転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
原種達が開いたESウインドウ。
そこから出てきたのは、ELSの大群だった。
「『ELS』だとっ!?」
俺は思わず叫ぶ。
「エル……ス? 何ですかそれ?」
「………地球外…………金属生命体だ…………!」
「金属……生命体…………!?」
俺の言葉にシンが驚きの声を漏らす。
「よりにもよってELSを呼び出すなんて………」
再出撃したガオファイガーが呟く。
「危険な生命体なのか?」
アルトは異星人との交流が当たり前に行われている世界の出身者なので、地球外生命体が現れた事に対する驚きは無く、確認するように問いかけてくる。
「…………ELS自身に他の生命体を攻撃したり滅ぼすような意思は無い………」
「なら、何とかしてコミュニケーションを取れば………!」
俺の言葉に希望を見出したのか、アルトは声を明るくする。
だが、
「問題は、彼らのコミュニケーションの方法だ」
「方法だと?」
キョウスケが怪訝な声を漏らす。
「彼らのコミュニケーションは、この世界で言う『脳量子波』と………『同化』によって行われる」
「同化………って?」
ルナマリアが意味が分からないと首を傾げた。
「そのままの意味だ。ELSは対話する相手に接触、同化することで意思疎通を図る。問題は、ELSの通常の同化に人間………有機生命体は耐えられないという事だ」
「それって、要はエルスちゃんが『こんにちは~♪』って声を掛けたら相手が死ぬって事よね?」
エクセレンが軽口を含めてそう要約する。
「イメージとしては間違っていない。ELS自体に地球を如何こうしようとする意志は無いが、その結果は最悪を招く」
俺は頷く。
「なんてことだ……!」
アルトが悔しそうに歯ぎしりをする。
「…………ELSが地球に到達すれば尋常でない被害が出る。可哀想だが現れたELSはここで全滅させるぞ! 今ならまだ間に合う! 俺が原種を倒すから、皆は現れたELSを倒してくれ。原種さえ倒せばESウインドウは消えるはずだ!」
俺の言葉に皆は頷く。
「ELSはその特性上、実弾攻撃は通じない。ビーム兵器を中心に戦ってくれ!」
俺はそう言うとジェイキャリアーを呼ぶ。
「往くぞ! メガッ……フュゥゥゥゥゥゥジョン!!」
ジェイキャリアーと合体し、キングジェイダーとなる。
「キングッ……ジェイッ……ダァァァァァッ!!」
キングジェイダーとなった俺は両手を前に突き出し、
「ESミサイル!」
ESミサイルを発射しESウインドウを作り出す。
「頼んだぞ!」
俺はESウインドウに飛び込んだ。
ES空間を通って辿り着いたのは、原種の近くの宙域だった。
ここからでも原種のESウインドウは確認でき、そこから際限なくELSが現れ続けている。
その中には、小型種だけでなく大型種もチラホラと確認できる。
「ッ……! これ以上は………!」
今はまだ対処できる範囲内だが、これ以上数が増える、もしくは最悪衛星サイズである超大型種が現れたりしたら、護り切れる保証はない。
俺は即座に近場に居る原種へと右腕を向けた。
「ジェイクォォォォォォス!!」
俺は必殺武器であるジェイクォースを放つ。
火の鳥となって羽搏いたそれは、恒星間航行形態である柱型の原種を貫いた。
あくまで移動形態であるその姿のままではビーム攻撃ぐらいしか攻撃方法は無いのか、碌な反撃も無いままあっさりと貫かれて爆散する。
あわよくば、原種1体でも倒せばESウインドウが収縮してくれるかと期待したのだが、ESウインドウの大きさには変わりがない。
「やはり全ての原種を倒さなければ駄目か………! ハル、まずは浄解を!」
「うん!」
俺の言葉でハルは浄解モードになり、宇宙空間へと飛び出す。
その瞬間、地球へ向かっていたELSの一部分が急遽向きを変え、こちらに向かって来た。
「なっ!?」
「えっ?」
驚愕する俺と呆けた声を漏らすハル。
「ッ………! まさか、ハルに引き寄せられているのか!?」
ELSは脳量子波を使う人間に引き寄せられる………というか、対話しようとする習性を持つ。
ハルは脳量子波では無いが、サイコキネシスやリミピッドチャンネル等、普通の人間には持ちえない能力を多数持ち合わせている。
そのどれかに引き寄せられたのかもしれない。
「くっ! 十連メーザー砲!!」
俺は両手を突き出し、指先から放つメーザー砲で向かってくるELSを一掃する。
「ハル! 浄解を早く!」
「わ、わかった!」
1体1体は大したことが無くとも、数が多い。
それにELSの同化は、JジュエルやGストーンのロボットでも防げない可能性が高い。
JジュエルやGストーンがゾンダーの吸収を防げるのは、ゾンダーメタルの反物質と呼べるからであり、ゾンダーメタルとは関係の無いELSの浸食は防げないだろう。
もしかしたら防げるのかもしれないが、試す気にもならない。
「反中間子砲!!」
再び向かってくるELSを反中間子砲で粉砕。
浄解を終えたハルが、ゾンダークリスタルを回収してキングジェイダーに乗り込んだのを確認すると、ESミサイルを放ってESウインドウを作り出し、次の原種へと向かった。
【Side 三人称】
一方、GGGの仲間達は地球へ向かうELSに対応していた。
「うぉおおおおおおっ!!」
デスティニーが高エネルギー長射程ビーム砲でELSの群れを薙ぎ払う。
「やぁあああああああっ!!」
インパルスがテレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔で同じように薙ぎ払う。
「でぇぇぇぇぇぇい!!」
ガイアもビームライフルで1体1体確実に仕留めていき、
「このぉぉぉぉぉぉっ!!」
YF-29が高速機動でELSの体当たり攻撃を避けつつ隠顕式連装MDEビーム砲を中心にして撃破していく。
だが、そんな彼らの中で苦戦している機体があった。
それは、キョウスケのアルトアイゼン・リーゼ。
「くっ!」
キョウスケは後退しつつ左腕の5連チェーンガンで攻撃。
前方にいるELSの何体かを粉砕するが、殲滅は追いつかず、距離を詰められていく。
アルトアイゼン・リーゼは、前方一直線に突っ込むだけなら凄まじいスピードが出せるが、それ以外は鈍重だ。
更に、武器も実弾ばかりなのでELSに対抗できる武器が少なく、お得意の突撃戦法も使えない。
ハッキリ言えばELSはアルトアイゼン・リーゼにとって天敵と言って良かった。
「キョウスケ!!」
ライン・ヴァイスリッターのエクセレンがハウリング・ランチャーをXモードにしてアルトアイゼン・リーゼに迫るELS群を掃射。
事なきを得る。
「助かった、エクセレン!」
礼を言うキョウスケだったが、別の一団が迫ってくる。
「ッ!」
咄嗟に身構えたキョウスケだったが、その一団が青いエネルギー波に飲み込まれた。
それは、アクセルのソウルゲインだった。
「フン。足手纏いだ、さっさと下がれ!」
そう言うアクセルだったが、
「その機体では相性が悪いから、ここは任せて下がってろ。と、言う事ですのよ?」
アルフィミィが笑顔のままそう言った。
「アクセル、アルフィミィ………」
2人に助けられたことに、キョウスケは小さく笑みを浮かべる。
だが、再び次の集団が襲い掛かってきた。
だが、側面からの攻撃がその一団を全滅させる。
それは、
「ウルテクビーム! 全斉射!!」
「
「プライムローズの月!!」
3体の合体ビーグルロボによる一斉攻撃だった。
更に、
「ゴルディオン………ハンマァァァァァァァァッ!!!」
ガオファイガーが身体を金色に輝かせ、ゴルディオンハンマーを前方に構えて一直線に突撃する。
ゴルディオンハンマーは近接武器だが、接触した瞬間に光にされるので、ELSが同化する暇も無く光にされていく。
GGGは何とか対応できていたが、辺りに浮遊していたガガ部隊や、アロウズの生き残りの部隊にもELSが襲い掛かる。
アロウズのジンクスⅢや巡洋艦にELSが接触。
ELSが銀色の液体のように変化し、MSや艦を覆い尽くしていく。
「あれがELSの同化…………」
話には聞いていたが、実際にその光景を見て、シンは戦慄を覚える。
通信から聞こえる兵士達の悲鳴が、その恐ろしさを増長させた。
更に、危機なのはアロウズの部隊だけではない。
カティが率いるクーデター軍やソレスタルビーイングにもELS達は襲い掛かる。
特に、連戦続きのソレスタルビーイングのガンダム達は損耗が激しく、苦戦は必至だ。
「チィッ! ソードブレイカーを使い切ったのは痛いぜ!」
アシュセイヴァーに乗るニールが愚痴を零す。
それでもハルバード・ランチャーを発射し、ELSの一団を殲滅する。
「このっ!!」
ダブルオーライザーが収束させたビームライフルでELSの一団を薙ぎ払う。
それでもトランザムを使ってから間がない為、エネルギーが心許ない。
アリオスガンダムやケルディムガンダムも、同じくだ。
セラフィムガンダムに至ってはあまり武装が無く、セラヴィーガンダムは自動操縦ではELSの動きに対応できず、取り込まれそうになったため、やむなくティエリアが破壊した。
これ以上は対応できなくなると思った時、近くにESウインドウが開き、そこからキングジェイダーが現れた。
「五連メーザー砲! 反中間子砲! 全メーザーミサイル一斉発射!!」
キングジェイダーの一斉攻撃により、ソレスタルビーイング周辺のELSが吹き飛ばされる。
「待たせたな! 原種は全て倒した! もうひと踏ん張りだ!」
キングジェイダーの言葉に、GGGメンバーを中心に希望が拡がる。
しかし、様子がおかしい事に気付いたのは、ガオファイガーだった。
「…………ESウインドウが閉じない?」
原種を全て倒し、後は閉じるだけの筈のESウインドウ。
しかし、ある一定の大きさから閉じようとはしていなかった。
「どうして………?」
疑問に思うガオファイガーだったが、次の瞬間その理由が明らかとなる。
閉じかけたESウインドウから、銀色の液体の様なものが勢いよく噴出し始めたのだ。
その銀色の液体は瞬く間に球体を形成し、巨大化していく。
物の数分で樹木が絡み合ったような月ほどの大きさの巨大な球体となってその姿を現した。
「超大型ELS………!」
「くっ………一番厄介な奴を………!」
ガオファイガーとキングジェイダーが戦慄の声を漏らした。
超大型ELSと共に、更に無数のELSも転移してきていた。
「数が多すぎる!」
「なんてこった!」
超竜神と撃龍神が思わず叫ぶ。
ELSが動き出し、更に苛烈な勢いでELS達が襲い来る。
先程の状態でギリギリだった上、更に数十倍数百倍の物量が襲い掛かるその状況は、正に絶望と言う他なかった。
「このままでは………!」
戦闘宙域の救助活動を行っていたビッグボルフォッグも戦力差の計算で非情な数値が叩き出されていた。
その戦いをマクロス・ブレイバーにいたランカとシェリルが見つめていた。
「……………ッ!」
俯いていたランカだったが、決意をしたように顔を上げるとシェリルを見つめる。
シェリルも不敵な笑みを浮かべて見つめ返すと、2人同時に頷いた。
GGGやソレスタルビーイング、クーデター軍も含め、懸命に防衛を行っていたが、数の差はどうにもならず、遂にELSの一団の月軌道内への侵入を許してしまう。
「行かせはせん!!」
その一団を追うのはクーデター軍のVF-4。
セルゲイの乗る機体だった。
「父さん!」
アンドレイが叫ぶ。
「私は軍人だ!」
セルゲイが懸命にそのELS達を迎撃していく。
「うぉおおおおおおおっ!!」
更に別のVF-4も参戦。
それは、
「生きて帰るんだよぉ!! 大佐の所にぃ!!」
叫びながらELSを撃墜していくのはパトリック・コーラサワー。
だが、2人はエース級の実力を持つとはいえ、多勢に無勢では追い詰められるのも時間の問題だった。
遂にELSの集団に囲まれ、逃げ場を無くしてしまう。
2人が覚悟を決めた時、
「地平線を揺さぶる風♪」
突如として響き渡る歌声。
「炎はまだ燃えているか♪」
「ランカ!? シェリル!?」
その歌声に一番に反応したのはアルト。
振り向けば、マクロス・ブレイバーのフォールド・サウンド・ステージで2人が歌っていた。
「「震えながら世界の入り口に立つ♪」」
「想い届けるまで 死ねない♪」
「「その翼は ヴァルキュリア♪」」
その時、ELSの動きに変化が起こった。
地球へ向かっていた一団が向きを変え、マクロス・ブレイバーに向かって行ったのだ。
「傷付いた戦士の前 ヴァルキュリア♪」
「ッ! 2人の歌に引き寄せられてるのか!?」
アルトは急遽機体の向きを変え、マクロス・ブレイバーの援護へと向かう。
「舞い降りた幻想の 恋人♪」
「くっ! 全機、マクロス・ブレイバーを……シェリルとランカを援護しろ!!」
キングジェイダーが叫ぶ。
「その魂♪」
「「導くため虹の橋を渡る♪」」
GGGのメンバーがマクロス・ブレイバー周辺に集結し、向かってくるELSを迎え撃った。
「ヴァルキュリア♪」
しかし、これでは標的がマクロス・ブレイバーに変わっただけだ。
「運命に背いても ヴァルキュリア♪」
(お願い、私達の歌を聞いて! 私達は戦う必要なんか無いの!)
「涙に引き裂かれても ヴァルキュリア♪」
(ELS…………私の歌を聞けぇっ!!)
2人はそれぞれの思いを歌声に乗せてELSへと届けようとする。
「夜明け前に♪」
「「輝かない生命は無い♪」」
しかし、ELSの動きは変わらない。
真っ直ぐにマクロス・ブレイバーに突っ込んで来ようとするだけだ。
脳量子波に引かれるように2人の発するフォールド・ウェーブに反応しているだけなのだろう。
「愛してる♪」
「光の鎧♪」
「この身に纏い♪」
「空を翔ける♪」
「「ヴァルキュリア サヨナラノツバサ♪」」
1コーラス目を歌いきるが、ELSの動きに変化は見られない。
「そんな………」
「ッ…………私達の歌は届かないの………?」
シェリルとランカが悲しそうな声を漏らし、膝を着く。
だが、
「諦めるな! シェリル、ランカ!」
アルトから通信が入る。
「アルト!」
「アルト君!」
その声に2人は顔を上げる。
「俺はお前達の歌を信じている。お前達の歌は、バジュラにも届いたんだ。ELSにもきっと届く………!」
「アルト………」
「アルト君………」
アルトの言葉に、2人は嬉しそうに笑みを零す。
「お前達が歌い続ける限り、俺も飛び続ける。だから歌ってくれ! シェリル! ランカ!」
その言葉に、2人は立ち上がる。
その顔に、もう迷いはない。
そして、
「瞳は今 何を目指す♪」
「その唇 誰を呼ぶの♪」
再び歌い出す2人。
「「出会えること信じて歌い続けた♪」」
「全て償うまで♪」
「捧げるまで♪」
「「その翼は」」
「ヴァルキュリア♪」
「崩れ折れた戦士の前 ヴァルキュリア♪」
(ありがとうアルト君。私達、もう迷わない!)
「舞い降りる幻想の 恋人♪」
(私達が歌い続ける限り、あなたが飛び続けるのなら、あなたが飛び続ける限り、私達も歌い続ける!)
「空の青に♪」
「「あなたが溶けてしまわないように♪」」
迷いを振り切った2人の歌は、互いに高め合い、共鳴し、更に高まる。
「ヴァルキュリア♪」
更にその歌にYF-29に搭載されているフォールド・クォーツが反応し、光の粒子を舞い散らせながらアルトは飛ぶ。
「両手で拾い上げた ヴァルキュリア♪」
マクロス・ブレイバーの周囲を歌舞くように飛ぶアルト。
「継ぎ接ぎの悲しみが 真実♪」
その光景と歌に、線上にいるすべての者達が目と耳を奪われる。
「この廃墟に♪」
「「誇り育つ種握りしめ♪」」
その歌は、戦場に、
「東へ♪」
宇宙に、
「愛おしくて♪」
世界に、
「愛おしくて♪」
そして、世界を超えて響き渡る。
「澄み渡るよ♪」
そして、
「ヴァルキュリア♪」
その歌声を知り、解かり合えた者達へと届いた。
「A-ha♪」
最初に気付いたのは、マクロス・ブレイバーのオペレーターを務めていたクリスだった。
「えっ……? この反応は………?」
マクロス・ブレイバーの計器に示された反応を見て、クリスは思わず声を漏らす。
知らない反応に声を漏らしたのだ。
いや、一応マクロス・ブレイバーのオペレーターの知識としてはあったが、この世界では観測されるはずの無い反応であった。
「どうかしましたか?」
ルリが尋ねると、
「す、すみません! マクロス・ブレイバーの周辺に、デフォールド反応多数確認!」
クリスは計測された反応を口にする。
「デフォールド反応………!?」
ルリは思わず聞き返した。
「デフォールド反応ってアレですよね? マクロス・ブレイバーに搭載されている空間跳躍技術のフォールドって奴をした際に、出現地点で観測されるっていう……」
リヒティもマクロス・ブレイバーの操舵手としての訓練の過程でそう言うものがあると知っていた。
「はい。でも何故………?」
ルリが声を漏らした時、マクロス・ブレイバーの周囲にデフォールドの兆候を示す紫色の光が無数に現れ始めた。
そして、次の瞬間現れたのは、無数の昆虫の様な姿をした巨大な生物群。
それは、
「バジュラ!?」
アルトが驚愕の声を上げる。
それは、かつてアルト達の世界で戦ったが、最後には解かり合えた生物、バジュラだった。
突如として現れたバジュラは、小型種の群れがELSの集団に向かって行く。
そして、そのまま群れ同士がぶつかり合い、ELSはバジュラと同化。
銀色のバジュラとなってその場に現れた。
「バジュラとELSが同化した!?」
驚きの声を上げるアルト。
だが、銀色のバジュラとなったELSは、暫く動かなかったかと思うと、突如反転。
マクロス・ブレイバーや地球から遠ざかっていく。
「これは…………?」
キングジェイダーが思わず声を漏らした。
次々とバジュラと同化したELSが攻撃を止め、反転していくのだ。
すると、
「皆………私達の思いを伝えてくれたんだね………」
ランカが眼に涙を溜めて呟いた。
「ッ! そうか! バジュラがELSと同化することで、ランカ達の思いをELSに伝える仲人の役割を果たしてくれたのか!」
アルトがランカの言葉からそう推測する。
ランカやシェリルの歌は、ELSに直接は通じなかった。
しかし、そこでバジュラという通訳が間に入る事で、ELSとの相互理解を可能にしたのだ。
そして、バジュラとELSは1体1体が『個』では無く、『群』全体が『個』として種族間でネットワークを形成して並列思考する似た生態を持つ。
ELSと同化した際の圧倒的情報量も、バジュラなら対応できると言う訳だ。
「GGGより戦場にいる全ての部隊へ! たった今現れた生物群の名はバジュラ! 俺達は彼らとのコミュニケーションを成功させ、解かり合う事に成功している! だからバジュラは敵じゃない。攻撃しないよう注意してくれ!」
アルトが通信で全部隊に呼び掛ける。
「導くため虹の橋を渡る♪」
「ヴァルキュリア♪」
その間も、次々とバジュラとELSは同化していく。
「駆け抜けていく蒼い 時の嵐が頬を叩くよ ずっと 愛してる♪」
小型のELSには小型のバジュラが。
「愛してる♪」
大型のELSには大型のバジュラや巡洋艦クラスのバジュラが同化していく。
「ヴァルキュリア♪」
「ヴァルキュリア♪」
更に同化した銀色のバジュラが別のELSと同化することで、その勢いは加速度的に広がっていく。
「「息を吐いて♪」」
「今選びに行こう未来 ヴァルキュリア♪」
「私は風に出会い ヴァルキュリア♪」
「こ、これは………!」
クーデター軍の指揮官であるカティがその光景を驚愕の表情で見つめている。
「いつか風を見送る ヴァルキュリア♪」
「信じられない………これが、歌の力だとでも言うの?」
プトレマイオス2のスメラギも驚愕の表情を隠し切れない。
「夜明け前に♪」
「輝かない生命は無い♪」
「これが………『来たるべき対話』の1つの答えか………」
ティエリアがイオリアの目的である『来たるべき対話』の結果、その一つの答えを見せられて感慨深い声で呟く。
「生きてる♪」
そして、最後に現れた複数の空母型バジュラが、超巨大ELSへと向かい、接触。
「光の鎧♪」
その中へと身を投じる。
「この身にまとい♪」
やがて、全てのELSが攻撃行動を停止。
「空を翔ける♪」
それから少しすると、ELSの全体が紫色の光に包まれ始める。
フォールドの兆候だった。
「「ヴァルキュリア♪」」
そして、
「「サヨナラノツバサ♪」」
全てのELSとバジュラが一斉にフォールドで姿を消した。
静寂に包まれる宇宙。
「………………終わった……のか?」
キングジェイダーが呟くと、
「ELSやバジュラ達は………どうなったんだ?」
アルトが呟くと、
「きっと、ELSの母星に行ったんだよ」
ランカがそう言った。
「分かるのか?」
「何となくね」
ランカはそう言う。
こうして思わぬELSとの遭遇は歌姫と、そして解かり合ったバジュラの協力を経て終わりを迎えた。
この結果がこの世界に何をもたらすのか。
それはまだ、誰にも分からない。
未来は、自分達の手で切り拓くものなのだから。
はい、ガンダム00編第19話でした。
突然現れたELSにピンチ。
歌姫たちが歌ったけどそれでもピンチ。
そこへ現れたのは何とバジュラ。
これを予想できた人は居るでしょうか?
まあ、何故別の世界にバジュラが現れたのかは………スパロボ設定では世界を超えることも可能な超生物となっているのでこの小説のバジュラもそう言うものだと思っておいてください。
最初はシェリルとランカの歌だけで即行和解を考えていたのですが、それだとなんかつまらない→そう言えばELSとバジュラって似てる部分あるよな→この2種族をぶつけたらどうなるんだろう?
な感じでバジュラが参戦しました。
まあ、どう思うかは人それぞれって事で。
次回はガンダム00編のエピローグ回となります。
お楽しみに。
レモンのサポートロボットはどれが良い?
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ハロ
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