテッカー』という技もあるにはある。
だがそれは片方の技のタイプが『ノーマル』で技を組み合わせやすいというのも関係している。まあそれでも反動ダメージを負うなどそれなりにリスキーであるが。
「チッ!『あなをほる』」
「無駄だ!」
「ピカッ!危ねぇ!」
「くたばれっ!」
「ビガァ!」
上鳴が『あなをほる』で奇襲しようしたら爆豪は掘った穴に爆風を送り込んだ。
彼はたまらず地面から這い出てくる………が爆豪はそれを見逃さず可愛い生物であるピカチュウに容赦なく『ニトロチャージ』を撃ち込む。
そして彼は吹き飛ばされる。
(『ボルテッカー』は当たらないな。さて、どうする。こんな時、元ご主人なら………)
そうして上鳴は前世の記憶、つまり元ご主人との記憶を探る。
「ボカチュウwwwここより少し近い異世界*4には『れんけつ』という技術がありましてなwww」
「ピカ?(異世界?ウルトラホールの向こうのことか?)」
「複数の技を『れんけつ』させることで1ターンの内に複数の技を撃てる技術でしてなwwwwそれを使ってみる以外ありえないwwwそうすればヤケモンになれるかもしれませんぞwww」
「ピカッチュ(使えるわけねーだろバーカ)」
以上で回想は終了である。
(『れんけつ』か。やってみる価値はあるな。何より意表がつける)
今の彼は本編時空のポケモンではない。
ユナイト・スマブラ・ポケダンなどの本編以外のポケモン要素も複合されている。
故に成功する可能性が高い。
そして爆豪を倒すには初見の技で屠る以外の手段は存在しないだろう。
なにせ彼は才能マン。一度見た技は対応してくる。
「これで最後だ爆豪!」
「いいぜ!こいやぁ!」
「『アイアンテール』」
「効かねぇよぉ!」
爆豪は『アイアンテール』を躱して硬化していない上鳴本体を攻撃しようとする。
その瞬間、上鳴の体に電光が迸る。
「+『ボルテッカー』」
「なにぃ!?」
上鳴は『アイアンテール』と『ボルテッカー』を『れんけつ』させた。
攻撃する時に複数の技は出せないと思っていた爆豪は驚愕し一瞬、体を硬直させる。
その一瞬で勝負は決まる。
電光が…『ボルテッカー』が爆豪の体に炸裂する。絶対に勝つという執念の一撃だ。
(ふざけんな!こんな初見殺しがあってたまるか!)
爆豪は心の中で叫ぶことしかできない。体の自由が効かないからだ。
そして彼の体は吹き飛ばされてコートの外へと出る。
観客は目を奪われ、耳郎達は思わず立ち上がる。
その中で最初に口を開いたのはミッドナイトだ。
「爆豪くん場外!よって優勝は!
上鳴くんよ!」
歓声が沸き上がる。
その発言はすなわち、上鳴が雄英体育祭を制覇したということだ。
(⚫︎◕ ‧̫ ◕⚫︎)ピカチュウの技
『こうそくいどう』『アイアンテール』
『あなをほる』『ボルテッカー』
飯田は物理技しか使わないので『ひかりのかべ』は無念のリストラ。
あんだけ引っ張ったのに爆豪の撃退と耳郎戦でしか使わないという。
もっと活躍させる予定だったのですがライブ感で削りました。
膨冷熱波は『ひかりのかべ』で軽減して攻撃技に弱点を突ける『かわらわり』を採用してれば本気の轟にも勝てましたね。
体育祭は轟の勝ちの予定でプロット組んだんですが、実際に書いててここで主人公が負けるのは違うなと思い引き分けにしました。
本当は『れんけつ』はもっと先で習得する予定なんですけど爆豪に勝つにはこれしかありませんでした。これは先が大変になりそうだ。
職場体験どうする?
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ポケモン世界からの刺客と戦う
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ステインと戦う
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どっちもやろう