転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第13話 決戦! アースクレイドル!

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

地下からの奇襲という奇策により、裏を掻くことに成功したクロガネ。

クロガネに搭載されたSRXチームを中心とした部隊が出撃し、アースクレイドルに向かう。

そして、クロガネの甲板の上にはゴルディオンハンマーを装備したガオファイガーの姿があったが、ガオファイガーは出撃しようとはしなかった。

 

「…………作戦とはいえ、もどかしい」

 

そう呟くガオファイガー。

仲間達が戦いに出向くのに、自分は残ることが心苦しいのだろう。

そこへ、

 

「前線で武器を振り回す事だけが、戦いではない」

 

空中からガオファイガーを見下ろすジェイダーがそう言った。

 

「ジェイダー………」

 

「戦いにはそれぞれ役割がある。露払いは俺達の役目。お前の役目はこの後だ」

 

「…………うん」

 

ジェイダーの言葉にガオファイガーは頷くと、前を見据える。

 

「ならば、俺も行く!」

 

ジェイダーはプラズマウイングを広げると、アースクレイドルに飛翔した。

 

 

 

 

ヒリュウ改がかなり戦力を消耗させたとはいえ、アースクレイドルからは直掩部隊と思われる砲戦特化のバレリオンの部隊やリオン部隊が出撃してくる。

各機がバレリオンの部隊と交戦を開始し、SRXチームはSRXに合体。

その圧倒的火力で敵部隊を粉砕する。

ジェイダーも空戦部隊を中心にプラズマソードで敵を撃破していき、クロガネの道を開けていく。

更に現れたウォーダンのスレードゲルミルは、ダイゼンガーが相手をし、斬艦刀同士の激突が繰り広げられていた。

そして、味方が切り開いた道をクロガネが一直線にアースクレイドルに向かって突き進む。

 

「これより本艦は、フェイズ3に移行する!」

 

艦長代理のテツヤがそう宣言した。

 

「艦首超大型回転衝角! 始動!!」

 

クロガネの艦首に装備されている超大型ドリルが回転を始めた。

 

「ガオファイガー! 突撃せよ!!」

 

テツヤが命令を下すと、

 

「了解!!」

 

ガオファイガーが待ってましたと言わんばかりにクロガネの甲板から飛び立ち、全速で飛行しながらアースクレイドルに向かって行く。

 

「テスラ・ドライブ最大出力! オーバーブースト!!」

 

クロガネのメインブースターが火を噴き、更に加速。

艦の前方を中心にエネルギーフィールドが発生する。

直掩部隊のバレリオンは、クロガネの方が脅威だと認識しているようで、攻撃をクロガネに集中させている。

だが、

 

「ゴルディオン…………ハンマァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

先行していたガオファイガーが金色の光に包まれ、巨大なハンマーを振り被ると、アースクレイドルのドーム表面に向かって振り下ろした。

ゴルディオンハンマーの割断ウェーブにより、装甲が光へと変えられ、ドーム表面に大穴を開ける。

更に、

 

「ガオファイガーが空けた穴を抉じ開ける! クロガネ! 突撃ィィィィィィィッ!!!」

 

その穴にクロガネの超大型回転衝角が突き刺さり、瞬く間に穴を広げた。

それによって作り出された侵入口を使い、アースクレイドル内部へと突入する各機。

そこで部隊は2つに分けられた。

1つはSRXやアウセンザイターを中心としたアーチボルドを目標としたチーム。

そしてもう1つは、ビルトビルガーやビルトファルケンを中心としたアギラ・セトメを目標としたチームであった。

そしてジェイダーはアーチボルドを狙うチームへ。

ガオファイガーはアギラ・セトメを狙うチームへと組み込まれた。

 

 

 

アーチボルドは、複数のエルアインスと共に、グラビリオンに乗って待ち構えていた。

 

『やれやれ……ここまで来るとは………』

 

アーチボルドは呆れたようにそう言う。

 

「アーチボルド!」

 

『カーラ君、ユウキ君。本格的に裏切ったんですね?』

 

「シャドウミラーと組んでるアンタに言える事か!」

 

「少佐! 直ちに武装解除し、兵を退くんだ!」

 

カーラとユウキがアーチボルドに向かってそう言う。

 

『本来の敵と戦うために………ですか? お断りします』

 

アーチボルドは当然の様にそう言う。

 

『君も知っての通り、僕は人間の血を見るのが大好きなんです。それに、もし投降したとしても、ブランシュタイン兄弟が唯では済まさないでしょうしね………』

 

笑いながらそう言うアーチボルド。

 

「アーチボルド………!」

 

ライディースが憎しみの籠った声でその名を呼ぶ。

 

『言っておきますが、僕を恨むのは筋違いですよ? あなたの義姉上を殺したのは、エルザム君なんですから!』

 

そう言うと同時にグラビリオンが攻撃を開始。

各機は散開して避ける。

 

『それに、僕に仕事を依頼して来たのは連邦政府の高官。しかもその人物は! エアロゲイターの攻撃により、既に死んで居ます!!』

 

言葉の節々を強調しながら楽しそうに言うアーチボルド。

 

『つまり、あなた方の復讐は既に果たされているのですよ!!』

 

自分は悪くないから放っておけと言わんばかりの物言い。

 

「黙れ! 貴様の行いの数々………許されるものではない!!」

 

ライディースが叫ぶと、SRXがグラビリオンに突進。

 

「そうだ! 行くぞ!」

 

リュウセイがライディースに同意しながら叫ぶ。

両手に念動フィールドを集中させながら殴りかかった。

 

 

 

 

 

一方、アギラ・セトメを目標とするグループは、オウカの先導で先に進んでいた。

 

「アギラのラボはこの先です」

 

オウカの言葉に、

 

「オウカ姉様、やっぱりヒリュウ改に戻った方が………その機体じゃ………」

 

ゼオラが心配そうな声を漏らす。

ラピエサージュはアラド達との戦闘で片腕を失っており、ダメージもそれなりにある。

 

「大丈夫。案内と自衛位なら問題ありません。それよりも、早くアギラを捕らえねば逃げられてしまいます」

 

オウカはそう言った。

 

 

その頃、アギラ・セトメは研究所でてんやわんやしていた。

 

「い、いかん……! まさかアウルム1のリマコンまで解けてしまうとは…………想定外じゃ………!」

 

アギラは研究データを急いでまとめ、脱出しようと企んでいた。

それを見ていた男性の研究員、クエルボ・セロは何か諦めたような表情をしていた。

 

「………セトメ博士…………無駄な事は止めましょう………我々は負けたのです………」

 

クエルボがそう言うと、

 

「何を言う!? ワシはここで終わるような人間ではない! 早く研究データを纏めて脱出するんじゃ! ほれ! クエルボ、お前も手伝え!」

 

未だに無事に脱出できると思っているアギラに、クエルボはため息を吐く。

このクエルボは、アギラの助手ではあるが、アギラとは違い、被験体となった者達にも情をもって接して来た。

スクールの出身であるアラドやゼオラ、オウカに名前を与えたのも彼である。

彼は慌てふためくアギラを放って部屋を出ると、

 

「…………私も、報いを受ける時が来たようだな………」

 

自ら進んでと言う訳ではないが、アギラの研究にも大きく加担して来たクエルボは自責の念に囚われていた。

 

「ならば………少しでも償わなければならないな………」

 

クエルボは自分の研究室に戻ると、コンピューターを操作し始めた。

研究データを消去しようとしていたのだ。

このままアギラを逃がすわけにはいかない。

ここでアギラを逃がせば、またスクール出身者と同じように非道な研究の被害者が出てしまうだろうと………

だが、

 

「………………ッ!? 何だ!?」

 

突如として映し出されていたモニターにノイズが走る。

そして、そのモニターに紫の目の様な模様が映し出された。

 

「こ、これは!?」

 

次の瞬間、そのモニターから紫の光が溢れ、クエルボの意識は闇に落ちた。

 

 

 

 

 

アギラは護衛のエルアインス達が次々と撃破され、アラド達がこのフロアに近付いていることを察知した。

 

「このままでは………ええい!」

 

アギラは作業を中断すると、とある場所へ向かう。

それは、マシンセルを制御するためのコンピューター、メイガス。

現在はアースクレイドルの責任者であるソフィア・ネート博士を生体端末とすることでマシンセルの制御を行っている。

アギラはこれを使ってマシンセルの活動を活性化させた。

 

 

 

アギラの研究所へ向かっていたアラド達は、護衛のエルアインスを全滅させていた。

 

「これでこの辺の敵は全部か?」

 

アラドがそう言うと、

 

「そうですね。アギラの研究所はもうすぐです。急ぎましょう」

 

オウカがそう答え、各機が先へと進もうとした。

だが、突如として背後からビームが襲い掛かる。

寸前で気付いたアラド達は避けたが、

 

「増援!?」

 

ゼオラが吹き向きながら叫ぶ。

だが、そこに居たのはボロボロのエルアインス。

しかし、周りのエルアインスの残骸が次々とくっ付き、まるでゾンビの様に立ち上がってきた。

 

「これは……!?」

 

「マシンセル……!?」

 

シャインやラトゥーニが驚愕の声を上げる。

驚きながらも攻撃し、エルアインスを撃破するが、直ぐに再び再生を始め、立ち上がってきた。

 

「修復スピードが速すぎる!?」

 

「どうなってんだこりゃ!?」

 

ゼオラやアラドも驚きながらも応戦するが、一向に数は減らない。

これが活性化させたマシンセルの力であり、それによって撃破されたエルアインス達が、まるでゾンビの様にいくらでも再生する不死身の亡霊マシンと化す。

そうすることで、脱出の時間を稼ごうとしていたのだ。

その目論見通り、際限なく再生していくエルアインスにアラド達は苦戦。

アギラはこの隙に脱出の準備を進めようとしていた。

だが、

 

「光になれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

振るわれた金色のハンマーがエルアインスを数機纏めて光と化した。

そして、光にされたエルアインスは再生しない。

 

「やっぱり。いくらマシンセルと言っても要はナノマシン。その大きさより小さな光の粒子まで分解すれば、再生機能は働かない」

 

そう言いながら、次々とエルアインスを光に変えていくガオファイガー。

 

「な、何という事じゃ………このままでは………」

 

予定が狂ったと言わんばかりに慌てふためくアギラ。

 

「クエルボ! どこへ行ったクエルボ!?」

 

アギラは助手であるクエルボを呼ぶが反応は無い。

だがその時、エルアインスを光に変えていたガオファイガーの前で爆発が起こった。

それは、

 

『ゾンダァァァァァッ!!』

 

壁を突き破って現れたのは、エルアインスやリオンシリーズを吸収し、人型を形作っているロボットだった。

 

「これはっ!? まさかゾンダー!?」

 

ガオファイガーが声を上げる。

すると、ゾンダーが左腕を向けると、その左腕が変化し、巨大なバレリオンの頭部へと変わり、巨大な砲口が作り出された。

 

「ッ!?」

 

ガオファイガーは咄嗟にウォールリングを展開。

ビームが放たれる瞬間、

 

「プロテクトウォール!!」

 

防御フィールドでビームを受け止め、五芒星を描いて跳ね返し、ゾンダーが爆発に包まれる。

 

「あ、あぶね~………!? ルネさん、助かりました」

 

背後に居たビルトビルガーからアラドがお礼を言った。

爆煙が晴れていくと、ゾンダーバリアによって無傷な姿のゾンダーが現れる。

すると、

 

「ジェイ! ゾンダーが現れた! ハルをこっちに!」

 

ガオファイガーが通信で呼び掛ける。

すると、今度は右腕を振り被ると、巨大なビームサーベルを生み出す。

 

「くっ!?」

 

流石にあれは受け止められるか分からないと判断したルネは回避を選択する。

そのまま懐へ飛び込むと、

 

「ドリルニー!!」

 

その頭部へ向かってドリルの付いた膝蹴りを繰り出し、バリアを打ち破りながら頭部を貫通した。

だが、ゾンダーはその再生能力により、瞬く間に再生する。

 

「ッ…………!」

 

ガオファイガーがゴルディオンハンマーを使わないのには理由がある。

ゾンダー核を抜き出すことは難しい事では無いが、抜き出したゾンダー核は一定時間たつとゾンダー人間となり逃亡してしまうからだ。

故に、ゾンダー核を抜き出すときには、浄解能力を持ったハルが近くにいるときでなければならない。

故に早々に勝利するわけにはいかないのだ。

 

「皆! コイツの相手は私がする! 皆はアギラ・セトメの確保を!」

 

「わ、分かりました!」

 

アラド達は言われた通りに先へ進む。

 

「さてと………ハルが来るまで時間を稼がなきゃね………!」

 

ガオファイガーは時間を稼ぐために気合を入れるのだった。

 

 

 

 

 

その頃、アーチボルドのグラビリオンはSRXと戦っていた。

 

「ブレード・キィィィィクッ!!」

 

SRXがブレードの付いた足でキックを放つと、

 

『ブレード・キック!』

 

グラビリオンも似た武器で蹴りを放った。

蹴りと蹴りが激突する。

その結果は…………グラビリオンの足のブレードが圧し折れて床に突き刺さった。

 

『ぬぐっ!?』

 

「奴の装甲は再生しねぇ! このまま勝負を決めてやる!」

 

アギラの乗っていたソルグラビリオンとは違い、グラビリオンに修復能力は無いと判断したリュウセイが叫ぶ。

 

『ふん! お決まりの熱血台詞を!』

 

アーチボルドは馬鹿にしたようにそう言うが、

 

「安心しろ……! 二度と聞けない様にしてやる!」

 

ライディースがそう言うと、

 

『奇遇ですね!』

 

アーチボルドがそう言いながら、SRXに掴みかかる。

 

『僕も同じことを考えてましたよ!!』

 

SRXの両腕を掴むと同時に腹部の装甲が展開。

砲口が姿を現し、ビームを放った。

その状況ではさしものSRXも動けず、ビームがSRXの腹部を通過。

SRXが上下真っ二つになった。

 

「あっ!?」

 

「SRXが!?」

 

その瞬間を目撃したマイとヴィレッタが叫ぶ。

 

『さようならライディース君! あーっはっはっはっはっはっは!!』

 

勝利を確信し、高笑いを上げるアーチボルド。

しかし、その直後におかしい事に気付いた。

SRXが爆発しないのだ。

 

『あーっはっはっはっは…………!? んんっ!?』

 

アーチボルドもそれに気付く。

すると、

分断されたはずのSRXの下半身がバランスを取って持ち直した。

そして、

 

「パージしたのよ!!」

 

アヤが叫んだ。

SRXはビームによって分断されたのではなく、合体を解除することで分離していただけだった。

 

「くらえ! ガウンジェノサイダー!!」

 

リュウセイは頭部のバイザーに念動フィールドを集中させ、ビーム状にして放つ。

勝利を確信して隙だらけだったグラビリオンの頭部に直撃。

更にマイとヴィレッタも追撃する。

すると、SRXの上半身が更に分離。

 

「行けライ! 決着は自分の手で付けろ!!」

 

義姉の仇を討たせるためのリュウセイの気遣いだった。

 

「すまん!」

 

SRXの胴体がR-2に変形すると、グラビリオンに向かって行く。

しかし、

 

『………そう言うくだらないこだわりが、君達の弱みなんですよ!!』

 

グラビリオンはまだ余力を残しており、腕を伸ばしてR-2を捕らえた。

 

「なっ!?」

 

「ライディース!?」

 

『彼には、人質になってもらいます』

 

ライディースを人質に取ったことで、アーチボルドに余裕が戻ってくる。

レーツェルのアウセンザイターがライフルで狙いを定めようとするが、

 

『撃てますかぁ、エルザムくぅん? あの時の様に………』

 

アーチボルドはR-2を射線軸上へ持ってくる。

 

「アーチボルド………!」

 

レーツェルは悔しそうに歯噛みする。

だが、

 

「典型的な小悪党の台詞だな…………」

 

呆れた声が響くと、赤い閃光がグラビリオンの前を通過。

同時にR-2を掴んでいた腕が切り落とされた。

 

『なっ!?』

 

アーチボルドが驚愕の声を上げる。

その瞬間、

 

「撃て! レーツェル!」

 

そう言ったのは赤い閃光、ジェイダーだった。

超スピードですり抜けざまにグラビリオンの腕を切り落としたのだ。

 

「ッ!」

 

反射的に引き金を引くレーツェル。

その一撃はグラビリオンの頭部を貫き、爆散させる。

その直後、コアであり脱出装置となっているガーリオンが飛び出してくる。

 

『ば、馬鹿な………!?』

 

驚愕するアーチボルド。

 

「ライ!」

 

更にジェイダーはライに呼び掛けると、R-2がガーリオンに向かい、

 

「アーチボルド・グリムズ!!」

 

ライディースが叫びながらチャクラムを投擲。

有線式の為、ガーリオンの足に巻き付く。

更にR-2がガーリオンを引き寄せ、

 

「これまでの罪を………!」

 

『う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?』

 

悲鳴を上げるアーチボルドに対し、一切の慈悲なくR-2が拳を握りしめ、

 

「今こそ贖えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

コクピットブロックに拳を叩きこんだ。

コクピットが盛大に変形し、圧し潰されるアーチボルド。

 

『あひゃ……あひゃひゃ……! ぼ、ぼかぁ死にませんよ……! 脱出するんです………! ほら、ほら……こうやってぇぇぇぇぇぇぇっ!!!』

 

アーチボルドは最期まで現実を認めることなくガーリオンの爆発と共に消え去った。

 

「アーチボルド………永遠に眠れ………地の底で………」

 

ライディースがそう告げる。

その直後、天井が爆散し、ダイゼンガーとスレードゲルミルが落下してくる。

2機はどちらも激しく損傷し、左腕を失っていた。

その姿が、戦いの激しさを物語っている。

 

「互いに退路は無い! 次の一撃で決める!」

 

ゼンガーがそう言い放つと、

 

『………そうだな』

 

ウォーダンもそれを了承。

互いに片腕で斬艦刀を構える。

そして、

 

『我はウォーダン! メイガスの剣なりぃ!!』

 

スレートゲルミルが斬艦刀を突き出し、

 

「チェストォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」

 

ダイゼンガーも斬艦刀を突き出した。

斬艦刀が掠め合いながら交差し、スレードゲルミルの斬艦刀がダイゼンガーの頭部を掠め、ダイゼンガーの斬艦刀がスレードゲルミルの胸部の左側を貫いた。

それが決着。

勝者はゼンガーであった。

 

「お前は正にメイガスの剣………だが俺は、この世界に仇成す者………悪を断つ剣!!」

 

ゼンガーがそう言いながら斬艦刀を引き抜く。

 

「その差が、雌雄を決した」

 

そう言い放つゼンガー。

 

『…………ゼンガー』

 

ウォーダンも敗北を認める。

だが次の瞬間、壁が爆散しながら2つの球体が飛んできてダイゼンガーとスレードゲルミルを吹き飛ばした。

現れたのは、以前にも戦ったアギラのソルグラビリオン。

 

『どいつもこいつもワシの邪魔ばかりしおってぇぇぇっ!!』

 

忌々しそうなアギラの声が響く。

 

「まだこんな奴が!」

 

リュウセイが驚きながらも、各機は攻撃を開始。

その攻撃によってソルグラビリオンは損傷するが、瞬く間に修復していく。

しかし、以前より様子がおかしく、過剰修復しているような状態だった。

 

「更に活性化している!?」

 

アヤがそう判断する。

活性化したマシンセルは、機体だけではなくアギラの身体にも浸食を始めていた。

 

「だが、あれでは暴走………」

 

『否! ワシ自らがメイガスと融合し、マシンセルを制御する!』

 

アギラがそう言うとソルグラビリオンが振り返る。

その先には、メイガスの中枢、生体端末にされたソフィア・ネートの姿があった。

ソルグラビリオンがそのカプセルに手を伸ばす。

 

「ッ! おのれ………!」

 

ゼンガーは何とかダイゼンガーを立ち上がらせるものの、戦える力は残っていない。

 

『ソフィアも貴様らも取り込んでやるわ! あははははははははは!!』

 

アギラは半ばマシンセルに取り込まれた状態で高笑いする。

しかしその時、巨大な剣がソルグラビリオンの伸ばした腕を切断し、更に飛んできたドリルが頭部に直撃してソルグラビリオンを押し倒した。

 

『ッ!?』

 

思わぬ攻撃に驚愕するアギラ。

そして、その攻撃を行ったのは、ウォーダンのスレードゲルミルだった。

スレードゲルミルがソフィアの入ったカプセルに手を伸ばすとそれを掴み、ダイゼンガーへと差し出した。

 

「ウォーダン………」

 

『行けゼンガー。己の道を………それが、勝者の権利だ』

 

その言葉に、ゼンガーはカプセルを受け取ると、

 

「………承知」

 

そう頷いた。

 

『木偶人形め! そんな事をすれば、マシンセルの制御が!』

 

アギラがそう言った瞬間、スレードゲルミルが崩れていく。

マシンセルによって何とか形を保っていたのだろう。

ソフィアがメイガスから切り離された事によって制御を失い。

崩壊してしまったのだ。

だが、それでもウォーダンは満足そうに笑い、最期の時を迎えた。

 

『それを………返せぇぇぇぇぇぇっ!!』

 

アギラが叫びながらソルグラビリオンの腕を伸ばすと、まるでゾンダーの触手の様に腕が変形し、ダイゼンガーへと向かう。

しかし、次の瞬間強力なビームがその腕を焼き払った。

 

『ぬうっ!?』

 

ソルグラビリオンが振り向くと、そこにはライフルを構えたラピエサージュ、ビルトビルガー、ビルトファルケン、フェアリオンが居た。

 

「アギラ! 私の弟や妹達を弄んできた罪、今こそ贖うのです!!」

 

オウカが怒りの籠った声でそう叫ぶ。

 

『アウルム1! 貴様ぁぁぁぁっ!!』

 

アギラが叫ぶとソルグラビリオンの体中から触手が伸び、各機を絡めとろうとする。

 

「あれに触れるな! 取り込まれるぞ!!」

 

レーツェルが叫ぶ。

触手が次々と伸び、各機は避けるだけで精一杯だ。

 

「これじゃ近付けない!」

 

「どうすりゃいいんだ!?」

 

ゼオラやアラドが叫ぶ。

 

『はっはっはっはっは!!』

 

アギラは高笑いしながら攻撃を続ける。

その時、

 

「アギラァァァァァァァァァッ!!」

 

オウカが叫びながらラピエサージュを突撃させる。

 

『馬鹿め! 貴様から取り込んでくれるわ!』

 

アギラはラピエサージュに触手を集中させる。

だが、オウカは構わずにラピエサージュを加速させた。

ラピエサージュは触手に接触するが、損傷はしても取り込まれる気配はない。

 

「忘れたのですか!? 私の機体には既に、マシンセルが投与されていることを!!」

 

『ッ!?』

 

オウカの言葉にアギラは目を見開く。

即ち、マシンセルを保有する機体はマシンセルで取り込むことは出来ないという事。

 

「コードATA! 発動!!」

 

「ッ!? そのシステムは!!」

 

オウカが叫んだ言葉に、かつてそのシステムを使ったラミアが反応する。

 

『自爆するつもりか!?』

 

「さしものマシンセルも、完全に消去してしまえば修復不可能でしょう!?」

 

それは、ガオファイガーがゴルディオンハンマーで既に証明している。

 

「アラド………ゼオラ………ラト………これがあなた達にしてあげられる最後の事………」

 

「オウカ姉さぁぁぁぁん!!」

 

「待って!」

 

「やめて姉様!?」

 

オウカの言葉にアラド、ゼオラ、ラトゥーニが叫ぶ。

しかしオウカは止まらない。

既に決心しているのだ。

 

「さよなら皆………あなた達と過ごした日々………楽しかった………」

 

オウカはそう言い残し、ソルグラビリオンのコクピット目掛けて飛翔し……………

衝撃と共に止められた。

 

「ッ!?」

 

突然機体が止められたことにオウカは驚愕する。

 

「一体何が!?」

 

オウカが振り返ると、

 

「馬鹿な真似は止めるんだな」

 

「あなたは!?」

 

ラピエサージュの肩を掴み、止めたジェイダーの姿があった。

それと同時に、発動していたコードATAが突如として停止する。

 

「コードATAが!?」

 

「悪いがこちらで強制停止させてもらった」

 

エヴォリュダー能力によってラピエサージュのシステムにハッキングし、コードATAを強制停止させたのだ。

 

「止めないでください! 私があの子たちに償うためには……!」

 

「弟や妹達を泣かせるな!」

 

「ッ!?」

 

ジェイダーの一喝により、オウカの言葉が止まる。

しかしその時、

 

『愚か者めが!!』

 

隙ありと言わんばかりにアギラが叫び、ソルグラビリオンの触手が伸びる。

 

「ッ!」

 

ジェイダーがそれに気付くと、ラピエサージュを後ろに投げ飛ばした。

 

「きゃあっ!?」

 

「オウカ姉様!」

 

吹き飛ばされたラピエサージュをビルトビルガーとビルトファルケンが支える。

 

「ジェイさん!」

 

アラドが叫びながらジェイダーの方を向くと、ソルグラビリオンの触手によって四肢を拘束されたジェイダーの姿があった。

 

「くっ………!」

 

「ジェイ!?」

 

その姿にラミアが思わず叫ぶ。

 

『ふはははは! 愚かな! たかだか被験体如きを庇いおってからに………じゃが、そのお陰でワシは未知の技術をこの手に出来る………!』

 

アギラは怪しく笑う。

 

『さあ、貴様から取り込んでやる……!』

 

すると、拘束されたジェイダーの四肢からマシンセルの輝きである、うろこの様な紫の光が侵食していく。

 

「うぐっ……!? ぐぁあああああああっ!?」

 

ジェイが苦しそうな声を上げる。

 

「ジェイ!?」

 

ラミアが叫ぶと、

 

「ふ、不純物が………俺の中に………うぐぅぅぅっ!? がはっ!?」

 

ジェイダーと融合しているジェイ自身にもマシンセルの浸食が始まり、拒否反応を起こしているのかジェイは血を吐き出した。

 

「ジェイッ!?」

 

ジェイの苦しみの声に、悲痛な声を上げるラミア。

 

『ふははははは! さあ、その力、ワシの物にしてやる!』

 

ジェイダーがソルグラビリオンに引き寄せられていく。

 

「させん!」

 

ラミアが苦無型の武器、烈火刃を投げつけるが、触手によって阻まれる。

 

『黙って見ておれ! 直ぐに貴様らも取り込んでやる!』

 

ジェイダーに意識を向け直すと、ジェイダーは力尽きたのがぐったりとしている。

アギラはニンマリと笑うと徐々にジェイダーを近付けていき、

 

「ジェイ! 目を覚ませ!」

 

ラミアが触手を躱しながら叫ぶ。

 

「ジェイ!!」

 

その瞳から涙を零しながら叫んだ。

その時、ジェイダーの額のJジュエルが点滅したかと思うと、その眼に光が戻る。

そして、その手が腕に巻き付いている触手を逆に掴み取り、

 

「………ッ! 心配するな、ラミア! 俺は超人エヴォリュダー! この程度のナノマシンなどにっ!!」

 

ジェイが目を見開くと、その身体がJパワーの赤い輝きに包まれる。

 

『なっ、ば、馬鹿なッ!? マシンセルが!?』

 

「プログラムの書き換えは完了した! そっちに返すぞ!!」

 

アギラが驚愕し、ジェイが叫ぶとジェイの身体からマシンセルの輝きが赤く染まって行き、それがジェイダーに巻き付いている触手を伝ってソルグラビリオンに返っていく。

その直後、ソルグラビリオンの各部で爆発が起き、更にコクピット内部のアギラにも赤い輝きが浸透していき、

 

『ぎゃぁああああああああああああああああっ!?!?』

 

アギラが悲鳴を上げながら体中から血を吹き出す。

それはジェイのエヴォリュダー能力により、マシンセルのプログラムを書き換え、マシンセルというウイルスに対するワクチンへと変化させ、ソルグラビリオンとアギラに送り返した。

ウイルスの塊と言っていいソルグラビリオンやアギラはワクチンによって動作不良を起こしているのだ。

マシンセルの機能が失われ、ジェイダーを拘束していた触手がボロボロと崩れていく。

すると、ジェイダーがプラズマウイングを広げて上昇すると、

 

「ダブルプラズマソード!!」

 

両手に赤い光剣を発生させ、それを重ねる。

 

「アギラ・セトメ!! 年貢の納め時だ!!」

 

その言葉と共にプラズマソードを突き出しながら急降下。

 

『こ、こんな所で死ねるかぁぁぁぁっ!?』

 

アギラはそう言うが、ソルグラビリオンも動作不良で動かず、成す術もない。

 

『ぎゃぁああああああああああああああああっ!?!?』

 

ダブルプラズマソードがアギラの居るコクピットを貫き、アギラ自身も蒸発させる。

そのままジェイダーはソルグラビリオンを貫通し、地面に着地すると、一瞬遅れてソルグラビリオンが爆発した。

 

「あ……………」

 

オウカが思わず声を漏らす。

 

「オウカ姉様!」

 

「姉様!」

 

ゼオラとラトゥーニが泣きながらオウカに通信を繋げる。

 

「ゼオラ……ラト……」

 

「もう……あんな無茶はしないで……!」

 

「もし姉様が死んだりしたら………ううっ………」

 

「…………2人とも、ごめんなさい…………」

 

オウカは謝ると再びジェイダーへと視線を向けた。

 

「…………ありがとう」

 

オウカはそう告げるのだった。

 

 

 

尚、ゾンダーも無事ガオファイガーによって倒され、ゾンダー核の浄解も完了した。

ゾンダーの核にされていたのはアラドやゼオラ達の知り合いでもあるクエルボ・セロ博士であった。

 

 

 

 

 







はい、スパロボOG編第13話です。
アニメの2話分をまとめて書いたらちょっと大変だった。
まあオウカが既に仲間になっているのでイベントの半分ぐらい終わっちゃってますし………
なんか最後オウカが若干ヒロインっぽくなってしまったが、今の所オウカはジェイ達について来る予定は無し。
だってオウカがついて来ると、アラドとゼオラまでセットでついてきそうだし、ラトゥーニはリュウセイやシャイン王女が居るので残ると思いますが………
もしオウカも一緒にという声が多ければアンケート取るかもですけど………
次回はアルトアイゼン・リーゼの回です。
お楽しみに。



P.S:本編書き上げるだけで力尽きたので今週の返信もお休みです。申し訳ない。
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