ルキ以外は誰が話してるか分かりにくいかな…
やっぱ分かりやすい語尾は楽ザウルス
<Side:クロン>
「明後日は皆でダンジョン行くっすよ!」
「「「え?」」」
ルキさんが研修の終わりに突然「ねごと」を言い出した。この人寝れないじゃなかったけ?
「なんでですか!?」
「来週にはパーティーメンバーのローテーションだから思い出作りっすよ!」
「危険な思い出なんてイラナイ…」
そう、来週からはこの1班のメンバーが変わる。そしてルキさんも孵化したやるきエレキッドの教育に集中するため、臨時講師のバイトはやめるようだった。
「まぁ冗談っすよ。ダンジョン行くのは本当すけど」
「最終試験的なモン?」
「半分当たりっす。ダンジョンの経験と リド君の相棒さがしっすよ!」
「マジで!」
リドが驚いて声を上げる。そういえば手持ちがいない人の補助も研修中にするんだっけ。研修で疲れて転がっているネグたちを見る。
「モ?」「メラ?」「…」
リドの目的が叶うだけでなく、僕やシエルさんみたいに仲間となるポケモンには恵まれてほしいと思う。そしてネグの友達にもなってほしいな。
「あのーじゃあ私行かなくてもいいんじゃ…」
「ダメっすよ!ダンジョンでのバトルの経験も必要っす!クロン君とシエルちゃん最近レベル上がってないっすよね?」
「はい」
「ハイ… あれ、おかしいな…」
ネグはLv11に上がっていた。ルキさんのルガルガンとの実戦向け研修の繰り返しの効果があったようだが、何かおかしい事にシエルさんが気づいたようだ。
「たとえ負けていてもLv32のルガルガン相手なのにあまり上がってない…?」
「その通りっすよシエルちゃん!この世界じゃLvがどんどん上がりにくくなるだけじゃなくて、ちゃんと敵と実戦しなきゃ経験値にかなり逆補正がかかるっぽいっす!」
「誰も高レベル帯に養殖してもらってないのはそういう…」
確かに考えてみれば変な気がする。もうあまり覚えていないけどポケモンってこんなレベル上げるの大変だったけ?何か交代や学習装置みたいのがあった気がする。
「正直、検証組でも分かってないっす。バトル以外でもダンスしたら上がったとか、サッカーしてたら上がったとか、料理作ってたら上がったとか」
「統一感ねえなぁ」
「ただ、互いの命や誇りを懸けたバトルや今できない事に挑戦し続けるのが重要らしいっすね」
講義で聞いたダンジョンでのバトルやボスとのバトルはレベルが上がりやすいというのは間違っていないんだ。あれ、それが正しければ高レベル帯の人たちってかなりすごいのでは?
「ポケモンじゃなくてダンまちじゃん…」
「『しあわせたまご』とか『ふしぎなアメ』はねぇんですか?」
「ウチは聞いたことないっすね! 最初に言われたと思うっすが、1年目には手持ちが最低1人でLv15を目指して欲しいっすよ!近道はナイっす!」
そうか、ならダンジョンへの挑戦も頑張ろう!強くなって生活を守れるぐらいになりたい思いは変わってない。この世界は人間に、弱者に厳しい世界だから…
「あ、リド君の相棒候補のためにじめんタイプが多い『土竜の迷宮』に行くっすから、クロン君達は気張るっすよ!」
やっぱりいきなり挫けそう、俯いた僕の真似をしてネグが首を傾げているのが見えた。
「土竜の迷宮」、トラリア地方の地下ダンジョンの1つであり、その名の通りダグドリオやドリュウズが多く生息している。迷宮の深層にはボスポケモンが溜め込んだ宝石や希少な金属が見つかるが、深く潜るほどポケモンの強さだけでなく視界と足場の悪さ、空間の狭さ、なにより落盤を気にし続ける必要があるため人気は低い。世界の滅びと関係ないダンジョンなのもあり、あまり人が入っていない場所であった。
「暗っ! 怖っ!」
「シエルさん入口で止まらないで」
「上層だと一応明かりは整備されてるんだな」
「クロン、今すぐ『フラッシュ』覚えて…」
そんな場所に4人の若き探索隊員が入ってきた。深層でなく上層であれば、生息するポケモンのレベルも低く、人が動きやすい程の広さと明るさがあるため、彼らでも問題はないとされ、講師役の1人が許可をもらっていた。
「2番目の街ができる前はここでキャンプする人も多かったらしいっすよ。上層の整備はその名残っすね」
「へ~」
彼らは少しずつ進み見ながら、バトルを仕掛けてきたポケモンに対処していく。
「そこっ!」「モッ!」
「おらぁ!」
「えい」「メラー」
中層以降であれば地中を高速で移動しながら不意打ちをしてくるが、上層では土や壁が盛り上がりながら移動している場所を狙えば先制できるため、彼らは特に苦戦はしていなかった。
クロンとパモは電気技は使えずとも「でんこうせっか」で相手を崩すことで活躍し、近い相手にはリドの「たいあたり」、2人の後ろからシエルと手持ち2匹による「みずでっぽう」が行われ、パーティでのバトルに問題はなかった。
そして、1時間ほど経過し・・・
「ん?」 「リュ?」
「んん?」 「リュリュ?」
壁から顔を出したモグリューとリドの目が合う。1人と1匹に体感したことない、奇妙な感覚が流れる。ダンジョンのポケモンらしく急に襲い掛かる事もなく、ただ目が合っていた。
「お!出会ったすね!」
「え、何この感覚!よく分らんが、やっぱ分からん!」
「その子が君と相性がいい子だよリド」
「あの謎の感覚は誰も表現できない…」
リドは自分の運命の出会いの1つを果たす。
「ど、どうしたらいい!?」
「バトルなしで仲間になるか交渉するよう習ったでしょ」
「よし、」
「「「うわぁ…」」」
「リュー!!!」
「君もそれでいいの!?」
「変わり者同士過ぎない…」
「リュリュリュ」
「いいけど、バトルで強さ見せろだと… やってやろうじゃねえか!」
こうして、探索隊新人による初めてのポケモン捕獲が始まった。
ゲームであれば手持ちポケモンとバトルさせ、弱ったところをモンスターボールで捕まえるのが一般的だが、この世界では異なる。トレーナー自身をポケモンに認めさせる必要があり、モンスターボールも少ないため投げて無駄遣いできず相手から入ってきてもらうのが主流である。
そのため… トレーナーは自分自身の力を示す。
「そらぁ!」
「リュ!」
リドは小手調べとして土を蹴り飛ばす、土は蹴った時点で細かくなっていき、的確にモグリューの顔に飛んでいく。「すなかけ」を技として使用することにより自然が軽く捻じ曲げられる。
「リュー」
「何っ!」
「すなかけ」はモグリューの顔に当たったが、気にせず進む。モグラ系の生き物は地中で暮らしており、目よりも鼻で空間を認識するため目潰しの効果は薄かったのだ。爪を立て、リドの腹部に「ひっかく」を行うが…
「!」
モグリューは手ごたえの硬さに違和感を感じた。
リドは攻撃の直前に「かたくなる」が間に合い、腹部を少し硬くすることでダメージを軽減させていたのだ。体を動かせるよう硬化を解き、腕を振るうが避けられ距離を取られる。
今度はリドが土を蹴り上げる。先ほどとは逆に蹴り上げた土が固まり、大きな石となりながら落ちる。だが「いわおとし」は発生の遅さにより、簡単に後ろへに避けられる。
ここまでの攻防で使用した3つの技と「たいあたり」が現在リドが使用できるものである。彼は「たいあたり」「すなかけ」「かたくなる」「いわおとし」によってモグリューを攻略しなければならない。
だが、モグリューには「たいあたり」以外は気にする必要がなかった。効果が薄く、遅くて避けすいものは無視し、「かたくなる」が間に合う前に攻撃すれば良いだけだからである。
「そらっ」
「!」
そしてモグリューはリグが土を蹴ろうとした時点で前に飛び込んでいく。途中、顔に砂が掛かっても気にせず進み、そして、
「グアァ!」
リドの腹部は「ひっかく」により刻まれ、血が噴き出す。更なる追撃を仕掛けようとするモグリューであったが、突然のねむけに襲われ、動きを止めてしまった。
「リュ~?」
鈍った思考の中、モグリューは先ほどの顔にかかった砂に違和感を感じ、「こうそくスピン」で払おうとする。しかし、
「遅せぇよ!」
「リュ!」
リドの「たいあたり」が先に直撃する。11歳少しの子供とはいえ、モグリューは自身より体格の大きな存在の全力の攻撃を受け、壁へ叩きつけられる。
まだ残った体力を振り絞り動こうとしたが…
意識から逸れていてた頭上からの石が頭に当たり、モグリューは目の前が真っ暗になった・・・
「よっっしゃ!勝ったー!」
「いや、早く傷薬でけが直しなって!」
「うわ…痛そ…」
「リド君は前衛よりだからすぐ慣れるっすよ!」
探索隊の研修パーティが集まり、リドの手当てをする。モグリューにも手当をしながら、今回のバトルについて語り合う。
「にしても決まって良かったね、眠り袋」
「ウチのワン子にも数回当てた技っすから自信を持っていいっすよ!」
「おう、レベルが低いからかすぐに効いてきたしな」
リドは2回目の「すなかけ」を行う前、蹴りだそうとする土に眠り袋を落としており、油断したモグリューを相手に砂と同時に袋の中の「ねむりごな」を当てたのであった。
「『いわおとし』のコンボできてた…」
「何回も練習した甲斐あったぜ!」
「ん、格ゲーでもコンボ練習は必須…」
モグリューが眠気に抗っていた最中、「いわおとし」としてわざと土を遠めに飛ばしておき、「たいあたり」の追撃となるようにしていた。本来ならば、動きを止めた相手に更なる追撃を行う予定だったが、先に相手の体力が尽きたため今回は2連撃で十分であった。
「ふ~いってぇけど、止血して休めば治るってのも便利な体だよな」
「それでも痛いのイヤ…」
「骨砕けたり、内臓損傷しても治るっすよ!回復技持ちがいれば2日で十分すね!」
「まずそこまで怪我するのが嫌なんですが!」
「…リュ…リュ?」
彼らの会話が続く中、手当を受けたモグリューが目を覚まし周りを見渡し、自身が負けた事を自覚する。リドはモンスターボールを持って近づき、
「俺と一緒にドリルしてくれるか?」
「リュ!!!」
リドはモンスターボールに触れさせ、モグリューは抵抗なく入る。そして、ボールから小さな火花が散った。
長いですが、制限についての本編での紹介漏れです
〇転生者の制限メモ
「特性:○○」「○○の技を覚える」「○○タイプ」は最終進化後も考慮される
シエル:ヌメラ
ヒスイヌメルゴンが「特性:シェルアーマー」なのでOK
リド:オニスズメ
オニドリルが「ドリルライナー」を自力で覚えるのでOK
ドラゴン使い:ナックラー
フライゴンが「ドラゴンタイプ」なのでOK
逆に進化後に制限から外れるポケモンは進化できなくなる
ルキ:ヤルキモノ
「特性:やるき」でなくなるので進化不可能
やどりぎ使い:ハスブレロ
「やどりぎのタネ」を覚えるまで進化不可能
ノ・飛行のみ:チルット
チルタリスはド・飛行なので進化不可能