転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第17話 エピローグ

 

 

 

 

 

並行世界のキョウスケであるベーオウルフを倒し、更に原種も倒した俺達は、クロガネ、ヒリュウ改と共にオービットベースに停泊していた。

一旦オービットベースで応急修理を済ませ、それから地球の基地へ帰還する予定だ。

そんな中、俺がもうすぐこの世界からはじき出されるであろう事を仲間達に説明すると、

 

「今回は原種が2体しか現れていないのに?」

 

ハルが疑問の声を漏らす。

 

「おそらくだが、この世界にとって、キングジェイダーや勇者ロボ軍団でも、そこまで大きなイレギュラーとは判断されなかったんだろう………」

 

「ああ………この世界って割と素で強力なロボットが多いからね」

 

ジェイの推測にルネが納得する。

更にその後、その事をこの世界の仲間達に説明した。

残念そうではあったが、快く見送って貰えることになった。

するとその夜、

 

「…………その、少し良いだろうか?」

 

オービットベースの俺の部屋に、ラミアが訪ねてきた。

 

「ラミア?」

 

俺がラミアを部屋に招き入れると、

 

「それで? 何の用だったんだ?」

 

俺が訪ねてきた理由を尋ねると、

 

「……………私も………私もお前について行かせては貰えないだろうか?」

 

そう口にした。

 

「知っていると思うが、俺達について来ると、帰ってこれる保証はない。いや、帰ってこれない確率の方が遥かに高い。それでもついて来るのか?」

 

俺が聞き返すと、

 

「ああ。それは覚悟している」

 

ラミアは迷わずに頷く。

 

「…………理由を聞いていいか?」

 

そう聞くと、ラミアは俯き、

 

「……………お前にもう会えないと思ったら、胸が苦しくなって………人造人間である私がこのような気持ちを持つなどおかしいとは理解しているし、この気持ちが本当にそうなのかはまだ分からない……………だが、私はお前と離れ離れになりたくない…………そう思った…………」

 

自分の気持ちを口に出した。

 

「ラミア…………」

 

「だからお願いだ。私も、連れて行って欲しい……………」

 

ラミアの願いに、

 

「………………わかった」

 

俺は頷いてしまった。

このラミアを見て断る気持ちなど微塵も湧かなかったし、戦力的にもラミアが来てくれるのは頼もしい。

何より俺自身もラミアに引かれているところがあるのは確かだ。

不謹慎かもしれないが、絶世の美女と言える容姿に恋人達を超えるスタイル。

一般常識が少し欠けているかもしれないが、性格も良い。

男なら大半は好意を持つだろう。

 

「本当か!?」

 

ラミアの顔がパッと明るくなる。

 

「ああ」

 

俺は頷く。

 

「ありがとう………」

 

「礼を言われる事じゃない……………となると、やっぱり彼女を何とかしないとな………」

 

「彼女………?」

 

俺の呟きに、ラミアは怪訝な声を漏らした。

 

 

 

 

翌日、俺はラミアと共にオービットベースにある一室を訪ねていた。

 

「失礼するぞ」

 

俺は断りを入れて部屋に入る。

 

「気分は如何だ?」

 

そう言って部屋のベッドに腰掛けていた人物に声を掛けた。

その人物とは、

 

「レモン様!?」

 

ラミアが驚いた声を上げる。

そこに居たのはシャドウミラーのレモンだった。

ゾンダーから浄解した後、この部屋で軟禁していたのだ。

 

「………別に悪くは無いわ……むしろスッキリした気分ね」

 

こちらに視線を向けると、レモンはそう言ってくる。

 

「それで? この私に何の用かしら?」

 

落ち着いた声で問いかけてくる。

 

「…………お前はこれから如何するつもりだ?」

 

俺はそう質問した。

 

「………どうもこうも、私達は戦争に負けた。敗者の行く末を決めるのは勝者だけよ」

 

レモンは恐れも不安も無く、ただ淡々とそれが事実であるかのように言う。

 

「つまり、特に希望や行く当てがない………という事でいいな?」

 

「そうね」

 

その問いにもレモンは頷く。

 

「ならば………俺達について来ないか?」

 

俺は今回レモンを尋ねた本命の要件を口にした。

 

「ジェイ!?」

 

ラミアが驚いた声を上げる。

 

「あなた達に?」

 

「ああ。俺達………正確には俺とハルとルネになるが、俺達はあらゆる世界からイレギュラーとなる存在だ。行く先々にゾンダーや原種が現れ、戦いの日々を強いられるが………あなたにはそんな俺達の旅に同行してもらいたい。いわゆるスカウトという奴だ」

 

俺がそう言うと、

 

「………………私を勧誘する理由を聞いてもいいかしら?」

 

レモンはそう聞き返してきた。

 

「………大きな理由は2つ」

 

俺は手を前に出して2本指を立てる。

それから中指を戻して人差し指だけを立てると、

 

「まず一つ目の理由は…………ラミアだ」

 

「私……?」

 

俺の言葉にラミアが声を漏らす。

 

「ラミアは俺達について来ることを決めた。だがラミアは人造人間………定期的なメンテナンスは必要不可欠だろうし、重大な損傷があった場合、人の手による修理が必要な時もあるだろう………」

 

「あっ………!」

 

俺の言葉にラミアはハッとなったように声を漏らした。

 

「なるほど………確かに彼女のメンテナンスや修理に私以上の適任者はいないわね」

 

レモンは納得したように頷く。

俺は続けて中指を立て、

 

「そしてもう1つは、純粋に技術者としての腕を見込んでの事だ」

 

「技術者?」

 

「恥ずかしい話だが、俺達の仲間は専門的な知識を持つ技術者が居ないんだ。今まではカーペンターズによる修理やジェイアークの自動修復機能で騙し騙しやってきたが、限界はあるだろう。あなたの様な優秀な技術者は、是非とも欲しい。これが2つ目だ」

 

俺が理由を説明し終わると、

 

「なるほどね……………その勧誘を受ける私のメリットは何かしら?」

 

レモンは再度問いかけてくる。

 

「1つは身の安全。俺達の仲間になるなら命の保証はするし、他の仲間達と同等の扱いは約束する。技術研究も基本的に自由だ。まあ、倫理的に許されない場合や、俺達に不利益になる場合は除くが………」

 

「そう…………」

 

一つ目の条件はあまり興味無さそうな態度をするレモン。

元々戦争の中で死ぬ覚悟もあったのだろうし、そこまで自分の命に執着しているわけでもないのだろう。

故に、俺はもう1つのカードを切る事にする。

 

「そしてもう1つは……………アクセル・アルマー」

 

「「ッ!?」」

 

その言葉に、レモンだけでなくラミアも反応した。

 

「アクセル隊長ですと!?」

 

「まさか……彼が生きているの!?」

 

2人が驚愕しながら問いかけてきた。

 

「ああ。ベーオウルフとの戦闘の後、ルネが大破したソウルゲインを見つけて回収した。パイロットも生きていたから別室で保護している。意識は戻ってないがな」

 

「ッ…………!」

 

俺の言葉にレモンは目を見開く。

すると、

 

「彼に会わせて!」

 

レモンはそう言った。

 

 

 

 

 

オービットベースの医療区画。

その一室にアクセルは寝かされていた。

患者用の服を着せられ、心電図や点滴などの器具が取り付けられている。

因みにこの辺りの器具の使い方は、ハルやシンが知っていた。

軍属だから、最低限の医療機器の使い方は学んでいたんだろうか?

ベッドの上で静かに眠っているアクセル。

その様子をガラスを隔てた部屋から見下ろすレモン。

 

「アクセル………」

 

レモンの口からその名が零れる。

その声色は明らかな安堵の感情が混じっていた。

すると、レモンは顔を上げ、俺に向き直ると、

 

「アクセルを助けてくれるなら、貴方の仲間になるわ」

 

そう言った。

 

「決まりだな。歓迎しよう」

 

俺は迷わずにそう言った。

だが、俺はレモンに黙っていた事がある。

レモンはアクセルが重傷で、治療するのに俺達の力が必要なのだと思っているのかもしれないが、実際の所、アクセルは無傷だ。

ソウルゲインからアクセルを運び出すとき、何故かアクセルは素っ裸で、衣服は傍らに綺麗に畳んで置いてあった。

その事から、多分アクセルには『彼女』が同化していることが予想できた。

俺達が何もしなくても、アクセルに命の危険は無かったりする。

すると、

 

「ところで仲間になるにあたり、聞いておきたい事があるのだけれど………?」

 

レモンが質問して来た。

 

「何だ?」

 

俺が聞き返すと、

 

「あなた達の組織名は何て言うの?」

 

「………………組織名?」

 

考えもしなかったその言葉に、俺は声を漏らした。

 

 

 

 

 

 

 

その後、俺はビッグオーダールームに現在の仲間達を集め、

 

「……………と、言う訳で、大所帯になってきたことだし、そろそろ俺達の組織名を決めようと思う」

 

「いつまでもジェイアークとその仲間達じゃ恰好つかないしね」

 

俺の言葉にハルが続く。

 

「…………まだ組織名が無かったなんてね………」

 

レモンが呆れたように呟いた。

 

「なら、ここはガッツィー・ジオイド・ガードやガッツィー・ギャラクシー・ガードにちなんで通称がGGGになる様にした方が良いと思う」

 

ルネがそう言った。

 

「だな! 俺達にとっちゃそっちの方が気合が入るってもんだ!」

 

炎竜がそう言う。

そして、仲間達であーだこーだと意見を出し合い、

 

「……………というわけで、組織名はガッツィー・ジェネレーション・ガード(Gutsy Generation Guard)に決定だな」

 

「意味としては、勇気ある世代(時代)の守護者ですか………あらゆる世界を渡り歩く我々にはふさわしい組織名かと」

 

俺の言葉にボルフォッグが意味を説明する。

まあ、逆に俺達がその時代をぶっ壊してるとも言えなくも無いんだがな。

そうして組織名が決まった時、ビッグオーダールームに続くエレベーターの入り口から、1人の人物が現れた。

それは、

 

「エクセ姉様?」

 

ラミアが呟く。

エレベーターから現れたのはエクセレンだった。

それに、何やら思いつめた表情をしている。

 

「ちょっと………皆にお願いがあってきたんだけど…………」

 

エクセレンは言いにくそうに口を開く。

そして、

 

「私も…………連れて行って貰えないかしら………?」

 

驚愕の一言を口にした。

 

「エクセ姉様!?」

 

ラミアも驚いて叫んだ。

掻く言う俺も驚いて言葉を失っていたが、

 

「……………理由は何だ?」

 

何とかそう聞き返す。

すると、エクセレンは俯き、

 

「あの時………アインストが全部消えたじゃない?」

 

エクセレンが言っているのは、ベーオウルフがアインスト達を吸収した時の事だろう。

 

「だけど………私は残った……………でも私の中にはアインストの因子が残ってる…………」

 

エクセレンは不安そうに自分の手を見つめる。

 

「だからいつか私は、この世界の脅威になるかもしれない…………だったら、私はこの世界に居ない方が良いんじゃないかって…………」

 

「……………キョウスケは知ってるの?」

 

ルネが尋ねると、エクセレンは首を振り、

 

「知らないわ…………誰にも言わずに行くつもり…………直前にメールを送るつもりだけど…………」

 

辛そうにそう言う。

ライン・ヴァイスリッターは未だにマクロス・ブレイバーに乗ったままだった。

まさかこんなことを考えていたとは……………

だから俺は、

 

「………………付いてきたいのなら好きにすると良い」

 

エクセレンに向かってそう言いながら背中を向け、

 

「……………本当に後悔しないのなら…………な」

 

そう付け足した。

 

 

 

 

 

 

それから数日が経ち、遂に別世界へのゲートが現れた。

クロガネやヒリュウ改がオービットベースから分離し、マクロス・ブレイバーにジェイアークとオービットベースがドッキングした巡航形態となる。

 

「ジェイアーク………いや、ガッツィー・ジェネレーション・ガードの諸君には世話になった! クロガネを代表して感謝する!!」

 

「同じく、ヒリュウ改を代表して礼を言います。ありがとうございました!」

 

俺達が彼らの代表としてテツヤ艦長代理、レフィーナ艦長と別れの言葉を交わし、敬礼する。

 

「こちらこそ世話になった! GGGを代表して感謝する!」

 

俺もそれに倣って答礼で返した。

そして、マクロス・ブレイバーとオービットベースはゲートに向かって発進した。

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

そんな中、エクセレンはマクロス・ブレイバーの格納庫の一角で体育座りをしながら蹲っていた。

出発までの間、ずっと他のメンバーに見つからない様に隠れていたのだ。

すると、

 

「後悔してるの?」

 

その横にいつの間にかレモンがやってきてそう声を掛ける。

すると、エクセレンはうずくまったまま首を振り、

 

「後悔してるわけじゃない…………ただ…………」

 

そう言いながら顔を上げたエクセレンの瞳からは涙が止め処なく流れていた。

 

「そうやって泣いてるのが後悔してる何よりの証拠じゃない………」

 

レモンが呆れたようにそう言う。

 

「煩いわね………放っておいてよ……………!」

 

拗ねたように再び顔を埋めるエクセレン。

 

「我ながら馬鹿な事をしたものね」

 

レモンは再び声を掛ける。

 

「そんなこと…………自分が一番分かってるわよ…………!」

 

エクセレンは蹲ったままそう言う。

 

「そう…………なら、()は後悔しない様にしなさい」

 

「えっ………?」

 

レモンの言葉に引っ掛かりを覚えたエクセレンが思わず顔を上げると、

 

「エクセレン……………」

 

そこには永遠の別れを覚悟したはずの相手、キョウスケが居た。

 

「キョウスケ………!? 何で…………!? まさか!」

 

エクセレンは思わずレモンを見た。

 

「先に言っておくけど、私が教えたわけじゃないわよ。ジェイ達も含めてね」

 

「な、ならどうして…………?」

 

レモンの言葉にエクセレンは思わず問い返した。

 

「そんなの、あなたの考えなんて全部お見通しだったってだけでしょう?」

 

レモンは微笑んでそう言った。

すると、

 

「エクセレン………」

 

キョウスケがエクセレンに歩み寄る。

 

「キョウスケ………私は…………」

 

エクセレンは気まずそうに視線を逸らした。

 

「まったく………馬鹿な事をしようとしたな?」

 

少し呆れたような、叱るような声色でキョウスケはそう言う。

 

「でも、私の身体には…………!」

 

「もしもの時は………俺がお前を殺してやる………だから心配するな………」

 

エクセレンの不安を、キョウスケは不器用に慰める。

エクセレンは目をパチクリとさせ、思わず噴き出した。

 

「………プッ! そんな慰め方ってアリ? これがホントの『殺し文句』って奴?」

 

キョウスケの言葉に、エクセレンの声が明るくなる。

 

「その調子だ………俺の傍に居ろ………エクセレン…………」

 

キョウスケの言葉にエクセレンは微笑む。

すると、レモンは踵を返してその場を離れる。

その少しあと、床に映った2人の影が1つになるのだった。

 

 

 

 








はい、スパロボOG編のエピローグです。
エピローグなので少し短め。
なのでさっさと投稿出来ました。
キョウスケとエクセレンがジェイ達について来るとは誰も思わなかったでしょう!
もしくはついてきて欲しいな~、と思いつつ多分無理だろうな~、と思っていた人が大多数ではないでしょうか?
はい、自分アルトアイゼン・リーゼがお気に入りなのです。
なのでどうしても仲間に引き入れたかったのです。
なのでちょっと強引かもしれませんがこういう形で仲間にしました。
因みに言っておきますと、ラミアの追加が決まった後にさらに追加されたメンバーはレモンです。
理由は作中でも言っていた通り、ラミアのメンテナンス要員が必要だったことと、戦える技術者ということでレモンが丁度良かったのです。
序に言うと、いつの間にかフェードアウトしていたギャンランドから、アシュセイヴァーやらなんやらの物資をかっぱらっているという設定で。
と言う訳でこの世界でついて来るメンバーは、キョウスケ、エクセレン、ラミア、アクセル、レモンとなりました。
え? 1人少ないって?
ひーふーみー……………
ちゃんと6人いますよ。
間違いない(キリッ!)
そして次の世界ですが…………………今回は秘密にしておきましょう。
アンケート見れば分かると思いますが。
因みに現在は夏季休暇のなので更新早いですが、明日と明後日は用事があるので更新は無理です。
週末にあと1回更新できるか如何かですかね?
それでは次回もお楽しみに。







ジェイとアルトがシンに向かって仲間になれと手招きしている…………

  • 俺はステラ一筋だ!ステラ、俺に力を!!
  • あ、抗えない!? うわぁぁぁぁぁぁっ!?
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