転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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セカンドシーズン大まかなあらすじ


沙慈は原作通りアロウズに捕まり、コロニープラウドの高重力工業区域での強制労働中にカタロンの救出作戦に巻き込まれ、刹那と合流。(ただし、ルイスや絹江が無事なので、ソレスタルビーイングへの嫌悪はそれほど無い)
アロウズの主力はジンクスⅢ。
指揮官機としてVF(ヴァリアブル・フラッグ)シリーズが数機配備される。(レイフ・エイフマンがアロウズに協力的ではないため、新型機が開発されないため、VF-0の正式量産機VF-1とそのカスタム機が最新型。VF-0より基本性能は下。ただしスーパーパックなどが開発されている。グラハムの部隊はレイフの下でテストパイロット扱い)
ほぼ原作通りにソレスタルビーイングと合流。
ライル・ディランディとスメラギを加え、ダブルオーガンダムが起動。
アレルヤ、マリナを救出。
カタロンと合流するも、沙慈は原作通りやらかし、そのままソレスタルビーイングと行動を共にする。
アレルヤはソーマもといマリー・パーファシーを助け出す。
アロウズの高官が集まるパーティーでティエリアがリボンズ・アルマークと接触。(ルイスが軍人になっていないため、刹那の方では問題は起こらないが、ティエリアの方の問題で、結局は逃走劇)
その途中でサーシェスのアルケーガンダムと交戦。
サーシェスが生きている事を知る。
そのままほぼ原作通りに進み、アフリカタワーでのクーデター勃発。
そこから始まります。




♯12 ブレイクピラー

 

 

 

 

突如として現れた空間ゲートに飲み込まれた俺達。

だが、いつもとは違い、すぐに通常空間に復帰した。

 

「……いつもと違う?」

 

俺は違和感を覚える。

 

「ルリ、状況は?」

 

俺が通信でルリに確認を取ると、

 

『はい。先ずはこちらを』

 

ルリがそう言って空間モニターに映したのは、オービットベースの外の状況。

そして地球の映像だった。

だがそれは、

 

「オービタルリング!? 世界を移動したわけじゃないのか!?」

 

俺は驚きの声を上げる。

 

『現在位置は月軌道上。現在判明した情報では、現在は西暦2312年。先程から5年経過しています』

 

「5年………!? セカンドシーズンの時期じゃないか………!」

 

余りの展開に理解が追い付かない。

 

『そしてたった今判明した情報ですが、現在、アフリカの軌道エレベーターにおいてクーデターが起こっているようです。市民6万人を人質に立て籠っているようです』

 

「アフリカの軌道エレベーター………クーデター………ッ! 拙い!」

 

俺はこの事件を思い出す。

 

「全機をマクロス・ブレイバーに乗せて緊急発進! アフリカタワーに向かうぞ!!」

 

俺はそう叫んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

 

ソレスタルビーイングとGGGが姿を消して5年。

各国家群は地球連邦として統一を果たし、世界は1つになりつつあった。

しかしその裏では独立治安維持部隊『アロウズ』によって、反連邦主義や思想への弾圧や虐殺が行われており、世界の歪みはおさまっていなかった。

そのような世界において、『ソレスタルビーイング』は再び行動を開始。

歪みゆく世界に対して再び戦いを挑んだ。

アロウズとソレスタルビーイングの戦いが続く中、連邦内でクーデターが起こり、市民6万人が人質にとられアフリカの軌道エレベーターが占拠される事件が起こる。

クーデターの首謀者であるパング・ハーキュリーは、人革連のセルゲイと友人であり、今回の事件は人質となった市民達に、アロウズの実態を知らしめ、その人々を解放することで世界へ真実が発信される事を狙っていた。

だが、アロウズの腐敗はパングの予想を上回っていた。

アロウズは、低軌道オービタルリングに建造された巨大自由電子レーザー掃射装置『メメントモリ』を使用し、6万人の市民ごと軌道エレベーターを攻撃。

その事実を隠蔽する決定をしたのだ。

その事に気付いたパングは市民と部下の脱出を急がせた。

しかし、MSで脱出しようとした者達は地上で待ち構えていた正規軍のMSに撃墜される。

始めから、誰一人として逃がす気は無かったのである。

その情報を手に入れたソレスタルビーイングの新たな母艦『プトレマイオス2』は、アフリカタワーに近付いていた。

そこで別行動だった刹那と合流したが、刹那はリボンズとサーシェスに出会った時に撃たれて負傷しており、メディカルルームで治療を受けることになる。

そして、奇妙な因果の末にソレスタルビーイングと行動を共にすることになった沙慈・クロスロードはクーデターの情報を見ている中で、人質の画面が映った時、とんでもないことに気付いた。

それは、

 

「ルイス!?!?」

 

自分の恋人、ルイス・ハレヴィが人質の中に一瞬だけだが映った事に気付いたのだ。

見間違いだと思いたい。

しかし、沙慈は自分がルイスを見間違えるはずないとも思っている。

そして、ルイスは世界有数の資産家の娘。

沙慈がアロウズに捕まる前までは連絡を取り合っていたため、最近では親の仕事に付いて世界を回っているとも言っていた。

その為、アフリカタワーにいても不思議では無い。

 

「嘘だろ………!? ルイス………!」

 

絶望的な声を漏らす沙慈。

そして、更に沙慈を絶望の底に突き落とす情報も入ってきた。

アロウズがメメントモリでアフリカタワーを攻撃するというのだ。

そして、スメラギは、

 

「トレミーを(そら)に上げるだと!? 冗談だろ!? この状態じゃ無理だ!」

 

イアンはそう叫ぶ。

連日の戦いによる損傷で、プトレマイオス2は宇宙に上がれる状態では無い。

 

『けど多くの人命が……!』

 

スメラギの言葉にイアンも悔しそうな顔をし、沙慈はますます絶望感に苛まれる。

その時、格納庫に刹那が入ってきた。

 

「ダブルオーを出す!」

 

入ってくるなりそう言う刹那。

 

『何言ってるの!? そんな身体で!?』

 

スメラギは反対の意見を言うが、

 

「衛星兵器を止められるのは、ダブルオーライザーだけだ! あんたも分かっている筈だ」

 

『………トランザムライザー』

 

「ミッションプランを頼む!」

 

刹那はそう言うと、ヘルメットを被り、コクピットへ向かう。

 

「オーライザーにパイロットが必要だな………ラッセに頼みたいところだが………」

 

イアンがそう言う。

ラッセは現在プトレマイオス2の操舵手だ。

安易に持ち場を離れるわけにはいかない。

すると、

 

「オーライザーに乗れ!」

 

刹那が沙慈に向かってそう言った。

 

「えっ? ぼ、僕が!?」

 

沙慈が驚いた声を漏らす。

 

「6万もの人命が掛かっている! これは、護る為の戦いだ!」

 

刹那の言葉に沙慈は一瞬俯くが、その瞼の裏にはルイスの姿が浮かび上がる。

あそこに居るルイスを護る為に、沙慈は覚悟を決めて顔を上げた。

 

「行くよ! あそこにはルイスも居るんだ! 彼女を護る為にも行かせてくれ!」

 

沙慈はハッキリとそう言った。

 

 

 

 

 

プトレマイオス2の速度とカタパルトによる2次加速で、刹那のダブルオーガンダムと沙慈のオーライザーが宇宙へと向けて射出される。

その途中で合体し、ダブルオーライザーとなり、メメントモリへと飛翔する。

迎撃の為にMAが出撃してきてダブルオーライザーを攻撃。

エグナーウィップと呼ばれる電磁ムチでダブルオーライザーを捕らえると、高圧電流を流して刹那と沙慈を苦しめる。

だが、沙慈がライザーシステムを作動させ、トランザムライザーと呼ばれる超巨大ビームサーベルを作り出し、MAを貫くと同時にメメントモリを狙う。

メメントモリが存在するオービタルリングは、破壊してしまうと人類全体の大きな損失になってしまう。

その為、普通の砲撃ではオービタルリングを破壊してしまう可能性があるので、攻撃に調整の利き易いビームサーベルであるトランザムライザーでなければメメントモリのみの破壊は難しかったのだ。

トランザムライザーがメメントモリの外壁を切り裂きながら内部に食い込む。

メメントモリの各部が爆発し、砲撃の発射は食い止められたかに思われた。

 

「やった……!」

 

思わず声を漏らす沙慈。

だが、

 

「駄目だ………!」

 

刹那が悲痛な声を漏らした。

 

「や、やめろ…………!」

 

刹那は気付いていた。

メメントモリの発射準備は既に完了しており、ダメージで機能停止するよりも早く砲撃が開始されてしまう事に。

 

「やめろぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

刹那が叫ぶ。

だが、ダブルオーライザーはトランザムライザーを使用した影響で粒子残量がほぼゼロに近く、再チャージが完了するまで如何することも出来ない。

次の瞬間、メメントモリの発射口から巨大レーザーが放たれた。

レーザーがタワーの外壁部を貫き、損傷させる。

唯一の救いは爆発によって狙いがそれ、軌道エレベーターそのものの崩壊は免れた事。

だが、外壁のオートパージ機能が作動し、全ての外壁が次々と分離。

地上へ向けて落下を始めた。

 

「そ………そんな……………」

 

沙慈がその光景を見て絶望的な声を漏らす。

 

「ルイス……………」

 

それは、自分の恋人がこの被害に巻き込まれ、その命が消えていくことを示していた。

 

「ルイスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」

 

沙慈が耐えきれない絶望感からルイスの名を叫んだ。

その時、ダブルオーライザーの近くにESウインドウが出現。

そこからマクロス・ブレイバーが現れ、更にはディビジョンⅡカナヤゴも続く。

 

「な、何!? 金色の戦艦!?」

 

沙慈が戸惑いの声を漏らす。

 

「あれは、GGGのっ!?」

 

見覚えがあった刹那は声を漏らす。

 

「えっ? スリージーって………」

 

 

 

 

 

マクロス・ブレイバーにドッキングしているジェイアークの艦橋からその光景を目撃したジェイは舌打ちする。

 

「チィッ! 遅かったか! だが、出来ることはまだある!」

 

ジェイは気を取り直し、

 

「全機発進!! 市民の乗るリニアトレインを可能な限り救出せよ!!」

 

「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」

 

マクロス・ブレイバーのカタパルトから次々と発進する。

更に、カナヤゴも展開。

無数のカーペンターズが出撃する。

それらが崩壊していくアフリカタワーへと向かった。

 

「マクロス・ブレイバーとジェイアークは地上へ先回りし、落下する外壁の破壊作業に当たるぞ!」

 

「了解しました」

 

ジェイアークがES爆雷を投下。

真下にESウインドウを作り出すと、そこへ降下していった。

 

 

 

 

アフリカタワー内部では、クーデターの首謀者であるパングのジンクスⅢと、説得に来ていたセルゲイのティエレンが地上へ向かっていた。

 

「ッ!? ピラーの外壁が!」

 

セルゲイが入ってきた情報に思わず叫ぶ。

 

「ッ………!? くっ、急げ! ッ!?」

 

パングは叫ぶが、その視線の先に地上へ向かうリニアトレインが目に入った。

オートパージは上部から下部へ向かって行われているが、当然ながらリニアトレインの速度よりも外壁がパージされていく速度の方が速い。

遂に外壁の崩壊にリニアトレインが追い付かれ、パングの目の前でリニアトレインはレールを外れ、宙へ投げ出された。

パングはそれを見ている事しかできない。

自分の見通しの甘さが6万もの人命を奪う。

その重責がパングに襲い掛かった。

だが、

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

突如として背後から複数の影が2機を抜き去った。

 

「1人でも多くの人命を!!」

 

青いロボットが宙を舞うリニアトレインを抱き着くように受け止める。

 

「助けて見せる!!」

 

続けて赤いロボットが別のリニアトレインの真下に回り込んで受け止めた。

 

「今僕達に出来ることを!!」

 

緑のロボットがまた別のリニアトレインを受け止め、

 

「全力でやるだけだ!!」

 

黄色いロボットが破片に当たりそうになったリニアトレインを身を挺して庇いながら抱き留める。

 

「空間湾曲! ガトリングドライバァァァァァァァッ!!」

 

黒い巨大ロボットが左腕に装備したツールで空間を捻じ曲げ、僅かではあるが崩壊を遅らせ、その間に小型の無数のオレンジ色のロボット達が3機1組でリニアトレインを救出していく。

 

「…………何故俺がこんなことをせねばならん………」

 

蒼い巨人が両手にリニアトレインを抱えつつ愚痴を言う。

 

「旅は道連れ世は情け………ですのよアクセル?」

 

落ち武者の様な機体が宙に浮く鬼面にリニアトレインを引っかけている。

 

「こ、これは…………!?」

 

パングが突如現れたロボット達に驚愕していると、

 

「彼らは…………まさかGGGか!?」

 

過去に幾度か接触した事のあるセルゲイはその正体に辿り着いた。

 

「知っているのかセルゲイ!?」

 

「話は後だ! 私達は私達のやるべきことをやるぞ!」

 

 

 

 

 

 

地上へ向かうリニアトレイン。

その内の1つに、ルイスの姿があった。

家の都合でアフリカタワーに来て、そこでクーデターに巻き込まれてしまったのだ。

アロウズのオートマトンが、市民に向かって発砲する所も彼女は見ていた。

地上へ向かうリニアトレインに乗せられ、家族と共に地上へ向かっていたが、リニアトレインを揺れが襲い、更にその揺れがどんどん激しくなっていく。

 

「きゃぁあああああああっ!?」

 

悲鳴を上げるルイス。

そして次の瞬間、浮遊感をルイスは感じる。

それは、リニアトレインが外壁の崩壊に巻き込まれ、宙へ投げ出された瞬間だった。

 

(私………死んじゃうの…………?)

 

ルイスは死の間際の走馬灯を見る。

その記憶の中でひときわ強く輝いていたのは、やはり恋人の沙慈の存在。

最近は音信不通でとても心配していた。

 

(沙慈…………!)

 

ルイスは沙慈を強く思う。

 

(助けて! 沙慈!!)

 

ルイスは心の中で叫んだ。

すると、次の瞬間、衝撃と共に落下速度がゆっくりになるのを感じた。

 

「えっ!?」

 

ルイスが声を漏らす。

ルイスの乗るリニアトレインもGGGによって救われたのだ。

そして、ルイスの乗るリニアトレインを助けたのは、奇しくもビッグボルフォッグであった。

 

 

 

 

 

 

地上では、成層圏より下の燃え尽きない外壁が人口密集区域に向かって降り注ごうとしていた。

スメラギは有視界通信で全部隊に人口密集区域の範囲を教え、落ちてくる外壁を破壊するように願った。

それにいち早く反応したのはソレスタルビーイングのガンダム達。

アレルヤの駆るアリオスガンダム。

ティエリアのセラヴィーガンダム。

そして、ニール・ディランディの双子の弟であり、2代目のロックオン・ストラトスとなったライル・ディランディの乗るケルディムガンダムが、落ちてくる外壁に攻撃を開始する。

だが、たった3機では圧倒的に物量が足りない。

その途中でマリーが支援機であるGNアーチャーで出撃してきて破壊作業に参加。

それでも全く手は足りなかった。

その時、上空にESウインドウが展開する。

 

「何だ!?」

 

ライルが驚いた声を上げると、そこからマクロス・ブレイバーとジェイアークが姿を現す。

 

「こちらはガッツィー・ジェネレーション・ガード!! これより外壁の破壊作業を援護する!」

 

ジェイが言い放つと、

 

「GGG!?」

 

アレルヤが驚きの声を上げ、

 

「5年前に姿を消し、一切音沙汰がなかった彼らが、何故今になって!?」

 

ティエリアも驚愕する。

 

「でも、彼らの戦力は頼もしいわ」

 

スメラギはそう判断する。

すると、ジェイアークがマクロス・ブレイバーから分離。

マクロス・ブレイバーが砲撃を開始する。

 

「幾万もの人命が掛かっている今、出し惜しみしている場合ではない! フュゥゥゥゥゥジョン!」

 

ジェイは飛び上がってジェイバードと融合。

 

「ジェイバード、プラグアウト!」

 

更に分離したジェイキャリアが変形を開始。

 

「メガッ……フュージョン!!」

 

ジェイバードが分離して、頭部、両腕を形成し、変形したジェイキャリアと合体。

101mもの巨大ロボットとなる。

 

「キングッ………ジェイッ……ダァァァァァァッ!!」

 

現れたキングジェイダーに全員が驚愕する。

 

「全砲門斉射!!」

 

キングジェイダーは圧倒的火力で落下してくる外壁を粉砕していく。

 

「全兵装発射! トランスフォーメーション開始!」

 

マクロス・ブレイバーが各武装を発射しながら人型に変形。

火力を前面に集中させ、外壁を破壊していく。

 

 

 

その様子をマクロス・ブレイバー艦内から見ているシェリルとランカ。

 

「………私達にも、何か出来れば…………」

 

ランカが呟く。

すると、

 

「私達に出来ること? そんなの決まってるじゃない!」

 

シェリルが自信を持って言う。

 

「シェリルさん………もしかして……!」

 

「ええ! 歌うわよランカちゃん! 私達の歌で皆の心を動かすの!」

 

「ッ…………はい!」

 

2人は決意すると、立ち上がって駆け出した。

 

 

 

 

この場に居るソレスタルビーイングとGGG以外の者達は、余りにも現実離れした光景に呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。

軌道エレベーターの恩恵を受ける者達にとって、これはそれだけショックの大きい事なのだ。

だがその時、

 

『夜明けの光を小鳥が見つけるように 私が気付いて見せる♪』

 

突如として響き渡る歌声。

 

『歌………?』

 

『何故歌が…………?』

 

困惑する声を漏らす兵士達。

 

『かすかな兆しに高鳴る胸をまだ 世界は眠っていて知らない♪』

 

すると、それぞれのモニターにランカの姿が映る。

 

「兵士の皆さん! この状況に困惑する気持ちはわかります。ですが、今は皆さんの力が必要なんです!」

 

ランカが通信で皆に呼び掛け始めた。

 

『愛したから絶望を知った まだこの手に掴む力 失っても失っても♪』

 

「私には、この状況を打開する『力』はありません。出来ることは、歌う事だけ。ですが、皆さんには『護る力』があるはずです! 思い出してください! あなた達が軍人を目指したのは、護りたいものがあったからじゃないんですか!?」

 

『『『『『『『『『『ッ!?』』』』』』』』』』

 

『誓いなさい その涙に 奇跡にとりつかれて ガレキを飛び越え上昇するカーブ♪』

 

「今この状況は、皆さんの力を必要としています! 1人1人の力だけでは足りない………皆の力を合わせることが必要なんです!」

 

『心に鼓動求めなさい この命返すまで 間に合うだろうか 間に合うと良いな♪』

 

「お願いします! 皆さんの力を貸してください! 私には応援する事しかできません。でも! 皆さんが『勇気』を出せるように、恐怖と戦えるように、精一杯歌います!!」

 

そこでランカの通信が終わる。

すると、

『なりたい自分を遠ざけるのは何故 ヒコーキ空を汚してく♪』

 

ランカも歌い出した。

 

『ほんとの孤独に凍えるくらいなら 人はこんなに残酷になる♪』

 

そしてある時、別方向からの攻撃が外壁を破壊した。

 

「ッ!? あれは………カタロン!!」

 

ライルが攻撃を開始した部隊に気付く。

 

『守られてたんだ暗闇に 瞼を腫らして祈る 失っても失っても♪』

 

ティエリアが撃ち漏らした外壁を、別の機体が破壊する。

 

「ッ! クーデター派の機体か!」

 

『あと一秒生きる為に 魂の背中押せ 繋ぎ留めていて 点滅する運命♪』

 

更には正規軍のMSも攻撃を開始。

次々と落下してくる外壁が破壊されていく。

 

『心に鼓動求めなさい 不確かさ手繰り寄せ 間に合うだろうか 間に合うと良いな♪』

 

その時、接近する部隊に気付く。

それはアロウズだった。

それでもスメラギは作業の続行を指示。

スメラギは、アロウズの指揮官がカティ・マネキンであることを知っており、彼女の性格ならこの状況を放っておかないと判断したのだ。

そして、その判断は正しく、アロウズの機体も外壁の破壊作業に加わる。

 

『誓いなさい その涙に 奇跡にとりつかれて♪』

 

『ガレキを飛び越え 上昇するカーブ♪』

 

『心に鼓動求めなさい この命返すまで♪』

 

『誓いなさい その涙に 奇跡にとりつかれて ガレキを飛び越え 上昇するカーブ 心に鼓動求めなさい この命返すまで 間に合うだろうか 間に合うと良いな♪』

 

全ての部隊が協力することで、奇跡的にも市民への被害は殆ど無く乗り切ることが出来たのだった。

しかし、パングは自分の行いが切っ掛けでこのような惨事を引き起こしてしまったことを悔やんでいた。

そんなパングの機体にセルゲイの機体が近付く。

 

「無事だったか! ハーキュリー!」

 

「ありえん………こんなことが………こんな取り返しのつかない事が……………!」

 

パングは己を悔やんでも悔やみきれない。

その時、一筋の粒子ビームがパングの機体を襲った。

いや、正確には襲おうとした。

粒子ビームがパングの機体を貫く寸前、巨大な手がそれを遮ったからだ。

 

「「ッ!?」」

 

その事に驚愕する2人。

それは、キングジェイダーの手だった。

 

『この惨状は……! お前達が引き起こしたものだ!!』

 

そんな言葉と共にビームを放ちながら突っ込んでくるアロウズの部隊カラーである赤に染められたMS形態のVF-1。

だが、

 

「責任転嫁も甚だしい…………」

 

その全てがキングジェイダーの手で防がれ、更にそのままキングジェイダーの手にVF-1が掴まれた。

 

『放せ! そいつらの所為で………!』

 

「その声……!? アンドレイ!?」

 

その言葉にセルゲイが反応する。

 

『父さん!? 何を………何をしてるんですかアンタは!?』

 

「待てアンドレイ!」

 

セルゲイが静止を呼び掛けるが、

 

『軍規を守って母さんを殺したくせに、クーデターに加担するなんて!!』

 

VF-1のパイロット、セルゲイの息子であるアンドレイ・スミルノフが激昂して叫んだ。

 

「…………話を聞かない奴だな」

 

キングジェイダーが少し力を加えると、VF-1がメキメキと軋みを上げる。

 

『ッ……!?』

 

その事に危機感を感じたのか、アンドレイは息を呑んだ。

その時、

 

「待ってくれ! ジェイ!」

 

キングジェイダーの前にセルゲイのティエレンが立ちはだかった。

 

「私の息子なんだ! 殺さないで欲しい!」

 

セルゲイは必死にキングジェイダーに呼び掛けた。

 

「……………セルゲイ中佐………いや、今は大佐か? 久しぶりだな」

 

「覚えていてくれたか………」

 

「俺達にとってはそこまでの期間では無かったからな」

 

「?」

 

「それにしても、アンタほどの人物の息子が、感情で人を撃とうとするとはな………軍人としてそれはどうかと思うが?」

 

『ッ!?』

 

「すまない。全て私の所為なのだ。この子と向き合う努力を怠った私の………」

 

「それもあるかもしれん。だが、軍人となった以上、本人にはそれ相応の責任が伴う」

 

『煩い! そいつらはクーデターに加担していたんだぞ! 討たれて当然だ!』

 

アンドレイがそう叫ぶ。

 

「そっちのハーキュリー大佐はクーデターの首謀者であるが、セルゲイ大佐は説得の為に送られた密使だな。たった今入った情報だが、そもそも、セルゲイ大佐が密使として送られた事自体が彼を抹殺するための陰謀だな。本来であれば、そのままメメントモリで軌道エレベーターごとドカン。という予定だったらしいな」

 

「なっ!?」

 

『う、嘘だ! そんな事……!』

 

「お前はアロウズを正義の軍隊と思っているのかもしれんが、軽く調べただけでも弾圧、虐殺、その他諸々。叩けば叩く程埃が出てくるな」

 

キングジェイダーが呆れたように言う。

 

『で、デタラメを………!』

 

「セルゲイ大佐。あなたはもう少し自分の子供と話し合う必要がありそうだ」

 

「その通りだ………返す言葉も無い。だが、これをきっかけにこの子と向き合ってみようと思う」

 

「それがいい」

 

キングジェイダーは手の力を緩め、アンドレイが暴れる様子が無い事を確認すると手を離した。

すると、そのままキングジェイダーは上昇していくと、マクロス・ブレイバーと合流。

他のロボットと共にESウインドウで姿を消した。

 

「…………アンドレイ」

 

『…………父さん………』

 

「今更と思うかもしれんが…………話をしよう………」

 

『ッ……………! ホント、今更ですよ…………!』

 

「すまない。だが、私はお前と話したい。これは本心だ」

 

『ッ………! 父さんっ…………!』

 

セルゲイの言葉に、アンドレイは涙を浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

一方、ダブルオーライザーにドッキングしているオーライザーのコクピットで、沙慈が蹲っていた。

 

「ルイスッ…………!」

 

沙慈は、この惨状で恋人のルイスを失ったと思っていた。

一方、刹那は一筋の光明を探すように可能な限りの情報を集めていた。

そして、

 

「これは…………」

 

あるデータを見つけた。

 

「沙慈、沙慈・クロスロード」

 

刹那が沙慈に呼び掛ける。

 

「何……………?」

 

沙慈は泣き腫らした目で刹那を睨みつけるように見てしまう。

しかし、刹那は沙慈に見つけたデータを転送する。

 

「これを見ろ」

 

刹那が送ったデータは、GGGが救出したリニアトレインから降りる人々が写った写真。

そこには、

 

「…………ッ!? ルイス!」

 

ルイスの姿が写っていた。

 

「見ての通りだ。ルイス・ハレヴィはGGGによって救出されている」

 

「……………ッ!」

 

沙慈の目から枯れたはずの涙が溢れてくる。

喜びの涙だ。

 

「良かった………! ルイス…………!」

 

「……………だが沙慈。今、お前を彼女に会わせるわけにはいかない」

 

刹那はそう言う。

 

「分かってる………今僕が彼女に会えば、ソレスタルビーイングとの関係を疑われてアロウズに捕まる可能性があるから、でしょ?」

 

「その通りだ。今回の事件でアロウズへの不信感が一気に高まる。今後は、更に過激な手段に出ることもあり得る」

 

「分かってる………会いたいのは山々だけど、今は我慢する…………だけど、いつかきっと会いに行くよ。胸を張って」

 

「そうか…………」

 

刹那はそう言うとダブルオーライザーをプトレマイオス2へ向かわせる。

この事件が、アロウズへの不信感を加速させるのは間違いないだろう。

ソレスタルビーイング………そして再びこの世界に現れたGGGは、どのような結果をもたらすのだろうか。

 

 

 

 





今日は代休だったので更新できました。
というわけではい、ガンダム00編の第12話でセカンドシーズンの開始です。
開始とか言っときながらいきなりブレイクピラー事件からです。
もっと早く現れると速攻でアロウズ潰してしまいますんで。
まあ、やりたいイベントもありますのでお楽しみに。

フェルトのお相手は?

  • ロックオン(ニール)
  • 刹那
  • 無し(原作通り)
  • ジェイ(爆)
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