転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
ロックオンを間一髪で助けた俺は、ジェイアークの医療ポッドの前で様子を見ていた。
「かなり酷いケガだな………この医療ポッドでも完治には数日かかるぞ」
俺は表示されるデータを見ながら、ロックオンはこれで良く生きていたなと感心する。
それでも生きて居たことにホッとした。
とはいえ、まだ予断を許さない状態なので、ソレスタルビーイングへ知らせるのはもう少し後の方がいいだろう。
ぬか喜びさせるのも申し訳ないし。
一先ず生命維持に必要な内臓のダメージと、スナイパーの命である右目の再生を最優先とする。
この医療ポッドなら、そう時間もかからずに命に別条がないレベルまで回復させられるだろう。
【Side 三人称】
ソレスタルビーイングの母艦であるプトレマイオスでは、ロックオンを失った悲しみに包まれながらも、それぞれがやるべき事をやる為に奮起していた。
前回の戦闘で損傷したキュリオスは飛行ユニットを取り外し、ヴァーチェは外装を取り払ってナドレの状態で出撃することになった。
唯一万全の状態で戦えるのは、刹那のエクシアのみであり、他に戦力になるのは武装のある強襲用コンテナとGNアームズだけであった。
国連軍も損傷したMSの整備が急ピッチで進められていたが、現場の指揮官であるカティと部隊長であるセルゲイは撤退するべきと考えていた。
しかし、上層部からの命令は援軍を送る為、合流後に再度攻撃を実行せよとの事だった。
そして、その援軍とは複数の疑似GNドライブを積んだ、巨大な黄金のMAであった。
【Side Out】
「趣味の悪い機体ねぇ」
国連軍に合流した黄金のMA『アルヴァトーレ』を見て、エクセレンが漏らす。
「金色が趣味悪いというなら、マクロス・ブレイバーやディビジョン艦、オービットベースも金色なんだが?」
俺がそう言うと、
「マクロス・ブレイバーやディビジョン艦はあんなにピカピカしてないわよ? なんていうか、スマートな金色?って言えばいいのかしら?」
エクセレンが例えに困ったようにそう言うと、
「強いて言うならマクロス・ブレイバーやディビジョン艦は山吹色に近い。奴は完全な成金趣味の黄金だ」
キョウスケが助け舟を出した。
「そうそう! そんな感じ!」
エクセレンが同意する。
「なるほど………」
俺は納得する。
「それでジェイ。私達はどう動く?」
ラミアが俺に尋ねてきた。
「そうだな…………」
俺が思案していた時、突如としてハルの髪が赤く染まり、何かを感じ取ったようにハッとなった。
「ッ! ジェイ! 原種だ!」
「原種だと!? 場所は!?」
「場所は………月!」
ハルの言葉に、俺は舌打ちする。
「チッ! かなり離れているな。だがESミサイルなら………」
俺が問題無いだろうと思っていたが、
「ッ………! もう1体いる! こっちは………地球!」
「別々の場所で2体同時だと!?」
初めての出来事に俺は驚愕する。
「くっ……原種が相手となると、出し惜しみはしていられん………! 地球にはガオファイガーとGGG機動部隊、それとガンダムチームとアルトで対処してくれ!」
「うん!」
「「「了解!」」」
「残りのメンバーとジェイアークで月の原種に対処する!」
俺がそう言うと、
「…………俺はこの戦いの行く末を見届けさせてもらう」
アクセルがそう言った。
「アクセル?」
レモンが声を漏らす。
そのアクセルはモニターを真っすぐ見つめていた。
何か気になる事でもあるのだろう。
「………俺に命令権がある訳でも無い。好きにしてくれ」
俺は仲間の行動を制限するつもりはない。
大きな犠牲者を出す場合は別だが。
「行くぞ!」
俺はそう言った。
【Side ルネ】
ジェイアークのESミサイルで作られたESウインドウを通って私達が辿り着いた場所。
そこは、縦長の顔の石像――モアイが立ち並ぶ島、イースター島だった。
ガオファイガー、超竜神、撃龍神、天竜神、ビッグボルフォッグ、マイク、ゴルディマーグ、デスティニー、ガイア、インパルス、バトロイド形態のYF-29が降り立つ。
「モアイ像………もしかして……!」
地上に降り立った私は、原種、モアイ像ときて思い浮かぶものがあった。
次の瞬間、凄まじい突風が私達を襲い、全員を吹き飛ばした。
「「「「きゃぁあああああああっ!?」」」」
「「「「「うわぁあああああああっ!?」」」」」
それぞれが吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
「ッ………! 皆! 大丈夫!?」
私が皆に問いかけると、
「な、なんとか………!」
シンが答え、
「今の………何……?」
続いてステラがガイアを起き上がらせながら呟く。
「改修前だったら、間違いなく粉々だったわ………」
ルナマリアは機体に助けられたとホッとする。
すると、巨大な影が私達を覆う。
そこには巨大なモアイ像から手足が生えたようなモノが居た。
そして、やたらと鼻が強調されている。
「やっぱり……! 鼻原種!」
『ンノォォォォォォォォアァァァァァァァァァァァッ!!』
鼻原種は形容しがたい叫び声を上げてモアイ像の鼻の穴から超圧縮空気弾を放ってきた。
私達は散開してそれを避けると、
「不意打ちとはやってくれたな!」
撃龍神が右腕となっている
「
お返しとばかりに酸素と水素を超圧縮させた超圧縮空気弾を連続で発射。
「こっちも喰らえ!」
デスティニーも高エネルギー長射程ビーム砲を展開。
「私だってぇ!」
インパルスもテレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔を向けると、
「「行けぇっ!!」」
同時砲撃を放った。
それらが鼻原種に殺到するが、バリアに防がれてしまう。
「バリアか!」
ゾンダー程度のバリアだったら打ち破れただろうが、原種はゾンダーとは比べ物にならないバリア強度を持つのだ。
とはいえ、全く効いていないわけではなく減衰はしている。
更に、
「私にお任せを! メルティングサイレン!!」
ビッグボルフォッグがサイレンを鳴り響かせ、原種のバリアを無効化する。
更に、
「ディスクP! セットオン! ドカドカーンV!!」
マイクがディスクPで音楽を奏で、各機のGSライドの出力をアップさせる。
それは勇者ロボだけではなく、改修したデスティニーやガイア、インパルス、YF-29にも効果が及ぶ。
「この出力なら!」
「でぇぇぇぇぇぇい!!」
アルトのYF-29とステラのガイアが一斉射撃を放つ。
それらは頭部に炸裂し、原種にたたらを踏ませて後退させた。
「ダブルトンファー!!」
「シェルブールの雨!!」
超竜神が腰のパワークレーンとパワーラダーをトンファーの様に扱い殴り掛かり、後退した所へ天竜神がミサイルを雨のように降らせる。
「このまま一気に!」
「よっしゃぁっ! システムチェーンジ!!」
私の掛け声に合わせてゴルディマーグが変形を開始して、マーグハンドになる。
「ハンマーコネクト!!」
マーグハンドを右腕にドッキングさせ、ゴルディオンハンマーを掴み取る。
「ゴルディオン……ハンマァァァァァァァッ!!」
私はマーグハンドから光の杭を引き抜き、上昇する。
皆の攻撃で地面に倒れた鼻原種のモアイの鼻先に光の杭を突き刺し、
「ハンマァァァァァァッ………ヘルッ!」
更にハンマーで奥深く打ち込む。
そして、マーグハンドから巨大なくぎ抜きが展開し、その先を光の杭の根元に引っかけ、
「ハンマァァァァァァッ………ヘブンッ!!」
一気に引き抜く。
その先に確保されていた原種核を左手で受け止めると、
「原種よ! 光になれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
原種の身体に向けてゴルディオンハンマーを叩きつけた。
ゴルディオンハンマーの力により、光の粒子にまで分解されていく原種の身体。
辺りが金色の光に覆われた。
「……………ちょっと早く倒し過ぎたかも…………」
私は原種核を確保してから思わず呟く。
ハルはジェイ達の方に居るから、こっちに来るまでに原種核が活動を再開しちゃうかも。
私がそう思っていると、上空に小さなESウインドウが開き、ハルが現れた。
「ハル!」
「あ、こっちも終わってた?」
ハルがいつもの調子でそう言う。
ジェイ達の方も原種を倒したみたい。
「ハル、浄解をお願い」
私はハルに原種核を差し出す。
「任せて!」
ハルは原種核の前に降りてくると、
「テンペルム………ムンドゥース………インフィニ………トゥーム………レディーレ!!」
浄解の言霊を唱え、光が原種核を包み込む。
原種核は縮んでいき、ゾンダークリスタルとなってガオファイガーの手に残った。
【Side 三人称】
宇宙では、国連軍によるソレスタルビーイングへの攻撃が再開されていた。
ソレスタルビーイングの監視者の1人であるアレハンドロ・コーナーの操る黄金のMA、アルヴァトーレの砲撃により先手を撃たれたプトレマイオスは被弾。
損傷するものの何とか小破にとどめることが出来た。
スメラギはエクシアを搭載したラッセの操る強襲用コンテナを発進させてアルヴァトーレの撃破に向かわせ、キュリオスとナドレをプトレマイオスの防衛に回した。
国連軍は残っていた12機のジンクス部隊を2つに分け、6機ずつでプトレマイオスを挟み撃ちにする戦術を取ってきた。
それに対抗するアレルヤのキュリオスと、ティエリアのナドレ。
それぞれ不意打ちで1機ずつは破壊するものの、すぐに対応され、数の差で不利を強いられた。
一方、アルヴァトーレに攻撃を仕掛けた強襲用コンテナのラッセだったが、アルヴァトーレは7基もの疑似GNドライブを積んでおり、その豊富な粒子量から高密度のGNフィールドを張っていたため、強襲用コンテナの武装でも有効なダメージは与えられなかった。
更にアルヴァトーレは向かってきた強襲用コンテナを無視し、プトレマイオスに向けて再び砲撃を放った。
漂う小さな小惑星を破壊しながら放たれたそれは、味方のジンクスを巻き添えにプトレマイオスを掠り、中破させる。
その攻撃はメディカルルームに被弾。
ドクターが戦死する事となった。
更に損傷の影響でGNフィールドが展開できなくなり、状況は悪い方へと傾いていく。
スメラギはイアンと共に生き残っていた強襲用コンテナへ移り、敵機の迎撃を行う事にした。
ティエリアはトランザムを発動させ、敵機を次々と撃破していくが、残り2機という所でアルヴァトーレからの砲撃に巻き込まれ、ナドレが中破。
更にジンクス2機からの猛攻を受けて次々と機体が損傷していく。
だが、ティエリアは信念で最後の力を振り絞り、反撃。
2機を撃墜するが最後の攻撃で大破に追い込まれ、相打ちとなった。
一方、キュリオスの方はアレルヤのもう1つの人格であるハレルヤが愚痴を叫びながら人革連のジンクス部隊と戦っていたが、キュリオスもアルヴァトーレの砲撃に巻き込まれて右腕右足を失っていた。
そして、セルゲイとソーマがキュリオスを抑えている間に残った1機のジンクスがプトレマイオスへ向かった。
プトレマイオスのブリッジでは、オペレーターのフェルトとクリス、操舵手のリヒティが必死に自分の役割を熟していたが、
「フェルト!」
「はい……!」
クリスがフェルトに呼び掛けた。
「デュナメスの太陽炉に不具合があるわ! 接続状況に問題があるみたい!」
強襲用コンテナの武装は、デュナメスの太陽炉から生み出されるGN粒子が使われている。
クリスはそこに問題があると言っているのだ。
「え……? そんなデータは………」
しかし、フェルトが把握する限りそんな情報は無い。
だが、
「急いで!! このままじゃやられる!!」
「りょ、了解!」
クリスの強い口調でフェルトは席を離れ、強襲用コンテナへ向かう。
フェルトがブリッジを出ると、
「今の、嘘でしょ?」
リヒティがクリスに言うと、
「分かる?」
クリスも肯定の言葉を返す。
「そりゃあ」
リヒティも笑顔で答えた。
先程のクリスの言葉は、一番年下のフェルトを心配して、狙われやすいブリッジよりもマシな強襲用コンテナへ向かわせるための口実だった。
そしてリヒティも、その事自体には反対は無かった。
「………ッ! 1機、こっちに向かってくる!」
「生き延びますよ!」
「分かってる! フェルトにもう叱られたくないもの!」
この状況でも、2人は生き延びることを諦めてはいない。
だが、強襲用コンテナの武装では、ジンクスを捉えるのは難しい。
フェルトが強襲用コンテナに辿り着いたとき、ジンクスは強襲用コンテナの武装が届かない死角に回り込もうとしていた。
「死角に回り込む気ね!」
「させるか! コンテナをトレミーから切り離す!」
イアンがコンテナをプトレマイオスから切り離して射線をカバーしようとしていた。
「状況は!?」
「フェルト!?」
フェルトが強襲用コンテナの操舵室に辿り着いたとき、
「来るぞ!!」
ジンクスが攻撃を掻い潜ってプトレマイオスのブリッジの前に辿り着いた。
「ッ!?」
「クリス!」
その事にクリスは息を呑み、リヒティは咄嗟に席を離れてクリスに覆い被さった。
その直後にジンクスのライフルから紅の粒子ビームが放たれ、ブリッジに直撃した。
「クリス!? リヒティ!?」
「こんのぉっ!!」
それを目撃したスメラギは悲痛な声を上げ、イアンが敵討ちとばかりに粒子ビームを発射する。
ブリッジに直撃させてパイロットが油断していたのか、ジンクスは撃破される。
「クリス! リヒティ! 応答して!!」
スメラギの悲痛な声が響く。
ビームが直撃したブリッジは吹き飛ばされていたが、そこには2つの人影が漂っていた。
クリスの席はブリッジ中央から外れていたため、ビームそのものの直撃を受けなかったのが理由の一つ。
そして、もう1つの理由が…………
「…………うっ………リヒティ?」
その内の1人、クリスが意識を取り戻し、自分を庇うように覆い被さっていたリヒティの状況を見る。
「ッ!?」
そこでクリスは絶句した。
リヒティの右上半身が吹き飛ばされ、そこから機械の身体が覗いていたのだ。
「…………大丈夫っスよ…………」
何とか息があったリヒティが呟いた。
「……親と一緒に……巻き込まれてね………身体の半分が………こんな感じ…………生きているのか………死んでいるのか…………」
リヒティの身体は昔の事件で半分が機械化されていたのだ。
2人が辛くも生き残っていたのは、リヒティの身体が生身の人間よりも頑丈だったことがもう1つの理由だろう。
だが、辛うじて息はあるものの、ノーマルスーツが大きく損傷しているため、長くは持たないだろう。
そんなリヒティを見て、クリスは自嘲するような笑みを浮かべ、
「…………バカね私…………すぐ近くにこんないい男………居るじゃない………!」
涙を浮かべつつそう口にする。
「……………ホントっスよ………」
リヒティも苦しそうにしながらも笑みを浮かべる。
「………見る目無いね、私………」
「…………ホン…………ト………………」
クリスの言葉に応えようとしながら、リヒティの瞼が閉じられた。
まだ辛うじて息はあるようだが、すぐに命が尽きるだろう。
「リヒティ…………!」
クリスは、そんなリヒティの身体を優しく抱きしめた。
その時、
『…………リヒティ………応答して………! クリス………!』
ノイズ交じりでスメラギからの通信が届いた。
「……………スメラギ………さん………?」
『クリス………! 無事だったのね………! リヒティは………!?』
「………………」
その言葉に、クリスはリヒティの身体をギュッと抱きしめるだけ。
何も答えなかったことに、スメラギは察してしまった。
「…………フェルト………居る?」
『居ます…………!』
返事が返ってきたことにクリスはホッとして、
「もうちょっと………おしゃれに気を使ってね…………」
『…………そんな事』
「ロックオンの分まで………生きてね…………?」
クリスは遺言の様にそう言った。
いや、事実、遺言であった。
「ゴホッ!!」
クリスは血を吐き出す。
クリスの背には、大きな破片が深々と突き刺さっていたのだ。
「…………お願い………世界を………変えて………! お願い………!」
クリスがそう言うと、破壊されたブリッジの周囲がスパークし始めた。
そして、その周囲が爆発し、2人は爆発に飲み込まれた。
「クリス!?」
「リヒティ!?」
スメラギとイアンが悲痛な声で2人の名を叫ぶ。
そして、
「あ…………あ……………く……………クリスティナ・シエラァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」
フェルトもまた、彼女達の最期に耐えきれず、悲痛な叫びをあげるのだった。
そんな中、その宙域から離れていく赤い光があった。
「ッ……………もう少し早く到着できていれば…………!」
その赤い光、ジェイダーは悔しそうに呟く。
彼は当初、全面的にソレスタルビーイングの支援はしないまでも、プトレマイオスを沈めない様に立ち回るつもりであった。
しかし、原種の出現によって出遅れてしまい、プトレマイオスクルーの救出に間に合わなかった。
「…………救えたのは、2人だけか…………」
ジェイダーの手の中には、今にも息を引き取りそうなクリスとリヒティの2人。
どちらも重傷で一刻の猶予も無い。
「トモロ! ロックオンの容態は!?」
ジェイがトモロに呼び掛けると、
『ろっくおん・すとらとすの容態は、イリョウぽっどカラダシテモセイメイイジハカノウナジョウタイマデカイフクシテイル。シカシ、イマダストメザメルマデニジカンガカカルゾ?』
「今は人命が優先だ! ロックオンを医療ポッドから出し、クリスティナ・シエラを入れる!」
『リョウカイ』
「それと、レモンに緊急連絡! もしかしたら、レモンならリヒテンダール・ツェーリを何とかできるかもしれない!」
ジェイダーはそう言うと、全力で飛行していった。
ソーマとセルゲイのジンクス2機と戦っていたキュリオスは小惑星の影に身を潜めていた。
しかし、その時になってアレルヤはハレルヤと共に生き延びることを決意。
超兵のあるべき姿である思考と反射の融合を実現させ、ソーマとセルゲイを圧倒する。
止めを刺すためにトランザムを発動させ、ソーマを追い詰めるものの、セルゲイの捨て身の行動により隙を作り出され、ソーマによって大破に追い込まれてしまった。
一方、アルヴァトーレと戦っているラッセの強襲用コンテナだったが、高密度のGNフィールドに手を焼いていた。
突撃してGNフィールドを突破を試みるも、アルヴァトーレに備え付けられていた近接用のアームに捕らえられる。
『ハッハッハッハッハッハ!! 忌々しいイオリア・シュヘンベルグの亡霊共め………この私、アレハンドロ・コーナーが貴様らを新世界への手向けにしてやろう!!』
ラッセはGNアームズに移り、強襲用コンテナから刹那のエクシアと共に離脱した直後に強襲用コンテナは真っ二つに引き裂かれた。
「エクシア! 刹那・F・セイエイ! 目標を駆逐する!!」
刹那はエクシアでアルヴァトーレに立ち向かう。
しかし、その圧倒的粒子量から放たれる無数の攻撃は近付く事すら儘ならない。
すると、
「刹那! コンテナを狙え! うまく行けば、あの腕ぐらい吹っ飛ばせる!」
ラッセが先ほど真っ二つに引き裂かれた強襲用コンテナを狙うよう指示した。
「了解!」
2人はそれぞれビームでコンテナを撃ち抜く。
コンテナは爆発し、多少なりともダメージを与えたかに思えたが、
「やったか!?」
「………いや!」
ラッセの言葉に刹那が警戒の声を上げる。
爆煙が晴れていくと、無傷のアームが現れた。
「無傷かよ!」
『フッフッフ………その程度でこのアルヴァトーレに対抗しようなどとは………片腹痛いわ!!』
アレハンドロは絶対の自信を持ってそう叫んだ。
再び放たれる苛烈な攻撃。
エクシアは回避行動を取るも、回避しきれない攻撃があり、シールドで防ぐが一撃で半分が損傷する。
刹那はラッセと共にビームで反撃するが、GNフィールドに阻まれる。
すると、アルヴァトーレはファングを射出。
その攻撃に苦しめられる。
「刹那! ドッキングだ!」
「了解!」
ラッセの言葉に刹那は応え、牽制攻撃をしながらドッキングの時間を作り出す。
刹那の放った一撃がファングの1機を捉えて破壊し、その隙に刹那はGNアームズとドッキングした。
『GNアーマーなど………ファング!!』
アレハンドロは再びファングを射出。
GNアーマーを装備したエクシアに向かう。
「フィールド展開!!」
ラッセがGNアーマーのフィールドを展開。
ファングからの攻撃を防ぐ。
そして、
「狙い撃つ!!」
ロックオンの口癖を口にしながら刹那は引き金を引く。
その射撃は次々とファングを撃ち落していく。
ファングの全てを撃ち落すことに成功するが、アルヴァトーレから巨大ビーム砲が放たれた。
刹那達は何とか躱すが、その威力は小さな小惑星群を吹き飛ばすほど。
『よくぞ避けた。しかし!!』
再び苛烈な攻撃の嵐がエクシアを襲う。
何とか回避するが、このままではジリ貧になる。
そう考えたラッセは強引にでも突っ込もうとしていた。
だが、突然どこからともなく飛んできた回転する物体がアルヴァトーレのGNフィールドに接触。
それを打ち破ってアルヴァトーレの正面にあった巨大ビーム発射口を貫き、破壊した。
『何ぃっ!?』
「何だ!?」
アレハンドロと刹那が同時に驚きの声を上げる。
回転する物体がUターンして戻っていくと、その先に居た蒼い巨人の右腕にドッキングした。
「あれはっ!?」
『何者だ!?』
アレハンドロが叫ぶと、
「…………アクセル・アルマー。一応GGGの所属だ、これがな」
蒼い巨人――ソウルゲインのパイロットであるアクセルが名乗る。
『GGG!? あの正体不明の組織か!?』
アレハンドロは叫ぶ。
「アクセル・アルマー!? 何故ここに!?」
刹那はアクセルとは実際にあったことがあり、彼がこの場に現れた事に驚いていた。
「刹那・F・セイエイか…………何、少々こいつに聞きたいことがあっただけだ」
アクセルは刹那には大して興味を見せない態度でそう言うと、アルヴァトーレに向き直る。
「アレハンドロ・コーナーと言ったな? 貴様はこの世界で何をする?」
アクセルはそう問いかける。
すると、
『破壊と再生だ!』
「何っ?」
アレハンドロの言葉に刹那が声を漏らす。
『ソレスタルビーイングの武力介入によって世界は滅び、統一という再生が始まった。そして私はその世界を、私色に染め上げる!』
「支配しようというのか!?」
『正しく導くと言った! だが、その世界に君達の居場所は無い!』
アレハンドロは刹那に言い放つ。
だが、
「…………もう結構だ」
呆れたようにアクセルは言った。
『何…………?』
アレハンドロは怪訝な声を漏らす。
「結構だ、と言ったんだ。貴様の『器』は知れた」
アクセルはため息を吐くようにそう言う。
『どう言う意味だ……!?』
アレハンドロはソウルゲインを睨みつける。
「貴様の言葉には何の重みも無い。口先だけの『小物』だ」
『貴様ぁっ! この私を愚弄するか!?』
アレハンドロは怒りの籠った声で叫ぶ。
「…………俺が認めたヴィンデル程の男ですら、世界を手にすることなく敗れ去った…………ヴィンデルにすら及ばぬ貴様如きが、世界を手にすることなど出来るはずが無いのだ! これがな!!」
『黙れ! こうなれば貴様もガンダム諸共葬り去ってくれる!』
アレハンドロはソウルゲインに攻撃を開始する。
「いいだろう………相手をしてやる!」
アクセルは構えを取った。
粒子ビームがソウルゲインに殺到するが、ソウルゲインはそれを掻い潜ってアルヴァトーレに接近する。
『甘い!』
アレハンドロはアームを展開してソウルゲインを捉えようとする。
だが、ソウルゲインも両腕を突き出してその2つのアームを掴み取った。
『ちぃ! だが、このアルヴァトーレの力の前には!』
アレハンドロはソウルゲインを握りつぶさんとアームの出力を上げるが、
「………この程度か?」
アクセルは余裕の表情でそう言う。
『何ぃ!?』
「この程度であれば、キョウスケ・ナンブの方が、まだ張り合いがあるぞ!」
アクセルが力を籠めると、ソウルゲインがメキメキとアルヴァトーレのアームを握りつぶしていく。
『馬鹿なっ!?』
「はぁあああああああっ!!」
ソウルゲインはそのまま蹴りを繰り出し、アルヴァトーレを蹴り飛ばした。
『うぉおおおおおおおおおおっ!?』
悲鳴を上げるアレハンドロ。
「あの巨大なMAを蹴り飛ばした!?」
ラッセが驚愕の声を上げる。
ソウルゲインの大きさは41.2mとMSの倍以上の大きさがあるが、アルヴァトーレは全高こそ42.6mとソウルゲインと同じぐらいだが全幅37.9m、全長に至っては56.1mもあり、体積だけで考えるなら、ソウルゲインの10倍はあるだろう。
そんな10倍は大きい相手をソウルゲインは宇宙空間とはいえ蹴り飛ばしたのだ。
その出力は凄まじいものだろう。
『馬鹿な………このアルヴァトーレがこうも容易く…………』
何とか制動をとったアルヴァトーレの中でアレハンドロは息を吐く。
「貴様は自分の『器』を知るべきだったな」
アクセルはそう言うと、
「リミット解除!」
ソウルゲインのリミッターを解除する。
「青龍鱗! いけぃっ!!」
ソウルゲインの両手からエネルギー弾が無数に放たれる。
『ぐぉおおおおおおおおっ!?』
アレハンドロはGNフィールドを張るが、完全には防ぐことが出来ずダメージが通る。
更にソウルゲインが猛スピードで突っ込んできて、
「でやあっ!!」
格闘による猛攻を仕掛ける。
「はっ!! せえいっ!! でええい!!」
拳と蹴りのコンビネーションをMSでは到底不可能な動きで無数に叩き込んでいく。
「うおおおおおおおおおっ!!」
拳の乱打で吹き飛ばされるアルヴァトーレ。
『い、いかん……!!』
アレハンドロはアルヴァトーレの限界を悟ると、システムを切り替える。
すると、アルヴァトーレの上部にあった砲台部分が分離してMSとなった。
これはアルヴァトーレのコアであるアルヴァアロン。
アルヴァトーレはアルヴァアロンの強化パーツと言うべきものだった。
しかし、そんなものは今のソウルゲインとアクセルには関係ない。
「逃がすか! コード麒麟!!」
エネルギーを両肘のブレードに集中させると、
「この一撃で極める!!」
一気に飛び出し、アルヴァアロンに向けて突進する。
『や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?』
「でぇええええええいっ!!!」
アレハンドロの悲鳴と共に、アルヴァアロンはソウルゲインのブレードの一撃で真っ二つとなった。
一瞬後に爆発するアルヴァアロン。
その爆発を背に、
「失せろ。 この世界からな」
そう言い放った。
その光景を見ていたラッセは呆然としていた。
「俺達があれだけ苦労していた奴を、簡単に倒しやがった………」
「アクセル・アルマー………」
刹那が彼の名を呟くと、ソウルゲインの顔がエクシアの方を向き、
「あとは貴様らの好きにしろ」
アクセルはそう言うと、背を向けてこの宙域から飛び去ってしまう。
「「………………」」
少しの間2人は呆然としていたが、すぐにハッとなり、
「そうだ! トレミーは!?」
すぐに自分達の母艦の事を思い出す。
そのままプトレマイオスに戻ろうと思っていたが、猛スピードで接近する機影をレーダーが捉えた。
「接近する機影!? だがこのスピードは!?」
「キュリオスより速い!?」
刹那とラッセが近付いてくる反応に驚愕する。
そのスピードは、ガンダムの中でも最もスピードのあるガンダムキュリオスの高速飛行形態のスピードを超えていた。
すると、疑似GN粒子の赤い輝きが接近してくるのが見えた。
「新手か!」
刹那が叫んだ時、その機体の全貌が露になった。
それは黒い戦闘機だった。
しかし、後方には疑似GNドライブが装着されている。
「疑似GNドライブを搭載した戦闘機!?」
見た事も無い機体に刹那が驚きの声を漏らす。
すると、
『見つけたぞガンダム! 出遅れてしまった様だが出会えて何よりだ!』
男の声が響いた。
戦闘機の下部に装着されていたビームライフルから粒子ビームが発射される。
その一撃はGNアーマーのGNキャノンに直撃。
爆発を起こす。
「ぐあっ!?」
「ラッセ!? くっ!」
攻撃を受けた刹那は反撃にビームを放つが、その機動性は今まで戦って来たどの機体よりも速い。
照準が間に合わず、ビームは空を切る。
すると、黒い戦闘機はUターンし、
『ガンダムが相手ならば、この機体の相手にとって不足は無い!』
再び向かってくる黒い戦闘機。
「くっ!」
刹那はGNアーマーに装備されている武器を一斉に発射する。
だが、黒い戦闘機はバレルロールを繰り返し、砲撃と砲撃の僅かなスキ間を潜り抜けた。
「躱した!?」
刹那が驚愕した瞬間、再び放たれたビームがGNアーマーの右足を貫く。
「あの機体は一体………!」
刹那は交差した戦闘機の背後からビームを放つが、再びバレルロールで躱される。
「何て機動性……!」
『その程度か!? ガンダムゥゥゥゥゥッ!!』
黒い戦闘機が上昇すると、エクシアの頭上から急降下してきてビームライフルを連射してくる。
それらはGNアーマーの各部に着弾。
「刹那……! 俺達の存在を………!」
その言葉を最後にラッセからの通信が途切れる。
「ラッセ!?」
刹那が声を上げるがラッセからの返事は無い。
「くっ! うぉおおおおおおっ!!」
刹那はGNアーマーからエクシアを分離させると、急降下してくる戦闘機に向かってGNソードを振り被った。
この速度であれば、戦闘機は避ける間もなくGNソードに自ら飛び込み、真っ二つになる。
だが、突如として戦闘機に足が生えてその足の先からスラスターが逆噴射し、急減速する。
「なっ!?」
それによってタイミングを外した刹那はGNソードを空振ってしまう。
「足!?」
『やるなガンダム! そうでなくては面白くない!』
すると、その黒い戦闘機が更に変形、人型のMSとなった。
そして、その頭部は、
「フラッグ!?」
ユニオンのMSであるフラッグだった。
更にそのフラッグはビームサーベルを抜いて斬りかかってくる。
刹那はGNソードでその一撃を受け止めると、
「ビームサーベル!?」
本来フラッグにはない装備のビームサーベルを使用したことに刹那は驚く。
すると、
『生まれ変わったこのフラッグの力、見せてやるぞ! ガンダム!!』
「通信を!?」
疑似GNドライブを使用している関係で、エクシアに通信が繋がる。
通信の映像に映ったその顔に、刹那は見覚えがあった。
かつてアザディスタンの内紛でマスードが拉致された際、ヒントとなる言葉を残した軍人、グラハム・エーカーであった。
「貴様はっ!」
『何と!? あの時の少年か!』
グラハムの方も刹那の事を覚えている発言をする。
『奇妙な縁と言うべきか…………だが、手加減はせん!』
フラッグはエクシアを蹴り飛ばすと、
『今日こそ私はガンダムを超えて見せる。プロフェッサーと我が友が英知を結集して作り上げたこの機体…………フラッグを超えたフラッグ…………試作型ヴァリアブル・フラッグで!』
そう言い放った
「ヴァリアブル・フラッグ!?」
『スマートに呼ぶならそう………VF-0と呼んでもらおう!!』
グラハムはそう叫んでビームライフルを放つ。
「くぅっ!」
エクシアは何とか避けると、
『遅い!』
回避先にフラッグが回り込んでいた。
「ッ!」
刹那は反射的にGNソードを振るが、フラッグは一瞬で戦闘機に変形すると一気に距離を取った。
「くっ! 速い!」
刹那はビームライフルで攻撃するが、当てることは出来なかった。
『このVF-0の機動性! 簡単に捉えられると思うな!』
再び向かってくる戦闘機形態のフラッグ。
刹那がこのままでは追いつけないと判断すると、
「トランザム!!」
トランザムシステムを起動。
エクシアが赤く染まり、出力が3倍に上がる。
今まで以上のスピードでエクシアがフラッグに追随する。
『フッ! 流石はガンダム! 簡単に倒してしまっては倒し甲斐が無いというもの!!』
グラハムは嬉しそうに叫ぶ。
装備されているGNミサイルを展開すると、一斉に発射。
しかし、トランザムによって速度が上がっていエクシアはミサイルを振り切る様に動く。
だが、先回りしていたフラッグがMS形態になると同時にビームサーベルを振り下ろす。
『はぁああああああっ!!』
「ぐあっ!?」
エクシアは左腕を肩から斬り落とされる。
「まだだっ!!」
刹那はエクシアを回転させるとGNソードを薙ぎ払い、フラッグの左足を切断する。
『ッ!? しかしっ!』
グラハムはビームサーベルを突き出し、エクシアの頭部を捉える。
エクシアの頭部がビームサーベルに貫かれ、首から捥ぎ取られた。
「ぐっ!? はぁああああああああああっ!!」
それでも刹那はGNソードを振りかざすと、フラッグの頭部を切断する。
『やはり強いな! ガンダムゥゥゥゥゥッ!!』
グラハムはエクシアを蹴り飛ばして距離を取った。
エクシアも吹き飛ばされながらビームライフルを連射するが、頭部が破壊されているため狙いが定まらない。
互いに体勢を立て直すと、フラッグはビームサーベルを、エクシアはGNソードを構えた。
「『……………………』」
互いに無言で睨み合うと、合図も無く同時に動き出した。
「でやぁあああああああああああああああっ!!」
『はぁああああああああああああああああっ!!』
エクシアとフラッグが互いに剣を突き出し合い、それぞれを貫いた。
『………………フッ。相打ちか………悪くない………』
「………………ガンダム………」
宇宙にGN粒子の光が舞い散った。
その光は、オービットベースからも確認できていた。
「決着か…………」
窓に見える光を見つめながら、ジェイが呟く。
現在リヒティはレモンによってオービットベースの集中治療室に運ばれている。
ここまでやったらジェイに出来ることは無い。
レモンに任せて祈る事だけだ。
すると、
『ジェイさん。地上部隊の回収完了しました。あと、アクセルさんのソウルゲインもついでに回収しました』
「そうか、助かる」
ルリからの通信にそう答えるジェイ。
地上に送った部隊を回収するために、予めマクロス・ブレイバーを向かわせておいたのだ。
そして現在、地上部隊を回収したマクロス・ブレイバーがオービットベースに戻ってきたところだった。
ジェイがリヒティとクリスを助けたのは、自己満足の為でもあるが、もう1つ理由がある。
と、その時、突如としてオービットベースを揺れが襲った。
「何だ!?」
ジェイが叫ぶと、
『ジェイさん! オービットベース間近に空間ゲート出現! オービットベースが引き込まれます!』
ルリの報告にジェイが驚く。
「もうだと!? 原種を2体倒したばかりだぞ!?」
今までよりも遥かに早いゲートの出現にジェイは予想外だと声を上げる。
しかし、こうなった以上ジェイには如何する事も出来ず、オービットベースは空間ゲートに引き込まれて行った。
はい、ガンダム00編第11話でファーストシーズンの最終話です。
アレハンドロさんはアクセルにボッコボコにしていただきました。
まあ、そうした理由は、今のグラハムさんにはトランザム無しでは一方的にボコられるからです。
そして出てきた更なる改修型フラッグ、名付けて試作型ヴァリアブル・フラッグ(VF-0)です(笑)。
トランザムエクシアと相打ちできるほどの機体性能にしてしまいました。
そして何気にリヒティとクリスも生存です。
因みにこの2人を助けたのは理由があります(バレバレでしょうけど。ヒントは2人の技能)
それにしてもファーストシーズンではみんなの前でキングジェイダーにはならなかったな………
出すタイミングが無かっただけですが。
そして、シーズン間の空白期が長すぎるので、案の定タイムスリップしてしまいますので悪しからず。
そしてセカンドシーズンはかなり飛ばしたところから始まります。
多分、何でこんなところまで飛ばすんだって位の所です。
それではお楽しみに。
フェルトのお相手は?
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ロックオン(ニール)
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刹那
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無し(原作通り)
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ジェイ(爆)