ゼロ・トゥ・ゼロ   作:しづごころなく

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前話を短めにしたのは、ルートを分岐させたかったからなんですよね。


√青衣
√青衣:規則よりも重苦しいもの


 青衣というロボットは、論理コアに基づいて動いている。

 論理コアには感情という、開発者の想定外かもしれない概念すら搭載され始めているが、それはさておき。

 

 治安官として動くために、有体に言えば「プログラム」された彼女は、規則上、犯罪者を傷つけることができる。ロボット三原則に立ち戻れば通常、人間への危害を加える行為は禁止されているが、特例的に彼女はそれを許されている。

 

 要するに、彼女は人を傷つけられるように、設計されたわけである。

 

 要するに、彼女は「外敵を排除するように」、設計されたわけである。

 

 

 論理コアは目の前の青い髪の青年を殺せと言う。脅威度の測定は既に終了し、自分が今まで遭遇してきた敵の中で脅威度最上位に容易く割り当てられた青年に対し、論理コアは「殺害許可」を出した。

 

 「だが……っ!!!」

 

 槍を持つ右手が動かない。規則よりも重く苦しい、感情という鎖が。縛るように己の手を塞いでいて。

 

 「お主を殺せるわけがなかろう……ハルっ!!」

 

 

 

 賛頌会の拠点襲撃。その名目でスタートした作戦はスムーズに進み、偶然にも居合わせた当代を制圧することで終わりを迎える…はずだった。

 

 

 

 

 躊躇なく朱鳶さんが発砲。僕の方へと弾丸が向かってくる。即座に男を引っ張り、男の体にエーテルの弾丸を当てる。

 

 朱鳶さんの弾丸はエーテルでできている。致命傷にはならない。だが、動けなくなるくらいには痛い。

 

 動けなくなった隙を見て、手錠を取り出す。掛けようとしたその時。

 

 「主よ…!!」

 

 男が力任せに、建物から飛び降りようとした。僕は手を離さなかった。だが、火事場の馬鹿力か、男は僕すらも巻き込んで、建物から半身を乗り出す。

 

 ここはホロウ。壁のない建物が多いから、落下しようと思えば簡単だ。どころか、ホロウの奈落など、誰も知らない。

 

 だから。僕はつい、手を、

 

 

 離してしまった。

 

 

 

 

 

 始まりの主による「当主の乗り換え」という現象は、近くで発生する。近辺に存在する人間の中から、「次代当主」足りうる人間に、紋章を浮かび上がらせることで契約を完了させ、大いなる力を与えたりする。

 

 始まりの主の力は、死者の蘇生などが第一に挙げられる。人間たちの能力を見て、都合のいいやつを宿主とし、数で組織を作る。

 つまるところ始まりの主は、次の宿主を選ぶため、次の宿主の能力や、背景を、理解している。

 

  本編においてイゾルデからサラへと宿主が移った際は、恐らく「サラ」という格好の宿主を、事前に目星としてつけていた。敬虔で、肉体を乗っ取る必要もない。

 ところが、今この、「当代」が死にそうな状況。始まりの主としても、次の代をすぐさま探さなくてはならなかった。

 

 

 

 だからきっと。始まりの主は、「海老で鯛を釣った」と思ったことだろう。自身よりも上位かもしれない力を孕んだ、エーテルの寵児。

 自我を奪うのはかなり難しい。だが、成功すれば、容易く世界を征服できる。まだ力の弱い状態であった始まりの主からしても、彼を狙わない理由はなかった。

 

 「は」

 

 ハルの右手。自分で書き込んだ数字の上に浮かび上がった、幾何学的な模様。

 

 瞬間、体の内側から、悍ましいほど力が湧いてくる。これはおかしい。気色が悪い。何かおどろおどろしいものを、体に取り込んだような。

 

 

 『死に戻り、などという奇跡の産物を持つ世界線の決定者。お前が次の、当主だ』

 

 そう、言われた気がした。

 

 「ハル……?」

 

 朱鳶さんが、心配そうな顔でこちらを見る。これは、まずい。体が思ったように動かない。まるで誰かに、主導権を握られたみたいで───

 

 体が動いた。1秒後、僕は剣を取り出し、そのまま朱鳶さんの首を

 

 「何をっ!?」

 

 斬るより先に、腕を弾かれた。危なかった。あと数コンマ遅れていれば、どうなっていたか。どうにかこの情報を伝えるべく、無理やり口を動かす。

 

 「賛頌会に体を、乗っ取られました!!いつ自我無くなるか分かりません!!殺すか、逃げるか…」

 

 そこまで言い切るのが限界だった。口が動かなくなり、左手で銃を発砲。一気に距離を詰め、ジャンプで後ろをとり、そのまま袈裟斬りにしようとする。目の前を、盾が通り過ぎる。

 

 「これは、どういう状況ですか!?」

 

 盾に弾かれ、体勢を立て直す。目の前にいるのは、セス。下の階から移動してきたらしい。

 

 「…分かりません!が、ハルの体が、乗っ取られたようです…!!これは機密ですが、賛頌会の当主は、「鞍替え」が行われている可能性が…」

 

 「じゃあ、どうすれば…!!」

 

 「彼が今、言いました。殺すか、逃げるか…ハルは全身がエーテリアスになるまで戦わされ続けるでしょう。無力化は、かなり難しい…」

 

 「そも、手を抜きながら戦えるほどの相手ではなかろう」

 

 後ろからクルクルと得物を回しながら青衣が到達する。

 

 3対1。しかし、相手は百戦錬磨の経験と合理性が味方をする、敵に対しては徹底的に残酷な青年。

 

 端的に言おう。この4人の中でハルの実力は飛び抜けている。ヴィクトリア家政と4対1を演じた際も、いとも簡単に戦局を支配した。

 そして、ハルの代表的な戦闘方法は。

 

 「とりあえず…戦う必要はありますよね!!」

 

 セスが突撃する。それを朱鳶が援護射撃。青衣は距離を詰める。

 

 ハルはすぐさまセスの展開した盾を思い切り蹴っ飛ばす。その力に押され、セスは後ろにたたらを踏む。その横から攻撃を仕掛けようとした青衣の棒をハルは掴む。そして逆に引き寄せ、抵抗しようとして蹴りを放った青衣の足を、

 

 セスの顔面に当てさせる。

 

 「!すまぬっ!!」

 

 ハルは敵に敵を攻撃させる、という戦術をよく取る。弱かった頃、相手に大打撃を与えるために、別の相手の攻撃を利用していたから。

 

 そして青衣の正面に立つことで、後方からの朱鳶の攻撃をさせない。朱鳶という上司が、青衣に当たると分かっている弾丸を放つはずがないのだから。

 

 セスが盾を剣に変形させ、動き出す。その顔面に、堂々と銃を発砲。セスはその弾丸をどうにか落とし、スピードそのままに突撃しようとした。

 

 突撃の瞬間、わずかにセスが空中に停滞する。勢いよくジャンプしたのだから、当然である。

 

 「セス坊!!」

 

 地面にハルは、エーテルの渦を発生させる。空中で身動きが取れないセスは、勢いに乗ったまま、引力に引っ張られる。その先は、青衣。エーテルの侵食で僅かに体が痛むのを感じつつ、どうにか引力に逆らい、ぶつからずに済んだ。

 

 その首元には、ハルの剣が迫っていたが。

 

 「!?速………」

 

 その剣先に、弾丸が当たる。朱鳶による介入だった。弾かれた剣の勢いを利用し、蹴りをセスに叩き込もうとして、地面に走った電気を感知、後ろに飛び去る。

 

 「今のが、当たらぬか……」

 

 先ほどから、ギリギリで防げている攻撃ばかり。あちらは自分達を殺すつもりできていることが、よく分かる。

 

 その余裕の無さ。焦り。青衣は、決断した。

 

 「皆。一つだけ、全てを解決できるかもしれない方法がある。うまくいくかは分からぬが、やる価値はある」

 

 

 「ハルを、殺す」

 

 「いや、いやいや。冗談辞めてくださいよ、青衣先輩。ハル先輩を殺すだなんて、そんなの俺は…」

 

 仮に。ハルのセーブポイントが、乗っ取られる前だとするなら。本人に、解決してもらうという唯一のルートが存在する。

 

 「お主らは、ハルの右手に書かれた数字が、何を表しているのか考えたことはあるか?」

 

 

 

 我らは凡愚だ。

 

 出たとこ勝負で自分の抱える矛盾にすら向き合わず、己が何者なのかからも目をそらす。

 

 自身に刻まれたプログラムに、縛られているのか、それとも例外となったのかすら理解しないまま。

 

 ハルを殺すという決断が、プログラムがした脅威への対抗策なのか、彼を助けたいという心の動きなのかも分からないまま。

 

 行動を起こす。2人にハルの最大の秘密を暴露する。これしかない。ハルを殺すだけの理由が必要なのだから。

 

 「死に戻り…?」

 

 朱鳶が口に手を当てる。セスも絶句する。ハルの背後に存在する、夥しい数の尸。ハルが登ってきた、約700の死の階段。その階段の一つ一つが、ハルの血肉で出来上がっている。

 

 「嘘のような、信じたくもない話であろう。だが、少なくとも朱鳶は、思い当たりが幾つもあるはずだ。死亡確率が高すぎる場所から生き残ってきたり、未来を知っているかのような戦い方をしたりな」

 

 「手の甲の数字が、繰り返した数…700も死んで、何でマトモでいられるんですか、あの人は…俺だったらとっくにおかしくなって…」

 

 異常な精神力。そうとしか表現できないほどの、明るい光。直視するのが眩しいほど、希望を失わない、青い恒星。

 

 「我らが出来ることは、ハルを助けること。あやつを殺せば、セーブポイントが乗っ取られる前に巻き戻るかも知れぬ」

 

 「賭け、ですね…。ただ、それ以外に被害者0のルートは無さそうです…やるしか、ありませんか」

 

 苦虫を噛み潰したような顔で、作戦は決定した。

 

 

「問題は、ハル先輩をどうやって上回るか…力押しじゃ俺たち全員全滅しますよ」

 

 先ほどの戦闘で分かった通り、ハルに無策で突っ込むと事務処理の如く同爆を強制させられ、仲間同士で殺し合うのがオチだ。

 不意をついてハルに攻撃を当て、殺す必要がある。

 

 「一つ、方法がある。だが…誰か1人がここを一時離脱せねばならぬ」

 

 「やりましょう、それ。私残ります」

 

 即決だった。部下への信頼か、作戦の内容すら聞かず、決定した。

 

 「じゃあ俺も残ります。任せました、青衣先輩」

 

 青衣も驚くほどに、スムーズな決定だった。だが、2人の言葉の裏に深い信頼が積み上げた厚みがあることを、青衣も理解した。

 

 

 

 「じゃ、やりましょうか。朱鳶先輩」

 

 「ええ。青衣が戻ってくる前に決着を目標としましょうか!」

 

 

 

だが。

 

 

 

 「蝕め」

 

 始まりの主は理解する。ハルというエーテルに愛された男の肉体で、何が出来るのか。

 

 指先から発生する、超重力。

 

 

 ハルの真骨頂とも言えるそれを、理解するや否や、始まりの主は繰り出した。器の限界を考慮しない、雑な扱い。

 

 

 引力を利用した、擬似高速移動。吸われる→渦を消す→遠くに放つ→吸われる、というループで、始まりの主もといハルは縦横無尽に駆け始めた。

 瞬く間にセスの後ろを取り、剣を振るう。

 

 「くっ!!」

 

 辛うじて盾が間に合う。朱鳶が撃った弾丸をしゃがんで避けつつ、足を払う。しかし、セスの体幹も伊達ではない。一瞬ぐらつくも、腕を掴むことに成功した。

 捕らえた!

 セスは思った。

 

 それが、ハルの罠だとも気づかずに。

 

 「セス!!!」

 

 朱鳶が横から突き飛ばす。2人の真横を通って行った、巨大な黒い渦。腕を掴まれた瞬間、ハルはセスの胸元に黒渦を発生させ、抉り殺すつもりだったのだ。

 

 突き飛ばしたことにより空いた背中へ、躊躇なくハルの弾丸が飛ぶ。それをセスが近場のレンガを投げてぶつけ、無効化する。

 

 「先輩が教えてくれたんですよ!!周りのものは、全部使う!!!」

 

 突撃と同時に盾を振るい、ハルの視界を塞ぐ。その隙間から、銃口が覗いている。

 

 「喰らえ!!」

 

 ハルは咄嗟に回避行動を取る。しかし、その逃げ先には、朱鳶の蹴りが飛来していた。

 

 セスがトリガーを引く。音は鳴らない。

 

 「ハッタリも、貴方が教えたんだ!この銃、弾切れですよ!」

 

 地面に置かれていた、ただの拳銃。弾丸も込められていないものだが、ハッタリには使える。

 

 そしてハルの顔面に、朱鳶の蹴りがクリーンヒットする、刹那。

 

 (…ハルの、銃は?)

 

 朱鳶の思考は回る。ハルの腰元か手元に存在するはずの拳銃。いつも威嚇射撃に使うそれ。

 

「最近自動発砲機能付けてもらったんですよ。おかげでこいつが本命になることも多くて」

 

 ハルとの会話が記憶をかけ巡る。ハルが得物を手から離す?

 

 (まさか)

 

 空中を目が泳ぐ。そして捕らえた。空中に放り投げられ、こちらに銃口が向いた、発砲寸前の弾丸を。

 

 「!!」

 

 無理やり体を逸らす。僅かに頬を弾丸が掠る。

 

 命中こそ避けたが、蹴りが数瞬遅れる。ハルの防御が間に合う。

 

 (貴方は本当に…)

 

 (恐ろしい人ですよ)

 

 ニネヴェの撃退以降も、朱鳶はハルの武功を理解していた。当然だ、上司として部下の動向はある程度理解している。

 だから、圧倒的な才能の差を自覚し、朱鳶は悔しいと思っていたのだ。自分よりも早く強くなり、人を助け、治安官としての能力に長けたハルという超新星に。

 

 (でも)

 

 「才能に見えた成功は、膨大な失敗の上にあったんですね」

 

 死ぬかもしれない、という状況を抜けた回数は、自分も数えられるほどしかない。ところが彼は、それを700回もやっているらしい。

 修羅場をくぐる、どころの話では無かったのだ。

 才能だけで片付けるには勿体無い、重く、苦しい旅路。

 

 

 「貴方をスカウトして、正解でした。私にしては珍しいことをしたと思ってるんですよ?」

 

 「これは一方的な言葉かもしれませんが」

 

 「治安官で収めるには過ぎた力です。けれど、不思議と似合ってますよ、その立場」

 

 

 戦闘を繰り返す。しかし、ハルの戦闘は極めて効率的。故にローカロリーで、体力という実にわかりやすいステータスで、対人では相手との差が付く。

 

 ジリ貧かに思えた。そこにやってきたのは。

 

 

 「ほれ!!!ハル!!お主の始まりの敵にして、『追わざるを得ない相手』を連れてきたぞ!」

 

 ハルにとって、最も「うまくいかない」という鬱憤が溜まり、怒りを抱えた相手。高い身長に、特徴的なマント。そして何より、極めて厄介な弓状の剣。

 

 正式名、「タナトス」。

 通称、「弓カス」である。

 

 青衣はタナトスに喧嘩を売り、ここまで連れてきた。ハルはタナトスを認識した瞬間、目でそちらを追う。

 

 体が覚えているのだ。こいつから目を離すと、次の瞬間には死ぬということを。

 

 電撃が走る。青衣の攻撃だ。弾丸が刺さる。朱鳶だ。盾がぶつかる。セスだ。

 

 避けようとしても、避けきれない。タナトスという、記憶上は「最も嫌いな相手」を、視界に収めたいから。

 

 青衣が、止めを刺そうと近づく。

 

 物語は終幕に差し掛かる。あとは、ハルを殺すだけ。

 

 

 

青衣というロボットは、論理コアに基づいて動いている。

 論理コアには感情という、開発者の想定外かもしれない概念すら搭載され始めているが、それはさておき。

 

 治安官として動くために、有体に言えば「プログラム」された彼女は、規則上、犯罪者を傷つけることができる。ロボット三原則に立ち戻れば通常、人間への危害を加える行為は禁止されているが、特例的に彼女はそれを許されている。

 

 要するに、彼女は人を傷つけられるように、設計されたわけである。

 

 要するに、彼女は「外敵を排除するように」、設計されたわけである。

 

 

 論理コアは目の前の青い髪の青年を殺せと言う。脅威度の測定は既に終了し、自分が今まで遭遇してきた敵の中で脅威度最上位に容易く割り当てられた青年に対し、論理コアは「殺害許可」を出した。

 

 「だが……っ!!!」

 

 槍を持つ右手が動かない。規則よりも重く苦しい、感情という鎖が。縛るように己の手を塞いでいて。

 

 「お主を殺せるわけがなかろう……ハルっ!!」

 

 ようやっと彼女は、自分の心の存在を自覚したらしい。

 

 

 青衣は迷走している。彼女の抱える感情が、人間の呼ぶところの「家族愛」に近しいものなのか、それとも恋愛的な感情なのか。

 それを断定する必要がないことを理解しないままに、青衣は思考を回し続ける。

 

 

 

 

 だが。ハルという人間は、その矛盾を、その痛みを、よく理解している。

 大切な人を自分から傷つけることなどできるはずがない。

 

 自分にだって無理だ。

 

 であれば、することは決まっている。

 

 既に自我を失ったはずのハルの手が自分の意思で動く。槍を持ち、自然に、胸へと刺した。

 

 「大丈夫だよ、青衣。それは、その感情は、「人間」にとって、とても自然なものだからさ」

 

 

 ハルという人間は、今まで一度たりとも、区別としては理解していても、青衣を機械扱いしたことなど、一度もなかったのだ。

 

 まるで青衣の悩みが馬鹿らしいと一蹴するかのように。

 まるで青衣が、普通の人間であるかのように。

 

 

 ハルの死が確定するその直前。時空が歪むほんの少し前に。

 

 青衣は涙という機能を無意識に行使した。

 

 「…機械たらしめ」

 

 笑顔が浮かぶ。

 

 青衣は機械かもしれない。どこまで行っても、プログラムで判断し行動する、知能構造体かもしれない。

 

 だが、本人は、それでもいいと思えたそうだ。

 

 

 

 ハルや、特務捜査班の前でなら、自分は人間でいられるのだから。

 

 

 

 

 さて、こうしてハルは時間遡行し、事件を解決した。相変わらず、皆のここまでの大活躍がなかった事になり、少々寂しい気持ちにこそなったが。

 

 不思議とハルは、満足感を覚えている。

 

 「…いい笑顔だったな」

 

 最後に観れた、人間らしい青衣の笑顔。あれを独占できるという優越感に浸りつつ。

 

 青い春の風が、頬を撫でた。




青衣√はこれにて締めです。青衣は結局ハルのことが恋愛的に好きだったのか、分かりませんでした。けれど、それでもいいんじゃないでしょうか。二人の間には、愛だ恋だのといった一言では語りきれないほどの深い信頼がありますから。

ハル:タイプの人は素敵な笑顔をする人。
始まりの主:人間を蘇生する力を持つが、この力はどうやら死に戻りと同種のものだったようで、欲しくなって器ごと貰う事にした。能力だけ奪うことも出来たが、器がエーテルに愛されすぎてて「最高のハッピーセットきたー!」と大喜びした。本人の精神力が強すぎて一度自我を奪われたのが敗因。
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