転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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ガンダムOO編
♯01 限界離脱領域


 

 

 

ルナマリアという新しい仲間を加え、コズミック・イラの世界を後にした俺達。

 

「わぁ~………!」

 

世界の狭間を渡る中、マクロス・ブレイバーの艦橋から見える景色にルナマリアは声を漏らした。

 

「不思議な景色………」

 

地球上では決してみることが出来ない景色だ。

ルナマリアの反応も頷ける。

俺達にとっては既に見慣れているものだがな。

 

「さて、もうすぐ世界の狭間を抜ける………」

 

俺が注意を促そうと呼び掛けると、

 

「新しい世界に到着と同時の戦闘も考慮し、第二種戦闘配置でルネさんや勇者ロボ達を待機させています。警戒も厳に」

 

ルリが先にそう言う。

 

「……………」

 

言いたいことを先に言われた俺は言葉に詰まってしまう。

すると、ルリはそんな俺を見てクスッと笑い、

 

「ジェイさん達との付き合いも長いですから」

 

何も言わなくても分かると言いたげにそう言った。

やがて、視線の先に新たな世界の入り口を示す光が見え始めた。

そしてその光に飛び込むと……………

そこにあったのは青い地球だった。

 

「地球………?」

 

ルナマリアが肩透かしを食らったような声色でそう言う。

 

「別の世界の………だけどな」

 

シンが捕捉する。

シンも今までいくつもの世界の地球を見てるから、その事はよくわかっている。

すると、

 

「あれ? 地球の周りに何かあるよ? 輪っか?」

 

ハルが気付いたように声を漏らした。

ハルの言う通り、地球を囲むように円環の建造物が作られている。

地球を囲む円環と聞いて、記憶に引っ掛かるものがあった。

それは、

 

「シン! あれ見て!」

 

ステラが突如として叫んだ。

ステラが指を指している部分をモニターが拡大すると、3つのブロックが連なった建造物が地球に落ちかけており、1機の人型機動兵器がそれを押し返そうとしていた。

 

「あれはっ!?」

 

シンもそれに気付き、声を上げた。

すると、

 

「現状を確認しました! あのブロックには200人以上の要救助者が取り残されており、あと5分で地球の引力圏につかまってしまいます!」

 

ルリがそう報告した。

 

「ッ! 見捨てるわけにもいくまい! ルリ! マクロス・ブレイバー発進!」

 

「了解! オービットベース及びジェイアーク分離。救出活動へ向かいます」

 

ルリのその言葉と共に、マクロス・ブレイバーが発進した。

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

この世界の年号で西暦2307年。

人類は枯渇した化石燃料に代わるエネルギー源として宇宙太陽光発電システムと軌道エレベーターを実用化していたが、莫大な建造費が必要なこれらのシステムを所有しその恩恵が得られるのは、米国を中心とした世界経済連合『ユニオン』、新ヨーロッパ共同体『AEU』、中国、ロシア、インドを中心とした『人類革新連盟』の世界三大国家群のみだった。

それらの超大国間には全面的な対決こそないものの熾烈な軍備開発競争による冷戦状態が継続し、また、いずれの国家群にも属さなかった小国は貧困にあえぎ、紛争や内戦を繰り返していた。

そんな中、突如として『ソレスタルビーイング』を名乗る私設武装組織が全世界に向けて声明を発表。

それは『戦争根絶』の為に、あらゆる戦争行為に対し武力介入を開始するというものだった。

ソレスタルビーイングはその言葉通り、既存の兵器とは一線を画すMS『ガンダム』を駆り、あらゆる紛争地域に武力介入を開始した。

戦争根絶の為に戦争するという矛盾した目的と手段であったが、そのガンダムの力は世界にとって脅威であり、ガンダム数機で小さな基地なら制圧できるほどであった。

そんな折、人革連軍MS部隊の軍人であり、中佐であるセルゲイ・スミルノフは新たに部下に配属されたソーマ・ピーリス少尉と共に新型MS受領の為、軌道エレベーターの低軌道ステーションにある基地を訪れていた。

ソーマは『超兵』と呼ばれる『超人機関技術研究所』で遺伝子工学により生み出されたデザインベビーで、ナノマシンによって身体機能の強化・改造を施された超兵1号であり、彼女用に調整されたMSが今回受領する『ティエレンタオツー』であった。

セルゲイはティエレンタオツーの試運転の為にソーマと共に自身のMS『ティエレン』で出撃。

性能テストを行っていた。

しかしその途中ソーマが突如として錯乱。

暴走して低軌道ステーションに向かって攻撃。

テスト用の装備なのでそこまで強力な武器は無かったが、その影響で一般の観光客にも開放されている重力ブロックの内、3つの区画が通路損傷により分離。

ステーションから脱落し、爆発の衝撃と空気の流出により重力区画の速度が急激に低下。

十数分で地球の重力圏に引き込まれてしまう事が判明した。

セルゲイは気絶したソーマを回収するよう命令を下すと、自ら救出活動を行うと宣言し、切り離された重力区画へと向かった。

セルゲイは、取り残された者達を救うためには減速した重力区画を加速させるしかないと判断。

ティエレンで重力区画を押し、加速させようと試みた。

しかし、ティエレンの推力では持ちこたえる所かタイムリミットを引き延ばす事すら困難であった。

 

「限界離脱領域まであと200秒………このままでは私の機体も地球の重力圏に囚われてしまう…………見捨てるしかないのか………? 200人以上の人間を…………!? (そら)は………何故にこうも無慈悲なのだ……!」

 

セルゲイが己の無力さに打ちひしがれていた時、センサーが急接近する機体を捉えた。

 

「ッ!? この速度で近付いてくる機体だと!? なぜ今までレーダーに映らなかった………!? まさかっ…………!? ガンダムか!?」

 

セルゲイは、レーダーに映らない特性を持つ機体として、ガンダムの可能性が高いと即座に判断した。

そしてそれは正解であり、輝く粒子を撒き散らしながら、オレンジ色の戦闘機の様な姿の機体、『ガンダムキュリオス』が接近して来た。

そこで上半身がMS形態に変形。

そのまま重力区画に取りつくと、推力を全開にした。

その瞬間、限界時間目前だった重力区画の速度が加速し、拮抗するまでに至った。

 

「も、持ちこたえた……!? しかし、ソレスタルビーイングが人命救助とは………」

 

MSの大きさで巨大な重力区画を支える推力を持つ事と共に、人命救助を行ったことに驚愕するセルゲイ。

世間的には、ソレスタルビーイングもテロ組織と認識されており、戦争根絶を謳ってはいるものの、戦場を不必要に混乱させる害悪だという認識がされていた。

 

「…………ガンダムの推力をもってしても現状維持が限界か………だが、エネルギーが尽きれば地球圏へ………」

 

セルゲイの言葉通り、今は引力圏との拮抗状態を保っては要るものの、此処で手を離せば重力区画は再び減速し、地球の引力に囚われてしまう。

救助部隊が来るまではまだ時間が掛かる。

セルゲイは非情な判断を下さなければならない時が近付いてきているのを感じていた。

だがその時、センサーが新たな反応を捉えた。

 

「ッ!? 接近する新たな反応!? これは………戦艦クラス!?」

 

セルゲイが振り返ると、その視線の先には、二股の艦首を持つ金色の戦艦がこちらに向かってきていた。

 

「金色の戦艦!? 初めて見る形だ! あれもソレスタルビーイングなのか!?」

 

セルゲイが声を上げると、

 

『なんだ!? あの戦艦は!?』

 

ガンダムキュリオスからも驚愕の声が聞こえた。

 

「今のはガンダムパイロットの声? となれば、あれはソレスタルビーイングではない?」

 

セルゲイが怪訝な声を漏らすと、

 

『こちらはガッツィー・ジェネレーション・ガード! これより救助活動を支援する!』

 

その戦艦から通信が入った。

 

「ガッツィー・ジェネレーション・ガードだと………? 何処の組織だ?」

 

聞いたことのない組織名にセルゲイが声を漏らすと、その金色の戦艦は重力区画に向かってくる。

 

「ッ!? 待て! その速度では重力区画と衝突してしまう!」

 

てっきり艦載機を出撃させるものと思い込んでいたセルゲイは、戦艦そのものが向かってきたことに驚きと同時に警告の言葉を発する。

だがその時、その戦艦に変化が起こった。

二又の艦首が両サイドに移動し、後部エンジン部が下方へと折れ曲がる。

 

「なっ!? まさかっ!?」

 

その変化にセルゲイは声を上げて驚愕した。

金色の戦艦が、人型へと変形したのだ。

 

「戦艦が人型に変形しただとっ!?」

 

セルゲイが驚いている先で、人型となった金色の戦艦は、両腕となった艦首を前に向けると、なるべく重力区画に衝撃を与えない様に腕をうまく使い、取り付いた。

 

「なんという柔軟な動き………戦艦でこのような挙動が可能なのか…………!?」

 

その精密な動きに何度目かも分からない驚きの声を漏らすセルゲイ。

すると、足の裏へ移動した金色の戦艦のメインブースターが火を噴いて莫大な推進力を重力区画へ与え始めた。

 

「ッ!? 戦艦とはいえなんという推進力! 3区画もの重力区画を軽々と押し上げている!」

 

瞬く間に安定軌道まで重力区画を押し上げた。

 

『……………………』

 

すると、ガンダムキュリオスが重力区画を離れると高機動形態へ変形し、飛び去る。

 

『………………ガッツィー・ジェネレーション・ガード………一体何者なんだ………?』

 

その呟きを残して。

すると、ガンダムキュリオスと入れ替わる様に救助部隊が到着する。

 

『中佐! ガンダムが……!』

 

救助部隊の護衛がガンダムを追撃するよう口にするが、

 

「救助作業が最優先だ」

 

『りょ、了解!』

 

セルゲイはそう命じて追撃を禁じた。

 

「…………私にも、恩を感じる気持ちぐらいはある」

 

この場は見逃すことが、人命救助に一役買ってくれたことに対する恩返しだとセルゲイは判断した。

 

「それに……………」

 

セルゲイは呟きながら重力区画を支える金色の人型戦艦を見上げる。

 

「彼らの正体も突き止めねばな…………」

 

セルゲイは、ソレスタルビーイングだけでも厄介なのに、また一つ悩みの種が出来たと言わんばかりにやれやれと呟いた。

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

今飛び去って行ったのって、やっぱりガンダムキュリオスだよなぁ?

じゃあここはガンダムOOの世界って事か?

また面倒な世界に飛ばされたものだ……………

面倒な世界だからこそアニメになってるのかもしれないけどな。

すると、

 

『私は人革連軍MS部隊所属、セルゲイ・スミルノフ中佐だ』

 

目の前のゴツイMSから通信が入った。

そしてその名には聞き覚えがある。

この世界の軍人の中では良心的で、軍人として割り切る部分はあるが、基本的に善人側の人間だった筈だ。

この世界で最初に出会った人間がこの人で助かったと見るべきか。

 

『先ずは救助活動の支援を感謝する!』

 

やはり良心的なようで、最初に感謝を述べられた。

 

『だが、可能であれば君達の所属を明かしてもらいたい。正体不明の組織、人間をおいそれと信じるわけにはいかんのでな』

 

銃口こそ向けていないが、こちらの出方によっては戦う事も辞さないという覚悟が声色から伺える。

俺は一呼吸置くと、

 

「…………先程も名乗ったが、こちらはガッツィー・ジェネレーション・ガード………通称GGGだ。俺はGGGの代表となっているジェイだ」

 

そう名乗り返した。

 

『…………すまないが、そのガッツィー・ジェネレーション・ガードという組織は聞いたことが無い………どこの勢力の所属かね? ユニオンか? AEUか? 我々人革連という事はあるまい?』

 

セルゲイが怪訝な声でそう聞き返してくる。

 

「聞いたことが無いのは当然だ。我々はつい先ほど、この世界に流れ着いた放浪者だ」

 

『ッ………!? この世界……? 流れ着いた……? どういう意味だ?』

 

セルゲイは理解できなかったのか更に聞き返してきた。

 

「言葉通りだ。信じられないかもしれないが、俺達はこの世界の存在ではない。異世界………パラレルワールドや並行世界とも呼ばれる、全く別の歴史を辿った世界からやってきた」

 

『異世界だと………? そんなバカな話が………』

 

「信じられんのも無理はない。こちらとて、簡単に信じてもらえる話だとも思っていない。故に、話半分に聞いておけばいい。それよりも、そちらが気にしているのは俺達のこれからの動向だろう?」

 

『ッ………!』

 

セルゲイの言葉が詰まった。

 

「最初に言っておくが、俺達はこの世界の情勢に関与するつもりはない。基本的にどこの陣営にも所属するつもりはないし、この世界で行われている戦争に介入するつもりはない。ただし、余りにも民間人や戦いに関係の無い者達を巻き込む作戦や、大量破壊兵器を気軽に使う様な場合は己の正義に則り、介入させてもらう場合もあるがな。それよりも、俺達にはやらなければならない事がある」

 

『やらなければならない事?』

 

「ああ。それは、この世界に現れるだろうゾンダーや原種を倒す事だ」

 

『ゾンダー……? ゲンシュ……? なんだそれは?』

 

セルゲイが聞き慣れない名に声を漏らす。

 

「ゾンダーや原種は、イレギュラーである俺達がこの世界に来たことで発生する、俺達へのカウンターに当たる存在だ。詳しい事はデータで纏めてそちらに送るが、既存の兵器ではゾンダーや原種を倒すことは不可能だと思ってくれ。それと、ゾンダーや原種が現れる責任を俺達に問われても困る。俺達は望んでこの世界に来たわけではない。前に居た世界からはじき出されて辿り着いた先がこの世界だったというだけだ。俺達を排除したからといって、ゾンダーや原種が現れなくなる保証はない。それでも一応俺達に責任があるからこそ、俺達がゾンダーや原種を倒す事にしている。俺達に出来るのはそこまでだ」

 

『………………正直、どう判断すればいいのか分からん。もしその話が本当だとしたら、私の手に余る問題だ。一度持ち帰って、上層部に掛け合ってみなければ何とも言えん』

 

「如何するのかはそちらに任せる。それと、俺達GGGの存在は公にしてもらっても構わん。ゾンダーや原種は何処に現れるか分からないからな。情報は共有してもらった方がやりやすい」

 

『そうか…………』

 

「それと、俺達の拠点はあそこのオービットベースだ」

 

俺は離れたところに存在する金色の宇宙ステーションを示した。

 

『宇宙ステーション!? なぜあんなところに!?』

 

セルゲイが声を上げる。

 

「先ほど言った通り、つい先ほど俺達はこの世界に現れたからだ」

 

『ッ…………!』

 

「用事があるのなら、いつでも来て貰ってかまわない。そして、その時に俺達がどう出るかはそちらの態度次第だ。俺達の行動は単純明快。言葉には言葉で。力には力で応える!」

 

『…………了解した。上層部次第だが近日中には伺う事になるだろう』

 

俺の言葉に圧を感じたのか、少し間を置いた後にセルゲイが答える。

 

「良き判断を期待する。それと、ゾンダーや原種のデータを送っておいた。上への説明に使ってくれ」

 

『感謝する』

 

セルゲイはそう言うと、救助部隊と合流した。

そして俺達は、マクロス・ブレイバーを空母モードに変形させると、オービットベースへ帰投するのだった。

 

 

 

 

 






はい、ガンダムOO編第1話でした。
介入するタイミングならここかな~?と思って限界離脱領域の所で介入。
後は、セルゲイさんぐらいしかまともに話聞いてくれそうな人が思いつかなかった。
不死身さんはバカだし、グラハムは戦闘バカだし、マネキンさんはバカ真面目だし。
マネキンさんだったらワンチャンあったか?
あと、いきなりソレスタルビーイングと接触は戦闘の予感しかしなかったので。
ここから如何なるのかはお楽しみに。




ルナマリアの乗機は?

  • 実はパクってきたインパルス
  • データをパクって複製したインパルス
  • スパロボ世界でパクったアシュセイヴァー
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