転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第11話 説明

 

 

 

 

「すみませんでしたっ!!」

 

横浜基地に戻るなり、白銀から思いっきり頭を下げられる。

 

「俺の早とちりで……その………」

 

白銀は、キングジェイダーに向かって発砲したことを謝罪しているのだ。

 

「あ~、説明する暇が無かったとはいえ、俺も誤解される行動をしたことは確かだ。それに、あのくらいの攻撃はキングジェイダーにとってなんてことないから、気にするな」

 

俺はそう言うが、白銀は申し訳なさそうな表情をしたままだ。

 

「そう言うわけなんで、別に処罰なんかしなくていいですからね?」

 

俺は伊隅大尉の方を向いてそう言った。

 

「そうだとしても、何のお咎めも無しというわけにはいかん。数日の営倉入りは覚悟してもらおう」

 

「了解しました!」

 

白銀は敬礼しながら返事をする。

 

「はいはい。そんなことはどうでもいいから、他に聞くことがあるでしょ?」

 

香月博士がどうでもよさげに呟きながらブリーフィングルームに入ってきた。

 

「先生! 純夏はっ………!?」

 

白銀は香月博士が入ってくるなり詰め寄る様に尋ねた。

 

「落ち着きなさい。まだ目覚めてないけど、おそらく大丈夫よ。今は霞が見てるわ」

 

「そ、そうですか………」

 

「それよりも、いろいろと説明してもらわなきゃいけないことがあるじゃない? 凄乃皇の異常な変化に柏木の変化………それに、あの巨大な人型形態についてもね」

 

香月博士が俺の方を向きながらそう言う。

まあ、流石に目撃者が多すぎるからな。

 

「そうなると、俺の素性についても話すことになりますが?」

 

「今更ね。丁度いいから話しちゃいなさい」

 

「わかりました」

 

俺は一呼吸置くと、

 

「まず初めに言っておくが、俺はこの世界の人間じゃない。全く異なる世界………異世界の人間だ。ある時、とある存在によって、いきなりこの世界に放り込まれた放浪者だ」

 

「異世界っ………!?」

 

一番に反応したのは白銀。

他の皆はポカンとしている。

ハルはニコニコとしているが。

 

「そして…………凄乃皇が変化した原因…………それは『原種』と呼ばれる存在が取り付いたためだ」

 

「『原種』…………」

 

「そう言えば、戦闘中にもゲンシュとか言ってたな」

 

伊隅大尉や白銀が呟く。

 

「正確には、機界31原種…………その内の1体だ」

 

「どういう存在なわけ?」

 

香月博士が先を促す。

 

「元々は、この世界とは異なる宇宙………その中の、三重連太陽系紫の星で開発されていた、人間のストレスなどのマイナス因子を解消するために開発されていたシステム……その中枢でした。しかし、ある時そのシステムが暴走。『有機生命体がマイナスエネルギーを生むならマイナスエネルギーを発さない機械生命体ゾンダーへと昇華するべき』という結論に至り、強制的に生物を機械と融合させ、ゾンダーと呼ばれる機械生命体に変えていきました。それが惑星規模で行われるのが『機界昇華』です。その宇宙では、原種達によって、多くの星々が機界昇華されて行きました。まるで病原体の様に………」

 

「私達の世界で言うBETAみたいな存在かしらね?」

 

香月副指令がそう言う。

 

「そうかもしれません。ですが、原種達を病原体と比喩しましたが、同時に、『抗体』とも言うべき存在が生まれました。それが、機界昇華の犠牲となった星の1つ、『緑の星』の指導者カインの子、『ラティオ』でした。ラティオは生まれ持った能力により、ゾンダーに対抗する力を持っていました。そこでカインは、ラティオの能力を元に、無限情報サーキット『Gストーン』を作り出し、それを交流のあった星に分け与えたそうです。そして、そのGストーンを与えられた星が『赤の星』で、その星の指導者『アベル』がGストーンを改良、『Jジュエル』を作り出しました。更にアベルはラティオの複製を生み出し、更にサイキック能力などを強化した生体兵器『アルマ』を生み出しました……………ハルは、特殊な方法ですが、後天的に人間からアルマに改造したんです…………」

 

「生体………兵器…………」

 

白銀が唖然とした表情で呟く。

 

「そして、Jジュエルを搭載した決戦兵器『ジェイアーク』を作り出し、31隻のアーク艦隊として原種の侵攻に備えようとしましたが……結局配備が間に合わず、機界昇華されてしまったんです」

 

「ジェイアークって、別の星で作られたものだったのね………」

 

神宮司大尉が呟く。

 

「…………その原種という怪物が、我々の地球に目を付けたという事なのか……!?」

 

伊隅大尉が引きつった顔をしている。

 

「いえ、緑の星のラティオと赤の星のオリジナルのアルマは、機界昇華が完了する直前に、それぞれの星から脱出させられ、『青の星』………その世界の地球へとたどり着くんです。詳しい話は省きますが、その地球のGストーンを受け継いだ勇者達と、赤の星の生き残りの戦士によって、激闘の末に原種達は倒されました。なので、何故原種がこの世界に現れたのかは全くの謎です」

 

俺はそう答える。

 

「結局敵については何にもわからないって事じゃない?」

 

「実際分かりませんので」

 

香月博士の言葉にそう答える。

 

「で? もう一つ聞きたいんだけど、なんでさっさとあのキングジェイダーとやらにならなかったの? あと、戦艦の主砲も使えばよかったじゃない」

 

香月博士はジト目で見てくる。

 

「そうよ。さっさとあの姿で倒せばよかったじゃない!」

 

速瀬中尉もそう言ってくる。

 

「もったいぶってたわけじゃない。あの直前まで使えなかったんだ」

 

俺はそう答える。

 

「使えなかった?」

 

「俺をこの世界に放り込んだ存在によって、ジェイアークにはメガフュージョンと武装の大半を封印するセーフティープログラムが掛けられてたんだ。そのセーフティーを外す条件がアルマの存在。あの時点でハルがアルマになってくれたから、セーフティーを外すことが出来てフルパワーで戦う事が出来るようになったんだ」

 

「さっきから思ってたけど、アンタをこの世界に放り込んだ『存在』って、いったい何なのよ?」

 

「……………俺にもよくわかりません。本人は『神』を名乗ってましたがね」

 

「「「「「「「「「「神ッ!?」」」」」」」」」」

 

流石にその言葉には全員が驚く。

 

「本当に『神』かどうかはわかりませんが、超常的な力を持つ存在には違いないです。まあ、本当に神様だとしても、邪神の類だと思いますけどね」

 

俺がそう言ったとき、

 

『邪神とは酷いなぁ』

 

突然聞き覚えのある声が響き渡った。

他の皆も何事かと辺りを見渡す。

すると、突然空中に画面が浮かび上がり、

 

『やあ、久しぶりだね!』

 

相変わらずのおちゃらけた雰囲気で声を掛けてきた。

 

「な、なにこれ………!?」

 

「空中に画面が………!?」

 

「な、何もないよね……?」

 

A-01部隊の面々が狼狽えていると、

 

『初めまして諸君! 僕は『神』だ!』

 

以前と同じようにドヤ顔で名乗る自称神(?)。

その言葉に困惑する面々。

 

「……………ジェイ、もしかしてコイツが?」

 

香月博士が俺に確認を取る様に尋ね、

 

「はい、コイツが俺をこの世界に放り込んだ存在です」

 

俺は頷いて肯定する。

 

「胡散臭いわね………」

 

「それには同意です」

 

『好き勝手言ってくれるね君達』

 

そうは言うが、その顔は何処か楽しそうだ。

 

「丁度いい。聞きたいことがある。この世界に原種が現れたのはお前の仕業か?」

 

コイツなら原種をこの世界に呼び出すことは不可能ではないだろう。

 

『そうだね………原因という意味で言うなら僕で間違いないだろう』

 

「やっぱりか!」

 

相手の言葉に、予想通りかと叫ぶ。

だが、

 

『けど、半分は君の所為だとも言える』

 

「俺の……? どういうことだ?」

 

神(?)の言葉に、俺は更に問うと、

 

『君が転生特典にジェイアークなんかを選ぶからだよ』

 

呆れたようにそう言うと、

 

『この世界にとって、ジェイアークは世界のバランスを大きく崩す存在だ。世界がバランスを保つために、ジェイアークと対になる存在をこの世界に生み出した。それがあの原種さ』

 

「そういうことか………」

 

ジェイアークは、対原種用兵器。

だからジェイアークに対抗するために原種が現れたという事か。

って、それってもしかして、

 

「おい! それはまさか、31原種がこの世界に現れるという事なのか!?」

 

俺は最悪の可能性を予想する。

 

『いや、そこまでは心配しなくてもいいよ。ジェイアーク1機では、精々原種1体……もしくは数体と言ったところだね。だから、この世界に現れた原種を倒した今、この世界に原種が現れることは無いよ』

 

「そうか………よかった………」

 

その言葉に俺はホッとする。

しかし、

 

『だけど、君とジェイアークの存在がこの世界にとって大きくバランスを崩す異物だという事には変わりない。だから、君は近いうちにこの世界から排除される』

 

「排除………?」

 

『簡単に言えば、どこか別の異世界にランダムで飛ばされるって事さ』

 

「ッ…………!?」

 

その事実に目を見開く。

更に、

 

『それから柏木 晴子君?』

 

「私?」

 

神(?)はハルにも視線を向ける。

 

『君もアルマとなったことで、この世界から外れた存在となった。だから、彼が世界から排除されるときには、君も一緒に世界から排除される』

 

「……………!」

 

「何だと!?」

 

俺は思わず叫ぶ。

 

『それが君が選んだ運命ってヤツだよ』

 

「う~ん………イマイチ理解が追い付かないんだけど、要はこの世界からジェイが居なくなるけど、私もジェイについて行かなきゃいけないって事だよね?」

 

ハルは困ったように頭を掻きながらそう言う。

 

『まあ、そういう事だ』

 

神(?)は頷くと、

 

「それは別にいいかな。ジェイと一緒に居られるなら願ったり叶ったりだし……」

 

そう言って気にしない素振りを見せる。

 

『この世界の家族とは、永遠に会えなくなるよ?』

 

「まあ、それだけが唯一の心残りかなぁ………」

 

ハルはアハハと乾いた笑いを零した。

 

「………………」

 

俺は少し考え込むと、

 

「………俺達がこの世界から排除されるのは何時頃だ?」

 

そう尋ねる。

 

『そうだね………この世界の年明けぐらいかな?』

 

「もう一つ。俺がジェイアークでこの世界で戦った場合、何かこの世界にとって不都合は起こるか?」

 

『そこは安心したまえ。イレギュラーは原種が出てきたことだ。この世界にはこれ以上イレギュラーは発生しないよ』

 

「そうか…………ならば、俺が地球上のハイヴを破壊しても問題ないな?」

 

「ジェイ……!?」

 

俺の言葉に、ハルが驚いた顔をする。

 

「…………この世界に残していく家族が心配なのだろう?」

 

「……………うん」

 

俺の言葉に、躊躇しながらも頷くハル。

 

「月や火星のハイヴは時間が足りないにしても、地球上のハイヴぐらいならすべて破壊できるだろう。そうすれば、人類に幾許かの余裕ができる。お前の弟達が、すぐに戦場に駆り出されることも無いだろう」

 

「ジェイ………」

 

俺の言葉にハルは微笑む。

 

『まあ、その辺は好きにするといいよ。じゃあ僕はこの辺で。じゃ~ね~!』

 

神(?)の映像が消える。

すると、他の面々がポカンとしていた。

 

「流石に脳のキャパシティ超えてるなぁ…………」

 

「まあ、どう足掻こうと信じられる話でもなかったしね。でも、実際に神と呼べる存在が現れたらそりゃこうなるわね」

 

「そう言う割には、香月副司令は平気そうですね」

 

「…………………混乱しすぎて一周回って逆に冷静になっただけよ。因みに昨日はアンタのキングジェイダーとやらを見て、いつの間にか気を失ってたわ」

 

「……………なんかすみません」

 

香月副司令の言葉に俺は何故か謝るのだった。

 

 

 

 

 






第11話です。
今回は説明会でした。
原種が現れた原因と、次の世界への転移フラグです。
次回でマブラヴ編は最後。
因みに次に行く世界は『ガンダムSEED DESTINY』の予定。



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