転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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Mission 06 再会 インターミッション

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

思いがけないマクロス・クォーターの援軍により、空中騎士団を退けたGGGとデルタ小隊。

情報交換の為、代表者たちが集まってアイテールで話し合いをすることになった。

そんな中、

 

「…………隊長………」

 

「………………………」

 

元SMSの一員ということもあり、GGG側の代表者の1人としてアイテールに来ていたアルトに、オズマが無言で歩み寄る。

そして、バキッという音が響いた。

 

「ぐっ……!」

 

オズマがアルトを殴りつけたのだ。

 

「お兄ちゃん!?」

 

それを見たランカが声を上げる。

だが、

 

「いいんだランカ」

 

駆け寄ろうとしたランカをアルトが止める。

 

「ッ……!?」

 

立ち止まるランカ。

アルトは殴られた体勢から元に戻ると、オズマを真っすぐに見据え、

 

「殴られる理由は理解しているつもりだ。気の済むまで殴ってくれ」

 

「………いい覚悟だ」

 

オズマがそう言うと、もう一度拳を振り被る。

その拳が繰り出されるが、アルトは目を逸らさない。

そのまま真っ直ぐにアルトの顔に向かって拳が繰り出され………

その直前で寸止めされた。

 

「…………隊長?」

 

アルトは怪訝な声を漏らす。

アルトは、オズマからしてみれば、大切な妹を奪い、更に別の女と一緒に駆け落ちしたクソ野郎という自覚はあったので、最低でも数十発は殴られる覚悟だったのだ。

 

「…………………お前に付いて行ったのがランカの意志だという事は理解している。お前にも言いたいことはあるが、俺に許しを得ずにランカを連れて行ったことは今の一発でチャラにしてやる」

 

「お兄ちゃん………」

 

「隊長………」

 

「……………俺からはな」

 

「え?」

 

オズマの言葉にアルトが声を漏らすと、緑がかった金髪の男がアルトに歩み寄った。

 

「ブレラ…………そう言えばお前もランカの兄だったな………いいぜ。来いよ」

 

歩み寄ってきたブレラに対し、アルトがそう言うと、

 

「ぐっ……!」

 

間髪入れずブレラがアルトを殴りつけた。

 

「………どうした? こんなんでいいのか? お前サイボーグだろ? 何手加減してやがる」

 

殴られても大したダメージが無かったことに、アルトは手心を加えられているかと思い、食いつく。

すると、

 

「……………勘違いするな。ランカはこの世界を去る前に俺に別れを告げに来た。ランカを連れて行ったことに関しては俺は納得している」

 

「はぁっ!? じゃあ何で殴ったんだよ!?」

 

ブレラの思いがけない言葉にアルトは驚愕して聞き返すと、

 

「ランカが居ながらシェリルにも手を出している事だ。それだけは納得していない」

 

「ぐっ………!」

 

余りの正論な切り返しにアルトは言葉に詰まる。

 

「まあ、ランカを不幸にしていない事だけは、ランカを見れば分かる。それに免じて今の一発で許してやる」

 

「………チッ! ありがとよ!」

 

舌打ちしつつ礼を言うアルト。

相変わらずこの2人は反りが合わないようだった。

 

「どうやら穏便に済んだようだな?」

 

そう言って歩み寄ってきたのはミシェル。

 

「ミシェル………久しぶりだな」

 

「そっちもな」

 

笑みを浮かべて言葉を交わす2人。

 

「アルト先輩!」

 

ルカが駆け寄ってくる。

 

「ルカか。先輩はよせよ。今はお前の方が年上だろ?」

 

そう言うアルトだったが、

 

「いいえ。先輩は先輩ですから」

 

相変わらず子供っぽい笑みを浮かべてルカは言った。

一方、

 

「お兄ちゃん!」

 

「おお! ランカ! 元気だったか!?」

 

駆け寄ってきたランカにオズマは手を広げて喜びを表現する。

 

「うん! 色々あったけど、私は元気だよ!」

 

ランカも笑みを浮かべて頷いた。

 

「ブレラも久しぶりね」

 

シェリルがそう言うと、

 

「ああ」

 

ブレラは返事をして頷く。

そこへ、アラドを始めとしたデルタ小隊のメンバーがやってくると、

 

「ケイオス・ラグナ支部所属、デルタ小隊隊長のアラド・メルダース少佐だ」

 

アラドが敬礼をしながら名を名乗る。

すると、

 

「SMSフロンティア支部所属、スカル小隊隊長、オズマ・リー大佐だ」

 

先程までの様子が嘘のようにキリッとした態度でオズマが対応する。

 

「まずは、先程の戦闘での援護に感謝する」

 

アラドが礼を述べると、

 

「ウィンダミア王国の宣戦布告の情報はこちらにも入っていた。こちらに来たのは私用の意味が大きかったが、助けになれたのなら幸いだ」

 

オズマがそう返す。

 

「かの有名なスカル小隊とお会いできて光栄だ」

 

アラドが握手を求めると、

 

「大したことではない」

 

そう言いながらも握手に応じた。

すると、

 

「先程上層部から通達があった。我々SMSフロンティア支部は、ウィンダミア王国宣戦布告による事態打開の為、ケイオス・ラグナ支部に協力せよ、との事だ」

 

オズマがそう言う。

 

「こちらもそう聞き及んでいる。どうやらレディMが動いたようだな」

 

アラドも頷いた。

 

「あのバジュラ戦役で活躍したスカル小隊が味方になってくれるなんて、頼もしい限りだぜ!」

 

チャックが喜びを露にしながらそう言う。

事務的な話もほどほどに、自由な交流時間となったのだが、

 

「やっ! 久しぶりだねルネちゃん?」

 

ミシェルがルネに声を掛けた。

GGGメンバーの中では、アルト達を除いて一番フロンティアメンバーと付き合いが長いのがルネだ。

 

「年下にちゃん付けされたくないって言った筈………」

 

ルネが以前と同じ理由を口にしようとして、

 

「あ、俺今25歳」

 

ミシェルがしてやったりと言いたげな笑みを浮かべながら自分を指差す。

 

「そうだった、不覚………」

 

ルネは言い負かされたと悔し気に項垂れる。

ルネは以前から3年ほどしか経っていないため、凡そ23歳位だ。

こちらの世界では8年経っているため、ミシェル達との年齢は逆転していた。

 

 

 

 

 

こうしてラグナに帰還した一同だが、マクロス・エリシオンの両横にマクロス・ブレイバーとマクロス・クォーターが並び立つ光景は圧巻であった。

そんな中、夕日に照らされたアイテールの甲板で、ハヤテは考え込むように座り込んでいた。

 

「ハヤテ………?」

 

そんなハヤテにミラージュが声を掛ける。

 

「どうしたのですか?」

 

そう尋ねると、

 

「……………あの時、俺は人を殺してた………」

 

ハヤテがポツリと呟く。

 

「ですが、あのパイロットはゾンダーになって………」

 

「それは偶々運が良かっただけだ………! 本当なら、俺はあそこで…………」

 

ハヤテが言っているのは先の戦闘の折、ミラージュを救うためとはいえ、敵機を撃墜し、そのパイロットは爆炎に呑まれた事だ。

本来であれば、ほぼ間違いなくあのパイロットは死亡していた。

幸運と言って良いのかは分からないが、今回はゾンダー化した事によって一命は取り留めたが、あそこで敵パイロットを殺していた可能性が高いのだ。

 

「……………ですが、たとえそうだったとしても、私はこう言います。助けてくれて、ありがとう、と」

 

「ッ………!」

 

「あなたが助けてくれなければ、私はやられていました。私がこうしてここに居られるのも、あなたのお陰です」

 

「ミラージュ………」

 

そんな2人を遠巻きに見つめていたのは、

 

「別に心配する必要も無かったかな?」

 

「悪趣味だぞ、ルネ」

 

物陰から2人の様子を除いていたルネとジェイの2人。

2人は介入した影響が出ないか様子を伺っていたのだが、どうやら心配が無さそうだという結論に至った。

 

「にしても、まさかフロンティア勢が合流する事になるとはな…………」

 

ジェイが呟く。

 

「私達が介入したことで、こんな流れになるなんてね」

 

ルネもその事には意外そうだ。

 

「とはいえ、ウィンダミアに対してはあまり同情も出来んがな。彼らの受けた仕打ちを考えれば、猛る気持ちも分からんでもないが………」

 

「確か、不平等な条約を結ばされた挙句に次元兵器を使われて甚大な被害を被ったんだっけ?」

 

「ああ。だが、無差別に人を巻き込むヴァールを利用するなど、バイオテロも同然だ。数で劣るウィンダミアの苦肉の策かもしれないが、それによって起こる犠牲は、次元兵器の犠牲者の何倍にもなるだろう。とはいえ、次元兵器を使った新統合軍を擁護する気は無いが」

 

「なら、このままデルタ小隊やワルキューレに協力する方向で行くの?」

 

「ああ。だが、あくまで被害を広げない様に動く事が前提だ。」

 

「あはは。私達の戦力って改めて考えると規格外だよね?」

 

「改めて考えなくてもな。というか、各世界を代表するエース級のパイロットが仲間になってる上に、戦力規格外のOG世界の技術まで加われば、鬼に金棒というか、オーバーキルというか………」

 

「むしろジェイアークだけで規格外的な?」

 

「それは否定できん」

 

ルネの言葉にジェイは肯定の意を示す。

だが、改めて考えてみればそれも納得である。

ジェイアークを開発した赤の星を含む三重連太陽系は、宇宙の終焉――ビッグクランチが間近に迫った宇宙に存在していた星系だ。

即ち、その星々の歴史は非常に長いのだろう。

知的生命体の出現時期は分からないが、宇宙の終焉まで残っていた惑星の、それに伴った科学の発展は凄まじいものがあるのだろう。

それ故に、宇宙を存続させるために次に誕生した宇宙から暗黒物質を回収する等という現実離れした発想と、それを行うだけの科学力を持つに至ったのだろう。

そのような科学力を持つ赤の星が開発したジェイアークは、まさしく宇宙でも最高峰の戦艦であり、戦闘ロボットであると言えるのだろう。

まあ、ジェイ達が知る世界には、キングジェイダーすら超えるロボットは居る所には居るのだが。

沈みゆく夕日を背景に、穏やかな時間が流れる。

それは、戦士たちの一時の休息であった。

 

 

 





はい、マクロスΔ編第6話です。
今回はフロンティア勢との再会のお話でした。
まあ、アルトは一発ずつ殴られときました。
ランカの前でボコボコにするわけにもいかんので。
今回も短めですが勘弁を。
それでは次回もお楽しみに。

マクロスΔ編でフロンティア勢は参加する?

  • 参加させてウィンダミアを涙目にしてやろう
  • いやいや、ウィンダミアが可哀想でしょ?
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