転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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Mission 10 ためらい バースデー

 

 

 

本来の流れとは違い、ラグナを守り切ってしまった戦いからまた少し。

故郷が戦争を仕掛けてストレスが溜まっているであろうフレイアの為に、サプライズバースデーパーティーを開こうという話が出てきた。

それで俺達GGGにも声が掛かったのだが、各々がプレゼントを用意するようにというお達しが来た。

まあ、アクセルとかラミアは誕生日プレゼントには疎いだろうし、GGGを代表して1つのプレゼントを贈るという事にした。

その為、俺が恋人達と共にショッピングモールへと出向いてきたのだが、

 

「あら、奇遇ねジェイ」

 

「美雲………」

 

偶然を装っているが、ここ最近行く先々で遭遇する美雲が待ち構えていたかのように声を掛けてきた。

いや、ここまでされて気付かないほど俺は鈍感のつもりはない。

恐らくだが、美雲は俺に好意を持っている。

とはいえ、いつかこの世界を離れる俺からすると、親密になってハイさよならなんて鬼畜な所業は出来ないため、気付かないフリを通している。

美雲は今までの恋人達や仲間達と違い、ワルキューレという明確な絆を持つ仲間達が居る。

俺自身の考えとしては美雲が彼女達と別れを選ぶ事などあり得ない為、必要以上に親密にならない様にしている。

 

「何か買い物?」

 

美雲が問いかけてくる。

 

「ああ。フレイアの誕生日プレゼントを買いにな」

 

「フフ………一緒に行ってもいいかしら?」

 

美雲は妖艶に笑うとそう問いかけてくる。

 

「………まあ、構わないが」

 

断る理由も無いので了承する。

恋人達と共にプレゼントを選んでいると、

 

「む………? あれは………」

 

ラミアが気付いたように声を漏らした。

そちらを向くと、とあるアクセサリー店の前で、ハヤテとミラージュがアクセサリーを吟味していた。

 

「ハヤテさんとミラージュさんですね。2人もプレゼントを選びに来たんでしょうか?」

 

ルリがそう推測する。

 

「だろうな。多分ハヤテは女の子のプレゼントなんて何が良いか分からないだろうし、ミラージュに付き添いを頼んだんだろ?」

 

俺がそう言う。

 

「でも………」

 

ハルがそう言いながら2人を眺め、

 

「傍から見るとデートにしか見えないね!」

 

面白そうにそう言う。

 

「…………同じことを考えている人があそこに約3名」

 

ルネが2人とは別方向を指差す。

そこには、変装して2人を尾行するマキナ、レイナ、チャックの姿が。

 

「まあ、あの2人の関係が気になるのは分からんでもない」

 

俺はそう言うが、

 

「あまりじろじろ見るのも失礼だろ。俺達は俺達で早くプレゼントを選ぼう」

 

そう言ってその場を離れた。

 

 

 

そして翌日のフレイアの誕生日当日。

フレイアを理由を付けて会場であるラグ娘々から離した隙に準備を進め、夕方に待ち構える。

日が落ちた頃にフレイアが戻ってきた。

 

「ただいま~………皆どこかへ行っとるんかな………?」

 

真っ暗なラグ娘々を怪訝に思いながら、フレイアは店内へ足を踏み入れ、

 

――パパパパーン!

 

クラッカーが打ち鳴らされた。

 

「ふわぁああああああっ!? 何っ!? 何ね!?」

 

その音に盛大に驚いたフレイアは叫びながら辺りを見回し、それと同時に照明が点けられ、

 

「せーのっ!」

 

「「「「「「「「「「お誕生日おめでとう!!!」」」」」」」」」」

 

参加メンバーが一斉に唱和する。

それにフレイアが一瞬ポカンとした後、

 

「誕生……日……? ああっ! 今日、私の誕生日!!」

 

思い出したように叫んだ。

 

「ええっ!? 忘れてたの!?」

 

マキナが驚いた声を上げると、

 

「いや~、ここ2、3年、誕生日の度に村長さんからはよ結婚せえって言われて逃げ回っとったから………」

 

フレイアは苦笑いをしながらそう言うと皆から笑いが零れる。

尚、フレイアは本日15歳で2、3年前から結婚しろと言われていたという事は、12、3歳ごろから結婚しろと言われていた事になるのだ。

地球人の感覚で言えば、小学生卒業から高校入学で結婚しろと言われているようなものだが、ウインダミア人の平均寿命が30年であるという事を踏まえると、フレイアの年齢でも遅い位なのだ。

すると、フレイアが参加メンバーを見回すと、少し残念そうな表情が見えた。

それはハヤテの姿が無いからだろう。

因みに俺はハヤテが居ない理由を知っている。

フレイアを驚かすには、フレイアが店の中に入ってからの方が都合が良いからだ。

すると、美雲がバースデーソングを歌い出し、それに合わせて皆も歌い出す。

それに感動したフレイアが涙を浮かべ、全員にお礼を言いながら15歳になった抱負を述べた。

その途中にやっとハヤテが姿を現し、フレイアの表情が見違えて明るくなる。

 

「さーて、パーッと行こうか!」

 

チャックがパーティーの開始を告げようとした時、

 

「皆―! 来て来て!」

 

「こっちこっち!」

 

チャックの弟妹達が店の外を見て叫んだ。

 

「お? 何だ?」

 

その言葉で扉を開くと、そこに広がるのは辺り一面の雪景色。

ラグナでは降らない筈の雪が降り積もっていた。

 

「雪……………雪…………! 雪ピカーッ!!」

 

フレイアは喜びを露にしながら雪が積もった庭へ飛び出す。

フレイアの故郷のウインダミアは一年の大半が雪に覆われており、『雪』とは故郷を思い出させるものだった。

ハヤテが俺に目配せして来たので俺は頷くと、ハヤテははしゃぎ過ぎて雪の中に倒れたフレイアの下へと歩み寄る。

 

「ハッピーバースデー! フレイア!」

 

ハヤテはフレイアの顔を覗き込みながらそう言う。

 

「あっ! ハヤテ!」

 

「待たせたな、フレイア」

 

「?…………あっ、もしかして、この雪、ハヤテが?」

 

フレイアが察したようにそう言うと、

 

「まあな。GGGの皆に協力してもらってな」

 

ハヤテがそう言いながら親指でラグ娘々の店の上側を指すと、店の背後に氷竜、風龍と、ビーグル形態の炎竜、雷龍の姿が見えた。

雷龍の荷台に溜めた水を炎竜がポンプで吸い上げて放出し、風龍が風で舞い上がらせると同時に氷竜が凍らせて雪として舞降らせていた。

 

「誕生日おめでとうございます。フレイアさん」

 

「ハッピーバースデー!」

 

「「生日快乐(シォンリ゛ークァィラ)!」」

 

それぞれが祝いの言葉を述べる。

 

「わぁぁ………皆………!」

 

その言葉に笑みを浮かべるフレイア。

 

「なら次は、俺達GGGからのプレゼントだ」

 

「え?」

 

俺がそう言ってフレイアが声を漏らすと、突如としてドンッ!と砲撃のような音が響いた。

次の瞬間、夜空に花火が上がる。

 

「ふわぁぁぁぁ………!?」

 

フレイアが驚きの声を上げた。

次々と花火が上がる。

因みに花火を打ち上げているのはビーグル形態のゴルディマーグと闇竜だ。

ゴルディマーグはマーグキャノンで大きな一発を打ち上げ、闇竜はミサイルで無数の花火を打ち上げている。

光竜とマイク、ボルフォッグが花火の装填で駆け回っている。

 

「綺麗な花火やね~」

 

フレイアがそう言いながらハヤテを見つめる。

花火から発せられる色取り取りの光が互いの表情を色んな色に染める。

 

「あんがと皆! あんがとハヤテ!」

 

「気に入ったか?」

 

「うん! むっちゃゴリゴリ!」

 

フレイアの喜びを表す様に、フレイアのルンがピンク色に輝いている。

 

「へへっ! ルンピッカピカ!」

 

ハヤテがそう言いながらルンに手を伸ばす。

ウインダミア人にとって、ルンを凝視されたり触られたりするのは恥ずかしい事であり、ハヤテもその事をフレイアから指摘された事が何度かあった。

ハヤテは少し揶揄うつもりでルンに触れたのだが、フレイアはそれを全く意に介さず、ハヤテを見つめ続けていた。

その事に少し戸惑うハヤテ。

すると、フレイアが気持ちを表す様に歌い出した。

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

フレイアの歌声が響く中、ミラージュはハヤテとフレイアの姿を見ながら心苦しそうにしていた。

 

「いいの? このままで?」

 

突然後ろから声を掛けられ、ミラージュはハッとなって振り返る。

そこに居たのはルネだった。

 

「ルネさん………な、何の事でしょう?」

 

ミラージュはとぼける様にそう言うが、

 

「好きなんでしょ? ハヤテの事」

 

その言葉にミラージュは顔を真っ赤にして、

 

「なっ!? いきなり何を……!?」

 

「見てれば分かる。これでも恋愛の先輩だから」

 

「…………………」

 

ミラージュは俯く。

 

「このままだと後悔するよ?」

 

「でも………ハヤテにはフレイアが…………」

 

「それは言い訳。ただ逃げてるだけ」

 

「そんな事………!」

 

「身を引いて諦めるのもミラージュの自由。だけど、それは絶対に後悔する」

 

「ッ………!」

 

「確かに気持ちは通じるか分からない。だけど、何もしなかったら絶対に気持ちは通じない」

 

「それは………」

 

「私はぶつかった。ジェイにハルっていう恋人がいても、ルリが居ても、私はぶつかっていった。結果、今の関係になった」

 

「…………いや、あなた達は特殊なケースであって………」

 

「ランカやルナマリアも、アルトやシンにぶつかっていったよ?」

 

「…………………」

 

「私はただ似た境遇のミラージュに後悔して欲しくないだけ。唯のお節介」

 

「ルネさん…………」

 

「私が言いたいのはそれだけ。私の言葉を如何受け取るかはミラージュの自由。じゃ」

 

ルネは言い終えるとミラージュの傍を離れていく。

 

「後悔………か…………」

 

ミラージュは呟きながらもう一度ハヤテとフレイアに視線を向ける。

 

「………………」

 

その瞳には、先程よりも力が籠っている気がした。

 

 

 

「私、誕生日って祝ってもらった覚えが無いの………」

 

ジェイの隣で美雲が呟く。

 

「………………」

 

「誕生日だけじゃない。両親の顔も、何処で育ったのかも………」

 

「美雲………」

 

ジェイは彼女の名を呟く。

 

「私にあるのは、『歌いたい』という気持ち…………それだけだった………」

 

ジェイはその理由を知っている。

彼女は『星の歌い手』の細胞から生み出されたクローンであり、記憶が無いのも覚えていないのではなく、生み出されたのが3年前だからだ。

 

「美雲……」

 

だが、それをジェイが伝えるわけにはいかない。

 

「でもね、最近になって分かったの。今の私にあるのは、それだけじゃないって………」

 

美雲は熱っぽい目でジェイを見つめる。

 

「………………人は成長する。美雲も例外じゃない」

 

ジェイはそう告げる。

 

「ジェイ………」

 

美雲は微笑む。

フレイアの歌をBGMに優しい時間が流れていくのだった。

 

 

 

 







はい、マクロスΔ編第10話です。
今回はフレイアの誕生日で日常編でした。
マクロスΔ編で勇者ロボが殆ど活躍してないので出してやりたくてこんな感じにしました。
竜兄弟が力を合わせれば雪位降らせれるよね?
と言う訳で次回もお楽しみに。



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