転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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Mission 12 破られる平穏

 

 

 

ウインダミアと統合政府の戦争が始まって約1年。

右往左往しながらも、停戦合意が成され、此度の戦争は終結への道筋を辿っていた。

まあ、こうやって説明している事からも分かる様に、俺達も未だにこの世界に留まっていた。

プロトカルチャーの遺跡を巡る戦いからも原種は現れておらず、度々出現するゾンダーを相手に戦っていた。

ここまで同じ世界に留まるのは、ナデシコの世界以来だろうか?

その戦い以来、戦闘は小規模化し、GGGも戦闘行為には手を貸していない。

デルタ小隊にメッサーも復帰し、ハヤテもパイロットとしての才能を開花させたことで、空中騎士団相手にも互角以上に戦う事が出来る様になったのも理由の1つだ。

因みに相変わらずメッサーは白騎士であるキースとライバル関係にあり、戦場で顔を合わせる度に一機討ちを行っている。

更にハヤテも空中騎士団で赤騎士と呼ばれるほどに成長を遂げたボーグと鎬を削り合い、互いに腕を競い合う良きライバルとなっていた。

ハヤテと言えばフレイアとミラージュとの関係だが、未だにどちらとも正式な恋人とはなっていない。

まあ、ハヤテは原作通りにフレイアに惹かれているようだが、ミラージュは身を引いた原作とは違い、不器用ながらもハヤテにアピールを続けていた。

最後に自分の事ではあるが、あの戦い以来、美雲の好意が限界突破したらしく、所構わず俺に好意をぶつけてくるようになった。

ぶっちゃけ俺も美雲に好意を持っているが、以前にも言った通り、遠くないうちにこの世界を去る為、美雲の気持ちには答えることは出来ないとハッキリと伝えた。

その時には一瞬哀し気な眼をしたが、今でも相変わらずに好意をぶつけ続けてくるので困ったものだ。

そして本日、ワルキューレがウインダミアの王都ダーウェントで停戦記念ライブを開催する事となり、現在ウインダミアに来ていた。

諸事情でマクロス・エリシオンはラグナから動けなかったため、戦艦を持つ俺達が送迎役を買って出たわけだ。

国王であるハインツが演説を行い、続いてワルキューレのライブが始まると共に、デルタ小隊と空中騎士団のパフォーマンスが開始される。

その様子を、ウインダミアの衛星軌道上まで引っ張ってきたオービットベースのメインオーダールームから見ている俺達。

尚、この場に居るのはGGGメンバーだけでなく、スカル小隊のメンバーもいた。

その理由は、

 

「…………お前達は、この式典が終わったらフロンティアに戻るんだったな」

 

アルトがミシェルに問いかける。

 

「ああ。元々ウインダミアとの戦争の為に駆り出されてたわけだからな。停戦が合意すれば、契約もそこまでだ」

 

ミシェルがそう答えた。

 

「そうか…………」

 

アルトが頷くと、

 

「……………お前はやっぱりGGGに残るのか?」

 

今度はミシェルがアルトに問いかけた。

 

「………ああ」

 

少し間を置いてアルトは頷く。

 

「せっかく戻ってきたのにか?」

 

ミシェルがもう一度問いかけると、

 

「……………もし以前この世界を離れた直後だったら迷ってたかもしれない。けど、以前ならともかく、今更あいつらのどっちかを選べなんて言われても、俺には出来ねえよ」

 

アルトは自嘲するように鼻で笑いながらそう言った。

 

「そうか………お前が決めた事なら、俺が口を出す事じゃないさ」

 

ミシェルは少し残念そうにしながらも、アルトの意志を尊重する様だ。

そのまま式典はつつがなく終わりを迎えた。

ワルキューレやデルタ小隊はそのまま王都で一泊。

翌日にフレイアの故郷に里帰りをしてからその更に翌日に帰還する予定だ。

 

 

 

 

そして翌日。

予定通りワルキューレとデルタ小隊はフレイアの里帰りに同行し、楽しい晩餐を過ごしていた。

だが、夜も更けてきたころ異変が発生した。

ウインダミアの大気圏内にフォールド・ゲートが発生。

マクロス級の戦艦がフォールドしてきたのだ。

それを見て、俺はやはり来たのかと悟った。

念の為に発進準備を進めておいてよかった。

 

「ウインダミアにアンノウンが出現した! これよりGGGはアンノウンへの対処及び民間人の救助を行う! 各機は超翼射出司令艦ツクヨミにて発進! マクロス・ブレイバーはオービットベースドッキングモードでいつでも発進できる状態で待機を!」

 

俺はそう指示を出すと、ハルと共にジェイアークへ移動。

マクロス・ブレイバーから分離発進する。

続けてツクヨミもオービットベースから分離して発進した。

更に、マクロス・クォーターも後に続いてくる。

 

「ジェフリー艦長!」

 

『この際だ。我々もお付き合いしよう』

 

俺の言葉にジェフリー艦長はそう返してくる。

 

「感謝する!」

 

一言礼を述べると、大気圏に突入した。

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

 

 

 

地上ではマクロス級のアンノウンから歌と共に黒い艦載機が出撃していた。

ウインダミアもシグル=バレンスと空中騎士団を出撃させ、迎撃に出る。

しかし、アンノウン機は凄まじい機動と運動性を見せつけ、空中騎士団の精鋭を次々と撃破していく。

 

「くっ……! こいつらは………!」

 

白騎士であるキースですらやっと互角に戦っている。

赤騎士であるボーグも、攻撃を凌ぐだけでやっとだ。

王都や周辺の村々にもミサイルが降り注ぎ、少なくない被害が出ていた。

ワルキューレも歌い出し、アンノウンの歌に対抗する。

デルタ小隊も出撃し、迎撃に出たが、先手のMRV弾(多弾頭弾)を発射するも、アンノウン機は被弾することなく避けきって見せる。

 

「ありえねぇっ……!?」

 

ハヤテが驚愕しつつもアンノウン機からの攻撃を必死に躱す。

 

「アンノウン機体内に強力なフォールド反応! 新型ゴーストのようです!」

 

チャックが解析したアンノウン機の情報を伝える。

ゴーストとは無人のバルキリーの事で、有人機とは違い、パイロットが居ないために無茶な機動も可能な機体だ。

だが、

 

「ゴーストだと!? にしてもこの動き……!?」

 

アラドの言葉通り、ゴーストだとしてもアンノウン機の動きは異常過ぎるのだ。

その時、シグル=バレンスから主砲が放たれ、アンノウンのマクロス級に直撃する。

シグル=バレンスの主砲はマクロス級でも直撃すれば一撃で轟沈させる威力を持っているが、アンノウンのマクロス級は次元バリアを展開し、それを防ぎ切った。

すると、アンノウンのマクロス級が強攻型へ変形を開始する。

マクロスキャノンを撃つつもりなのは明白だった。

ハインツはシグル=バレンスを護る為、身体に負担がかかる風の歌を歌い、シグル=バレンスにバリアを展開した。

 

「ッ! ハインツ様の為にも、敵に主砲を撃たせるな!」

 

ボーグがそう叫びながら残った空中騎士団と共にアンノウンのマクロス級へ向かう。

 

「デルタ小隊! 加勢します!」

 

そこへデルタ小隊も加わり、ミサイルの一斉射を放った。

 

「「「「「くらぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」」」」

 

無数のミサイルがアンノウンのマクロス級へ向かうが、ゴーストが更なる小型ゴーストを射出し、ミサイルを全て撃ち落してしまった。

 

「分かれた!?」

 

「散れっ!」

 

その小型ゴーストですら、Sv-262のリル・ドラケンを遥かに凌ぐ機動性を見せ、デルタ小隊と空中騎士団を苦しめ、ザオを始めとした何人かを撃墜する。

 

「ザオッ!? ぐっ!?」

 

ボーグが叫ぶが、自身も攻撃が掠る。

 

「これ以上は………!」

 

キースが小型ゴーストを何機か撃ち落とすが、アンノウンゴースト本体の攻撃に被弾する。

 

「くっ……!」

 

キースの機体が体勢を崩し、止めを刺そうとアンノウンゴーストがバトロイドモードでガンポッドを向ける。

 

「白騎士!」

 

そこにメッサーがカバーに入った。

アンノウンゴーストは即座に変形してその場を離れる。

 

「死神……!」

 

「体勢を立て直せ!」

 

「恩に着る!」

 

キースはメッサーが稼いでくれた時間で機体を立て直し、迎撃に移る。

しかし、カシム、ヘルマンと言った空中騎士団の中でも腕利きのパイロットですら一方的に追い詰められ、撃墜されていく。

そしてついに強攻型へと変形したアンノウンのマクロス級はガンシップをシグル=バレンスへと向け、その砲口にエネルギーが集中していく。

 

『今だ』

 

マクロス級に乗る何者かがそう告げた瞬間、マクロスキャノンが放たれた。

極太のビームが一直線にシグル=バレンスへと向かい、

 

「はぁあああああああああああああああああああっ!!!」

 

上空から急降下して来た黒鉄の巨人が立ち塞がった。

 

「プロテクトウォーーーーーーーールッ!!!」

 

黒鉄の巨人、ガオファイガーが左腕を突き出しながら防御フィールドを展開。

 

「くぅぅぅぅぅぅぅぅっ………!!」

 

衝撃に耐える声を漏らしながらマクロスキャノンを防ぎ切った。

 

「ガオファイガー!?」

 

「GGGか!」

 

「……って事は!」

 

デルタ小隊の面々が驚きの声を上げながら上空を見上げると、ツクヨミとマクロス・クォーターが降下して来た所だった。

 

「GGGの戦艦とマクロス・クォーター!」

 

「援軍か! ありがたい!」

 

ハヤテとチャックが声を上げると、艦載機が発進する。

それは、

 

「これ以上好き勝手は………!」

 

「んもう! せっかくの式典が台無しじゃない」

 

「一体何がしたいんだ! アンタ達は!?」

 

ツクヨミからは空中戦が得意なYF-29、ライン・ヴァイスリッター、デスティニーが。

マクロス・クォーターからはスカル小隊が出撃する。

更に、

 

「オラオラ! 無人機が相手なら遠慮なく攻撃させてもらうぜ!!」

 

続けて降下して来たジェイアークの甲板から攻撃をする勇者ロボ達の姿。

ジェイアークはワルキューレの保護と民間人を護る為に地上へ、他のメンバーはデルタ小隊と空中騎士団の援護に向かった。

 

「こいつら、今までのゴーストとは性能が違い過ぎる………! だがっ!」

 

アルトは魔改造されているYF-29の性能をいかんなく発揮し、アンノウンゴーストを追い詰め、

 

「ここっ!」

 

放ったビームがアンノウンゴーストを貫き、爆散させる。

 

「スピードならライン・ヴァイスちゃんも自信あるのよね~」

 

エクセレンが軽口を叩きながらアンノウンゴーストを超える運動性を見せつけて至近距離でハウリング・ランチャーを突きつけると、実弾を発射してアンノウンゴーストを貫く。

 

「こいつで………どうだ!?」

 

シンがデスティニーの両肩に装備されているビームブーメランを振り被って2つ同時に投擲する。

勿論それは躱されてしまったが、

 

「そこだっ!」

 

シンは回避先にビームライフルを発射。

アンノウンゴーストはピンポイントバリアで防いだが、GSライドで出力の上がったビームは完全には防ぎきれず、バリアを貫通。

片腕を捥ぎ取る。

それでもアンノウンゴーストは体勢を立て直して攻撃を続行しようとした。

だがその時、先程投げたビームブーメランが弧を描いて戻ってきたところで、背後からアンノウンゴーストを切り裂いた。

爆発するアンノウンゴースト。

この世界には、ビームブーメランのような武器は無い。

誘導ミサイルともまた違った軌道で迫ってくるビームブーメランに対する回避プログラムが存在しなかったため、対処ができなかった、もしくは遅れたのだろう。

そしてスカル小隊もブレラを中心として連携でアンノウンゴーストを追い詰め、撃破することに成功していた。

しかし、別方向からのアンノウンゴーストの部隊が迫っていた。

しかも、その機体には反応弾が積まれており、一斉に発射。

複数の反応弾の前にはシグル=バレンスのバリアも耐えきれず、あっけなく沈むのだった。

 

「大気圏内で反応弾を!?」

 

「なんて奴らだ………!?」

 

ミラージュとハヤテが信じられないと言った声を漏らす。

 

「シグル=バレンスが……沈んだ……?」

 

ボーグが呆然とした声を漏らす。

戦争の時からウインダミアの象徴的存在だったシグル=バレンスが沈んだことは、精神的にも痛手だ。

その時、ワルキューレの歌が高まり、敵の歌が止まり、アンノウンゴーストの動きが鈍る。

すると、上空から別の艦影が降下して来た。

それは、マクロス・エリシオンと同型の戦艦だった。

 

「援軍!?」

 

ハヤテが驚いた声を上げると、

 

「ケイオス・リスタニア支部所属のマクロス・ギガシオン!? 何故ここに!?」

 

アラドが識別信号から艦名を突き止める。

マクロス・ギガシオンは、大気圏内にあるにも関わらず、アクロバットな飛び方をして見せた。

800m級とはいえ難しい………

いや、400m級のクォーターでも簡単ではない飛行をやってのけていた。

 

「あんな巨体で………」

 

「あの飛び方……まさか!?」

 

チャックはその飛び方に驚き、ミラージュはその飛び方に見覚えのあるような声を漏らす。

すると、

 

『ギガシオンより各機へ。ウインダミアを離脱する。直ちに着艦せよ』

 

「しかし……!」

 

マクロス・ギガシオンからの通信に、アラドは躊躇するが、

 

『ワルキューレは既にジェイアークが回収した。急ぎたまえ』

 

「……了解……!」

 

アラドは悔しそうにしながらも了承した。

 

「白騎士殿! ボーグ中騎! ついて来られるか!?」

 

空中騎士団で生き残っている2人に問いかけると、

 

「問題ない」

 

「舐めるな!」

 

「フッ、そりゃ失礼。行くぞ! ダメージの大きい者から順次着艦を!」

 

アラドはそう指示する。

空中騎士団の2人もデルタ小隊のそれぞれの機体も、少なくないダメージを負っている。

特にレドームを失うほどの損傷を受けたチャックと、撃墜はされずとも被弾を多くしたボーグの機体が最優先で着艦し、他の機体も次々に着艦していく。

殿はジェイアークと勇者ロボ達が引き受けていたため、追撃を受けることは無かった。

 

「畜生! 逃げるしかねえのかよ!」

 

炎竜が悔しそうな声を漏らす。

 

「仕方あるまい。奴らは大気圏内で反応弾を躊躇いなく使用した。それは、ウインダミアの人間すべてが人質にされたに等しい」

 

氷竜が撤退理由を説明する。

 

「くそっ! それが人間のやる事かよ!」

 

炎竜は鬱憤を晴らす様に掌に拳を打ち付けた。

そのままマクロス・ギガシオンと共に大気圏外へ上昇。

発進準備を進めていたマクロス・ブレイバーと合流し、フォールドで離脱するのだった。

 

 

 

 

 





マクロスΔ編第12話です。
はい、絶対LIVEの序盤です。
絶対LIVE編は3~4話ぐらいになると思います。
まあ、ジェイダーやマイクのディスクMなら簡単にゴーストを全滅させられたんじゃないかってツッコミは無しでお願いします。
それやったらYami₋Q₋reyもあの子も生まれなくなりますんで。
次回から流れも変わるかもです。
お楽しみに。

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