転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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♯07 怒れる瞳

 

 

 

 

新たにトリニティの操るガンダムスローネ アイン、ツヴァイ、ドライの3機が現れ、ソレスタルビーイングの危機を救った。

そして彼らも武力介入を開始した。

だが、それはソレスタルビーイングが行うものより更に過激なものだった。

 

「無茶苦茶だあいつら! 一体何を考えてるんだ!」

 

シンが 机に拳を叩きつけながら激昂する。

今までソレスタルビーイングが行ってきた武力介入は、被害が最小限になるよう考えられていたり、警告して脱出の時間を作ったりと、民間人への被害は出来る限り抑えられていた。

しかし、トリニティが行っている武力介入は、巻き込まれる人間の事など考えられておらず、それどころか被害をより大きくするような節も見られた。

戦争を憎むシンは、ソレスタルビーイングの行動は納得していないまでも、ある程度は理解して自制出来ていたが、トリニティの行っている事には我慢ならなかったようだ。

 

「…………………さて、どうするか」

 

俺はモニターを見ながら今後の行動を如何するか考えるのだった。

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

地上でルイス・ハレヴィの護衛を任されていたボルフォッグは、現在もホログラフィックカモフラージュで姿を隠しつつルイスを見守っていた。

現在ルイスは故郷であるAEUの一部であるスペイン北部に、従兄弟の結婚式の為に家族と共に一時帰国していた。

教会の中庭で煌びやかな披露宴が行われている。

 

「護衛対象、ルイス・ハレヴィ。近くに不審な影は無し。現在は安全であると判断。護衛を続行します」

 

ボルフォッグが定時連絡を終え、ルイスを始めとした披露宴会場にいる人々に目をやる。

新郎新婦を中心として、とても平和な光景だ。

 

「……………平和な光景ですね」

 

ボルフォッグは喜ばしい声色で呟く。

地球の平和を守ることが使命である勇者ロボの彼にとって、このような光景を見れることは、とても喜ばしい事であった。

だが、

 

「……………ッ!? 通信障害!?」

 

ボルフォッグは異常に気付く。

この辺り一帯が突如として電波障害に見舞われたのだ。

 

「これはもしや………!」

 

ボルフォッグは何かに気付いたように周辺の空気成分を分析する。

 

「空気中に疑似GN粒子を確認! ガンダムスローネですか!」

 

ボルフォッグが周囲を確認すると、教会の近くの上空を3機のガンダムスローネが飛行していた。

 

「あれは…………作戦行動の途中でしょうか………?」

 

ボルフォッグがガンダムスローネの進路を予測すると、教会の横の上空を通過する進路だった。

この場にガンダムスローネが現れた事は偶然で、偶々近くを通りかかるだけだとボルフォッグは予想する。

そして、その予想は的中しており、ガンダムスローネは作戦目標への移動の途中であった。

本来であれば、偶々近くを通り過ぎるだけだった。

そのガンダムのパイロットが、まともな思考をしていれば、だが。

 

『ラグナから次のミッションが入った。目標ポイントへ向かう』

 

ガンダムスローネ アインのガンダムマイスターであり、トリニティの長兄であるヨハン・トリニティがそう告げた。

 

『またかよぉ!』

 

ガンダムスローネ ツヴァイのガンダムマイスターで次兄のミハエル・トリニティが文句を言いたげにそう言うと、

 

『やだぁ! ここんところ働き詰めじゃない!』

 

ガンダムスローネ ドライのガンダムマイスターで末妹のネーナ・トリニティは嫌な気持ちを隠そうともしていない。

 

『我慢しろ。戦争根絶を達成させるためだ』

 

ヨハンにそう諫められる2人。

ヨハンからの通信が切れると、

 

『あーん! もう!』

 

鬱憤を晴らしたいがために叫ぶ。

 

『………ん?』

 

しかしその時、ネーナの視界の片隅にあるものが映った。

ネーナは映像を拡大すると、そこには教会の中庭で行われている結婚式の披露宴の様子だった。

 

『なぁーにそれ!? こっちは必死にお仕事やってんのに、能天気に遊んじゃってさ!』

 

その様子を見て、作戦続きだったイラつきを爆発させるネーナ。

すると、何か思いついたように嘲笑う様な笑みを浮かべると、

 

『あんたら分かって無いでしょ?』

 

ガンダムスローネ ドライの進路が変更された。

 

『世界は変わろうとしているんだよ?』

 

その行き先は、教会。

すると、ネーナは銃口を中庭に向ける。

中庭の人々は何が起こっているのか分からず呆然としていた。

そして、

 

『死んじゃえばいいよ』

 

ネーナは一切の躊躇なく引き金を引いた。

直後、ガンダムスローネの銃口から、紅の粒子ビームが放たれた。

 

 

 

 

 

その少し前、ガンダムスローネの動きを監視していたボルフォッグは、ガンダムスローネ ドライの進路が変わったことに気付いた。

 

「ガンダムの1機が進路を変えた!?」

 

ボルフォッグは何故?と思ったが、その進行方向は教会である。

 

「こちらに向かって………!? まさか!?」

 

ボルフォッグは最悪の展開を予想する。

そして、その予想が正しいと言わんばかりにガンダムスローネ ドライの銃口が披露宴会場に向けられた。

 

「ッ! いけません!!」

 

瞬間、ボルフォッグはホログラフィックカモフラージュを解除。

同時にパトカーが現れて急発進した。

そして、銃口から紅の粒子ビームが放たれる瞬間、

 

「システムチェーンジ!」

 

パトカーが飛び上がると同時に変形を開始。

瞬く間に人型となり、紫色の人型ロボットへと姿を変える。

 

「ボルフォッグ!!」

 

ボルフォッグは変形を完了すると、

 

「ミラーコーティング!!」

 

自身をミラーコーティングで包み込み、銀色の膜に覆われる。

そして、

 

「くぉおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

飛び込むように自身をガンダムスローネの射線軸上に割り込ませ、粒子ビームから人々を護った。

ミラーコーティングにより粒子ビームは弾かれる。

 

『何っ!?』

 

突然の事に、ネーナは驚愕の声を上げる。

守られた会場の人々は一瞬呆然としていたが、

 

「ここは危険です! 早く避難を!」

 

ボルフォッグがそう呼びかける。

 

「あ………き、君は………?」

 

「私の名はボルフォッグ。GGGの隊員です。さ、早く避難を!」

 

ボルフォッグはそう言うと避難を促す。

会場の人々は、状況が良く呑み込めないまま避難を始めた。

すると、

 

『何よアンタ!?』

 

ネーナが邪魔するなと言わんばかりに声を上げた。

ボルフォッグが立ち上がりながらガンダムスローネ ドライを見上げ、

 

「それはこちらのセリフです! 何故彼らを攻撃したのですか!? あの場に、誰かターゲットが居たのですか!?」

 

ボルフォッグが問い返した。

 

『ハァ? アタシらが一生懸命働いてんのに呑気に遊んでるから、分からせてやろうとしただけじゃない!』

 

ネーナは、何が悪いのかと言いたげに言い返してくる。

 

「ッ………!?」

 

ボルフォッグはその答えに信じられないような表情をした。

すると、

 

『ネーナ。何をしている?』

 

ガンダムスローネのアインとツヴァイが降下してきてドライに並ぶ。

 

『ヨハン兄!』

 

ネーナがヨハンの名を呼ぶ。

 

『何だコイツ?』

 

ミハエルがボルフォッグを見ながら怪訝な声を漏らす。

 

「私はボルフォッグ。GGGの隊員です」

 

トリニティに向かって名乗るボルフォッグ。

 

『GGG? あの異世界からやってきたとかいうホラ吹き集団か!』

 

ミハエルがバカにしたように言う。

だが、ボルフォッグは挑発には乗らず、

 

「つい先ほど、そちらの機体がこちらの披露宴会場に攻撃を仕掛けました。その理由をお教え頂きたい」

 

ボルフォッグがそう言うと、

 

『ネーナ、何をしている?』

 

ヨハンがネーナに問いかけると、

 

『ゴメーン! スイッチ間違えちゃって!』

 

テヘっと言いたげにあざとく笑って見せるネーナ。

 

『任務続きで疲れてんだろ?』

 

『勝手な行動は慎め』

 

『はーい』

 

ミハエル、ヨハン、ネーナがそんな言葉を交わす。

 

「……………それだけですか?」

 

ボルフォッグが重々しい声で問いかける。

 

『ん?』

 

ヨハンがボルフォッグを見ると、

 

「民間人の命を奪おうとした行動を、それだけで済ませるのですか!?」

 

ボルフォッグは怒りの籠った声で問いかけた。

そしてガンダムスローネ ドライを睨みつけると、

 

「先程あなたは言いましたね? 自分達が一生懸命働いているのに呑気に遊んでいたから分からせてあげようとした………と。あなた達の目的は、手段は褒められたものではないにしろ、戦争の根絶………延いては世界の平和の筈。ならば、先程の光景は望むべきものでは無いのですか?」

 

ボルフォッグの最大の疑問を問いかけた。

最終目標が平和なのだとすれば、先程の平和な光景は喜びこそすれ、攻撃するような光景では無い筈だ。

だが、

 

『はあ? 何で赤の他人が楽しそうにしてるのを喜ばなくちゃいけないのよ? 私達は世界の為に戦ってるのよ? そんなときに呑気に遊ばれてちゃ、むかつくじゃない』

 

ネーナの答えはそれだった。

 

「………………よくわかりました」

 

ボルフォッグはため息を吐くように軽く俯きながらそう呟く。

そして、顔を上げると、

 

「あなた達が、平和の為に戦っているわけでは無い事に!!」

 

そう叫びながら2本のブーメランを構えた。

 

『何よ!? やる気!?』

 

ネーナが叫ぶと、

 

「その機体! 無力化させていただきます!」

 

ボルフォッグはそう言い放った。

 

 

 

 

 

 

――オービットベース、マクロス・ブレイバーブリッジ。

 

「ボルフォッグより緊急連絡。ガンダムスローネが民間施設に攻撃。ボルフォッグが防いで被害はありませんでしたが、ガンダムスローネ3機と戦闘を開始したと報告が」

 

ルリがそう報告する。

 

「何だって!?」

 

シンが驚愕の声を上げる。

 

「あいつら………やり方が乱暴だと前から思ってたけど、民間施設に攻撃なんて許される事じゃないぞ…………」

 

シンは拳を握りしめ、怒りに震える。

 

「ジェイさん! 俺に行かせてください! これ以上黙って見ているなんてできません!」

 

シンがそう進言してくる。

 

「………ボルフォッグも人間相手では積極的に攻撃は出来ないからな。応援は必要だろう」

 

ジェイがそう言うと、

 

「はい!」

 

シンは嬉しそうに返事をすると、駆け出そうとする。

 

「シン! 私も行く!」

 

ステラがシンに続き、

 

「あ…………」

 

ルナマリアが追いかけようとして、自分の機体が無い事に思いとどまった。

シン達がブリッジから出ようとした時、丁度ブリッジの扉が開き、レモンが現れた。

 

「あら? そんなに急いで何かあったの?」

 

シン達の様子にレモンはそう言うと、

 

「ルナマリア。あなたの機体ロールアウトしたわよ」

 

レモンの言葉にルナマリアはパッと顔を輝かせ、

 

「本当ですか!?」

 

思わず叫んだのだった。

 

 

 

 

格納庫に移動した彼女の前にある1機のMS.

 

「これって………インパルス?」

 

ルナマリアが呟く。

彼女の前にあった機体は、彼女がとても良く知るものだった。

 

「C.Eから移動する前に、拝借しておいたデータを元にレモンに再現してもらったものだ」

 

ジェイがそう言う。

だが、

 

「でも、装着されているシルエットは見た事が無いわ。デスティニーのバックパックに似てるけど…………」

 

ルナマリアが疑問の声を漏らすと、

 

「デスティニーシルエット。フォース、ソード、ブラスト、全ての長所を兼ね備えた万能性を求めて設計されていたものだ」

 

「デスティニーシルエット………」

 

「まあ、試作として数機が建造されていたみたいだが、エネルギーを馬鹿食いする上、全力機動で空中分解する可能性もあったらしい欠陥機だったそうだ。だから根本的な設計から見直してデスティニーが作られたそうだ」

 

「ちょっと!? 大丈夫なのそれ!?」

 

流石に空中分解と聞いてルナマリアも黙っていられずに叫んだ。

 

「そこは安心しろ。動力はGSライドとウルテクエンジンに換装し、フレームの方も勇者ロボの技術で強化している。OSの方もTC-OSだし、今のこいつなら魔改造したガイアにも引けは取らない筈だ」

 

その言葉にホッと息を吐いたルナマリアは気を取り直して機体に乗り込む。

 

「操縦系は元のインパルスと同じ………これなら行けそうね」

 

操作系統は変わらないため、慣れた様子でシステムを立ち上げて行くルナマリア。

そして、発進シークエンスに入った。

まずはデスティニーがカタパルトに現れる。

 

「シン・アスカ! デスティニー! 行きます!」

 

カタパルトから射出されるデスティニー。

続いてガイアがカタパルトに現れ、

 

「ステラ・ルーシェ! ガイア! 出る!」

 

同じくカタパルトから発進する。

そして、遂にデスティニーインパルスがカタパルトに現れた。

 

「ルナマリア・ホーク! インパルス! 行くわよ!」

 

デスティニーインパルスがマクロス・ブレイバーのカタパルトから飛び立つ。

フェイズシフト装甲が展開され、グレーだった機体色がルナマリアに相応しい赤を基調とした機体色へと変化した。

すると、

 

「ESミサイル発射!」

 

ジェイの号令で、マクロス・ブレイバーにドッキングしているジェイアークからESミサイルが発射され、正面にESウインドウを作り出した。

発進した3機は、そのままESウインドウに飛び込んでいった。

 

 

 

 

 

 

――地上。

 

「三身一体!」

 

ボルフォッグがサポートメカであるガングルー、ガンドーベルと合体。

1体の巨大ロボットとなる。

 

「ビッグボルフォッグ!!」

 

合体したビッグボルフォッグは右腕を向けると、

 

「4000マグナム!!」

 

そこに装備されている4つの銃口から弾丸を連射する。

しかし、

 

『何処狙ってんのよ!?』

 

その攻撃は全て外れてしまう。

何故なら、ビッグボルフォッグ達勇者ロボは、人命尊重を第一優先としているため、人間に対して攻撃することは出来ないからだ。

精々威嚇射撃が限界である。

すると、ネーナはビッグボルフォッグに銃口を向けてビームを放つ。

 

「ムラサメソード!!」

 

ビッグボルフォッグは左腕に装備されているガングルーのローターブレードを高速回転させて盾の様に使い、ビームを弾く。

 

『兄貴! 俺もやっちまっていいよな!?』

 

ミハエルがヨハンに確認を取ると、

 

『作戦を邪魔する者は排除条件に抵触する。かまわん』

 

『よっしゃぁっ!』

 

ヨハンの言葉にミハエルが乗り気になり、

 

『行けよ! ファング!!』

 

ガンダムスローネ ツヴァイのスカートアーマーから、6機の小型自立機動兵装が射出され、ビッグボルフォッグに向かう。

その先端からビームが発射されたが、

 

「超分身殺法!!」

 

ビッグボルフォッグは光と共に3体に分離。

攻撃を躱すと共にツヴァイとドライの周囲をかく乱するように動き回る。

 

『分離した!?』

 

『何よこいつ!?』

 

この世界の兵器とは全く違うビッグボルフォッグの動きに戸惑う2人。

 

「ジェットワッパー!!」

 

ボルフォッグが巨大なワイヤー付き手錠を射出。

ガンダムスローネ ドライの足に引っかけた。

 

「捕らえましたよ!」

 

ボルフォッグがワイヤーを引っ張り、ガンダムスローネ ドライの動きを阻害する。

 

『何よ!? そんな小さい機体でガンダムのパワーに敵うと思ってるの!?』

 

ネーナは機体の出力を上げてボルフォッグごと引きずりまわしてやろうと思っていた。

だが、

 

「逃がしません!」

 

ボルフォッグも力を上げてそれに対抗する。

 

『嘘!? 何で!?』

 

ボルフォッグがビクともしない事にネーナは驚愕する。

しかし、それも当然である。

ボルフォッグは勇者ロボの中で一番小型であり、諜報活動が主でパワーも低いとはいえ、その最大出力は97000kw以上に及ぶ。

この世界のMSの出力は精々1000kw前後であり、疑似GNドライブを使っているガンダムスローネでも5000kwにも届かないだろう。

文字通り勇者ロボは桁が違うのだ。

 

『ネーナ!』

 

今まで傍観していたガンダムスローネ アインがGNランチャーを発射。

ボルフォッグの近くに着弾させる。

 

「くっ……!」

 

ボルフォッグは咄嗟にジェットワッパーを開放すると飛び退く。

 

『ヨハン兄!』

 

ネーナは嬉しそうな声を上げると、

 

『ネーナ、ドッキングだ』

 

『OK!』

 

ヨハンの言葉にネーナはガンダムスローネ ドライをアインの後方に移動させると、右腕に内蔵された粒子供給用ケーブルをアインの背部にあるコネクターへ接続する。

すると、ガンダムスローネ アインの肩に装備されているGNランチャーが砲身を展開。

長射程モードに変形させると、ドライからGN粒子の供給を受け始める。

 

「ッ!? エネルギー供給による強化砲撃の兆候を感知! いけません! この角度は!?」

 

ボルフォッグが後ろを振り向くと、そこには避難を進める人々の姿。

 

「くっ!」

 

ボルフォッグはガンマシンを呼び戻し、再びビッグボルフォッグの姿になると、自身をミラーコーティングで包み込み、防御態勢を取った。

正直、ビッグボルフォッグの大きさでは砲撃を全て防ぎ切れるか怪しい所だ。

ビッグボルフォッグ自身は無事でも、防ぎきれなかったビームの余波が背後の人々を襲い、少なくない犠牲者が出てしまうだろう。

その事を知ってか知らずか、トリニティは作業を進める。

 

『高濃度GN粒子、転送完了!』

 

『了解。スローネ アイン、GNメガランチャー、撃つ』

 

ヨハンは淡々と工程を熟し、ビッグボルフォッグに狙いを定め、引き金を引こうとした。

だがその瞬間、上空にESウインドウが展開する。

ヨハンはそれに気付かず引き金を引く。

1拍遅れてGNメガランチャーが発射された。

だがその瞬間、

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

ESウインドウからデスティニーが飛び出し、そのまま射線軸上に割り込んだかと思うと、両腕のビームシールドを展開。

GNメガランチャーを受け止めた。

 

「やらせるかぁあああああああああああっ!!!」

 

シンの叫びと共にGSライドの出力が上昇。

ビームシールドの範囲が拡大し、GNメガランチャーの攻撃範囲全てをカバーした。

 

「ッ!? シン隊員!」

 

それに気付いたビッグボルフォッグが叫ぶ。

ビームの照射は長く続いたが、やがて途切れる。

そして、そこには無傷のデスティニーの姿があった。

 

『何っ!? GNメガランチャーに耐えた!?』

 

ヨハンが驚愕の声を上げる。

すると、

 

「………………何が………!」

 

シンが呟く。

 

「一体何がしたいんだ!? アンタ達は!?」

 

アロンダイトを抜きつつ、怒りの籠った声でシンは叫んだ。

民間人を巻き込む攻撃。

流れ弾で家族を失ったシンにとって、それは一番許すことの出来ない行為だった。

すると、

 

「シン!」

 

心配そうな声を上げて、デスティニーインパルスとガイアが追い付いてくる。

 

「大丈夫!? シン!」

 

ルナマリアがそう聞くと、

 

「大丈夫だ。今の攻撃は照射時間は長かったけど、その威力はデストロイにも及ばない。改修前のデスティニーでも十分に防げたさ」

 

攻撃を受けた感覚から、シンはそう判断する。

 

『何よ、援軍!?』

 

ネーナが叫ぶと、シン達はガンダムスローネに向き直る。

 

「ビッグボルフォッグ! ここは俺達に任せて、お前は民間人の避難の援護を!」

 

シンがそう呼びかけると、

 

「了解しました。ここは頼みます」

 

そう言うとビッグボルフォッグは民間人の方へ向かった。

シンは再びガンダムスローネ達を見据えると、

 

「お前らは、本当に一体何がしたいんだ!?」

 

再び問いかけるシン。

 

『我々の目的は、戦争の根絶………』

 

ヨハンが答えようとして、

 

「ふざけるな!! ならなんで民間人を攻撃する!? 意味も無く民間人を巻き込んだ時点で、アンタ達は単なるテロリストだ!!」

 

シンの叫びに止められる。

だが、

 

『うるさいわね。あたし達は世界の為に戦ってるの! そんな小さい事を気にしたってしょうがないじゃない!』

 

ネーナがそう言い返した。

 

「何言ってるのよ、コイツ………?」

 

ルナマリアがネーナの言葉に理解不能と言いたげな声を漏らす。

 

「……………もういい!」

 

シンがそう吐き捨てる。

 

「あんた達には、言葉で言っても無駄だ! あんた達はここで倒す!」

 

宣言するようにそう叫んだ。

 

『やる気か!?』

 

ミハエルが再び戦闘態勢に入る。

 

「『………………』」

 

シンとヨハン。

 

『へへっ……!』

 

「ッ…………!」

 

薄く笑うミハエルと集中するルナマリア。

 

『身の程を分からせてあげるわ!』

 

「………………こいつ、キライ……!」

 

高圧的な態度を崩さないネーナと、静かに感情を露にするステラ。

次の瞬間、全員が動き出した。

ヨハンが放ったGNランチャーを皮切りに、戦闘が開始される。

放たれたビームをデスティニーは躱し、その機動性を生かして急接近する。

 

『速いっ!?』

 

予想以上のスピードにヨハンは驚愕の声を上げる。

 

『くっ!』

 

ヨハンは咄嗟にビームライフルを撃つが、デスティニーは残像を残しながら横滑りするようにビームを躱す。

 

『何だと!?』

 

至近距離から躱されるとは思っていなかったヨハンは目を見開く。

 

「遅いっ!」

 

シンはアロンダイトを振り抜く。

ヨハンは咄嗟に回避行動を取っていたが、手に持っていたビームライフルを切断された。

 

 

 

『行けよ、ファング!!』

 

スカートアーマーから6機のGNファングを射出するミハエル。

 

「ッ!? ドラグーン!? 大気圏内でも使えるなんて!?」

 

C.Eにある似た武器であるドラグーンは宇宙でしか使えないが、ファングはGN粒子のお陰で重力下でも問題なく使えることに、ルナマリアは驚愕の声を上げる。

 

「ッ! だけど!」

 

ルナマリアは集中してファングの動きを見る。

 

「ッ! そこ!」

 

ルナマリアがビームライフルを撃つと、ファングの1機を破壊する。

 

「よし!」

 

ルナマリアは自信を持つと、

 

「やれる! 私だって!」

 

1機、また1機とファングを撃墜する。

 

「これでラスト!」

 

最後の1機を撃ち抜くと、ホッと一息つくルナマリア。

だが、

 

『まだあんだよ!!』

 

ガンダムスローネ ツヴァイのスカートアーマーから、更に2機のファングが射出された。

 

「ッ!?」

 

一瞬気を抜いてしまったルナマリアは反応が送れる。

ミハエルは獲ったと確信して笑みを浮かべた。

確かに普通のMSなら完璧に捉えたタイミング。

それが、普通のMSなら。

次の瞬間、ファングがデスティニーインパルスをすり抜けた。

直後、その姿が霧のように消えてしまった。

 

『何だと!?』

 

ミハエル驚愕した瞬間、別方向からビームが襲った。

 

『うわっ!?』

 

ミハイルが反射的に回避すると、そこには背中から光の翼を広げたデスティニーインパルスの姿があった。

 

「………なんて反応速度。あのタイミングで回避が間に合うなんて………!」

 

新しい自分の機体の性能に驚きの声を漏らすルナマリア。

すると、デスティニーインパルスは背中の2本の対艦刀エクスカリバーを抜いて柄同士をドッキング。

双刃剣として構えた。

 

「はぁあああああああああああああっ!!」

 

ルナマリアは、光の翼を広げて残像を残しながら突撃。

 

『この野郎!』

 

ガンダムスローネ ツヴァイも大型の実体剣であるGNバスターソードを抜いて対抗。

互いに剣をぶつけ合い、鍔迫り合いに入った。

だが、パワーはデスティニーインパルスの方が遥かに上で、ジリジリと押していく。

 

『何てパワーだコイツ………!』

 

ミハエルは思わず歯噛みするが、次の瞬間、GNバスターソードが断ち切られる。

 

『うわっ!?』

 

その一撃に怯んだ瞬間、

 

「くらえぇえええええっ!!」

 

ルナマリアは両肩にテレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔を展開。

大出力のビーム砲を放った。

 

『ぐあぁああああっ!?』

 

ミハエルは咄嗟に回避したが、片足を捥ぎ取られる。

 

『畜生!』

 

ミハエルは咄嗟に体勢を立て直してデスティニーインパルスを睨みつけた。

 

 

 

 

 

『このっ! 墜ちなさいよ!』

 

ネーナはガンダムスローネ ドライの右腕に装備されているGNハンドガンを撃つが、MA形態に変形して空中を駆けるガイアには掠りもしない。

 

「……………下手糞」

 

ステラがボソッと呟く。

ステラから見て、ネーナはパイロットとしてはあまり優秀でないと判断していた。

そしてそれは的中しており、今までは機体の性能差で圧倒出来ていたが、パイロットとしての能力はザフトの一般兵と同等以下であった。

よって、機体性能は改修されたガイアの方が遥かに上であるし、パイロットとしても、ステラはエクステンデットとしての能力は落ちているものの訓練は欠かしていないし、今までの実戦経験もあり、現在のステラの能力はかつてのエクステンデットの全盛期時代を超えていると言っていい。

そんなステラとガイア相手に、ガンダムスローネの機体頼りで暴れていただけのネーナに勝てる道理は無かった。

ステラはビームを躱すと急旋回し、ガンダムスローネ ドライに向かって行く。

 

『真正面から突っ込んでくるなんていい的じゃない!』

 

ネーナはチャンスとばかりにGNハンドガンを放った。

しかし、

 

「………ブレイクフィールド展開」

 

テスラ・ドライブの能力により、ガイアの前方にエネルギーフィールドが展開され、ビームを弾く。

 

『そんなっ!?』

 

ネーナが驚いた瞬間、ステラはフルブーストで突っ込む。

ウイングのビームブレードを展開し、一気に突っ込んだ。

ネーナは咄嗟に回避行動を取るものの、その一撃は躱し切れず、左腕を切断された。

 

『きゃぁあああああああああああああああっ!?』

 

ネーナは悲鳴を上げて吹き飛ばされた。

 

『ネーナ!? 畜生!?』

 

ミハエルはネーナを気にする素振りを見せるが、エクスカリバーの二刀流で斬りかかってくるデスティニーインパルスを躱すのに必死で援護には回れない。

すると、

 

『ミハエル! ネーナ! 撤退するぞ!』

 

ヨハンからそう指示か来る。

 

『兄貴! でもよ!』

 

『我々の目的を忘れるな! こんな所で奴らと争っている場合ではない!』

 

ヨハンは強い口調でそう言う。

だが、

 

「ここまでやって、逃げられると思っているのか!?」

 

デスティニーが容赦なくガンダムスローネ アインに猛攻を仕掛ける。

 

『くぅぅっ!』

 

ヨハンも対抗しようとしているが、シンの猛攻の前にGNシールドを切り裂かれ、各部に次々とダメージが蓄積していく。

 

『ヨハン兄! きゃぁっ!?』

 

ネーナが声を上げるが、その隙を突いたステラの射撃に被弾。

肩アーマーを吹き飛ばされる。

 

『わ、我々には、戦争根絶という崇高な使命が…………』

 

ヨハンがそう呟くが、

 

「そう言うのは、『使命』なんて誰かから与えられるものじゃない!」

 

シンが叫んだ。

 

『ッ!?』

 

「戦争を無くしたい、世界を平和にしたいって言うのは、自分の心から願い、行動するものだ! 少なくともソレスタルビーイングの奴らは手段はともかく、自分達の心の内から戦争根絶を願い、行動していた! お前達は、誰かから与えられた戦争根絶という『使命』っていう言葉に酔っているだけだ!」

 

『ッ!?』

 

「そんなお前達がいくら行動した所で、戦争根絶なんて目的が果たせるものか!!」

 

シンは言い放った。

シンは止めを刺さんと光の翼を広げ、アロンダイトを構える。

そして、

 

――ドゴォン!!

 

別方向で爆発が起こった。

 

「何だ!?」

 

シンは咄嗟に振り返ると、

 

『ゾンダァアアアアアアアアッ!!』

 

そこにはゾンダーらしき巨大ロボットが現れていた。

 

「素粒子Z0反応感知! あれはゾンダーです!!」

 

ボルフォッグから報告が来る。

 

「チッ! こんな時に………!」

 

トリニティは、これ幸いとばかりに撤退を開始している。

シンは、民間人が巻き込まれるかもしれないのに放っておいて逃げるなんて、なんて奴らだと思っていたが、

 

「シン、如何するの?」

 

ルナマリアに問いかけられると、

 

「ゾンダーを止めるぞ。あそこからだと避難した人たちに近い。今の俺達の機体なら、ゾンダーに吸収されることは無いからやれるはずだ!」

 

シンがそう言うと、ルナマリアとステラは頷いた。

3機はゾンダーに向かって飛翔する。

 

『ゾンダァアアアアアアアアッ!』

 

ゾンダーは、工事現場の重機類を吸収したのか、ショベルカーやブルドーザーなどの特徴が見て取れた。

そして回りもそれなりの範囲が工事区域の様で人の気配は無い。

 

「助かった! 周りに人の気配は無い! 遠慮なく行くぞ!」

 

デスティニーは高エネルギー長射程ビーム砲を展開し、デスティニーインパルスはテレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔を展開する。

ガイアもMA形態でビーム砲とビームライフルの発射体勢に入った。

 

「行けぇっ!!」

 

シンの掛け声で同時にビームを発射する各機。

ゾンダーはバリアで防ぐものの、その威力は凄まじく、見る見るうちにバリアを減衰させて貫いた。

 

『ゾンダァァァァァァッ!?』

 

堪らず倒れこむゾンダー。

すると、デスティニーはアロンダイトを構え、

 

「俺は右腕をやる! ルナは左腕を!」

 

「了解!」

 

シンの言葉にルナマリアもエクスカリバーを構えた。

2機は光の翼を広げると、ゾンダーに向かって突撃。

デスティニーが起き上がろうとしたゾンダーの右腕を断ち切り、続けてデスティニーインパルスが左腕を切断した。

 

『ゾンダァァァァァァッ!?』

 

ゾンダーは両腕を失うが、倒れない様に何とかバランスを取っていた。

しかし、

 

「でぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!!」

 

MA形態のガイアが駆け抜け、ウイングのビームブレードでゾンダーの左足を切断。

ゾンダーはバランスを崩して転倒する。

それでも各部を再生しようとしていたが、

 

「必殺! 大回転魔弾!!」

 

ビッグボルフォッグが高速回転しながらミラー粒子を飛ばしてゾンダーを攻撃。

追加のダメージを与える。

 

「ビッグボルフォッグ!」

 

「シン隊員! 今です!」

 

ビッグボルフォッグの呼びかけにシンは頷くと、アロンダイトを左腕に持ち、空いた右腕を振り被りながら突撃した。

 

「これで終わりだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

シンはそのままゾンダーの頭部にデスティニーの右腕を突き出し、パルマフィオキーナでゾンダーを爆散させる。

そして、その爆煙が晴れていくと、右手にゾンダー核を確保したデスティニーの姿があった。

 

 

 

 

その後、程なくESウインドウを通ってハルが現れ、ゾンダー核を浄解したのだった。

 

 

 

 

 





はい、ガンダム00編第7話です。
ガンダム00なのにサブタイトルが種死なのはこれ如何に?
でも、内容書いてたらこっちの方があってる気がしたのでこうしました。
と言う訳で原作のターニングポイントを大改編してしまいました。
エイフマン教授もGNドライブの研究ほったらかしなので消される理由が無いので生きてます。
そんでルイスの悲劇はボルフォッグによって防ぎました。
でも、余り攻撃は出来ないので目には目を、歯には歯を、ガンダムにはガンダムを、って事でデスティニーとガイア、そしてインパルスの出番です。
インパルスはデスティニーシルエット装備です。
GGGの技術があれば、欠陥も全然平気ですよね。
GSライドも永久機関みたいなもんですし、勇者ロボのフレームなんてMSとは比較にならんだろうし。
因みに出力云々は00世界の出力は資料が無かったので適当です。
それでも、初代ガンダムのザクⅡでも1000kw以下みたいですし、見た感じ00世界の既存のMSはザクよりも同等以下のような感じだったので多く見積もってこの位かなぁと思ってこうしました。
なので、疑似GNドライブのガンダムスローネでも、精々5000kw程度だと予想しました。
フリーダムは8000kw以上だそうなので、この位が妥当じゃないかと。
皆様はどう思います?
でも、こう考えると本当に勇者ロボの出力は桁が違いますね。
一番小型で出力低い筈のボルフォッグで10万kw近いとか。
そして何故かビッグボルフォッグになると100万kwとか、3機が合体してますが、どう考えても出力おかしいですよね。
ガオファイガーに至っては2000万kw以上とか。(尚、キングジェイダーに至っては2億4436万kw)
それでは次も頑張ります!

ルナマリアの乗機は?

  • 実はパクってきたインパルス
  • データをパクって複製したインパルス
  • スパロボ世界でパクったアシュセイヴァー
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