転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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♯17 BEYOND

 

 

 

アロウズ艦隊の旗艦を墜とした事で、この戦闘の大勢が決しようとしていた。

クーデター軍やカタロンと共に艦隊中央に集中攻撃を仕掛けて分断。

その間隙を突いてプトレマイオス2とマクロス・ブレイバーは、その中央を突破しようとしていた。

その時、

 

「ッ! 目標宙域にエネルギー反応の急上昇を感知!! 大威力砲撃と思われます!!」

 

マクロス・ブレイバーのオペレートを担当していたクリスが反応する。

 

「ッ! ルネさん!」

 

ルリは即座にルネに報告する。

 

『了解!!』

 

すると、今まで戦闘に参加していなかったガオファイガーが飛び出す。

その直後、目標宙域から大威力砲撃が放たれた。

そして、

 

「プロテクトウォール!!!」

 

ガオファイガーは全力でプロテクトウォールを展開。

巨大粒子ビームを受け止めた。

 

「ぐぐぐ……………!」

 

ガオファイガーは苦しそうな声を漏らす。

 

「流石に反射は無理っぽい………!」

 

ガオファイガーはそう言うが、それでも後方に殆ど被害を出すことなく受け切った。

 

「今の………まるでレクイエムだ………」

 

デスティニーのシンが、自分の世界にあった兵器を連想した。

 

 

 

 

 

一方、リボンズは少し驚いていた。

 

「まさか今のを防がれるとはね………GGGの力、甘く見ていたか………」

 

それでもリボンズは余裕の態度を崩さず、

 

「第2射、照射準備開始」

 

そう指示をした。

今の砲撃は、1射につき60基もの疑似GNドライブを使用する巨大ビーム砲であった。

 

「光学迷彩解除」

 

リボンズが指示すると、光学迷彩によって隠されていたその姿が露になる。

それは巨大な小惑星を利用して作られたコロニー、いや、戦艦であった。

 

『コロニー型外宇宙航行母艦『ソレスタルビーイング』』

 

リボンズの声が通信で届く。

 

『イオリアは2世紀以上も前に予見していた。未知なる種との遭遇を………来るべき対話を………GNドライブ、ヴェーダ、イノベイター……そして、この船こそ人類の希望。人類を滅亡から救う…………正に箱舟だよ…………!』

 

リボンズは自信に満ちた態度でそう言った。

それを聞いたスメラギは、

 

「各艦に通達します。我々、ソレスタルビーイングは、これより敵大型母艦に侵攻し、そこにある量子型演算システム『ヴェーダ』の奪還作戦を開始します。ここに、これまで協力してくださった方々への感謝と、戦死された方々に、哀悼の意を表します」

 

クーデター軍やカタロンにそう伝える。

 

「アニュー、本艦の進路を敵母艦へ」

 

「了解!」

 

プトレマイオス2がソレスタルビーイング号へ向けて進路を取る。

すると、その横にマクロス・ブレイバーが並ぶ。

 

「GGGも最後までお付き合いします」

 

「………ありがとう」

 

ルリの言葉に、スメラギは感謝の言葉を口にした。

 

「ヴェーダの奪還! 最悪破壊してでも敵母艦の動きを止めるのよ!」

 

スメラギは覚悟をもって言う。

 

「皆……行きましょう。私達が世界を変えた事への償いを………そのケジメを付けましょう! イノベイターの支配から世界を解放し、再び世界を変えましょう! 未来の為に!」

 

スメラギの言葉を各々は心に刻む。

 

「ラストミッション! スタート!!」

 

スメラギの合図と共に、それぞれがソレスタルビーイング号へ向かう。

だが、当然ながらソレスタルビーイング号にも防衛機能は施されており、ベースとなっている小惑星の表面には、無数の砲台が設置されており、一斉にビームを放ってきた。

しかし、ここまで来た者達に、それだけで狼狽えるような者は居ない。

各々がビームを躱しつつ砲台を破壊していく。

 

「本艦をプトレマイオスの前方に」

 

「了解っス!」

 

マクロス・ブレイバーの艦長であるルリがそう指示すると、マクロス・ブレイバーがプトレマイオス2の前に陣取り、ソレスタルビーイング号の攻撃からの盾となる。

 

「ルリさん!?」

 

「本艦の防御機能は、プトレマイオスより優れています。ご心配なく」

 

ルリの言葉通り、直撃コースのビームはピンポイントバリアにより弾かれ、艦に損傷は見られない。

更に、ガンダム達は元より、ニールのアシュセイヴァーやエクセレンのライン・ヴァイスリッターを中心とした遠距離攻撃が得意な機体が、次々と砲台を破壊していく。

だが、砲台の半分ほどを撃破した時。ソレスタルビーイング号から大量のMSが出撃して来た。

しかしその機体は、ほぼ上半身のみの機体で、下半身はロケットブースターで構成されていた。

 

「あの形状……まさか!?」

 

スメラギが声を漏らした瞬間、信じられない事が起こった。

 

『トランザム!!』

 

そのMSがトランザムを使ったのだ。

 

『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』『トランザム!!』

 

出撃するMSが次々とトランザムを使用し、一気に突っ込んでくる。

 

「トランザムだと!?」

 

ティエリアが驚愕の声を上げる。

トランザムを使用したMSは、迎撃を回避することなく真っ直ぐ母艦に向かってくる。

 

「やはり特攻兵器………!」

 

スメラギはMSの形状から予想していた戦術に戦慄する。

 

「もう! こんな戦術好きになれないわぁ!」

 

エクセレンが不快感を露にしながらライン・ヴァイスリッターを分身させる程のスピードで次々とビームの嵐を放つ。

 

「チッ! 気に入らない手札(カード)だな! クレイモア!!」

 

キョウスケも表情を顰めつつ、アラヴァンチ・クレイモアで迫るMS群を迎撃する。

 

「これがイノベイターとやらのやり方か…………気に入らん………! 玄武金剛弾!!」

 

アクセルの放ったソウルゲインの腕が高速回転しながらMS部隊を貫いていく。

 

「心を与えて貰えなかった悲しき存在…………終わらせてあげますの………」

 

アルフィミィのペルゼイン・リヒカイトが全身から閃光を放って特攻部隊を寄せ付けない。

 

「こんなやり方………ふざけるなぁ!!」

 

シンも怒りを露にしつつ、高エネルギー長距離ビーム砲を放ち、薙ぎ払うようにMS群を破壊する。

 

「イノベイター………何処まで命を弄べば気が済む!!」

 

アルトのYF-29が無数のマイクロミサイルを放って迎撃する。

しかし、次から次へと特攻MSが発進してきて彼らに襲い掛かる。

 

「…………………」

 

ルリは少し考えていたが、顔を上げると、

 

「…………本艦はこれより敵母艦に突貫します。各機は援護をお願いします」

 

ルリの言葉に、

 

「ええっ!? 無茶だわルリさん!」

 

スメラギは状況を鑑みて引き留めようとするが、

 

「大丈夫です。勝算はあります」

 

ルリはそう言うと、

 

「ジェフリー艦長………あなたの作戦、真似させてもらいます」

 

ルリはそう言うと、

 

「マクロスキャノンで敵部隊の包囲に穴を開け、最大戦速で突破します! マクロスキャノンを敵母艦に直撃させないよう注意してください!」

 

そう指示を出す。

マクロスキャノンの威力なら、ソレスタルビーイング号を破壊することも可能だからだ。

 

「無茶苦茶っスね…………けど、合点承知っス!!」

 

リヒティは呆れるように口にしたが、気合を入れ直して操艦に集中する。

すると、足元から衝撃吸収用のバックパックが背中に装着された。

 

「マクロスキャノン………発射……!」

 

ルリの号令で右舷艦首が展開。

マクロスキャノンが発射され、敵部隊を飲み込みつつマクロス・ブレイバー正面に道を作り出した。

 

「機関最大!」

 

「了解っス!」

 

マクロス・ブレイバーのメインブースターが火を噴き、艦を加速させる。

それを見ていたスメラギだが、

 

「いけない! あの速度では敵母艦に激突してしまう!」

 

スメラギはそう警告するが、マクロス・ブレイバーはそのまま敵陣を突破。

ソレスタルビーイング号の目前に迫る。

そのままであれば、激突して爆発四散する所だが、

 

「トランスフォーメーション開始!」

 

「了解! トランスフォーメーション、開始します!」

 

ルリの言葉でクリスがトランスフォーメーションの操作を開始。

メインブースターの艦後部が前方に折れ曲がって前を向き、急減速すると共に上半身も変形する。

 

「ピンポイント・バリア、左舷艦首に集中!」

 

クリスがピンポイント・バリアを左舷に集中させ、

 

「マクロスアタック!」

 

「行きますよぉ……! おりゃぁあああああああああああっ!!」

 

ルリの宣言と共にリヒティが舵を切り、マクロス・ブレイバー強攻型の左腕をソレスタルビーイング号の外壁に繰り出す。

そのまま左腕となっている左舷艦首が深々と突き刺さった。

本来なら、ここでデストロイド部隊を展開し、内部からミサイル攻撃をお見舞いするのだが、今回は違う。

 

「これより、ヴェーダの掌握を開始します」

 

ルリの周囲に空間モニターがいくつも展開され、ハッキングが開始される。

 

「……………ッ! 流石にそう簡単には行きませんか………では、私も本気で行きます……!」

 

ルリがそう呟くと、ルリの顔にナノマシンの光が浮かび上がった。

ヴェーダがこの世界最高の量子コンピューターとはいえ、それはこの世界の中だけの話。

自我を持っているわけでも無く、要は超高性能計算機というだけであり、電子戦に特化したルリ自身の能力に加え、オモイカネとトモロというヴェーダ以上のバックアップがあるルリの前では、少し厄介な障害程度でしかなかった。

とはいえ、ヴェーダ本体とも言える演算装置は巨大であり、その大きさに比例して容量や処理速度も膨大である。

ハッキングは順調でも、全てを掌握するまでに時間はかかっていた。

そして、腕を突き刺しているマクロス・ブレイバー強攻型の後方から、特攻兵器であるガガが殺到して来た。

 

「やらせない!」

 

ルナマリアの乗るインパルスが砲撃を放ち、ガガ部隊を撃ち落す。

 

「きゅうきょく! げしゅぺんすときぃぃぃぃぃっく!!」

 

ステラのガイアが真っ直ぐ突っ込んでくるガガ部隊を蹴り砕いていく。

それぞれがマクロス・ブレイバーに敵を近寄らせないよう奮戦していた。

 

 

 

 

「どういうことだ!? これは!?」

 

リボンズがソレスタルビーイング号の中で焦りを隠しきれない表情で叫ぶ。

 

「ヴェーダが次々と掌握されていく………!」

 

既に全体の10%ほどが掌握されている。

このままでは、30分足らずで完全に掌握されてしまうだろう。

 

「くっ! ヒリング! リヴァイヴ! あの金色の戦艦を叩け! アリー・アル・サーシェスもだ!」

 

普段のリボンズらしくない荒げた声で指示を出す。

リボンズもヴェーダに意識をリンクさせ、ハッキングを防ごうとしているが焼け石に水。

ヴェーダの掌握スピードは殆ど変わらなかった。

 

「クッ……何故だ!? 何故イノベイターである僕がハッキング如きを止められない!?」

 

リボンズはイラつきながら顔に手を当てる。

 

「僕はイノベイターだ。人間を超えた完全な上位存在なんだぞ………! その僕が何故……!?」

 

リボンズがそう漏らしたその時、突如として掌握速度が増す。

 

「な、何だ!?」

 

突然の事に、リボンズは焦った声を漏らした。

 

 

 

 

マクロス・ブレイバーでは、ジェイとルネがブリッジに現れていた。

 

「ジェイさん、ルネさん。よろしくお願いします」

 

ルリの言葉に、

 

「ああ」

 

「任せて」

 

ジェイは左手でルリの右手に、ルネは右手でルリの左手に手を重ねる。

すると、ジェイの左手の甲に『J』の紋章が、ルネの右手の甲に『G』の紋章が浮かび上がり、それぞれが赤と緑の光に包まれた。

そして、

 

「「アクセス!」」

 

赤、白、緑の光がブリッジ内を照らす。

クリスとリヒティはその光景を呆然と見ていた。

2人のエヴォリュダーの能力がルリのハッキングの後押しをする。

2人の意識は電脳世界を進んでいた。

視覚化されたセキュリティがドローンやロボットの様な姿となって襲い掛かるが、

 

「ラディアントリッパー!!」

 

「ウィルナイフ!!」

 

2人は苦も無くそれらを破壊。

システム掌握を手助けしていた。

すると、

 

『何故だ?』

 

リボンズの声が響き、2人の目の前にリボンズの姿が視覚化される。

 

『何故君達は人類を超えた存在でありながら人類の味方をする?』

 

そう問いかけるリボンズ。

 

「質問の意図が理解しかねるが?」

 

ジェイがそう返すと、

 

『僕はイノベイター………イノベイターは人類を導く者………上位種であり、絶対者だ。そして君達もイノベイターとは違うが人類を超えた存在。人の上位種である事には違いは無い。その君達が何故下等な人類に味方する?』

 

リボンズの言葉に、

 

「……………ふう。何を言いたいのかと思えば………くだらん」

 

『何…………?』

 

ジェイのため息を吐きながら言った言葉に、リボンズは怪訝な声を漏らす。

 

「人類の上位種? 絶対者? 笑わせてくれる。そのような言葉が出てくる時点で、お前も人の域を出ていない事は明白だろう?」

 

『何だと………?』

 

ジェイの言葉に、リボンズは不満そうに目を細める。

 

「俺達は確かに普通の人間よりも優れた身体能力を持ち、何も無くとも電子機器にアクセスできる能力や、宇宙空間でも活動できる肉体を持っている。だが、それだけだ」

 

『それだけ? それほどまでに優れた能力を持っていながら、何故それだけと言い切ってしまう?』

 

リボンズは何処か困惑した表情を見せた。

すると、

 

「私達が優れているのは、所詮目に見える事だけ。言ってみれば、『才能』の有無と差異は無い。それだけで人類の上位種とか、絶対者なんて自称するのは烏滸がましい」

 

「そして、どれだけ優れた能力を持っていようと、俺達は自分達を『人』と思っている。人が同じ人に協力して何が悪い?」

 

『君達は人を超えた存在なんだぞ? 何故それが分からない?』

 

リボンズは理解不能と言いたげな言葉を漏らす。

 

「そうやって他者よりも優位に立とうとする時点で、お前も『人』だ。そのような考えは、誰もが持つ思考だ。まあ、お前はその考えを押し通せる能力があったから余計に質が悪いんだが」

 

ジェイが呆れたように言う。

 

『くっ………残念だよ。人を超えた存在である君達なら僕の考えを理解してくれると思ったのだが………』

 

「捨てられること前提で作られた自分の出生に苛立つのは分からんでもないが、他者に迷惑を掛けるな。お前のやっている事は子供の癇癪と大して変わらん」

 

『貴様っ…………!』

 

リボンズはジェイ達を憎々し気に睨みつける。

すると、

 

『あはは! まさか君のそんな顔が見られるなんてね!』

 

リボンズとは違う声が響いた。

 

『ッ!? この声……リジェネ・レジェッタ!?』

 

リボンズが驚愕しながらその名を呼ぶと、リボンズの横から少し離れたところにティエリアに似た容姿の男が視覚化された。

 

『馬鹿な……!? 何故君が……!?』

 

リボンズは完全に予想外だと言わんばかりの表情をする。

 

『それは勿論、君の思い通りにはさせないためだよ。まあ、彼らが来るのは僕も予想外だったけどね』

 

リジェネはまるで結果オーライだと肩を竦める。

リジェネはソレスタルビーイングやGGGが来る前にリボンズに反旗を翻そうとしたが、返り討ちにされて殺されていた。

しかし、意識はヴェーダに移していたのだ。

 

『まあ、誰であれリボンズ、君に一泡吹かせることが出来るならそれでいい。さあ、この先のセキュリティは全て解除してある。行きたまえ』

 

リジェネはまるで招待するようにジェイとルネを促した。

 

『そんな事……!』

 

『無駄だよ!』

 

リジェネがそう言うと、リボンズとのリンクが強制切断され、リボンズの姿が消えた。

 

『さて、これで邪魔者は居なくなった。後は好きにすると良い』

 

「リジェネ・レジェッタ…………」

 

『おっと、礼は要らないよ。僕は僕の為にこうしたまでのことだ』

 

「そうか。ならば行かせてもらう」

 

ジェイはそう言うとリジェネの横を通過する。

 

『……………頼んだよ』

 

リジェネは、小さくそう呟く。

ジェイは聞こえない振りをして先に進んだ。

 

 

 

 

 

 

 

一方、現実ではハッキングを直接止める為にマクロス・ブレイバーへヒリングのガラッゾとリヴァイヴのガデッサ、サーシェスのアルケーガンダムが迫っていた。

 

『これ以上好きにはさせないよ!』

 

ガラッゾが両手にビームクロ―を展開。

 

『やらせて貰う』

 

ガデッサがGNメガランチャーでマクロス・ブレイバーを狙い、

 

『はっはぁー!! ソレスタルビーイングもGGGとかいう奴も、全部殺してやるよぉー!!』

 

アルケーガンダムのサーシェスが高笑いしながらマクロス・ブレイバーへ向かう。

だが、

 

「アリオス! マクロス・ブレイバーの防衛行動に入る!」

 

アレルヤのアリオスガンダムが高速飛行形態でガラッゾに牽制射撃を放ち、

 

「セラヴィー! 目標を引き付ける!」

 

ティエリアが砲撃でガデッサを狙い、注意を引き付ける。

そして、

 

「あの機体は………アリー・アル・サーシェス!」

 

ライルがアルケーガンダムを見て叫ぶ。

 

「サーシェスだって……!? あの野郎生きてたのか!!」

 

相打ち同然とはいえ、仕留めたと思っていた怨敵が生きていた事に、ニールは悔し気に言葉を吐く。

 

「ライル! 今度こそ奴に引導を渡してやろうぜ! 2人で!」

 

ニールはライルに向かってそう言うと、

 

「ああ、兄さん! 今度こそ仇を討つんだ!」

 

ライルもより一層気合を入れて、アルケーガンダムに向かった。

 

 

 

彼らの戦いは熾烈を極めた。

イノベイターは元より、サーシェスも操縦技術という点では世界最高峰のパイロット。

更にヴェーダのバックアップがあるのはかなりのアドバンテージだ。

そして、ソレスタルビーイング最大のアドバンテージだったトランザムもイノベイターの機体は使用可能になっており、更に苦戦を強いられていた。

だが、

 

「ヴェーダの掌握、完了しました! ティエリアさん!」

 

ルリがティエリアへ通信を繋ぎ、ヴェーダの権限を譲渡する。

 

「ヴェーダとのリンクが………! それならば!」

 

ティエリアは、ヴェーダとのリンクが回復したことを確かめると、

 

「セラフィム!!」

 

過去に一度だけ使ったセラヴィーガンダムのシステムを起動。

セラヴィーガンダムのバックパックが分離し、変形を始める。

セラヴィーガンダムの背中にあったガンダムフェイスを胴体に、GNキャノンが腕に、更に脚部も展開され、ガンダムナドレの様なスマートなガンダムとなってその姿を現す。

 

「セラフィムガンダム!!」

 

ティエリアがその名を叫ぶと同時にトライアルフィールドを展開。

ナドレと同じくヴェーダとリンクする機体を全て制御下におくことが出来るシステムである。

それにより、イノベイター側が使っていたMSのシステムが全てダウンする。

そして、その隙を逃すはずが無かった。

アリオスガンダムが高速飛行形態に変形し、無防備に漂うガラッゾに突進。

前方が大型クロ―として展開すると、ガラッゾの胴体を挟み込んだ。

 

『ひあっ……!?』

 

ヒリングが怯えた声を漏らす。

だが、

 

「ヴェーダに依存しっぱなしだからそういう目に遭うんだよぉ!!」

 

アレルヤ………いや、アレルヤのもう1つの人格であるハレルヤに容赦はない。

アレルヤは物静かで心優しい性格であるが、ハレルヤは全くの真逆。

気性が荒く、残忍な性格であり、敵には全く容赦しない。

故に、

 

「おらぁっ!!」

 

ガンダムの出力を上げ、大型クローを閉じ切り、ガラッゾを分断した。

 

『リ、リボンズ………! 助け………!』

 

ヒリングの助けを求める声は誰にも届かず、爆炎の中に消えた。

ガデッサのリヴァイヴは慌てながらヴェーダのリンクが切れた時の緊急システムに切り替えていた。

ダウンしていたシステムが再起動し、モニターが映る。

 

『よし………!』

 

リヴァイヴはホッとした声を漏らしたが、

 

『……………ッ!?』

 

次の瞬間目を見開き息を呑んだ。

何故なら、回復したモニターにはセラヴィーガンダムが両手のGNバズーカⅡと両膝のGNキャノンⅡを構えていた。

セラフィムガンダムを起動すると、コクピットと太陽炉はセラフィムガンダムの方に移動してしまうが、セラヴィーガンダムは大容量のGNコンデンサーを搭載しており、分離後も遠隔操作によってそれなりの時間の戦闘行動が可能であった。

次の瞬間、同時発射による極太の粒子ビームがガデッサを飲み込んだ。

 

『ッ……………!?』

 

リヴァイヴは悲鳴を上げることも出来ずに蒸発したのだった。

そして、

 

『くそっ! 何がどうなってやがる!? くそっ! 動けってんだよ!!』

 

サーシェスが動かなくなったアルケーガンダムの操縦桿を何度も動かすが、機体は反応しない。

すると、

 

「いいザマだな……サーシェス?」

 

ニールが呟く。

 

『ッ!?』

 

「どうやらお前にも、報いを受ける番が来たようだぜ?」

 

続けてライルが言った。

 

『ま、待て………!』

 

サーシェスは静止の言葉を投げかけるが、

 

「ライル!!」

 

「兄さん!!」

 

ニールのアシュセイヴァーと、ライルのケルディムガンダムがスナイパーライフルを構えた。

 

「年貢の納め時だ!!」

 

「地獄に堕ちろ! アリー・アル・サーシェス!!」

 

2人が叫び、

 

「「狙い撃つぜぇっ!!!」」

 

同時に引き金を引く。

2人が放ったビームは綺麗な十字砲火となり、アルケーガンダムのコクピットを撃ち抜く。

そのビームの残照が、まるで十字架であり、サーシェスという罪人を断罪する処刑台のようであった。

一瞬後に爆発するアルケーガンダム。

 

「やったな………兄さん」

 

「ああ………これでやっと…………」

 

2人は静かに言葉を交わした。

 

 

 

トライアルフィールドにより、ガガ部隊も行動不能となり大勢は決したかに思えた。

 

「終わった…………漸くヴェーダを………」

 

ティエリアはヴェーダを取り戻したことに安堵し、息を吐いた。

だがその瞬間、ソレスタルビーイング号の一角から粒子ビームが放たれ、セラフィムガンダムに襲い掛かった。

 

「ッ!?」

 

一瞬気を抜いてしまったティエリアは反応が遅れ、回避が出来なかった。

粒子ビームは、そのままセラフィムガンダムを貫くかに思われた。

しかし、

 

「させるか!!」

 

その前にデスティニーが割り込み、ビームシールドでその攻撃を防ぐ。

 

「気を抜くな!! まだ終わってない!!」

 

シンはそう叱咤すると、ビームの出所に目を向けた。

そこには、大型の4つの砲身をもった赤いMSが存在していた。

 

「そこか! リボンズ・アルマーク!」

 

刹那が叫んだ。

 

『フフフ…………君に僕が倒せるかな? 刹那・F・セイエイ』

 

リボンズは怪しく笑う。

今、最終決戦が始まろうとしていた。

 

 

 

 







はい、ガンダム00編第17話です。
イノベイターとの決戦とか言っときながら、ハッキングでヴェーダ掌握。
動けなくなったところを止めというやけにあっさりとした決着となってしまいました。
そして悠々と出てきたリボンズですが……………
刹那がイノベイターに覚醒してないとはいえ、皆でタコ殴りにされる未来しか見えない………
リボンズはこのまま可哀想なラスボスとしてリンチされてしまうのか!?
次回をお楽しみに。



P.S:明日は予定があるので更新はありません。

レモンのサポートロボットはどれが良い?

  • ハロ
  • 量産型WシリーズOGアニメ型
  • 量産型Wシリーズメイドさん型(核爆)
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