転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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ガンダムSEED FREEDOM編
PHASE―1 混迷の世界再び


 

 

 

世界の狭間を抜けた俺達の目に映ったのは、青い地球だった。

 

「地球か…………」

 

俺が呟くと、

 

「どうやらここは地球の衛星軌道上のようですね。早速情報収集を開始します」

 

ルリは最早手慣れた動作でこの世界の情報収集を開始する。

すると、マクロス・ブレイバーのブリッジの出入り口の扉が開き、キョウスケがエクセレンを伴って現れた。

 

「もう大丈夫か?」

 

俺が言葉を投げると、

 

「ああ。面倒を掛けた………それと、改めてこれから世話になる」

 

「ごめんなさい皆………私の我儘で………」

 

キョウスケとエクセレンがそう言う。

 

「何、こちらとしては頼もしい仲間が増えるのは大歓迎だ」

 

俺はそう言って気にしないように言う。

すると、

 

「現在判明している情報をお伝えします」

 

ルリがそう言った。

 

「早いな?」

 

「この世界はキョウスケさん達の世界程、セキュリティレベルが高く無いようだったので………」

 

ルリは平然とそう言う。

 

「まず、この世界の年号はコズミック・イラ………」

 

「コズミック・イラだって!?」

 

その言葉に反応したのはシンだ。

 

「ど、どうしたのシンちゃん? いきなり大声出して………」

 

エクセレンが思わず尋ねる。

 

「…………コズミック・イラは、俺が元居た世界の年号だ」

 

シンの言葉に、俺とハル以外の全員が驚いた表情をする。

 

「ルリ、続きを………」

 

俺が促すと、

 

「は、はい。現在の年号はC.E75年………」

 

「C.E75年……!? 俺達がこの世界を出てまだ1年しかたってないのか!? もう俺達の主観で3年位経ってるのに………!」

 

シンが再び驚いた声を上げる。

 

「おそらく世界毎に時間の流れが違うのだろう………もしくは世界間の移動は時間の関係が出鱈目なのか…………それとも似ているようで違う世界なのか…………」

 

俺はそう推測すると、

 

「ルリ。1年ぐらい前にこの世界でジェイアークが現れた形跡があるか調べてくれ」

 

「わかりました」

 

俺の言葉にルリは再び情報収集に入る。

すると、

 

「…………見つけました」

 

余り間を置かず、ルリが答えた。

 

「この世界の1年半ほど前………廃コロニーの地球落下未遂事件の頃にジェイアークが初めて確認され、その後、戦艦ミネルバと共に行動を暫く共にしたとの記録があります」

 

「なるほど………こちらの記憶と差異は無いか…………」

 

「ジェイさん………やっぱりこの世界は…………」

 

「ああ…………過去にイレギュラーであるジェイアークが現れている時点で、同一世界である可能性がかなり高い…………」

 

シンの言葉に俺はそう答える。

 

「そうですか…………」

 

複雑そうな顔をするシン。

二度と戻ることが無いと思っていた世界に、こうもあっさりと戻ってきたことに、複雑な感情があるのだろう。

 

「ルリ、ここ1年の情勢を中心に情報を集めてくれ」

 

「了解しました」

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side レイ】

 

 

 

 

 

『あいつ』がこの世界を去って1年…………

この世界では相変わらず、地球連合の加盟国からの独立を目指す小国たちの紛争や、連合内に浸透するコーディネイター排斥団体『ブルーコスモス』によるテロ活動など、地球ではいまだに争いの火種が各地でくすぶっていた。

この事態を鎮静化するべく、中立国のオーブ連合首長国と地球連合の主要国である大西洋連邦、プラントは共同で世界平和監視機構『コンパス』を創設。

その初代総裁にラクス・クラインが就任した。

実働部隊として、新型機、ライジングフリーダムを駆るキラ・ヤマトを隊長に、オレンジ色のゲルググメナースのパイロット、ハイネ・ヴェステンフルス。

赤いゲルググメナースを駆るルナマリア・ホーク。

俺やルナマリアの同期であり、ギャンシュトロームを操るアグネス・ギーベンラート。

そして、イモータルジャスティスを任された俺、レイ・ザ・バレル。

この『ヤマト隊』を中心に、他のアークエンジェルクルーや、旧ミネルバクルーなど、各国から兵士達が集い、供給された最新兵器の力をもって各地の紛争に介入していた。

正直、キラ・ヤマトの下に付くことに思う所が無いわけではない。

前の戦いの後、ギルはプラント評議会議長の座を退き、表舞台から姿を消した。

それと同時にグラディス艦長もザフトを退役し、行方知れずだ。

だが、この世界を去った『あいつ』の代わりにこの世界の平和を守る。

それが俺の使命だと思った。

 

『コンディションレッド発令! コンディションレッド! アフリカ共和国オルドリン市地区領内へ、ブルーコスモスと思われる攻撃部隊が侵攻! パイロットは搭乗機へ! 各隊員は速やかに所定の作業を開始せよ!』

 

コンパス所属の新造艦、『ミレニアム』艦内に緊急放送が響き渡る。

俺は他のパイロットと共に搭乗機『イモータルジャスティス』の元へ急ぐ。

発進準備を進めていると、キラ・ヤマト………隊長がコノエ艦長からの報告を聞き、

 

「了解。フリーダム突入の後、レイとハイネは政府施設の防衛を。ルナマリアとアグネスは市民の避難を誘導しつつ、オルドリン市守備軍を援護」

 

「………………」

 

「また…………?」

 

隊長の指示にルナマリアが声を漏らす。

隊長の指揮は殆どが似たような物だ。

フリーダムが単機で突っ込み、俺達は要地防衛や市民の避難誘導。

普通の指揮官であれば、そのような指揮など論外ではあるが、隊長はそれが罷り通る実力を持っている。

実際、それが一番被害を少なくする方法であり、それをやってのけてしまうから始末が悪い。

結果だけを見れば、それが一番良かったと言える結果なのだが、その下に付いている部下からすれば、自分達は役立たずなのかと言われているようでいい気にはなれない。

故に、

 

「隊長! 前線の敵は私が叩きます! 是非ご一緒に!」

 

自信家なアグネスがそう進言する。

ハイネも何か言いたげではあったが、隊長命令という事で押し黙っているのだろう。

 

「駄目だ! 戦場を広げたくない」

 

隊長はそう言って却下する。

アグネスは不満げに押し黙った。

 

「ハーケン隊は、ミレニアムを頼みます」

 

「任せな、隊長!」

 

ハーケン隊はラクス・クラインに心酔しており、彼女が選んだキラ・ヤマトの指示なら迷わずに承諾する。

発進シークエンスが開始し、順次発進する。

 

「ルナマリア・ホーク。ゲルググ、行くわよ!」

 

「アグネス・ギーベンラート。ギャン、出ます!」

 

「ハイネ・ヴェステンフルス。ゲルググ、行くぜ!」

 

そして俺の機体、イモータルジャスティスが発進位置に付いた。

 

「レイ・ザ・バレル。ジャスティス、発進する!」

 

VPS装甲を展開し、カタパルトから射出され、他のメンバーに追いつく。

最後に、

 

「キラ・ヤマト。フリーダム、行きます!」

 

隊長の機体、ライジングフリーダムが発進する。

そして隊長のライジングフリーダムと俺のイモータルジャスティスは、高速飛行MA形態へと変形した。

フリーダムとジャスティスは大気圏の再突入に特殊な装備は必要としないが、ゲルググやギャンはバルーン状に展開する大気圏突入ユニットを使用し、大気圏に突入した。

 

 

 

 

オルドリン市では激しい戦闘が行われており、民間人にも少なくない被害が出ている。

しかもブルーコスモスはデストロイまで持ち出しており、ジンを主力としている守備隊では力不足というほかない。

 

「こちらは、平和監視機構コンパス。攻撃部隊に告ぐ。直ちに戦闘を停止せよ。繰り返す。直ちに戦闘を停止せよ!」

 

隊長は戦闘停止を呼びかけるが、もちろんその程度で止まる奴らではない。

返答はMS形態に変形したデストロイの一斉射撃だった。

それを躱すと、

 

「またこんなものを……!」

 

隊長はそう言うと、フリーダムの武装を展開して攻撃を開始。

あらゆる敵機に致命的なダメージを与えることなく無力化していく。

俺達は隊長の指示通り、政府施設の防衛と市民の避難誘導を行う。

だが、そうしている間に隊長は前線に出ていた敵機の殆どを無力化。

敵の主力であるデストロイを相手にしていた。

ドラグーンとして分離するデストロイの両腕をビームサーベルとRQM73 フラッシュエッジG-3 シールドブーメランと呼ばれるビーム刃を展開し、射出できるシールド兵装を用い、あっさりと破壊すると、一斉射撃を行おうとしたデストロイを、フルバーストで発射口を潰し、無力化した。

ここは流石だと言える。

形成が不利になったブルーコスモスの部隊は撤退を開始。

だが、それを好機と見た守備隊が追撃を始めた。

隊長が止めるよう呼びかけるが、そんな事では兵士たちは止まらない。

結局追撃を止めない守備隊のMSと、反撃しようとするブルーコスモスのMSを全て無力化することで戦闘を停止させた。

 

「やっぱり格が違うわね」

 

アグネスは隊長の戦いぶりを見て、称賛するようにそう口にする。

その隊長の様子は大層辛そうだがな。

身体的だけでなく、精神的にも………な。

圧倒的なフリーダムの力の前に、攻撃部隊、守備隊双方が戦意を喪失し、引き下がっていく。

だが次の瞬間、何かに気付いた隊長が反射的にフリーダムを退避させると、直後にその場にいたMSを、攻撃部隊、守備隊問わず閃光が飲み込んだ。

それは強力なビームによる攻撃だった。

消し飛び、爆発するMS。

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

その出来事に俺達は驚く。

 

「何だ!?」

 

隊長が攻撃が来た方に振り返ると、デストロイが立ち上がり始めていた。

 

「デストロイ!?」

 

「まだ動けたの!?」

 

ハイネとルナマリアが声を上げる。

 

「ッ! このっ!」

 

隊長がライジングフリーダムの背部のウイングバインダー内にあるMA-BBF75 400mm超高インパルス砲 『シュトゥルムスヴァーハー』を展開。

デストロイに打ち放った。

だが、デストロイに着弾する直前、紫色の膜の様なものが発生し、放たれたビームが弾かれる。

 

「なっ!?」

 

防がれるとは思っていなかった隊長が声を漏らす。

すると、大破していたはずのデストロイの各部が次々と修復。

いや、更なる変貌を遂げ始めた。

機械部品が生き物の様に脈動し、機動兵器であるはずのデストロイが、何処か生物らしいフォルムへと変わっていく。

 

「な、何よこれ………?」

 

アグネスが唖然とした声を漏らす。

だが、俺には………

正確には、元ミネルバクルーである、俺、ルナマリア、ハイネには、その変貌には心当たりがあった。

 

「おいおいおい! あれってまさか………!」

 

ハイネが俺と同じ結論に辿り着いたのか声を上げた。

俺は周辺の空気成分を分析。

その中に予想通りの物質が含まれていることを確認した。

 

「素粒子Z0反応検知…………! 間違いない……! 奴はゾンダーだ!」

 

俺は検査結果を口に出す。

 

「ゾンダー!? それって、ジェイさん達が戦ってた……!? でも、何で……!?」

 

ルナマリアが驚愕した声を漏らす。

 

「分からん! 生き残りが活動を開始したのか………それとも………」

 

俺は憶測を口にするが、ゾンダーとなったデストロイが攻撃を再開。

俺達は回避しながらビームライフルで反撃する。

しかし、その全てはバリアによって防がれてしまった。

 

「ちぃ! やっぱりあのバリアは厄介だな!」

 

ハイネが愚痴を零す。

隊長も攻撃を繰り返しているが、1発たりとも本体には届いていない。

 

「………もう! 遠距離武器じゃ埒が明かないわ! 私が突っ込む! 援護して!」

 

アグネスが我慢できなくなったかのようにそう言うと、ギャンがデストロイに向かって行く。

 

「あのバカッ!」

 

「駄目よアグネス! 戻って!!」

 

ハイネとルナマリアが呼びかけるが、アグネスは構わずに突っ込んでいく。

アグネスは元ミネルバ隊である俺達と違い、ゾンダーとの戦闘経験が無い。

故に、その特性と危険性も知らないのだろう。

アグネスはデストロイの腹部に向かって飛び込むと、ギャンの左腕に装備されているMMI-KX8E4 自航防盾の小型ビームサーベルを展開して、回転させつつ繰り出した。

それはゾンダーデストロイの腹部を切り裂きながらめり込む。

 

「どうよ!」

 

アグネスは得意げにそう言うが、あのままでは拙い!

シールドの回転が突如として止まると、シールドと左腕がゾンダーデストロイに飲み込まれ始める。

 

「な、何よこれ!?」

 

アグネスは漸く異常に気付くが、もう遅い。

 

「チィッ!」

 

俺はイモータルジャスティスの左腕に装備されているライジングフリーダムと同じシールドブーメランを射出する。

 

「ハイネ! ルナマリア!」

 

同時に2人に呼び掛けた。

射出したシールドブーメランが飲み込まれかけていたギャンの左腕を切断する。

 

「きゃぁっ!?」

 

ギャンがゾンダーデストロイから解放されたところで、

 

「アグネス!」

 

「世話かけさせやがって!」

 

ルナマリアとハイネのゲルググがギャンを確保。

ゾンダーデストロイから離れる。

 

「アグネス、大丈夫!?」

 

ルナマリアが声を掛けると、

 

「一体何なのよ!? あれは!?」

 

文句言いたげに叫ぶ。

ゾンダーデストロイは無差別に攻撃を放ち、街に甚大な被害を与える。

 

「このままでは………!」

 

「一体どうすれば………!」

 

俺や隊長がゾンダーへの対処が出来ない事に声を漏らす。

だがその時、レーダーに反応があった。

 

「ッ!? 上空から巨大な物体が接近中!?」

 

俺が報告しながら空を見上げる。

するとそこには、見たことも無い形の金色の戦艦が降下してくる所だった。

 

「金色の………戦艦……!?」

 

隊長が声を漏らした。

横に非常に長く、1kmはあろうかという横幅の巨大な戦艦だ。

すると、その戦艦から1つの光が射出された。

 

「戦闘機………? いや、MAか………?」

 

ハイネがそれを見て声を漏らす。

藍色とグレーにカラーリングされたその機体は真っ直ぐにゾンダーに向かって行く。

すると、

 

『こちらはガッツィー・ジェネレーション・ガード。通称GGG。これよりゾンダーへの対処を行う』

 

女の声で周辺に呼び掛けられた。

 

「ガッツィー・ジェネレーション・ガード………? スリー………ジー………?」

 

聞いたことの無い組織名に隊長が声を漏らす。

その間にも、その機体はゾンダーに近付く。

 

「待て! そのゾンダーは………!!」

 

『…………ゾンダーの事はよく知ってる』

 

俺の呼びかけに、淡々とした声で女の答えが返ってくる。

そして、

 

『フュージョン……!』

 

「ッ!?」

 

聞いたことのあるそのキーワードに俺は目を見開く。

すると、そのMAの様な機体が変形を開始。

人型へと変形する。

 

『ガオファー!』

 

空中で人型へと変形したその機体は、そのままゾンダーへ落下していくと共に、蹴りの体勢を取り、

 

『はぁああああああああああっ!!』

 

ゾンダーデストロイの胸部を蹴りつけ、転倒させた。

通常のMSより大きいとはいえ、20数mの機動兵器が全長50mを超えるゾンダーデストロイを蹴倒したことに、少なからず驚愕するが、それよりもゾンダーに直接触れても吸収されない事に驚く。

 

『ゾンダァァァァァッ!!』

 

とはいえ、その程度で倒せるほどゾンダーは甘い敵では無い。

すぐに起き上がると、両手をガオファーと名乗った機動兵器に向け、その指先からビームを放つ。

 

『ッ!?』

 

ガオファーは飛び退いて避けるが、そのビームが後方にある街の建物を掠め、崩落させた。

しかも、その下には多くの避難民の姿が。

今からでは救助も間に合わない。

俺は、彼らが押しつぶされる所を眺めている事しか出来ない…………

だが、

 

『はぁああああああああっ!!』

 

上空から青い人型機動兵器が飛んできたかと思うと、地面を滑りながら着地し、

 

『フリージングガン!!』

 

手に持った青いライフルで瓦礫を狙い撃った。

放たれた閃光が瓦礫に着弾すると、瓦礫が凍り付き、崩落が止まる。

だが、続けれ放たれたゾンダーデストロイのビームが別方向の避難民を襲う。

すると、

 

『おぁああああああああああああああっ!?!?』

 

先程の青い機動兵器と同型と思われる赤い機動兵器が飛んできて…………派手に地面に激突しながら砂煙を巻き上げて滑っていく。

 

「は……………?」

 

ハイネが予想外の出来事に呆けた声を漏らす。

しかも、赤い機動兵器が墜落した先は、先程の避難民が居た場所だ。

赤い機動兵器が先に避難民に突っ込み、直後にそこにビームが撃ち込まれた。

あれでは助かる者などいまい………

俺はそう予想する。

だが、機動兵器が激突した際に巻き起こった砂煙が晴れていくと、

 

『大丈夫だったかい?』

 

赤い機動兵器が地面に倒れこみながらも銀色のシールドを構え、避難民を守っていた姿があった。

しかも、赤い機動兵器が墜落した地点からその避難民が居た場所まで、地面が抉れるなどの被害が出ているにも関わらず、()()()人的被害はゼロの様だった。

 

『…………このままだと、周りに被害が出ちゃうね』

 

ガオファーが呟くと、金色の戦艦から新たに3つの光が射出された。

それは、黒いステルス戦闘機、藍色のロケット、黒いドリル戦車の3機。

そして、ガオファーが飛び上がると、

 

『ファイナルフュージョン!』

 

そう叫んで腹部から金色の竜巻を放った。

そして、ガオファー自身もその竜巻に飲み込まれる。

何をしているのか不明だったが、ゾンダーデストロイは内部に居るガオファーを攻撃しようと、両手を向け、胸部と口のビーム砲をチャージし始める。

それが放たれようとした時、ゾンダーデストロイの正面から黒いステルス機が突っ込んできてゾンダーデストロイを仰け反らせる。

放たれたビームは真上に発射され、狙いを大きく外す。

更に真後ろからロケットが飛んできて前のめりにバランスを崩すと、側面からのドリル戦車の体当たりで完全に転倒した。

すると、その3つのメカがガオファーが発生させた金色の竜巻の中に次々と飛び込む。

そして、少しした後その金色の竜巻が吹き飛び、

 

『ガオッ……! ファイッ……! ガァァァァァァッ!!』

 

一見別物の………しかし、よく見れば先程の3機のメカがガオファーと合体したと思われる1体の一回り大きな人型機動兵器となって現れた。

更に金色の戦艦から2つの光がほぼ同時に射出される。

その2つの光は1つとなって巨大なマイナスドライバーの様な形となった。

すると、先程の合体したガオファー………おそらくガオファイガーと名乗りを上げた事からガオファイガーという名前なのだろうが、そのガオファイガーが巨大なマイナスドライバーと相対速度を合わせ、左腕に巨大なマイナスドライバーをドッキングさせる。

そして、その状態で急降下を始め、

 

『ディバイディングドライバァァァァァァァァァッ!!』

 

ゾンダーデストロイの手前の地面に巨大なマイナスドライバーを突き立てた。

衝撃の様なものが巨大なマイナスドライバーの先から発生し、ゾンダーデストロイの真下を通り過ぎる。

次の瞬間、信じられない事が起こった。

衝撃が通った所を中心に、大地が真っ二つに分かれ始めたのだ。

ゾンダーデストロイの真下を通っているため、ゾンダーデストロイはその割れ目に飲み込まれるように落下する。

その割れ目はどんどん広がり続け、

 

「こ、これは…………!?」

 

隊長が呆然とした声を漏らす。

俺達の視線の先には、直径数十kmに及ぶ巨大な円形の穴が形成された。

深さも数百mはあり、まるでゾンダーと戦うためのリングの様だった。

しかも、周囲の建物や避難民には全く影響が無い。

良く見れば、先程の青と赤のロボットが避難民を救助していた。

すると、ガオファイガーはゾンダーデストロイの前に降り立ち、左腕の巨大なマイナスドライバーをパージすると、

 

『むんっ!』

 

ファイティングポーズを取ってゾンダーデストロイと対峙する。

 

『ゾンダァァァァァッ!』

 

すると、ゾンダーデストロイは胸部の3つの砲門と、顔にある1つの砲門の計4門の砲門からビームを一斉に放つ。

だがその直前、ガオファイガーは腹部から光のリングを展開したかと思うと、

 

『プロテクトウォール!!』

 

左腕を突き出した。

その直後、4つのビームが放たれてガオファイガーに着弾すると思われたが、そのビームは届かず、ガオファイガーの前で止められている。

しかも、ゾンダーデストロイのビームの発射が終わると、ビームのエネルギーが一纏めとなり、五芒星を描いたかと思うと跳ね返ってゾンダーデストロイに直撃した。

 

「ビームを跳ね返しやがった……!」

 

ハイネが驚愕の声を漏らす。

しかし、爆煙の中から現れたのは、バリアで防いで無傷の姿のゾンダーデストロイ。

 

「あれでも無傷……!?」

 

ゾンダー化して威力の上がっているデストロイのビーム砲を自ら受けても、全くの無傷な事にルナマリアが驚いた声を漏らす。

しかし、ガオファイガーは特に動揺した仕草も見せずに、再び腹部から光のリングを展開すると、右腕を振り被った。

そして、その右腕が回転を始める。

 

『ブロウクン………!』

 

その言葉と共に右腕を繰り出し、

 

『………ファントムッ!!』

 

回転する右腕が光のリングを纏って射出された。

それはゾンダーデストロイに向かって突き進み、ゾンダーデストロイの胴体部分に直撃。

ゾンダーデストロイはバリアを展開していたが、止められたのは僅かな間。

回転する拳がバリアを打ち破り、そのままゾンダーデストロイの胴体を貫通。

大きな風穴を開けた。

後ろに倒れこむゾンダーデストロイ。

その間にガオファイガーは右腕上腕を掲げ、戻ってきた右腕を再度ドッキングさせる。

腹に風穴を開けたゾンダーデストロイだが、直ぐにその穴が塞がり始めた。

だが、

 

『はぁああああああああああっ!!』

 

それを黙って見ているほどガオファイガーは甘くなかった。

身を起しかけたゾンダーデストロイの頭部に、回転するドリルの付いた膝蹴りを叩きこみ、頭部を粉砕する。

 

『でやぁあああああああああっ!!』

 

更に回し蹴りを繰り出し、ゾンダーデストロイを大きく吹き飛ばした。

すると、

 

『ゴルディマーグ!!』

 

何か名前の様な事を叫んだ。

すると、上空の金色の戦艦から、新たに射出されるものがあった。

それは、

 

『うおりゃぁああああああああああっ!!』

 

オレンジ色のゴツイ人型機動兵器。

そして、降下してくるオレンジ色の人型機動兵器に向かって、ガオファイガーが飛び立つ。

 

『はぁあああああああああああっ!!』

 

そのままでは激突すると思われたその時、

 

『システムチェェェェェェェンジ!!』

 

オレンジ色の人型機動兵器が突如として分離変形を開始。

巨大な腕となり、

 

『ハンマァァァァァッ………コネクト!!』

 

ガオファイガーの右腕にドッキングする。

そして開かれた巨大な右手に、分離した頭部及び背部ユニットが掴まれる。

その形は、巨大なハンマーだ。

 

『ゴルディオンッ………ハンマァァァァァッ!!』

 

その叫びと共に、ガオファイガーの全身が金色に輝く。

そして、左手で巨大な右腕の側面に突き出した光の棒に手を掛けると、それを引き抜く。

それは光で出来た杭だ。

ガオファイガーはそれを逆手で持つと、ゾンダーデストロイに向かって飛翔し、

 

『ハンマァァァァァッ…………ヘル!!』

 

ゾンダーデストロイの胸に杭を突き立てると、巨大なハンマーで打ち付ける。

すると、巨大な右腕からくぎ抜きの様な形のパーツが展開し、それを打ち付けた光の杭に引っかけると、

 

『ハンマァァァァァッ………ヘブンッ!!』

 

その光の杭を引き抜いた。

その杭の先には、かつて見たゾンダー核が確保されている。

 

「ゾンダー核!」

 

俺は思わず叫ぶ。

光の杭が消失し、ガオファイガーは左手でゾンダー核を受け止めると、巨大なハンマーを思いきり振り被り、

 

『ゾンダーよ! 光になれぇえええええええええええええええええっ!!!』

 

その叫びと共に巨大なハンマーをゾンダーデストロイに叩きつけた。

その瞬間、ゾンダーデストロイが光の粒子と共にその身体を消失させていく。

ハンマーを振り切った時、ゾンダーデストロイは爆発すら起こさずに消滅していた。

光の粒子が舞い散る中、ゾンダー核を片手に佇むガオファイガー。

すると、上空の金色の戦艦から、見覚えのある赤い光が舞い降りてきた。

赤い輝きに包まれ、白い孔雀の尾羽の様な翼を生やし、赤い髪を僅かに逆立たせた女性。

 

「あれってまさか!?」

 

「ハル!?」

 

ルナマリアとハイネが叫ぶ。

すると、ハルがガオファイガーの持つゾンダー核の元へと降りてきて、

 

「テンペルム…………」

 

あの言霊を口にする。

 

「ムンドゥース………インフィニ………トゥーム………レディーレ!」

 

ハルの輝きが一層強まり、ゾンダー核が変化。

取り込まれていたと思われる兵士の姿へと変わった。

すると、ハルがサイコキネシスでその兵士を浮かせると、ガオファイガーが先ほどパージした巨大なマイナスドライバーを拾い、巨大な穴の中から上昇してくる。

ハルは穴の外までゾンダー核にされていた兵士を運ぶと、そのままガオファイガーと共に去ろうとした。

 

「ハルッ!!」

 

そこに、ルナマリアが外部音声で呼び掛ける。

それに気付いたハルが振り向いた。

 

「今の声…………ルナマリア?」

 

その反応から、やはり彼女は間違いなく俺達の知るハルであると確信する。

 

「ハル! 一体どうして………!?」

 

ルナマリアが問いかけるが、

 

「ここだとゆっくり話も出来ないだろうし、オービットベースまで来て。場所はすぐわかると思うから!」

 

ハルはそう言うと、ガオファイガーと共に上昇していく。

 

『氷竜、炎竜。撤収するよ』

 

ガオファイガーが青と赤のロボットに呼び掛けると、

 

『了解。現場を現地救助隊に任せ、撤収します』

 

青いロボットが応えると、赤いロボット共に金色の戦艦へ飛び去る。

ハルもガオファイガーと共に金色の戦艦へ入っていくと、金色の戦艦はそのまま上昇。

空高く消えていった。

レーダーの反応から、大気圏を離脱していったことが伺える。

突然の事態に俺達はしばらく呆然となっていたが、

 

「…………………お前も居るのか………? シン………」

 

もう会えないと思っていた友の名を俺は呟いた。

 

 

 

 

 

 







はい、ガンダムSEED FREEDOM編第1話です。
今回は冒頭の先頭部分だけでした。
しかし早速ゾンダーが出現。
ガオファイガーがお披露目されました。
実際此処で魔改造デスティニーが来るという案も考えましたが、やはり真打は遅れて登場しないと、という事でガオファイガーに出番を譲りました。
で、前回のアンケートの意味は、言うまでもなくルナマリアをシンのヒロインに突っ込むかどうかという意味です。
言わなくても分かっているでしょうけど………
ファウンデーションの未来は如何に………?
次回はシン達との再会の予定。
次回もお楽しみに。
明日更新できるかはわかりません。

P.S:今日の返信はお休みします。

ジェイとアルトがシンに向かって仲間になれと手招きしている…………

  • 俺はステラ一筋だ!ステラ、俺に力を!!
  • あ、抗えない!? うわぁぁぁぁぁぁっ!?
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