転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
ゾンダー化したキラを浄解し、アスランに預けた後、俺達はマクロス・ブレイバーと合流し、オービットベースへと戻ってきていた。
それから数日後。
「コンパスの様子は?」
俺がルリに尋ねると、
「ミレニアムは現在オーブに入港しています。ダミー情報と現地確認の情報との差異で混乱があるようですが」
「まあ、それは仕方ない」
「キラさんやアークエンジェルクルーを救出したアスランさん達はオーブの秘密ドックに入港。身柄を隠しているようですね」
「ファウンデーションの方は?」
「先に脱出したシャトルはアルテミス要塞と呼ばれる場所に入ったことを確認しました。それと、ブラックナイツの方も別ルートでアルテミス要塞に合流しています。そして、月の裏側ではレクイエムと呼ばれる戦略兵器の発射準備が進められています。各宙域で、ステルス機能を持った偏向リングが展開しています」
「レクイエムか…………」
その威力を知っている俺としては放置は出来ない。
前の様にESウインドウで別方向に飛ばすかと思っていたのだが、
「……………いや、それよりも…………」
今思い付いた案の方が、今後の方針を決めるのに丁度いい。
ファウンデーションが俺達と敵対するかどうかの判断を。
【Side 三人称】
アルテミス要塞では、遠隔操作によるレクイエムの発射準備が進められていた。
『レクイエム。発射準備完了』
その報告を聞いて、オルフェとアウラは笑みを浮かべる。
そしてオルフェが発射の合図を出そうとした時、
『報告します! レクイエム射線軸上にGGGの拠点である宇宙ステーションを確認!』
緊急の報告が飛び込み、モニターにオービットベースの姿が映し出される。
すると、
「何とも親切な奴らではないか。態々的になりに来てくれるとは」
「はい。いずれ奴らも始末する手はずでしたから、手間が省けました」
アウラとオルフェは丁度いいと言わんばかりにニヤリと笑う。
「レクイエムを発射せよ」
「神の祝福を」
アウラの言葉でオルフェが皮肉交じりにそう言うと、月の裏側のダイダロス基地にある巨大なビーム発射口から巨大なビームが発射され、偏向リングを通って次々と向きを変え、ユーラシアの首都であるモスクワに………
延いてはオービットベースに向かって降り注いだ。
「ジェイさん! 月の裏側に高エネルギー反応を確認! 砲撃、来ます!」
オービットベースに接続しているマクロス・ブレイバーの艦長席でルリが叫ぶ。
「そう来るか! プロテクト・シェード! 展開!!」
ジェイがそう指示すると、
「了解! プロテクト・シェード、展開します!」
オービットベースの周囲にあるプロテクト・シェード発生装置が起動し、オービットベースを防御フィールドが包む。
その直後、
「着弾まで3、2、1!」
ルリの報告と共に、衝撃がオービットベースを襲う。
レクイエムのビームが直撃したのだ。
だが、レクイエムのビームはそれ以上進まず五芒星を描いた。
そしてその直後に反射した。
「レクイエムの全エネルギー、反射に成功」
ルリが淡々と報告する。
いくらこの世界有数の戦術兵器とは言え、原種のマグマエネルギーを利用した砲撃すら跳ね返した実績のあるオービットベースのプロテクトシェードの前では跳ね返されるのも当然だ。
跳ね返されたエネルギーは、そのまま直進し、その先にあったミラージュコロイドで隠された偏向リングに直撃。
逆に破壊した。
「……………これで決まりだな。ファウンデーションは俺達にも敵対する気満々らしい」
ジェイはそう呟いた。
少し時は遡り、オーブのアカツキ島、海中港内移動研究室。
そこにエルドア地区から脱出したコンパスのメンバーが身を隠していた。
主なMSパイロットである、キラ、レイ、ハイネ、ヒルダと、アークエンジェルの艦長だったマリューと、操舵手のノイマンがニュースを見ていた。
核ミサイルによる被害は無かったものの、キラがユーラシアに攻撃をした事実は残っており、コンパスの活動が凍結されるとも流れていた。
そこにメイリンを伴ったアスランが現れ、
「本当ですか? コンパスの活動が凍結されるとは?」
レイがアスランに問いかけると、
「そうだ。カガリも頑張ったようだが、核ミサイルが撃たれたという事実は世界中からの非難の格好の的だからな。ジェイ達のお陰で被害は無かったが、彼らの工作が完璧すぎて、ネット上ではファウンデーション王国やエルドア地区が壊滅したという情報が出回ってる位だ」
「…………ラクスは?」
キラが呟く。
「ラクスはファウンデーションのシャトルで脱出したらしい」
「……………………」
その言葉にキラは何も言わない。
すると、
「ターミナルの調査にこんなものが引っかかってきた」
アスランがそう言いながら1枚の写真を取り出す。
そこには研究員らしき白衣を着た金髪の女性が写っている。
しかしその顔は、
「これは………アウラ女帝!?」
マリューが驚いた声を漏らす。
マリューが見たアウラは少女の見た目だったが、この写真に写っているのは普通の成人女性だ。
「19年前、メンデルの遺伝子研究所に居た頃の彼女です」
「19年前!?」
アスランの言葉にハイネが驚きの声を漏らす。
「彼女の研究テーマはコーディネイターを超える種を作り出す事…………」
「「「「「ッ!?」」」」」
「おそらくすべてはアウラの………彼らの計画だったんだ」
「ッ…………」
キラはその言葉に自分がユーラシアの部隊に攻撃してしまった事を思い出す。
キラ自身としては、ブルーコスモスに………ミケールが率いる部隊に攻撃しているつもりだった。
「核攻撃もね………」
マリューの言葉にアスランは頷き、
「少なくとも、核を撃たせたことで口実は出来る」
「口実?」
ハイネが声を漏らすと、
「彼らがユーラシアを撃つための口実が」
「「「「「ッ!?」」」」」
その時、
『ザラ一佐! 直ぐに管制室へ来て!』
切羽詰まった声の放送で呼び出された。
一同が管制室へ向かうと、
「………レクイエムが、発射されました」
「レクイエム………!?」
「被害は!?」
管制官からの報告に、レイやハイネが思わず問いかけるが、
「あ、いえ………被害はありません」
管制官の報告に呆気に取られた。
「威嚇だったの?」
マリューが問いかけると、
「いえ………目標はモスクワでした………ただ………」
管制官は口籠った。
「如何した?」
アスランが聞くと、
「あ、わ、私も起こったことが信じられず、どう説明した物か………記録映像を見て頂ければ」
管制官はそう言いながらオペレーター達に指示すると、モニターに映し出されたのは、
「オービットベース………?」
キラが呟く。
そして次の瞬間、オービットベースにレクイエムの光が降り注いだ。
「ッ!? オービットベースがっ!? シンッ!?」
レイが声を上げる。
誰もが爆散するオービットベースを想像しただろう。
しかし、レクイエムの光はオービットベースに展開された防御フィールドが受け止め、受け止めたエネルギーが五芒星を描き、跳ね返った。
「レクイエムを跳ね返した!?」
ハイネが驚愕の声を上げる。
そこで映像は終わった。
「御覧の通りです。尚、跳ね返されたレクイエムはその先にあった偏向リングと思われる物に着弾、破壊しました」
管制官からの報告に、
「また彼らに救われたという事か………」
アスランはホッと息を吐いた。
その直後、ファウンデーションのオルフェが声明を発信した。
要約すれば、自分達は究極のコーディネイター、『アコード』である。
ラクス・クラインも我らの同胞であり、自分達に賛同している。
世界各国は直ちに武装解除し、デスティニープランを承認、実行せよ。
従わない場合、レクイエムによる制裁を加える。
という事だ。
「……………あいつら、レクイエム防がれて何自信満々に言ってんだ?」
ハイネが怪訝な声を漏らす。
「おそらくファウンデーションにはダミー情報が流されているんだろう。ファウンデーションはオービットベースを破壊。同時にモスクワも壊滅したと思い込んでいる」
アスランはそう推測する。
「それと、ラクスが賛同しているという話も嘘だ。彼女がそんな事に賛同するはずが無い」
続けてキラがそう言う。
「キラ………」
「僕は彼女を助けたい………いや、絶対に助ける! そのためには、皆の力がいる! 皆! ラクスを助けるために、皆の力を貸して欲しい!」
キラはそう言いながら頭を下げた。
すると、
「………ったく、やっとその言葉が出たか」
ハイネが呆れたように言った。
「えっ?」
キラが顔を上げながら怪訝な声を漏らすと、
「やっと俺達を頼ってくれたかって言ったんだよ」
「ハイネ…………」
「それに、彼らの暴挙を止めるためにはラクス・クラインの言葉が必要です。彼女を助けることが、世界を救うカギとなるのは間違いないでしょう」
レイがそう言う。
「レイ………」
キラは彼らの言葉に涙を溜め、
「皆………ありがとう………」
感謝の言葉を口にした。
「だが、ラクス様を助けるのは当然として、方法は如何する? 現状、私達にはMSも船も無い」
ヒルダが現実的な問題を口にする。
「それと、これは推測だが、アコード達は俺達の心が読める。おそらくだが、人の精神にまで影響を及ぼすことが出来るんだろう」
「それであの時隊長が………!」
その言葉にレイが腑に落ちたという声を漏らす。
そして、ターミナルが集めた情報を元に、ラクスを連れて逃れた場所を特定。
そこはアルテミス要塞だった。
強力な防御シールドのある厄介な要塞だ。
そして肝心の船とMSだが、マリューとエリカ・シモンズに心当たりがあるという。
エリカに案内された地下極秘格納庫に4機のMSがあった。
「アスハ代表から預かって、新型融合炉と、新装備の性能評価実験に使っていたの。こういう事態を想定していたわけじゃないんだけど………」
それは、
「レジェンド………」
「デスティニー……!?」
「フリーダム………」
前大戦で彼らが使っていたMS、レジェンド、デスティニー、ストライクフリーダム、そしてインパルスの4機。
「駆動系と武装は昔のままだけど、コントロールシステムは最新の物にアップデートしてあるわ。ブラックナイツに対抗するには心許ないでしょうけど……」
「いや、それよりもフリーダムやインパルスはともかく何でレジェンドとデスティニーが? あれは俺とレイがゾンダー化して、シンに木っ端微塵にやられたはずだろ?」
エリカの言葉にハイネが気になった事を聞く。
「デスティニーの方は、プラントの方で複数建造されていたものの1機を引き取ったモノ。レジェンドは予備パーツを引き取って組み上げたモノよ。まあ、デュランダル議長が原種なんて化け物と取引してたなんて情報を公開されたら、プラント全部が非難の対象になりかねないから、口止め料の意味もあったんでしょうけど」
エリカはそう言った。
そして、次に彼らが行ったのは、ミレニアムの占拠。
こちらはハインラインが予め予測しており、艦長であるコノエも賛同していたので争うことなく進んだ。
そして、ミレニアムはマリューを艦長として出港。
オーブ軍の追撃を受ける物の、オーブ軍の指揮官であるトダカの采配である百発百外しによって、ミレニアムは無傷でオーブを出ることが出来た。
だが、ファウンデーションはこれを反逆行為とみなし、オーブに向けてのレクイエム発射を宣言。
そこでミレニアムは、キラの挑発で狙いをこちらに変更させる策に出た。
その挑発にまんまと引っ掛かったアウラはレクイエムの照準をミレニアムに変える命を出した。
「月の裏側に高エネルギー反応!」
「タンホイザー起動! 緊急制動!」
ハインラインの合図で、マリューが指示を出す。
その直後にレクイエムが発射された。
ミレニアムは衝撃に備えたが、
「………………? 攻撃が来ない………? ッ! まさかオーブに!?」
マリューは一瞬挑発が失敗したのかと思ったが、
「いえ! オーブとの回線は繋がったままです!」
オペレーターの報告がそれも違うと証明する。
「どういうことか分からないけど、迷っている暇はないわ! タンホイザー! てぇーーーーっ!!」
マリューの号令でミレニアムは4連装の陽電子砲タンホイザーを発射。
ポジトロニック・インターファライアンスを引き起こし、ミレニアムは更に加速。
一気に宇宙空間へと飛び出した。
一方、アルテミスでは混乱が起きていた。
「何故じゃ!? レクイエムは発射されたはずじゃ!?」
アウラが喚き声を上げる。
「一体どうなっている………!?」
オルフェも予想外の事態に歯を食いしばっていた。
その時、
『こちらはガッツィー・ジェネレーション・ガード所属、ジェイアーク!』
モニターが突如として移り変わり、ジェイの姿が映し出された。
「貴様は!? 馬鹿な!? お前達はレクイエムで!?」
オルフェが驚愕の声を上げる。
『おめでたい奴らだ。あの程度で俺達が倒せると本当に思っていたのか? あの程度のダミー情報を見抜けないとは、アコードも言うほど大したものではないな?』
「何だと………!?」
オルフェは拳を握りしめる。
『モスクワへのレクイエムは防がせてもらった。先ほどのレクイエムもな。ついでに言っておくと、お前達の本国も無事だ。核攻撃による犠牲者は1人も居ない。安心すると良い』
「何っ!?」
ジェイは皮肉を聞かせながら続ける。
『それとも、防がない方が良かったかな? 自作自演で核を撃ち込んだのだから………』
ジェイがそう言うと、ブラックナイツが核発射施設を襲撃。
パイロットが内部に入って少しして出た後、核ミサイルが発射される映像が流された。
この映像はボルフォッグが隠し撮りしていた映像だ。
「な…………!?」
『多くの犠牲者を出すことを厭わぬ貴様らは、人の上に立つ資格はない。そもそも、他者よりも多少秀でているだけの唯の人間が、進化した人類などとは片腹痛い』
「何だと………!」
『人よりも優れているというのなら、何故この程度の偽装工作に騙される? ただそのように作られ、その使命という独りよがりに酔っているだけの勘違いした馬鹿者だろう』
「何処まで我らを愚弄すれば気が済む………!」
『俺は俺の思った事を言っただけだ。すまなかったな。優良種殿』
「ッ………!」
『尚、この放送は全世界に発信している。お前達の愚行は全世界の知る所となった。先ほどキラが言った様に諦めることだな』
「何っ!?」
『そして最後に宣言しておく。これより我々GGGはコンパス、並びにオーブを支援する。俺達は、降りかかる火の粉を払わぬほど、お人よしではないのでな』
ジェイがそう言い終えると、映像が途切れた。
「お、おのれぇぇぇぇぇぇ………!!」
オルフェはギリギリと悔しそうに歯ぎしりをした。
同じ頃、プラントの某所。
その一角に、ひっそりと建つ住居があった。
数人の家族が暮らせるだろう一軒家に少し広めの庭。
その庭で、その家の住人だろう女性が庭の草花に水をやっていた。
するとその家に、とある青年と少女が歩み寄ってきた。
その女性が気配を感じて顔を上げると、
「ッ!? あなた達は………!?」
その2人を見て驚いた表情をした。
「………お久しぶりです。グラディス艦長」
「シンッ………!?」
その2人とはシンとステラ。
そして、女性は前大戦でミネルバの艦長を務めていたタリア・グラディスであった。
「どうしてあなたが此処に………!?」
「……………『あの人』に頼みがあってきました」
「ッ………彼は…………」
シンの言葉に、グラディスが言いにくそうにしていると、
「タリア。お客人かね………?」
話していることに気付いたのか、家の中から男性が現れた。
そして、その男性はシンの顔を見ると、
「君は………!?」
『彼』もまた驚いた表情を浮かべるのだった。
【Side ????】
………………俺はどうなった?
………………何も聞こえない。
………………何も感じない。
………………俺は死んだのか?
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静かだ。
…………………レモン、静寂が日常である世界…………案外………悪くはない様だ。
…………終わる時は………まともな死に方をするとは…………思って…………いなかったが……………
レモン………俺は…………贅沢者………だ………な…………
…………………………………………
『消えかけた………命…………消えかけた………私…………世界を………変える………想いの力………あなたが強く………想う………哀しくて………温かい力………私が………私である為に………あなたの想いの力…………お借り………致しますの…………』
誰………だ…………?
レモ………ン……………?
ガンダムSEED FREEDOM編第6話です。
今回はキラの再起のお話…………
なんですがゾンダーによってストレスから解放されたキラは迷いなんぞ無いので即行ラクスを助けに行くことを決定。
というか今回はレクイエムをオービットベースが跳ね返すだけのお話。
ですがまあ、次回に向けて伏線が少々?
次回をお楽しみに。
ガンダムOOのどのタイミングに行く?
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1stで死亡キャラ救済&敵涙目
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2ndでアロウズ&リボンズ涙目
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劇場版で、歌でエルスと即行和解
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むしろ全部やれ