転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
ブレイクピラー事件。
仲間達やカーペンターズを総動員しても6万人中1万人前後を助けるのが限界だった。
この時間に飛ばされた直後に起こった事件の為、1万人の命を救ったと考えれば御の字かもしれないが、やはり心に引っ掛かるものはある。
それから数日後。
レモンから連絡が来た。
リヒティの治療………というか、修復が終わったというのだ。
そしてほぼ同時にトモロからも、クリスが間もなく目覚めそうだとの連絡を受けた。
クリスの方は、深い傷は背中に刺さった破片の傷位だったのだが、助けてから医療ポッドに入れるまでに時間が空いてしまい、脳細胞や臓器に深刻なダメージを受けてしまっていたため、治療に時間が掛かった。
リヒティの方は、元々体のほぼ半分がサイボーグ化されていたが、今回の事で残りの半分の生身の部分もほぼダメになってしまったらしく、レモンがWシリーズのノウハウを利用して、首から下を全てサイボーグ化して、何とか一命を取り留めたそうだ。
流石にここまでになると、流石のジェイアークの医療ポッドでも再生は不可能らしい。
レモンによる定期的なメンテが必要になる事以外は、ほぼ人並みの生活を送れるようだが、問題は本人がどう思うかだな。
それからそれほど間を置かずして、2人は、目覚めた。
安心させるために2人を会わせる。
「リヒティ!」
オービットベースの部屋に案内すると、クリスが部屋の中にいたリヒティに駆け寄る。
「クリス……! 無事だったんっスね………!」
リヒティも応えたが、その表情は何処か暗い。
傍にレモンも居たため、自分の身体の説明を受けたのかもしれない。
「まずは現状の説明をしよう。ここは俺達GGG………ガッツィー・ジェネレーション・ガードの拠点であるオービットベース。このままでは死にそうになったお前達を助けて治療の為にここに連れてきた」
俺がそう言うと、
「………クリスを助けてくれたことには感謝するっス」
リヒティはそう言う。
「リヒティ………? どうしたの………?」
リヒティの様子がおかしい事に気付いたクリスがリヒティに問いかける。
「……………クリス………俺の身体が半分以上機械化されてたことはあの時に言ったっスよね………?」
「うん………」
重々しいリヒティの言葉に、クリスも重く受け止め、頷く。
「今の俺は…………首から下が全部機械らしいんっス………」
「えっ!? で、でも…………」
リヒティの言葉にクリスが驚く。
リヒティは薄手の病衣を着ているが、その体の見た目は生身と相違無く、とても作り物とは思えない。
「俺の身体を直したレモンさんに聞いたんス」
リヒティは隣に立っていたレモンをチラリと見た。
「本当よ。残っていた半分の生身の部分も、もう駄目になっていたわ。彼の命を助けるには、この方法しかなかった」
レモンは淡々とそう言う。
「こんなんで俺は………生きてるって言えるんすか…………!?」
リヒティは項垂れながら呟く。
元々体の半分が機械化されてた時点で、生きているのか死んでいるのか悩んでたっぽいからな。
すると、
「リヒテンダール・ツェーリ」
同行していたラミアが口を開いた。
その言葉に、リヒティの視線がラミアに向く。
「お前から見て、私は生きているか?」
ラミアはそう問いかけた。
「何言って………そんなの生きてるに決まってるじゃないっスか………!」
リヒティは投げやり気味にそう答える。
「そうか……………私の名はラミア・ラヴレス。だが、正式名称はW-17」
「正式………名称………?」
その言葉にリヒティは怪訝な声を漏らす。
「レモン様に造られたWシリーズの17番目の機体…………人造人間だ」
その言葉にリヒティは目を見開く。
「人造………人間………!?」
「ああ。私は人間ではない」
「……………………」
リヒティは驚愕で言葉を失っている。
すると、
「だが………私は自分を『人』だと思っている」
「『人』…………?」
「Wシリーズは戦う為に生み出された兵士。命令のままに任務を遂行し、戦うだけの存在。以前の私もそのような存在だった」
「そんな…………」
「だが、私はある潜入任務において、良き仲間達に巡り合い、学び、自分の存在意義に疑問を持つようになった。そして私は、創造主であるレモン様達に反旗を翻した」
「えっ!?」
「そして、そんな私をジェイは………いや、ジェイだけではない、仲間達も………GGGの皆も………私を『人』として接してくれた」
ラミアは俺に視線を向けてそう言う。
「だからこそ私は『私』で居られる。私は『私』でいいのだと…………お前は如何だ?」
ラミアはそう言って問いかけた。
「俺は……………」
リヒティが答えあぐねると、
「リヒティはリヒティよ!」
クリスがハッキリとそう言う。
「クリス?」
「体が機械化されていようと、リヒティはリヒティなんだから! あなたは………こうして私の目の前で『生』きてるわ」
クリスがリヒティの正面に回ってリヒティを見つめる。
「クリス…………そうっスね………! 何を悩んでたんだろ、俺。俺は『俺』っス! 他の誰でもない、リヒテンダール・ツェーリっていう1人の人間っス!!」
リヒティが吹っ切れたようにそう言う。
「情けないとこ見せたっスね、クリス! もう大丈夫っス!」
リヒティの表情も、先程とは違い晴れやかだ。
「リヒティ………」
その顔を見て、クリスも安心したように微笑んだ。
「さて、リヒティも立ち直ったところで現状説明の続きなんだが………」
俺は現状の説明を再開する。
現在はあの戦いから5年後である事。
俺達はタイムスリップで5年後に来てしまった事など。
「…………目覚めたら5年後にタイムスリップしてたって……映画っスか?」
「正直信じられないよね……………」
「信じられないのは分かる。後で端末を貸すから自分で世界の現状を調べればいい」
2人の言葉に俺はそう言う。
「それで、これからの提案なんだが…………お前達2人をGGGにスカウトしたい」
「スカウト……っスか?」
「そうだ。現状オモイカネのバックアップがあるとはいえ、ルリに負担がかかり過ぎている。リヒティは操舵手として………クリスはオペレーターとしてマクロス・ブレイバーに乗って欲しいと考えている。だが、もちろん強制ではない。望むならこの世界に残すし、ソレスタルビーイングに送り届けてもいい」
俺がそう言うと、
「……って言っても、俺はそこのレモンさんが居ないと体のメンテが出来ないんスよね? 俺に選択肢はあって無い様なもんっス。それに、本来は死んでた命。助けてくれたアンタに協力するのもやぶさかじゃないっス」
「そうか………」
「その代わり、クリスは皆の所に帰らせてあげて欲しいっス」
「それは構わんが…………」
俺とリヒティがそう話していると、
「待って! 勝手に決めないでよ!」
クリスが叫んだ。
「リヒティが残るなら、私も残るよ!」
クリスがそう言う。
「えぇっ!? でも、皆に会いたいんじゃ………」
リヒティが驚きの声を上げると、
「もちろん皆に会いたい気持ちはあるよ? でも、本来は私も死んでたんだから、助けてくれた恩返しに艦に乗るのもアリって思ってるよ。それに………」
クリスは流し目でリヒティを見ると、
「せっかく見つけたいい男を逃すなんて、勿体ないじゃない」
笑みを浮かべてそう言った。
「えっ? ク、クリス………それって………!」
「あの時言った言葉は、私の本心だよ………見る眼の無い私がやっと見つけたいい男。これからよろしくね!」
「ッ……………………いよっしゃぁああああああああああああああっ!!!」
リヒティは喜びのあまり手を高々と掲げてガッツポーズした。
俺はパチパチと手を叩くのだった。
【Side ニール】
「よう………お前ら………満足かぁ………? こんな世界で………」
俺は地球の奴らに問いかける。
地球に向けて左手をピストルの形にして狙い撃つ仕草をすると、
「………俺は………やだね………!」
次の瞬間、視界が白く染まった。
「…………うっ………!」
意識が覚醒する。
ゆっくりと開かれた瞼の向こうに、見知らぬ天井が映った。
「……………………生きてるのか? 俺は…………」
俺は思わず呟く。
ハロには悪いが、死ぬことを覚悟していたんだが…………
俺はゆっくりと身を起こす。
いくらか鈍ってるみたいだが、他に違和感は無い。
と。そこで気付いた。
右目が見えている事に。
「俺が寝てる間に再生治療をしたのか?」
俺はそう推測する。
すると、シュインと部屋の扉がスライドする音が聞こえ、そちらに顔を向けると、
「ロックオン! 気が付いたのね!」
同じソレスタルビーイングの仲間であるクリスが安堵の表情を浮かべて駆け寄ってきた。
「クリス…………」
俺は彼女の名を呼ぶ。
「ロックオン。体の調子は? どこか違和感はある?」
クリスの問いかけに、
「いや。体に鈍りを感じるが、他は問題ない」
「そう。良かった…………」
クリスがホッとした息を吐く。
「ここは何処だ? 俺はどのくらい眠ってた? 他の皆は? ソレスタルビーイングはどうなった?」
俺は気になる事を問いかける。
「落ち着いて! 質問には答えるけど、色々とややこしい事になってるから!」
クリスが俺を手で制するように両手の掌を前に出しながらそう言う。
それから一息つくと、
「まず、この場所だけど、GGGの拠点のオービットベースの医務室よ」
「GGGだって!?」
「ロックオンは、爆発に巻き込まれた直後に、ジェイに助け出されたの」
「ジェイ………あいつが…………?」
「そのまま医療ポッドに入れられて、本来は数日で治る予定だったみたいだけど、その後すぐに私が重傷を負っちゃって、ロックオンの治療を最低限にして私が代わりに入れられたから、ロックオンが目覚めるのが遅くなっちゃったの。ロックオンは、大体1ヶ月位眠ってたわ」
「1カ月か…………思ったよりも眠ってたんだな…………それで他の皆は?」
俺が最も気になる事を聞くと、クリスは困ったような表情をして、
「えっとね………ここからの話がさっき言ってたややこしい事なんだけど…………今はあの戦いから5年後なの」
クリスの言葉が一瞬理解できなかった。
「………は? どういうことだよ? さっき、俺が眠ってたのは1ヶ月ぐらいだって………」
「うん。ロックオンが眠ってた期間が1ヶ月って言うのは本当よ」
「じゃあ、何で今が5年後なんだ?」
「簡単に言うとね。私達はタイムスリップしたの。5年後の未来に」
「……………揶揄ってるのか?」
俺は思わずそう言う。
「………うん。そう言う反応になるよね?」
クリスは困った笑みを浮かべる。
その様子を見て、
「………………もしかして………マジなのか?」
そう問いかけた。
「私も最初は信じられなかったけど、自分でも情報を集めて確認したから、間違いないよ。そもそも、そんな嘘を吐く意味も無いし」
「それもそうか……………」
それにしても、いきなり5年後とは…………
「それで、ソレスタルビーイングの皆は?」
「それにはまず今の世界の現状から話す必要があるけど…………最後の戦いの後、各国家群は地球連邦として統一を果たして、世界は1つになろうとしてた。でもその裏で独立治安維持部隊『アロウズ』が、反連邦主義や思想への弾圧や虐殺が行ってた。だけど、相手はヴェーダによる情報操作で徹底的にその事を隠してるみたい」
「ッ……………世界の歪みは、まだ消えていないのか…………!」
俺は拳を握りしめる。
「………………それで、ソレスタルビーイングだけど、最近になって活動を再開。アロウズを中心に世界と戦ってる」
「皆は………まだ戦ってるのか……………」
「それと、ロックオン………あなたは死んだことになってるから、新しいガンダムマイスター………2代目のロックオン・ストラトスが新たにソレスタルビーイングに参入してる」
「ほぉ………? そいつは『ロックオン・ストラトス』を継ぐに相応しい奴なのかねぇ?」
俺の名を継いだという奴に、若干の興味が湧く。
「名前は分かるか?」
「ッ……………!」
クリスは一瞬言葉に詰まると、
「……………2代目ロックオン・ストラトス…………本名は………『ライル・ディランディ』………」
その名前に、思わず目を見開いた。
「ライルが!?」
「元々反連邦組織である『カタロン』の構成員だったのをソレスタルビーイングにスカウトしたみたい」
「ライルが………反連邦組織に………」
思わぬ事実に俺は呆然となる。
「大丈夫?」
「あ、ああ…………」
「目覚めたばっかりで衝撃的過ぎたかな? もう少し休んだら?」
「悪い………そうさせてもらっていいか?」
「うん。考える時間も必要だろうしね」
クリスはそう言うと席を立つ。
クリスが部屋から出たのを確認すると、俺はベッドにバッタリと横になった。
「目覚めたら5年後で、ライルがソレスタルビーイングに………?」
正直、狐に摘ままれた気分だ。
だが、クリスが冗談とはいえこんな嘘を吐くとは思えない。
色々と衝撃的過ぎて考えが纏まらない。
精神的疲労も相まって、俺は再び眠りに着くのだった。
はい、ガンダム00編第13話です。
土日と休日出勤だったので執筆時間取れなくて短いです。
今回はリヒティ、クリス、ロックオンの3人の目覚めを書いてみました。
とりあえずリヒティとクリスはGGG参加は決定です。
人員不足のマクロス・ブレイバー乗っていただきます。
リヒティがGストーンのサイボーグに………というのは自分もチラッと考えはしましたが、別にGストーンが無くてもレモンの技術力なら普通に行けるのでは?という事でこんな感じに。
あと、Gストーンのサイボーグにしても、意味はなさそうなので。
とりあえず3人とも浦島太郎状態にびっくりです。
さて、彼らが活躍するのは何時なのか?
お楽しみに。
フェルトのお相手は?
-
ロックオン(ニール)
-
刹那
-
無し(原作通り)
-
ジェイ(爆)