転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第9話 白き箱舟

 

 

トライアルのBETA襲撃からまた少し。

結局白銀はBETAと対峙した恐怖に耐えきれず、『元』の世界に逃げ出したらしい。

まあ、数日後には戻ってきたんだがな。

最近のA-01部隊は、元207小隊のメンバーが加わり、シミュレーターや実機訓練など、戦術機の訓練に力を入れていた。

佐渡島ハイヴ攻略が近いからだろう。

その為、ここ最近は彼女達と関わってはいない。

というか、元207小隊のメンバーとは顔も合わせていなかったりする。

あ、因みに神宮司軍曹もA-01部隊に配属になった。

階級もそれに伴って大尉となっている。

何か原作よりもA-01部隊の戦力が充実してるなぁ、と思ったのだった。

 

 

そして12月23日、遂に司令部から佐渡島ハイヴ攻略作戦………『甲21号作戦』が発令された。

……………この作戦には、俺もジェイアークで待機し、有事の際には介入するつもりだ。

本来であれば、このような世界の行く末を左右する戦いに、余所者の俺が介入するのはあまり良くは無いのかもしれない。

でも、俺はあいつを……ハルを死なせたくないと思っている。

前世の40年を含めて、女性と関わることがほとんどなかった俺は、この気持ちがどういうものか分からなかった。

でも、最近ようやくその気持ちに気付いた。

それは、『俺はハルが好き』なのだと。

最初は気に入ったキャラクターだったので気になるだけかと思っていたんだが、幾度も彼女と交流をして、本当に彼女が女性として好きなのだと自覚した。

とはいえ、この気持ちを彼女に打ち明ける気は無い。

ただ、死の運命から彼女を護ろう。

そう思っていた…………

思っていたのだが…………

 

「あ、ジェイ!」

 

何とハルが俺の部屋の前に居た。

 

「ハ、ハル……!? どうした? 明日は早朝から出撃だから早く寝ないといけないんじゃ………?」

 

俺は先ほどまで考えていたこともあり、少し狼狽えてしまった。

 

「うん………そうなんだけどね。でも、どうしてもジェイに伝えたいことがあったから」

 

「伝えたいこと?」

 

「ちょっと……屋上まで良いかな?」

 

「あ、ああ………」

 

ハルに連れられて屋上に出る。

外の空気は12月だけあって肌を刺すような寒さだ。

 

「それで、話ってなんだ?」

 

俺はハルに問いかけた。

ハルは後ろを向いたまま、

 

「うん………この前のトライアルの時にBETAが出てきた事件……覚えてるよね?」

 

「そりゃあな」

 

ハルの言葉に俺は頷く。

 

「あの時ね、私達の部隊もBETAが出てきた時に出撃したんだ」

 

「ッ………」

 

そう言えば、原作でもトライアルの時にもA-01部隊に犠牲者が出てたはず………って、俺は今までA-01部隊に欠員が出たとは聞いてないんだが?

 

「その時に多恵が危ない時があってさ。高原と麻倉が早めに気付いたから大事は無かったんだけど……………」

 

「そうか………よかったじゃないか」

 

偶然にも、俺が助けた2人が今回死ぬはずだった築地を助けたって事か。

その事に俺はホッとする。

 

「けどね………たったあれだけの戦闘で死にかけるんだよ? ううん。実際に他の部隊には沢山の被害が出てた……………明日の作戦は、それとは比べ物にならない………」

 

「………そう………だな………」

 

ハルは天を仰ぐように上を向く。

 

「私も死ぬ気は無いけどさ、万が一ってこともあるだろうし…………そうなった時に後悔したくないからさ…………」

 

そう言いながらハルはこちらを振り向き、

 

「好きだよ。ジェイ」

 

「えっ…………?」

 

一陣の風が吹く。

ハルの言葉に一瞬思考が纏まらず、呆けてしまった。

 

「…………………ッ」

 

告白の衝撃からようやく我を取り戻すと、俺はハルを見つめる。

ハルは頬を僅かに染めてこちらをチラチラと伺っていた。

 

「………………………」

 

俺は先ほどまで自分の気持ちをハルに伝える気は無かった。

俺が異世界の人間だとか、細かい理由はたくさんあるが、最も大きな理由は怖かったからだ。

告白して、振られることにビビっていた。

だけと、そんな俺とは違い、ハルは勇気をもって俺と向き合った。

ならば、その勇気に俺も応えなければいけない。

 

「ハル…………」

 

俺はハルに向き直ると、

 

「……………俺も…………お前が好きだ………!」

 

「ッ………!? 本当に………?」

 

俺の答えが信じられなかったのか、ハルは目を見開いて聞き返してくる。

 

「ああ…………お前を………愛している…………」

 

俺はハッキリと自分の気持ちを伝えた。

すると、ハルは涙を浮かべ、

 

「嬉しいな………! ジェイも同じ気持ちだったんだ………!」

 

そう言って笑顔を浮かべた。

 

「ジェイ………」

 

「ハル………」

 

ハルが近付いてきて、俺もハルを抱きしめる。

数秒間そうしていると、ハルが離れて俺を見上げ、目を瞑った。

その意味が分からないほど俺も鈍感ではない。

ハルに顔を近付け、ゆっくりと口付けを交わした。

 

「「……………………」」

 

どちらからともなく唇を離すと、ハルは微笑みを浮かべた。

そして、

 

「ねえ………これからジェイの部屋に行ってもいいかな?」

 

「それは…………そういう意味か………?」

 

俺は一応確認を取ると、

 

「うん………」

 

ハルは恥ずかしそうに頷く。

 

「後悔だけは、したくないからさ………」

 

「…………分かった」

 

俺達は寄り添いながら屋上を後にした。

 

 

 

 

 

 

一連の行為を終えた俺達はベッドの上で寄り添っていた。

お互いに衣服は何も身に着けていない。

 

「…………ありがとう。ジェイ」

 

ハルが唐突に呟いた。

 

「ん?」

 

俺が確かめるように声を漏らすと、

 

「これで………思い残すことは無いよ…………」

 

ハルは俺の体温を感じるように身を寄せてくる。

まるで、これが最後であるかのように。

だから俺は、

 

「心配するな」

 

「ジェイ………?」

 

「お前は、俺が護ると言っただろう?」

 

「ジェイ………」

 

俺の言葉に、更に身を寄せてくる。

 

「お前は俺が護る………必ず………!」

 

「ジェイ………うん………」

 

ハルは安心したように目を閉じた。

 

 

 

 

翌日、早朝04:00にハル達A-01部隊は出撃。

陸路で新潟まで移動し、そこから海路で佐渡島に向かう手はずになっている。

 

「…………………行くか」

 

俺はアーマーを装着すると、太平洋に向かって飛翔した。

 

 

 

 

 

 

 

【Side 香月 夕呼】

 

 

 

 

日本人の宿願ともいえる佐渡島ハイヴの攻略。

その為の『甲21号作戦』。

まあ、私にとっては凄乃皇・弐型………延いては00ユニットのテストという意味合いしかないけど。

作戦開始から甚大な損耗を出しつつも、許容範囲内で状況は進んでいく。

A-01部隊も全機健在のまま予定より早く目標ポイントへ進行している。

そして次に行われるのは軌道上からの降下部隊によるハイヴ突入。

でも、これは程なく全部隊からの通信途絶。

言っては悪いけど、ここまでは想定通り。

ここからが本番よ。

A-01部隊は順調に砲撃予定地点を制圧している。

でも、そこで予想外にもハイヴ周辺のBETAが砲撃予定地点へ向かって進行を開始。

支援砲撃によって殲滅を計るも、予想以上に温存されていた光線級によって大半が撃墜されてしまった。

伊隅の作戦や白銀の奮闘もあり、何とか大半の光線級を片付けることができた。

まだ数体の光線級が残ってるけど、このぐらいなら許容範囲。

凄乃皇・弐型はレーザー照射を受けるけど、張り巡らされた重力場、ラザフォードフィールドによって防ぐことが出来た。

 

「さ……始めましょ」

 

凄乃皇・弐型に搭載された荷電粒子砲が放たれ、轟音と共にハイヴのモニュメントが砕け散る。

想定通りの威力ね。

提督達は、人類の歴史に名を刻んだなどともてはやしてくるけど、私に言わせれば、あと10年で終わる人類の歴史に名を刻んだところで何の意味も感じない。

まず必要なのは勝つこと。

浮ついた話はそれからでいい。

荷電粒子砲の2発目が放たれ、ハイヴに更なる損害を与える。

このままいけば、ハイヴ陥落も時間の問題。

そう思っていた。

でも、次に報告されたのは凄乃皇・弐型に異常が発生し、墜落したというものだった。

私は急いで原因究明を指示するけど、凄乃皇・弐型そのものに問題は無いと報告が来た。

後考えられるのは、00ユニットに何らかの問題があるという事。

私は、00ユニットの回収を指示しようとした。

その時、

 

「師団規模以上のBETA群が地下を移動中! 前回の出現時と波形が一致しています!」

 

予想外の報告が来た。

 

「出現予測地点は!?」

 

「作戦域の広範囲に広がっています!ウイスキー・エコー部隊の回収艦隊に反応しているものと思われます!」

 

「佐渡島全域にBETAの出現を確認!」

 

次々に来る報告に頭を悩ませる。

 

「まだこんなに残っていたなんて………」

 

見積もりが甘かった。

フェイズ4ハイヴの統計値はとっくに超えてるから、流石にこれで打ち止めでしょうけど………

いえ、そう思いたいだけかしらね。

こうなったら、00ユニットを回収して凄乃皇・弐型を爆破処理するしか………

そう思ったとき、

 

「副司令!」

 

ピアティフが報告してくる。

 

「今度は何!?」

 

思わず返事が乱暴になってしまった。

 

「ジェイ特務少佐から通信です!」

 

「ジェイから!?」

 

思わぬ報告に思わず聞き返した。

 

「繋げて!」

 

私はそう言う。

すると、

 

『香月博士』

 

ジェイの声が聞こえてくる。

 

「ジェイ」

 

通信してきた理由を聞こうとして、

 

『俺が行こう』

 

「ッ………!」

 

ジェイの言葉に思わず縋りつきたくなった。

でも私は、この作戦はこの世界の人間だけでやり遂げるべきだと思っていた。

だから、ジェイをこの作戦には組み込まなかった。

だけど………

 

「……………頼める?」

 

だからと言って、伊隅やまりも達を。

何より00ユニットを失うわけにはいかない。

 

『任されよう』

 

ジェイは迷いなく頷いた。

 

「…………お願い。彼女達を助けてあげて」

 

『了解した!』

 

私の頼みにも、ジェイは迷わずに返事を返す。

そして、

 

『出航の時は来たっ! 発進! ジェイアーク!!』

 

通信からそのような号令が聞こえる。

すると、海の上であるにもかかわらず、艦全体に振動が走る。

 

「何だ……!?」

 

提督が何事かと声を漏らした瞬間、私達が乗る艦前方が激しい水飛沫を上げ、巨大な何かが飛び出してくる。

それはジェイアーク。

以前にも見た白亜の戦艦。

だけど、私が驚いたのはその事じゃない。

私が驚いたのは、

 

「戦艦が………飛んでいる………!?」

 

提督が目を見開いて驚愕の声を漏らす。

私は今まで、ジェイアークは海中潜航も可能な戦艦だと思っていた。

だけど違った。

 

「空中戦艦…………いいえ、宇宙戦艦なのかしらね………?」

 

私はそう推測した。

 

「いかん! あれでは光線級のいい的だ!!」

 

提督が叫ぶ。

その言葉通り、佐渡島から無数のレーザーが照射された。

しかし、

 

「む、無傷…………?」

 

提督が信じられない様に呟く。

 

『その程度の出力のレーザーでは、こちらのジェネレイティングアーマーを破ることはできんぞ』

 

ジェイは平然とそう口にする。

 

『最大戦速で戦闘空域に突入する!』

 

『リョウカイ!』

 

次の瞬間、艦後方のメインブースターが火を噴き、ジェイアークは加速していった。

 

「お願いね………ジェイ」

 

その光景に、私は呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

「ミサイル発射管解放! 雷撃戦用意!!」

 

『リョウカイ』

 

俺の指示に、トモロがジェイアークの武装を展開する。

すると、再びレーザー照射を受ける。

だが、

 

『じぇねれいてぃんぐあーまーゲンスイリツ1%ミマン』

 

「無駄だという事が分からんようだな?」

 

ジェネレイティングアーマーで余裕で防げているが、おそらくジェネレイティングアーマーが無くても無傷だろう。

ジェイアークは、J、アルマ、トモロ。

その全てが無い状態で8年間も火口の中。

即ちマグマの中に隠されていたのだ。

その上で何の問題もなく起動した。

光線級のレーザーの集中照射を受けたとしてもびくともしないだろう。

 

「レーザー照射元に対地レーザー砲、及びメーザーミサイル発射!」

 

『リョウカイ』

 

「行きがけの駄賃だ。光線級の数を減らしておく」

 

ジェイアークから放たれる閃光が、光線級を粉砕しつつ、A-01部隊の所へ航路を取った。

 

 

 

 

 

 

 

【Side 柏木 晴子】

 

 

 

 

凄乃皇・弐型から放たれた閃光。

ハイヴのモニュメントを砕いたその光は、まさに希望の光と呼べるものだった。

皆は勿論、私も柄にもなく涙ぐんだ。

『人類の勝利』。

口にはできないけど、本当にそんな日が来るのかと思っていた。

だけど、目の前の光景は、その言葉を明確に感じ取れるには十分すぎた。

これがあれば、太一………弟達が戦わずに済むかもしれない。

だけど、次の瞬間、凄乃皇・弐型が墜落した。

せっかく掴み取った希望が指の隙間から零れ落ちていくような気分だった。

だけど香月副司令は、これはテストと言っていた。

テストなら何らかの不具合が起きても不思議じゃない。

これが、変わらず人類の希望であることは間違いない。

でもその直後、地下から師団規模のBETAが出現。

私達は凄乃皇・弐型を護るために戦っていた。

すると、

 

『ヴァルキリー・マムよりヴァルキリーズ。そちらに援軍が向かいました! 合流してください!』

 

「援軍っ……!?」

 

そんな余裕があるのかと私は疑問に思った。

だけど、

 

『大尉っ! 11時方向にBETA多数っ!!』

 

風間少尉が報告する。

 

『何て数っ!?』

 

驚きの声を漏らす茜。

その数は大型BETAだけで数百。

ううん、千以上は居るかもしれない。

とてもじゃないけど一部隊で相手にできるような数じゃない。

『死』という単語が脳裏を過る。

だけど、

 

(お前は俺が護る………必ず………!)

 

不意にあの夜のジェイの言葉が蘇った。

その瞬間、無数の爆発と共にこちらに向かってきていたBETAが吹き飛んだ。

 

『な、何っ!?』

 

『支援砲撃でも来たの!?』

 

それぞれが驚く。

すると、信じられない光景が飛び込んできた。

それは、空中に浮かぶ白い戦艦がこちらに向かってくるところだったからだ。

飛翔体を優先的に撃ち落す光線級が、その白い戦艦にレーザーを照射しているけど、その戦艦からもレーザーが放たれて照射されていたレーザーが途切れる。

 

『あれはっ!!』

 

『ジェイアーク!!』

 

伊隅大尉と神宮司大尉が驚愕の声を上げた。

ジェイ……アーク………?

私はその名に引っかかりを覚えた。

その直後、

 

『こちらはジェイアーク! これよりA-01部隊を援護する!』

 

とても聞き覚えのある声がした。

 

「その声………ジェイ!? ジェイなの!?」

 

私は思わず叫ぶ。

すると、

 

『フュゥゥゥジョン!!』

 

戦艦からそんな声が聞こえてくる。

 

『ジェイバード、プラグアウト!』

 

戦艦の艦橋と砲台部分が分離、上昇していく。

更にそれが変形していき、人型を成していく。

最後に艦橋上部から顔が迫り出すと、

 

「ジェイダー!!」

 

過去に2度助けてくれた、あの謎の大型戦術機となった。

 

「プラズマウイング!!」

 

背中から10枚の孔雀の尾羽のような光の翼を展開すると、私達の前に降りてくる。

 

『……………ロボットアニメかよ…………』

 

白銀が何処か呆れたような声を漏らしていた。

すると、その大型戦術機は私達を見回し、

 

「全員無事のようだな?」

 

そう口にした。

 

「……………ジェイ………? ジェイなの………?」

 

私は思わず問いかけてしまう。

すると、その顔がこちらを向き、

 

「………俺は、お前を護ると言っただろう?」

 

優しげな声でそう答えた。

 

「ジェイ…………!」

 

その言葉に私は泣きそうになる。

あの言葉は、決して気休めなんかじゃなかったんだと。

その時、爆煙の向こうから生き残ったBETAが進み出てきた。

ジェイは振り返ると、

 

「大型種は俺に任せろ! お前たちは小型種を頼む!」

 

そう言って手を横に伸ばすと、

 

「プラズマソード!!」

 

その手から、あの赤い光の剣が展開する。

 

「はぁああああああああっ!!」

 

そのままBETAの群れに飛び込んでいくと、要撃級や突撃級、一番耐久力のある要塞級も一振りで真っ二つにしていく。

更に、ジェイの機体が分離した白い戦艦も、ミサイルやレーザーでBETAを吹き飛ばしている。

 

「ジェイ…………やっぱり凄い………」

 

私達は言われた通り戦車級や小型BETAを中心に殲滅していく。

すると、

 

「柏木? 何とも熱い言葉を特務少佐から貰っていたじゃないか?」

 

宗像中尉がからかい気味に問いかけてくる。

凄乃皇・弐型が墜落して動揺した皆の気分を切り替えようという中尉なりの配慮なのだろう。

だから私は、

 

「そりゃ恋人ですから!」

 

迷うことなくカミングアウトした。

 

『『『『『『『『『『何ぃっ!?!?!?』』』』』』』』』』

 

戦闘中であるにもかかわらず、皆が一斉に驚いた。

 

『い、いつからなのよ晴子!?』

 

茜が動揺したように問いかけてくる。

 

「一昨日からだね」

 

『つい先日じゃん!』

 

私の言葉にツッコミが入る。

でも事実だから仕方ない。

部隊内の空気もある程度明るくなった。

だから誰も気付かなかった。

凄乃皇・弐型が墜落した地面。

そこからトゲの付いた紫色の巨大な球体が現れ、凄乃皇・弐型に溶けるように一体化した事に。

その直後、

 

『ッ!? A-02の再起動を確認!』

 

通信でそう報告が来る。

振り返れば、地面に墜落していた凄乃皇・弐型が再び浮かび上がるところだった。

 

『わあっ……!』

 

『やった……!』

 

喜びの声を漏らす一同。

だけど、

 

「何っ!?」

 

ジェイだけは別の意味で驚愕しているように思えた。

完全に体勢を立て直した凄乃皇・弐型に私を含めた皆は希望を見出す。

だけど、凄乃皇・弐型が突然紫の光に包まれた。

 

『な、何だっ!?』

 

紫の光に包まれた凄乃皇・弐型が形を変えていく。

まるで粘土の様に、物理法則を無視した形の変え方だった。

 

「こ、これは………!」

 

ジェイが驚愕の声を漏らす。

紫色の光が消えると、凄乃皇・弐型は全く違う姿かたちをしていた。

全体的なフォルムこそ凄乃皇・弐型に通じるところがあるけど、白を基調とした色が水色になっており、各部に大きく赤い宝石のような………

もっと言えば、赤い目玉のように不気味なパーツが取り付けられていた。

更に言えば、機械のはずなのに、何処か生物のような雰囲気が不気味さを増長させている。

すると、

 

「こ、こいつはまさか………『ゾンダー』なのか………?」

 

ジェイが驚愕した声色で呟くと、

 

『イイヤ、ソリュウシZ0ハ検知サレナイ。コイツハぞんだーデハナイ………』

 

合成音声のような声が通信から聞こえてくる。

すると、

 

『………『原種』ダ!』

 

「何だとっ!?」

 

戦場に、ジェイの驚愕の声が響き渡った。

 

 

 






はい、第9話です。
ハルの告白から佐渡島の前半戦です。
ジェイアークとジェイダー無双かと思えばなんと原種現る。
何原種かわかりますか?
因みにこの世界に原種が出てきた理由も後々説明するつもりです。
そして次回は遂に………!
お楽しみに。


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