転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第11話 龍虎王顕現

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

トロニウムバスターキャノンの反動で戦域を脱したハガネは海上に不時着していた。

 

「アヅキ………敵は………?」

 

テツヤがハガネのオペレーターである女性に尋ねる。

 

「…………レンジ内に、敵機の反応はありません」

 

その報告にテツヤは一息吐くと、

 

「何とか……脱出することは出来たか…………」

 

そう言いながら立ち上がると、ブリッジを見回す。

 

「この有様ではな…………」

 

テツヤの言葉通り、ブリッジ内にも少なくない被害があり、本格的な修理が必要となるだろう。

更に、脱出前は何とか飛べていたものの、トロニウムバスターキャノンの反動での脱出という無茶をしたために、ハガネも飛べる状態ではなかった。

 

「………艦長! 以後の命令を!」

 

テツヤが背筋を伸ばして艦長席に座るダイテツに問いかける。

 

「……………………………」

 

だが、ダイテツから返事は無かった。

 

「ッ………!? か…………?」

 

テツヤは急いで艦長席まで上がり、ダイテツの様子を見た。

 

「艦長………?」

 

ダイテツは椅子に身を預けてぐったりとしている。

 

「ま、まさか…………!?」

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

テツヤやハガネクルーの間に最悪の予感が脳裏に過った。

 

「艦長!!」

 

テツヤがダイテツに駆け寄ると、肩を掴んで身体を揺らしながら叫んだ。

 

「ダイテツ艦長ぉぉぉぉっ!!」

 

テツヤが嘆きの様な声を上げる。

その時だった。

 

「………………ッ………! ううっ…………!」

 

ダイテツが身動ぎし、声を漏らしたのだ。

 

「ッ!? ダイテツ艦長!?」

 

テツヤはハッとなって声を掛けた。

 

「ッ………! だ、大丈夫だ………バスターキャノンの衝撃で、少し意識が飛んでいたようだ…………」

 

ダイテツは腹を抑えて辛そうにしながらも、ハッキリとそう言う。

 

「衛生兵! 艦長の治療を!!」

 

テツヤは咄嗟に指示を出す。

衛生兵がストレッチャーを運んできて、ダイテツを乗せようとした時、

 

「………少し待て」

 

ダイテツがそう言って衛生兵を止める。

 

「艦長!? 無茶はいけません!」

 

テツヤが思わずそう言うが、

 

「大事な事だ…………」

 

ダイテツはそう言ってテツヤを見る。

 

「艦長?」

 

テツヤが怪訝な声を漏らすと、

 

「テツヤ・オノデラ大尉………!」

 

重々しい声でダイテツがテツヤに呼び掛けた。

 

「ッ! ハッ!!」

 

テツヤは反射的に背筋を伸ばした。

 

「………以後の指揮はお前が取れ」

 

ダイテツがその言葉を発する。

 

「えっ!? じ、自分が……で、ありますか?」

 

テツヤは予想してなかったのか狼狽えた声を漏らす。

 

「そうだ。ワシの代わりを務められるのはお前しかおらん」

 

「で、ですが、自分はまだ…………」

 

しかし、テツヤは自信なさげな言葉を漏らした。

 

「テツヤ。お前はいずれワシの後釜としてハガネを任せるつもりだった。それが少し早まっただけの事だ」

 

「し、しかし、自分などダイテツ艦長に比べれば…………」

 

テツヤは優秀ではあるが、士官学校時代では次席であるという劣等感からか、自分よりも若いのに士官学校を首席で卒業し、ヒリュウ改の艦長を務めているレフィーナなどの前では謙遜する場面も多い。

 

「テツヤ。ワシは今までの戦いでずっとお前を見てきた。DC戦争……L5戦役……そしてインスペクター………ワシは決してお前の能力がレフィーナ艦長やあのリー・リンジュンに劣っておるとは思わん!」

 

「か、艦長…………」

 

テツヤは声を震わせる。

 

「もう一度言う………ワシの代わりを務められるのはお前だけだ。テツヤ」

 

ダイテツ艦長はそう言いながら自分の軍帽を差し出す。

テツヤは一度目を伏せると、次の瞬間顔を上げて軍帽を受け取るとそれを被り、

 

「分かりました! 艦長代理の任、謹んでお受けいたします!」

 

背筋を伸ばし、敬礼しながらテツヤは応えた。

 

「頼んだぞ…………」

 

ダイテツはそう言うと安心したように目を伏せた。

気を失ったようだ。

ダイテツはストレッチャーに乗せられて運ばれていく。

 

「ダイテツ艦長…………」

 

テツヤはそれを静かに見送った。

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、ダイテツ中佐はご無事なのですね?」

 

あの後、合流したヒリュウ改との通信で、レフィーナとショーンに事のあらましを説明したテツヤ。

 

「はい。重傷を負って絶対安静ですが、命の危険は去りました」

 

「良かった………」

 

レフィーナはホッと息を吐く。

 

「では、今後の方針を決めねばなりませんな」

 

ショーンがそう言うと、

 

「そうですね………先ずはジェイアークとマクロス・ブレイバーがどうなったのかを早急に調査しなくては……!」

 

レフィーナが頷き、

 

「彼らは脱出の手筈はあると言っていましたが、我々を逃がすための(ブラフ)という可能性も捨てきれません」

 

テツヤが最悪の可能性を示唆する。

 

「「「……………………」」」

 

その言葉に彼らが一瞬黙り込む。

すると、

 

「ッ!? 艦長!!」

 

ヒリュウ改のオペレーターが突然声を上げた。

 

「何ですか?」

 

レフィーナが聞き返すと、

 

「マクロス・ブレイバーから通信です!」

 

「ッ!? 繋げてください!」

 

レフィーナが咄嗟にそう言うと、モニターにジェイの姿が映った。

 

『どうやらそちらも無事に脱出できたようだな?』

 

ジェイがそう口を開く。

 

「はい。そちらもご無事の様で」

 

『ああ。現在はオービットベースでマクロス・ブレイバーの修理を行っている。明日には完了するだろう』

 

「オービットベース? どうやってそこまで?」

 

戦域を脱出してからそれほど時間は経っていない。

それなのに衛星軌道上にあるはずのオービットベースに居るという事に、レフィーナは疑問を持った。

 

『こちらにも切り札はあるという事だ』

 

ジェイは不敵に笑みを浮かべてそう言う。

 

「そうですか…………」

 

レフィーナはそれだけ言って何も聞かなかった。

 

『それと、ラミアもこちら側に居る。心配しなくていい』

 

ジェイはそう付け加える。

 

「彼女もそちらに居るのですか? 姿が見えないので心配していましたが、良かった………」

 

テツヤもホッと息を吐く。

 

『合流は航行テストを含め、数日後になる予定だ』

 

「了解しました。こちらも体勢を整える為に数日は必要です。詳細は追って」

 

『了解した』

 

そう言って通信を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

そして数日後。

ノイエDCの部隊に居たユウキ・ジェグナン、リルカーラ・ボーグナインを仲間に加え、更にレーツェルの伝手でハガネと同じスペースノア級万能戦闘母艦の3番艦『クロガネ』を呼び寄せ、行動不能なハガネに代わり、母艦とすることとなった。

尚、ノイエDCの部隊を受け入れた事で、ゼオラの処遇も見直されることになり、無事に自由行動が許可され、独房から出ることが出来た。

そしてゼオラもアラドと共に戦う事を望み、ビルトファルケンが正式に搭乗機として認められることとなった。

それからアクセルによって撃墜されたキョウスケも意識を取り戻し、攫われたエクセレンを取り戻そうと躍起になっている。

そして、ハガネからクルーや搭載機体、物資の移動が行われる中、突如として救援要請が飛び込んできた。

ウィニペグ基地よりアンノウン………アインストに襲撃されているという情報が入ったのだ。

更にその基地は都市部に隣接しており、住民にも相当な被害が予想された。

レフィーナは直ちにヒリュウ改で救援に向かう事を決定。

動けないハガネとクロガネ。

護衛の機体を残してウィニペグへと向かった。

 

 

 

 

サイバスターを始めとした機動力の高い機体で編成された先行部隊。

ヴァルシオーネ、アステリオン、ヒュッケバインガンナー、ズィーガーリオン、そしてビルトファルケン。

その行き先に、大地を黒く埋め尽くすアインストの群れが現れた。

 

「これが全部アンノウン!?」

 

アイビスが驚いた声を上げる。

 

「あんな数、サイフラッシュでも無理だニャ!」

 

「マサキ如何する? みんニャが来るの待つ?」

 

マサキの猫型の使い魔(ファミリア)であるシロとクロがそう言うと、

 

「いいや! このまま突っ切る!」

 

「「ええっ!?」」

 

マサキの言葉に驚くシロとクロ。

 

「一刻も早くウィニペグに行くには、それしかないわね」

 

逆にレオナは納得の声を漏らす。

そして各機は攻撃を開始。

ヴァルシオーネのクロスマッシャー、ヒュッケバインガンナーのGインパクト・キャノンとミサイル、サイバスターのアカシックバスター、ズィーガーリオンのソニック・アクセラレーション、アステリオンのソニック・ブレイカー、ビルトファルケンのオクスタン・ライフルによる連続射撃がアインストの数を減らしていった。

 

 

 

彼らの活躍もあり、グルンガスト参式や新たに仲間となったユウキのラーズアングリフ、リルカーラのランドグリーズ、SRXチームを主軸とした第2陣も都市部に到着することができ、アインストの撃破と住民の救出を行っていた。

しかし、アインストの数は多く、更に都市部には暗雲が立ち込め、怪しい黒い霧も発生し、住民達を飲み込み、アインストに変貌させていた。

その報告を聞いたヒリュウ改の前にも黒い霧が発生。

そこから、今まで見た事のない鎧を纏った騎士の様なアインストが姿を現した。

ゲシュペンストMk-Ⅱのカチーナが先制攻撃とばかりにメガ・ビームライフルを放つが、それはそのアインストの鎧の前に弾かれる。

 

「どりゃぁああああっ!!」

 

アラドもビルトビルガーのコールドメタルソードで斬りかかるが、その装甲は厚く、切り裂けずに弾かれた。

弾かれたビルトビルガーに向かって、2体の鎧の騎士の様なアインストが向かってくる。

 

「やべっ!?」

 

弾かれて体勢を崩した状態では避けることは難しい。

アラドは直撃すると思ったが、別方向から巨大なアンカーが飛んできて、その2体を弾き飛ばした。

それは、タスクのジガンスクード・ドゥロのシーズアンカーだった。

 

「た、助かりました!」

 

アラドはタスクにお礼を言うと、ジガンスクード・ドゥロは胸部にエネルギーを集中させ始める。

 

「下がってくれ! ワイドブラスターを撃つ!!」

 

ギガ・ワイドブラスターの出力ならあの装甲も吹き飛ばせると判断したタスクが発射準備に入る。

 

「ッ!?」

 

だが、突如として高出力のビームがジガンスクード・ドゥロを襲った。

 

「うぉぁああああああっ!?」

 

攻撃自体はグラビティ・テリトリーで防ぎ切ったが、思った以上の威力にタスクは声を上げる。

 

「何だ!? 新手!?」

 

アラドが攻撃方向に振り向くと、何かが超高速移動を繰り返しながら蛇行しつつ向かってきた。

アラドはその動きを追おうとするが、あまりのスピードに全く追いつけず、僅かな影しか確認できない。

 

「何だ!? あの動き……!」

 

アラドはその動きに驚くが、その影はヒリュウ改に向かって行く。

 

「ヤバい! あいつヒリュウ改に!?」

 

アラドは影がヒリュウ改を狙っていることに気付いたが、あの超スピードには対応できない。

 

「アンノウン接近! 1時方向より急速蛇行!!」

 

「AAMオート! 撃ちかた始め!!」

 

「間に合いません!!」

 

オペレーターからの報告にレフィーナは迎撃を指示するが、相手の動きは対応スピードを上回っていた。

ブリッジの目の前に赤く光る一つ目が怪しく輝く。

 

「ッ!?」

 

レフィーナは目を見開く。

だがその瞬間、強烈な打撃音と共にその影が横殴りに吹き飛ばされた。

 

「えっ!?」

 

思わず声を漏らしたレフィーナだったが、ブリッジの目の前には先程の影とは別の、10枚の赤い光の翼を生やした機体の背中が映っていた。

 

「無事か?」

 

そう言って背中越しに顔を向けてきたのは、ジェイがフュージョンしたジェイダーだ。

 

「ジェイダー!?」

 

「ジェイさん!!」

 

タスクとアラドが驚きと歓喜の声を上げた。

その直後、ビルトビルガーを背後から狙っていたアインストが横一文字に切断され、爆発する。

そこに居たのはヴァイサーガだった。

 

「あっ! ラミアさん!」

 

「油断は禁物だぞ。アラド」

 

ラミアはそう言う。

だが、吹き飛ばされた影は直ぐに体勢を立て直し、超スピードでかく乱するように動き回りながらいったん距離を取ると、赤い月をバックに一度停止した。

その姿は、4枚の翼を生やした悪魔………いや、堕天使だった。

しかし、

 

「………………ヴァイスリッターか」

 

「何だと!?」

 

「本当ですか!?」

 

ジェイダーの呟きに、カチーナとラッセルが驚愕の声を上げた。

ジェイダーの言葉通り、悪魔の様な4枚の翼と尻尾を生やし、細部に違いはあるものの、その面影は間違いなくエクセレンの機体であるヴァイスリッターだった。

 

「エクセ姉様………」

 

ラミアは変貌したヴァイスリッターを見上げながら呟く。

次の瞬間、再びヴァイスリッターは超スピードで動き始めた。

その動きには、機動力に難のある特機は元より、ビルトビルガーや量産型ゲシュペンストMk-Ⅱですら全く追うことが出来ない。

だが、

 

「ッ!」

 

ジェイダーが動き出したヴァイスリッターを見据えると、プラズマウイングを広げ、超高速で飛び出した。

 

「はぁああああああっ!!」

 

エクセレンが乗っているためにプラズマソードは使わず、素手で接近するジェイダー。

ヴァイスリッターが影の様に高速移動を繰り返す中、ジェイダーは赤き閃光となってその動きを追随する。

 

「まさか、このジェイダーにスピードで戦えるとはな………!」

 

ヴァイスリッターから時折赤いビームが放たれるが、ジェイダーはそれを的確に躱して接近する。

 

「す、すげぇ………あの動きについて行ってる………!」

 

タスクが思わず声を漏らす。

すると、ヴァイスリッターが一度離れ、動きを止める。

そして、その頭部がヒリュウ改の方を向いた。

 

「む………?」

 

ジェイダーがその視線を追うと、ヒリュウ改のブリッジの下。

そこにあるデッキに、包帯だらけのキョウスケの姿があった。

 

「キョウスケ………」

 

キョウスケはヴァイスリッターを見上げる。

 

「エクセレン………なのか?」

 

キョウスケが呟くと、

 

『抹消………始まりの地の者達………』

 

そんな呟きが聞こえた。

 

「ううっ……! お前……何を……?」

 

キョウスケが何かを感じたように呻くと、

 

『エクセレンは、戻りつつありますの』

 

少女の声が響いた。

ヴァイスリッターの背後に黒い空間の穴が現れ、そこからペルゼイン・リヒカイトが姿を現す。

 

『キョウスケ………』

 

「アルフィミィ………戻りつつあるとはどういう意味だ!?」

 

キョウスケが怒りを堪えて問い返す。

 

『エクセレンは、姿を変えることなく、より純粋なる存在へ………』

 

「純粋なる存在だと………? お前……あいつに何を!?」

 

珍しく声を荒げるキョウスケ。

それだけエクセレンを奪われたのが許せないのだろう。

 

『失われた、古の記録………そこへ通じる門………それを開く鍵………利用できるかどうか、試させてもらいますの………』

 

アルフィミィがそう言うとペルゼイン・リヒカイトの右手に怪しい紫の輝きを放つ光球が現れる。

 

「何っ………!?」

 

キョウスケが声を漏らすと、ペルゼイン・リヒカイトの両脇にあった鬼の面がウィニペグの黒い霧の方へ飛んでいく。

すると、暗雲の中から12の巨大な石柱が降りてきて地上に突き立つ。

その石柱は円を描く配置になっており、黒い霧が渦巻くと、その範囲内の全てを飲み込み始めた。

アインストに変貌した者も、逃げ遅れた者も、建物でさえ全てを飲み込んでいく。

 

「………私達に干渉してくる念が、あの霧の源なら………」

 

「俺達の念で止めてやる!」

 

グルンガスト参式のクスハとブリットが黒い霧から感じる禍々しい念に対抗するために意識を集中し、

 

「「念動フィールド!!」」

 

グルンガスト参式が念動フィールドを最大限に発動。

黒い霧に対抗する。

念動フィールドと黒い霧がせめぎ合っていたが、突如として渦巻く黒い霧の中から植物の蔦の様な触手が伸びてきてグルンガスト参式を絡めとった。

そのままグルンガスト参式を霧の中に引きずり込もうとする。

ユウキやリルカーラが援護射撃を行うが、効果は無く、グルンガスト参式も対抗していたものの、霧の中に引きずり込まれてしまった。

そして次の瞬間、念動力者達が禍々しい念の源が現れることを感じ取り、霧が収束。

黒いドームを作り出したかと思うと消え去り、全てを飲み込んで更地となった大地の中央に、巨大なアインストが存在していた。

その姿は形容しがたく、まさに怪物と呼べるものだった。

そして、引きずり込まれたグルンガスト参式はその触手に捉えられている。

 

『そう………鍵たりうるか………』

 

突如として巨大なプレッシャーと共に声が響いた。

 

『我は新たな命足りうる………』

 

そのプレッシャーに念動力者達は苦しみの声を漏らす。

それでも攻撃をしようとするが、巨大なアインストはグルンガスト参式を盾にして攻撃を封じてくる。

 

「あれじゃ攻撃できない!」

 

アイビスが悔しそうにそう言う。

すると、右腕を掲げ、巨大なエネルギーを溜めたかと思うと、拡散ビーム砲のように全方位にエネルギー砲を乱射した。

 

「うわぁあああああっ!?」

 

何とか直撃は避けるものの、その威力に声を上げるリュウセイ。

しかも、街への被害もバカにならない。

だがその時、上空から急降下してくる反応があった。

それは、

 

「ディバイディングドライバァァァァァァァァッ!!」

 

ディバイディングドライバーを左腕に装備したガオファイガー。

ガオファイガーは巨大なアインストの前方にディバイディングドライバーを打ち込むと、衝撃が巨大なアインストの足元を通過。

その亀裂が広がり、巨大なアインストをディバイディングフィールド内に落下させる。

とはいえ、落下しただけではダメージは無い様で、巨大なアインストは問題なく立ち上がった。

 

「ガオファイガー!!」

 

リュウセイが叫ぶ。

 

「来てくれたか!」

 

ライも頼もしい援軍が来たと言わんばかりにそう言った。

 

「お待たせ!」

 

ガオファイガーはそう言うと巨大なアインストを見据える。

 

「…………アインスト・レジセイア………だっけ?」

 

ガオファイガーは前世の記憶から相手の該当する名前を引っ張り出し、小声で呟いた。

 

「…………ともかく、ブリットとクスハを助けないと………!」

 

ガオファイガーはそう言ってファイティングポーズを取る。

 

『……………この世界の外より来た者か…………』

 

「ッ!?」

 

ガオファイガーを見てアインスト・レジセイアがそう言う。

 

『お前達はこの世界に存在してはならない異物…………静寂なる世界を乱す者…………』

 

「…………そんなの言われなくても分かってるよ」

 

ガオファイガーはそれがどうしたと言わんばかりに言い返した。

 

「けど、だからと言ってはいそうですかって排除される気は無いよ!」

 

ガオファイガーはそう言うとファントムリングを展開。

右腕を振り被って高速回転させる。

すると、アインスト・レジセイアはグルンガスト参式を前に持ってきて盾にする。

 

「また!」

 

アイビスは声を上げるが、

 

「ブロウクン………ファントムッ!!」

 

ガオファイガーは構わずにブロウクンファントムを放った。

 

「なっ!? 撃ちやがった!?」

 

マサキが驚愕の声を上げる。

ブロウクンファントムは直進し、そのままではグルンガスト参式に直撃するかと思われた。

だがその直後、側面より巨大なビームがアインスト・レジセイアを襲い、体勢を大きく揺らがせると共に触手を何本か焼き切る。

それはマクロス・ブレイバーからの援護射撃だった。

その所為で盾となっていたグルンガスト参式の位置がズレ、射線が空く。

そこをブロウクンファントムが通過し、アインスト・レジセイアの頭部に直撃。

大きく仰け反らせた。

 

『ぬぁあああああああああっ!?』

 

野太い悲鳴を上げるアインスト・レジセイア。

だが、それでもグルンガスト参式を離さない。

 

「ッ………」

 

小さく舌打ちするガオファイガー。

出来れば今の攻撃でグルンガスト参式を救出出来ていてほしかった。

同じ手は二度と通じないだろう。

すると、アインスト・レジセイアは右腕を掲げ、黒い霧を発生させると黒いドームの中に閉じ籠った。

 

「あっ! クスハ! ブリット!」

 

ガオファイガーが声を上げる。

黒いドームは空間的に断絶されているようで、通信も届かない。

 

「くっ! こうなったらディメンジョンプライヤーで………!」

 

ガオファイガーがプライヤーズを呼ぼうとした時、天空から雷が黒いドームに降り注いだ。

次の瞬間黒いドームが砕かれ、その中が露になる。

そこには、アインスト・レジセイアと片腕と片足を失ったグルンガスト参式。

そして、青い龍と白い虎の機動兵器が存在していた。

すると、青い龍がグルンガスト参式の足に。

白い虎が腕に喰らい付き、グルンガスト参式の身体を無数の札の様に変化させて喰らっていく。

 

「さ、参式が………!?」

 

「食われていく……!」

 

マサキとリューネが声を漏らす。

すると、無数の札となったグルンガスト参式が青い龍と白い虎を包み込んで球体を形作った。

 

『始まりの地………その守護者の僕…………』

 

アインスト・レジセイアはそう言葉を漏らすと、左腕の触手を伸ばした。

その触手が球体に絡みつこうとした時、

 

『唱えよ。我が名を!』

 

別の声が響いた。

次の瞬間、札の球体が内側から弾け飛び、

 

「汝! 無敵青龍! 龍虎王!!」

 

そこに居た青い人型の特機。

超機人の龍王機が主として虎王機と合体した龍虎王が姿を現し、クスハの声で名乗りを上げた。

 

「九天応元雷声普化天尊! 雷火の顎よ! 敵を撃て! 急急如律令!!」

 

クスハが言霊を唱えると共に、無数の札が天へと上り、

 

「勅! 勅! 勅! ちょぉぉぉく!!」

 

雷が降り注いでアインスト・レジセイアの触手を吹き飛ばした。

 

『古よりの因縁、此処で断つ!』

 

アインスト・レジセイアは右腕を伸ばして龍虎王に攻撃する。

だが、

 

「順逆転身!」

 

ブリットが叫ぶと、龍虎王が札の様にばらけ、その腕を躱して再び一つになると、

 

「虎龍合体! 最強白虎! 虎龍王見参!!」

 

虎王機が主となって龍王機と合体した虎龍王となって姿を現した。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

ブリットはヌンチャク型の武器、『ランダムスパイク』でアインスト・レジセイアに連撃を与える。

そして一度距離を取ると、右腕がドリルに変形。

そのまま突撃すると、アインスト・レジセイアの腹部を貫いた。

そして再び龍虎王となると、

 

「帰りなさい。あなたの世界へ……!」

 

クスハの言葉と共に、龍虎王の尾の先にあった宝玉が分離。

右手でそれを掴むと、青龍刀となる。

 

「龍王破山剣!!」

 

クスハがその名を叫ぶ。

そしてアインスト・レジセイアの攻撃を躱しつつ跳躍すると、

 

「えぇぇぇぇぇぇいっ!!」

 

そのままアインスト・レジセイアを一刀両断にした。

 

『ぬぁあああああああああああああああああっ!?!?』

 

断末魔の叫びと共に爆発するアインスト・レジセイア。

それと共に石柱も爆発して消え去った。

 

 

 

 

『ッ!?』

 

それを感じ取ったアルフィミィは、

 

『守護者の僕が、真の姿で顕現するとは………試していたのは、私達アインストだけではなかった様ですのね………』

 

少し悔し気にそう言った。

すると、ジェイダーと相対していたヴァイスリッターが後退する。

 

「エクセレーン!!」

 

キョウスケが叫んだ。

その時、

 

『…………キョウ………スケ………』

 

まるでキョウスケの声に反応するようにその名を呟いた。

 

「ッ!?」

 

すると、ペルゼイン・リヒカイトの背後に黒い空間の穴が開く。

 

『今日は私達の負けですの。でも、いずれエクセレンは純粋なる存在に………そして、私は完全なる存在になりますの。その時まで、ごきげんよう………キョウスケ』

 

アルフィミィがそう言い残すと、背後の黒い空間の穴に消えていく。

 

「待てぇぇぇぇっ!!!」

 

キョウスケが手を伸ばしながら叫ぶが、彼の目の前で空間の穴は消えていく。

それぞれに悔しさが滲む中、

 

(エクセレン………アルフィミィはまた俺の前に現れる………お前を連れてな………その時こそ、俺は命を懸ける!)

 

キョウスケはより決意を固めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【幕間】その頃のシン・アスカ

 

 

 

 

【Side シン】

 

 

 

 

 

テスラ研でデスティニーやガイア、YF-29の改修が行われている間、俺はリシュウ先生にお願いして剣の修業をつけて貰っていた。

主な理由は、アロンダイトをあの落ち武者の様な機体(ペルゼイン・リヒカイト)にあっさりと断ち切られてしまったからだ。

今まではデスティニーの機体性能もあり、俺自身も上手く扱えていると思っていた。

でも、この世界に来てゾンダーを除けば機体性能が上の相手と初めて戦った。

結果は散々だ。

機体性能の差もあるかもしれないが、俺自身剣の扱いが上手くないと感じた。

デスティニーの機体性能で振り回していただけだ。

今まではそれで十分だったけど、この世界では違う。

機体性能も、パイロットの腕も桁違いだ。

だから俺は、レーザーすらも剣で弾いたというリシュウ先生に弟子入りをお願いした。

リシュウ先生も快く引き受けてくれて、さっそく修行に入った。

いきなり山籠もりするとは思わなかったけど…………

先ずは、俺の実力を計るために先生との試合を行った。

正直、先生は俺の世界で言うナチュラルだし、技術はともかく、身体能力も含めれば俺でもそれなりには戦えるんじゃないかと思っていた。

これでもジェイさん達とはそれなりに格闘訓練してるし。

だけど………………

試合が始まって、気が付いたら俺は大の字にぶっ倒れて空を見上げていた。

俺は覚えてないけど、試合が始まった瞬間、先生が斬りかかってきて、俺はそれを受け止めようとして、防ぎきれずにそのまま脳天を打ち抜かれて気絶したそうだ。

マジか?

正直、ザフトの士官学校の教官より、多少強い位だと思っていた。

でも、教官なんか足元にも及ばない位強かった。

これでナチュラルなんて信じられない。

思わずその言葉が口からぽろっと出てしまった時、

 

「遺伝子操作など人の才能を引き出しやすくする程度の措置に過ぎん。真の強さとは地道な努力と研鑽の果てに手に入れる物。仮初の力を手にしたところで、真の強者には敵わぬと知れ!」

 

そう言われ、俺は………

いや、俺が元居た世界は、本当に小さなことで争っていたんだと教えられた。

それから俺はより真剣に修行に打ち込んだ。

機体の改修にかかる期間は精々1ヶ月程度。

その間に、俺は少しでも先生の教えを吸収しようと必死になった。

先生も俺の思いを感じたのかより容赦なく修行内容をキツくした。

そして1ヶ月後……………

 

 

 

 






はい、スパロボOG編第11話です。
皆さんが心配していたであろうダイテツ艦長ですが、とりあえず生存です。
まあ、重傷負って戦線離脱ってことで。
原作通りテツヤが艦長代理です。
でもって今回やって見たかったのがジェイダーVSライン・ヴァイスリッター。
多分ライン・ヴァイスリッターならジェイダーとスピードでタメ張れるんじゃないかと思って………超スピードで分身するぐらいだし………
それとシンの幕間が入りましたが、次回から再登場の予定です。
お楽しみに。



デスティニーのアロンダイトの改造案決選投票

  • 形は変えずにZ・O製にして出力UP
  • アロンダイトの形から斬艦刀に形状変化
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