転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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♯02 防衛

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

GGGと遭遇したセルゲイは帰還した後、暴走したソーマとGGGの事を上層部に報告していた。

当然ながらソーマの暴走は事故として処理され、特に何らかの罰が下ることは無かった。

そして、GGGに対してだが、

 

「GGGの拿捕………ですか………?」

 

セルゲイはその命令に訝しむ表情をする。

 

『そうだ。正体不明の組織を野放しにはできん』

 

上官がそう言う。

 

「しかし、彼らは地球の情勢への不干渉を明言しています。下手に藪をつつくのは賛成できかねますが………」

 

『君はあのような世迷いごとを本気にしているのかね? 何が異世界から来た放浪者だ? 馬鹿馬鹿しい』

 

「ですが、彼らの技術力が未知のものであることは確かです。それこそソレスタルビーイングと同等………もしかしたら、それ以上という可能性も………」

 

セルゲイはGGGへ手を出す危険性を示唆するが、

 

『だからこそいち早く我々の支配下へ取り込むべきなのだ! 仮にAEUやユニオンが奴らの力を手に入れてみろ! 世界の軍事バランスが一気に崩れるぞ!』

 

上官の言葉に、

 

(………それは我々が彼らの力を手に入れても同じだと思うのだがな………手に入れることが出来れば……の話だが)

 

セルゲイは内心ため息を吐く。

 

『これは命令だ! 中佐、貴官は直ちに一個大隊を率い、GGGを名乗る組織の拠点を拿捕! 制圧せよ!』

 

上官のその言葉に、

 

「……………了解しました。これより一個大隊を率い、GGGの拿捕、及び制圧任務に向かいます」

 

軍人であるが故に、正式な命令に対しセルゲイはNoとは言わない。

 

『期待しているぞ?』

 

その言葉を最後に通信が切れる。

 

「……………はあ」

 

セルゲイは深くため息を吐くのだった。

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

救助活動を支援してから数日。

いつも通りルリが集めた情報を元にこの世界での活動方針を決めようとしていた。

 

「この世界の年号は西暦。現在は2307年。枯渇した化石燃料に代わるエネルギー源として宇宙太陽光発電システムと軌道エレベーターを実用化しています。ですが、その恩恵を受けられるのが『ユニオン』、『AEU』、『人類革新連盟』の世界三大国家群のみであり、いずれの国家群にも属さない小国は貧困にあえぎ、紛争や内戦を繰り返している状況ですね。その三大国家群も全面的な対決こそないものの熾烈な軍備開発競争による冷戦状態が継続されています。尚、この世界の平均軍事レベルは、シン君達の居たコズミック・イラよりも、やや下と言ったところでしょうか」

 

ルリが集めたデータをモニターに表示する。

そこには、人革連の主力MSであるティエレン。

ユニオンのMSであるユニオンフラッグ。

AEUのMSであるAEUイナクトが映し出された。

 

「この世界の人型機動兵器の総称もC.Eと同じくモビルスーツと呼称されています」

 

「この世界にもMSが………」

 

シンが呟く。

 

「それと、ごく最近の話ですが、ソレスタルビーイングと呼ばれる組織が『ガンダム』と呼ばれるMSを使い、紛争地域への武力介入を開始したようです」

 

ルリは新たに4機のMSの画像をモニターに表示した。

 

「あら? これって何処となくシンちゃんのデスティニーとステラちゃんのガイアに似てるわね?」

 

エクセレンがガンダムの姿を見てそう呟く。

 

「…………『ガンダム』と呼ばれるMSが存在する世界は、他にもいくつか存在する。どこの世界でも、『ガンダム』は歴史や時代の変革期に現れ、世界に少なくない影響を与える存在だ。そして、デスティニーやガイアも『ガンダム』の一種だ」

 

俺はそう言う。

 

「俺達の機体も………『ガンダム』………!?」

 

シンが驚いた表情で呟いた。

 

「ああ。実際に良くも悪くも、お前達の行動がC.Eという世界に与えた影響は大きいだろう」

 

「…………………」

 

シンは思い当たる節があるかのように俯いた。

そのまま話を続けようとした時、突如として警報が鳴り響いた。

 

「如何した?」

 

俺がルリに尋ねると、

 

「オービットベースに接近する部隊を確認。輸送艦と思われる戦艦を3隻確認。それよりMSが出撃しています。数は36機。全機人革連のMSのティエレンです」

 

そう報告して来た。

 

「人革連か………」

 

すると、

 

『こちらは人革連MS部隊、セルゲイ・スミルノフ中佐だ。GGG、応答せよ!』

 

セルゲイが通信で呼び掛けてきた。

俺は仲間達に出撃準備をするように伝えると、

 

「こちらはGGGのジェイだ。数日ぶりだなセルゲイ中佐。友好を結びに来た………と言う訳では無さそうだな?」

 

俺が問い返すと、

 

『ッ………人類革新連盟上層部の意向を伝える! GGGは直ちに武装解除し、投降せよ! 尚、この要求が受け入れられぬ場合、武力を持って制圧させてもらう!』

 

セルゲイは厳とした態度でそう言い放つ。

 

「それが人革連の決定か?」

 

『その通りだ。要求を呑んでくれるのなら、組織のメンバーの安全は保障する!』

 

恐らくその条件は、セルゲイの独断だろう。

この世界のご時世、所属不明の怪しい奴らを生かしておく理由は無いからな。

俺は一度ため息を吐くと、

 

「………………上の連中の頭が固いと、割を食うのは下の者達だな、中佐」

 

『…………………………』

 

俺の言葉には何も答えないセルゲイ。

だが、言い返さない所を見ると、何かしら思う所はあるのだろう。

 

『もう一度言う。GGGは直ちに武装解除し、投降せよ』

 

セルゲイは再び要求を言い放つ。

 

「それがあなたの意志か?」

 

『………私は………軍人だ………!』

 

「……………そうか」

 

俺は顔を上げると、

 

「断る!」

 

そう言い放った。

 

『やはりか…………ならば宣言通り、武力を持って制圧させてもらう!』

 

セルゲイがそう宣言すると、

 

「ならばこちらは理不尽な武力行使に対し、正当な防衛をさせてもらう」

 

俺がそう言うと、

 

「皆! 出撃だ! だが、パイロットは殺さないよう配慮してくれ。ティエレンとの性能差なら、難しくない筈だ!」

 

俺がそう言うと、

 

「了解! シン・アスカ! デスティニー! 行きます!!」

 

マクロス・ブレイバーのカタパルトからデスティニーが飛び出し、

 

「ステラ・ルーシェ! ガイア! 出る!」

 

続いてガイアが、

 

「早乙女 アルト! YF-29! テイクオフ!!」

 

更にYF-29が続き、

 

「ラミア・ラヴレス。ヴァイサーガ! 出るぞ!」

 

ヴァイサーガも飛び立つ。

 

「キョウスケ・ナンブ! アルトアイゼン・リーゼ! 出る!」

 

アルトアイゼン・リーゼが発進し、

 

「エクセレン・ブロウニング! ライン・ヴァイスちゃん! いっくわよー!」

 

ライン・ヴァイスリッターが飛翔する。

 

「アクセル・アルマ―! ソウルゲイン! 行かせてもらう!」

 

ソウルゲインも続き、

 

「アルフィミィ・ブロウニング。ペルゼイン、参りますですの」

 

最後にペルゼインが飛び立った。

因みにアルフィミィだが、現在はブロウニング性を名乗っている。

アインストとは別の存在になり、ペルゼインからも降りることが出来るようになったアルフィミィの姿を直に見た時、自分とそっくりな容姿のアルフィミィをエクセレンが気に入ってしまい、自分の妹にすると言い張ったのだ。

まあ、アルフィミィもエクセレンの因子が混じっているはずだから、妹というのもあながち間違いではない。

アルフィミィも満更では無さそうなのでそう言う事にしておいた。

序に言っておくと、レモンもエクセレンとは同一存在であり、遺伝子上は全く同じなため、便宜上は双子という設定にしている。

そして俺の勝手な解釈だが、レモンがしっかり者の長女。

エクセレンがお調子者の次女。

そしてアルフィミィが不思議ちゃんで儚げ(?)な三女と思っている。

すると、

 

「私にもMSがあれば、一緒に出撃できたのに………」

 

マクロス・ブレイバーのブリッジでルナマリアが寂しそうに呟いた。

 

「もう少し我慢しろ。お前の機体は現在組み上げている最中だ」

 

俺はそう言いながら、現在組み上げ作業を行っているレモンの様子を確認しつつ、

 

「ランカ、頼む」

 

最後の仕上げとして彼女に呼び掛けた。

そして、

 

『各機! 攻撃開始!』

 

セルゲイ中佐が攻撃の命令を下した。

その瞬間、

 

『皆! 抱きしめて! 銀河の! 果てまでーっ!!』

 

ランカの声と共に、『星間飛行』の軽快な音楽が流れ出した。

 

『な、何だこの音楽は!?』

 

『こちらの通信回線に強引に割り込んでくる!?』

 

兵士達が困惑していると、

 

『水面が揺らぐ 風の輪が拡がる 触れ合った指先の 青い電流♪』

 

『歌………?』

 

セルゲイが呆気に取られたように呟く。

 

『見つめ合うだけで 孤独な加速度が 一瞬で砕け散る あなたが好きよ♪』

 

『ちゅ、中佐!? これは一体!?』

 

兵士がセルゲイに呼び掛けると、

 

『ッ………! 構うな! 攻撃開始!!』

 

『りょ、了解!!』

 

セルゲイの一喝で気を取り直した兵士達が、ティエレンの主武装である200mm×25口径長滑腔砲を構え、こちらの機体に発砲する。

それぞれが散開して避ける中、アルトアイゼン・リーゼだけは真っ直ぐに突撃していく。

 

『なっ!? 真っ直ぐに突っ込んでくる!』

 

その行動に兵士達は困惑するが、

 

『落ち着け! 集中砲火を浴びせろ!』

 

セルゲイが命令を下す。

その命令通り、ティエレン達が照準をアルトアイゼン・リーゼに合わせ、集中砲火を敢行した。

だが、

 

「装甲の厚さが取り柄でな!」

 

アルトアイゼン・リーゼの装甲は弾丸を全て弾いており、まともなダメージは受けていない。

アルトアイゼン・リーゼはそのまま真っ直ぐに突っ込んでいく。

本来なら、そこでプラズマホーンなりリボルビング・バンカーを使うなりするのだが、

 

「このまま突っ込む!」

 

キョウスケは武器は使わず、ティエレンの1機にそのまま体当たりをかまし、吹き飛ばした。

 

『うわぁああああああああああああっ!?』

 

悲鳴を上げながら吹き飛んでいくティエレン。

パイロットを殺さないために武器は使わなかったのだ。

ただ、アルトアイゼン・リーゼの加速力と質量なら、武器は使わずとも体当りだけでティエレン程度は粉々に出来てしまうので、ルリがハッキングで手に入れたスペックデータをもとに手加減した威力で、ではあるが。

 

『透明な真珠のように 宙に浮く涙♪』

 

『何という装甲……! こちらの攻撃を物ともしないとは……! だが!』

 

敵陣に突っ込んでいったアルトアイゼン・リーゼに狙いを定める各機。

しかし、直上から赤い閃光が降り注ぎ、ティエレンの腕を次々と貫いていく。

 

「はいは~い! 頭上注意~!」

 

頭上からライン・ヴァイスリッターがハウリング・ランチャーを放っていた。

 

『悲劇だって構わない あなたと生きたい キラッ☆♪』

 

更に、

 

「はぁあああああああああっ!!」

 

ヴァイサーガが五大剣を振り回し、ティエレンの腕や脚部を切り裂き、

 

「この切っ先、触れれば切れるぞ!!」

 

ソウルゲインの舞朱雀によってティエレンが一瞬でダルマにされ、

 

「失礼いたしますの」

 

ペルゼインの太刀であっという間に数機のティエレンが各部を断ち切られていた。

 

『流星にまたがって あなたに急降下 ah ah♪』

 

『な、何だコイツは!? 速過ぎる!? うわぁああああああっ!!』

 

YF-29が高機動マニューバーでティエレンを完全に攪乱しながら四肢を撃ち抜く。

 

『濃紺の星空に 私達花火みたい 心が光の矢を放つ♪』

 

そして、

 

『こ、コイツは、まさかぁあああああああっ!?』

 

『なんで宇宙で駆け回れるんだ!?』

 

デスティニーとガイアが次々とティエレンの四肢を撃ち抜き、切り裂きながら戦場を動き回る。

 

『あれはまさか!? ガンダム!?』

 

セルゲイが声を上げた。

 

『いや……だが例の特殊な粒子は出していない様だ………ソレスタルビーイングとは別物なのか………!?』

 

そして気付けば、セルゲイ以外のティエレンは全機無力化されていた。

 

『………2分………たった2分で、35機のティエレンが全滅だと………!? しかも、パイロットは誰一人殺さずに…………』

 

パイロットを殺していないという事は、それだけ余裕があるという事だ。

 

『GGGの力………想像以上だったか…………』

 

その口振りからするとセルゲイ自身、この任務が成功するとは思っていなかったのだろう。

しかし、ここまで圧倒的に敗北するとは思っていなかったはずだ。

 

『作戦は失敗だ。全機、撤退する!』

 

セルゲイが撤退命令を下す。

 

『中佐!? しかし!』

 

『手加減された上での完全敗北だ。受け入れろ! それにこちらのパイロットを殺していないのは、進んで我々と対立する気が無いという意思表示だろう』

 

セルゲイは、こちらの意を汲んでくれたようだ。

ティエレン各機が撤退を始めようとした時、紫色の流星の様なものがかなりのスピードで接近して来た。

 

「ッ! あれは!」

 

その流星は、ティエレンの一機に直撃、紫色の光に包まれた。

 

『くっ!? どうした!? 何があった! 応答せよ!』

 

事態を確認しようとセルゲイが呼びかけるが、

 

『ゾンダァァァァァッ!!』

 

ティエレンがゾンダー化し、叫び声をあげた。

 

『な、何だ……? あれは………』

 

異形の存在と化したティエレンに、セルゲイは畏怖の声を漏らす。

 

「あれがゾンダーだ。あの兵士はゾンダーに取り込まれたんだ」

 

『ゾンダー!? 受け取ったデータにあったあの………』

 

セルゲイは信じられないような声を漏らす。

 

「だが丁度いい………俺達の言っている事が本当であると証明しよう」

 

俺はマクロス・ブレイバーのブリッジからジェイアークへと移動し、

 

「フュゥゥゥゥゥジョン!」

 

ジェイバードと同化。

 

「ジェイバード プラグアウト!」

 

ジェイキャリアーから分離。

変形を開始し、ジェイダーとなる。

 

「ジェイダー! プラズマウイング!!」

 

背中から10枚の光の翼を発生させると、

 

「プラズマソード!!」

 

右腕にプラズマソードを発生させ、

 

「はぁああああああああっ!!」

 

ゾンダーを一刀両断に切り裂いた。

そのまま爆発するゾンダー。

勿論、ゾンダー核は右手に握られている。

 

「これがゾンダー核だ」

 

俺は右手のゾンダー核を、セルゲイのティエレンの前に差し出す。

ゾンダー核は、怪しい紫色の輝きを放っている。

そして、ジェイダーの胸部の艦橋部分から、ハルが飛び出してきた。

 

『ッ!? 宇宙空間を生身で……!? それになんだ、この輝きは……!?』

 

赤い輝きを放ち、孔雀の尾羽の様な翼を持つハルの浄解モードの姿に、セルゲイは驚愕の声を漏らす。

そして、

 

「テンペルム…………ムンドゥース………インフィニ………トゥーム………レディーレ!」

 

浄解の言霊を唱え、光の波動がゾンダー核を包み込む。

ゾンダー核が形を変え、兵士の姿となった。

辺りは真空だが、ハルの能力の影響下に居るのなら生存は可能だ。

 

『ほ、本当に人が…………!?』

 

セルゲイは何度目かも分からない驚愕の声を漏らす。

 

「これで以前よりかは信憑性が上がっただろう? 今の記録も含め、もう一度上に掛け合ってくれ」

 

セルゲイに浄解された兵士を託すと、オービットベースへ帰還した。

セルゲイ達も撤退を始め、この世界での初めての戦闘は幕を下ろすのだった。

 

 

 

 






はい、ガンダムOO編第2話でした。
今回は人革連のMS部隊に噛ませになって頂きました。
以前の説明だけでは信用には値しないと思っていたので。
因みにソーマは今回出撃していません。
まだ調整途中だったという事で。
次回はソレスタルビーイングと接触の予定。
お楽しみに。

ルナマリアの乗機は?

  • 実はパクってきたインパルス
  • データをパクって複製したインパルス
  • スパロボ世界でパクったアシュセイヴァー
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