転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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Mission 13 伝説のパイロット

 

 

 

 

突如として現れたアンノウンの勢力にウインダミアは制圧され、俺達は撤退を余儀なくされた。

一時的に退避した宙域で、詳しい状況を知る為にマクロス・ギガシオンへと赴いた俺達は、デルタ小隊、ワルキューレ、スカル小隊の面々と共にブリッジへと上がった。

 

「ラグナ第三戦闘空団デルタ小隊です。艦長、救助していただき、感謝します」

 

「SMSフロンティア支部所属、スカル小隊。同じく救助していただき感謝します」

 

アラドとオズマが代表して礼を述べながら入室する。

 

「現在の状況を確認させて………」

 

アラドがそう言いかけた時、

 

「うおっ!?」

 

ハヤテが驚愕の声を上げた。

そちらを見れば、緑色の肌と、ひときわ大きな頭を持ったゼントラーディ人が存在していた。

 

「ほぇええええええっ!?」

 

余りの迫力にフレイアも声を上げる。

って、このゼントラーディは確か………

 

「この艦のゼントラーディの記録参謀だな」

 

アラドがそう言うと、

 

「んん?」

 

そのゼントラーディがこちらを向き、

 

「エキセドル・フォルモ参謀」

 

ミラージュがその名を呼んだ。

初代マクロスやマクロス7にも出てきたマクロスシリーズの中でも有名なゼントラーディだ。

 

「久しぶりですな、ミラージュ」

 

そのゼントラーディ………エキセドル参謀もミラージュにそう返す。

 

「あなたが居るという事は………」

 

ミラージュはほぼ確信した声で艦長席に目を向ける。

 

「相変わらず右後方の警戒が甘いな、ミラージュ」

 

ミラージュをよく知っているという口調でその人物が言った。

 

「そしてスカル小隊か…………懐かしい名だ」

 

更に懐かしむような口調でそう言う。

 

「まさか………!」

 

アラドが半ば信じられないと言わんばかりに声を漏らす。

その人物は艦長席から立ち上がると、こちらに向き直る。

その人物は、サングラスをかけ、髪の毛も白くなった70代ほどの男だった。

その男は敬礼すると、

 

「マクロス・ギガシオン艦長、マクシミリアン・ジーナスだ」

 

そう名乗った。

マクロスシリーズの中では最強と言われる伝説的パイロット。

衰えを見せてもおかしくない歳だが、なんとも言えないオーラがある様に感じる。

 

「やはり御爺様でしたか………」

 

ミラージュが腑に落ちた表情をする。

 

「おじいさん?」

 

フレイアが聞き返すと、

 

「伝説の天才エースパイロット」

 

「マクロス7船団、バトル7の艦長」

 

「ふぉわぁぁぁぁっ!」

 

マキナとレイナの言葉にフレイアが驚きの声を上げる。

 

「あの伝説のエースパイロットが目の前に………!」

 

「すごい………!」

 

ミシェルやルカも興奮した面持ちだ。

 

「軍を退役されたと聞いていましたが、どうして?」

 

ミラージュが尋ねると、

 

「ケイオスにスカウトされてな……」

 

「レディMの指令で救援に参りました」

 

マックス艦長がそう言うと、エキセドル参謀がウインダミアに現れた経緯を説明する。

 

「本部とは連絡付かない筈………」

 

アンノウンが現れた時、ジャミングが掛けられ何処にもフォールド通信が繋がらなかったのでミラージュが怪訝に思う。

 

「私の脳に直接指令が来たのです。私と同系の別個体はレディMとのフォールド通信係りを務めていましてね」

 

「ラグナも制圧された………」

 

エキセドル参謀の言葉に続き、マックス艦長が驚くべき事実を口にした。

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

その報告に目を見開く面々。

すると、エキセドル参謀の目の前にモニターが開く。

 

「艦長、医務室から収容したウインダミア人の容態が芳しくないと」

 

そう報告するエキセドル参謀。

 

「ヨハン様が………」

 

フレイアが悲痛な声を漏らした。

 

「ハヤテ・インメルマン少尉との面会を望んでいるそうです」

 

「ッ……? 俺と?」

 

ハヤテは、先日会ったばかりの自分が呼ばれる理由が分からず、怪訝な声を漏らした。

 

 

 

 

ヨハンとの面会で、ハヤテは自分の父、ライト・インメルマンがウインダミアに赴任しており、特務諜報員だったことを知らされる。

そして彼の赴任中、星の歌い手の細胞………美雲を生み出す元となった細胞が統合政府の諜報員によって奪われ、ライトはヨハンに協力を要請。

奪われた2つの細胞の内1つを取り戻すことが出来たが、同時期にウインダミアと統合政府の関係が悪化し、返す事も出来なかった。

そのまま細胞はレディMの手に渡り、美雲が生み出されることとなった。

そしてライトは、もう1つの細胞を追い続け、その途中で命を落としたという。

ヨハンは伝えるべきことを伝え終えると、その生涯を終えた。

地球人とは違う、その体から溢れる光と共に。

 

 

 

 

その後、エキセドル参謀からの報告で、星の歌い手の細胞を盗んだ張本人、シドニー・ハントは現在イプシロン財団に身を寄せているという。

イプシロン財団とは、数千の企業を傘下に持ち、黒い噂も絶えない組織だ。

そして、アンノウンは星の歌い手の力を使い、反応エンジンやフォールド兵器の力を大幅に上げている可能性が高いという結論が出た。

その時、銀河ネットワークにウインダミアから映像が発信されているという報告が来て、映像が映し出された。

 

『人類は古代より戦を行い、数々の破壊と殺戮を続けてきた。我々は、『ヘイムダル』! 人類を錆びついた鎖から解放するもの!』

 

「解放?」

 

ハヤテが怪訝な声を漏らした。

 

『我々の目的は、統合政府、新統合軍、PMC、並びに彼らを裏から操るレディMを排除することである。レディMは統合政府に多大な影響を与えてきた影の存在。進んだテクノロジーを禁じ、人類を裏から支配して来たのだ。人工知能、クローンの研究、プロトカルチャーの技術力を制限。全ては、独占するが為に。これらが解放されていれば、避けられた悲劇もあったはずである。ウインダミア王国の反乱もその一つ。レディMはプロトカルチャーが遺した細胞から、美雲・ギンヌメールなる超時空音響兵器を生み出した。制限したはずのクローン技術を使って……』

 

そこまで聞いたとき、俺はカチンと来た。

 

『これ以上横暴を許すわけにはいかない。圧制者共を打倒し、銀河に新たなる時代を築くのだ!』

 

そこで映像が途切れた。

 

「ッ…………」

 

美雲が曇った表情で俯く。

 

「………………くだらない」

 

俺は思わずそう零した。

全員の視線が俺に向く。

 

「何を言うのかと思えば、兵士の視点から見ただけの一方的な偏見だ。確かにプロトカルチャーの技術があれば避けられた悲劇もあっただろう………だが、それによって起こる悲劇も必ずある。そこから目を背けて綺麗ごとを並べただけの、単なる戯言だな」

 

俺はそう言い切る。

そして映像解析の結果、敵の首謀者はイアン・クロムウェル。

『鋼鉄のクロムウェル』の異名で呼ばれた新統合軍人で、『マクロス・アストレア』の艦長を務めていたが、8年前に自艦と共に消息を絶ったとの事だ。

更に映像に映っていたシステムは、シャロン・アップル型量子AIシステムの発展形であると推測し、それに星の歌い手の細胞が使われていると結論付けた。

ウインダミアとラグナを制圧したのは、遺跡のフォールド増幅効果を得るためという理由もあり、最終的には球状星団にある遺跡全てがターゲットになるだろうと予想できた。

 

「レディMからのオーダーだ。敵の計画を阻止し、星の歌い手の細胞を奪還する!」

 

マックス艦長がそう宣言した。

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

マクロス・ギガシオンはマクロス・ブレイバー、マクロス・クォーターと共に反抗拠点となる元ゼントラーディの工場衛星に到着。

ヘイムダルとの交戦で損傷した機体を修理、改修し、VF-31カイロスプラスとして復活させた。

更に空中騎士団ボーグとキースを一時的にデルタ小隊の一員とし、戦力の増強を図った。

そして、機体の慣熟と共に敵ゴーストに対する対策の為、敵データを反映したスーパーゴーストを仮想敵とした模擬戦が行われる。

最初こそスーパーゴーストの速度に翻弄されるが、ワルキューレの歌によって機体の出力が上昇してからは一転、スーパーゴーストの動きに追随し、撃墜判定を与えることに成功した。

スカル小隊も連携を駆使し、撃墜することに成功している。

 

「やった………!」

 

それぞれが撃墜判定を与えた事に安堵の表情を零すが、

 

「いや! 本物はまだまだこんなもんじゃない!」

 

アラドが気を引き締める様に言う。

すると、

 

『その通り!』

 

突然通信に割り込みが掛かった。

すると、レーダーが接近する機影を感知。

 

「YF-29!? 何でブルーのデュランダルが!?」

 

チャックが驚愕の声を漏らすと、

 

「まさか………!」

 

ブルーのカラーリングと聞いて、ミラージュは声を漏らす。

それは、

 

『行くぞ!!』

 

伝説の天才エースパイロット、マクシミリアン・ジーナス。

マックスは機体を加速させるとチャックの機体にペイント弾の嵐をお見舞いする。

 

「うわっ!?」

 

一瞬にして撃墜判定を喰らうチャック。

 

「ッ! なんて風だ! だが!」

 

ボーグは果敢にマックスに挑む。

ハヤテもマックスの機体を狙うが、その前にボーグが割り込み、照準がつけられない。

 

「赤騎士! 邪魔すんな!」

 

「貴様こそ!」

 

元々反りの合わない2人は口喧嘩を始める。

 

「デルタ5! 6! 何を!」

 

ミラージュが止めようとするが、加速していく2人の機体に追いつくことは出来ない。

 

「2人に追いつけない………」

 

既にエースパイロットの域に居る2人に追いつけない事で、壁を感じるミラージュ。

一方連携がままならない2人だが、その動きは並のパイロットの比ではない。

だが、

 

「なあっ!?」

 

いつの間にか死角に回り込んでいたマックスの放ったペイント弾がボーグの機体に撃墜判定を与える。

更にマックスはハヤテを追い詰めていくが、

 

「白騎士!」

 

「分かっている!」

 

メッサーとキースが挟み撃ちでマックスの機体を狙った。

 

『ッ!』

 

完全な不意打ちかと思われたが、マックスは神懸かり的な反応でその攻撃を躱して見せた。

 

「避けた!?」

 

キースが驚愕の声を上げる。

 

「ッ! だが!」

 

「まだだっ!」

 

メッサーとキースはバトロイドモードに変形し、ガンポッドでマックスを狙う。

 

『ほう………死神と白騎士………デルタ小隊と空中騎士団のエースパイロットか…………しかし!』

 

マックスはそう呟くと、機体を操り、エース2人の連携攻撃を信じられない動きで掻い潜って見せる。

 

『その程度の連携では、私を倒すことは出来ないぞ!』

 

2人はパイロットとしては優秀ではあるが、元々敵同士だった故に連携は付け焼刃。

拙い連携の隙はマックス相手では致命的であった。

一瞬の隙を突かれ、ペイント弾を浴びせられるメッサーとキース。

 

「これが………天才エースパイロット………」

 

「これが……伝説の風………」

 

メッサーとキースが呆然と呟いた。

 

「なっ!? メッサーと白騎士があんなにあっさりと!?」

 

ハヤテが信じられないと言った口ぶりで叫んだ。

更にマックスは容赦なくハヤテを狙う。

 

「この動き……メッサーとも白騎士とも違う……! まるで予測できねぇっ……!」

 

小惑星に追い詰められるハヤテ。

バトロイドに変形し、踊るような足捌きで銃弾の嵐を回避するハヤテだったが、

 

『噂のインメルマンダンスか……筋はいい………だが!』

 

マックスもバトロイドに変形すると、ガンポッドを放ちながらハヤテの機体に接近。

一瞬の隙にハヤテ機の腕に脚部を絡め、そのまま投げ飛ばして小惑星に叩きつけた。

ガンポッドを突き付けられたハヤテは動けず、そのままペイント弾を受けて機体が真っ赤に染まった。

マックスは呆然と漂っていたミラージュ機に撃墜判定を与えると、そのまま飛翔。

スカル小隊に向かって飛んでいく。

 

「おいおい、マジかよ? デルタ小隊をたった1機で圧倒するなんて………」

 

ミシェルが驚愕の声を漏らす。

 

「ッ! 来ます!」

 

ルカがマックスの接近を告げる。

 

「各機!  相手はスカル小隊の大先輩だ! スカル小隊の名を継ぐものとして無様な姿は晒すなよ!」

 

「了解……!」

 

「りょ、了解!」

 

「………了解」

 

「ッ! 了解!」

 

オズマの言葉にミシェル、ルカ、ブレラ、クランが返事を返す。

 

『さて、スカル小隊の名を継ぐ者達がどれほどの物か………お手並み拝見と行こう』

 

マックスはそう言うと機体を加速させる。

 

「俺とスカル4で前に出る! お前達は援護しろ!」

 

オズマがそう言うと、ブレラと共に向かって行く。

 

『来るか!』

 

ブレラの放ったビームを最低限の動きで回避すると、反撃のビームを放つ。

オズマとブレラはそれぞれ反対側に避け、回り込むようにマックスの機体に向かい、マックスがその2機に気を向けた。

その瞬間、

 

『ッ!』

 

マックスは咄嗟に回避行動を取った。

その直後、先程までマックスが居た場所をビームが通過する。

 

「今のタイミングで避けられるのかよ………」

 

それは、ミシェルの狙撃だった。

オズマとブレラが気を引いた瞬間、ミシェルの狙撃が撃ち抜くはずだったのだが、マックスはあっさりと対処して見せた。

それでも動揺は見せることなくオズマとブレラが攻撃を仕掛け、

 

「シモン、ヨハネ、ペテロ!!」

 

「そこだっ!」

 

同時にルカの操る3機のゴーストとクランのクァドラン・レアが波状攻撃を仕掛けた。

 

『フッ……いい連携だ』

 

褒めるような言葉を口にしながらも、一見隙の無い攻撃の僅かな隙間を当たり前の様に潜り抜けるマックス。

 

『なるほど、デルタ小隊よりは練度は高い。連携も中々だ。スカル小隊の名を名乗っても恥ずかしくは無い………』

 

すると、マックスはファイターモードに変形すると、ミシェルに向かって一直線に飛んでくる。

 

「ッ!? 行ったぞミシェル!」

 

クランがマックスを追いながら叫ぶと、

 

「一直線に向かってくるだけなら……!」

 

ミシェルはスナイパーライフルを構え、マックスの機体に狙いを定め、ロックオンする。

 

「貰った!」

 

ミシェルが引き金を引いた。

その瞬間、ミシェルの視界からマックスの機体が消える。

 

「なっ!?」

 

ミシェルの放ったビームは何もない空間を通過。

 

「どこにっ!?」

 

マックスを見失ったミシェルはその姿を探すが、

 

「ミシェル! 上だ!」

 

クランが叫んだ瞬間、ミシェルの上からペイント弾が降り注いだ。

 

「がっ!?」

 

突然の攻撃にミシェルは声を漏らす。

マックスは急上昇によってミシェルの視界から外れたため、ミシェルからは消えたように見えたのだ。

 

「ミシェル!?」

 

クランが叫んで動きを止めた瞬間、クランのクァドラン・レアにもペイント弾が降り注いだ。

 

「しまった!?」

 

クランが気付いたときには撃墜判定を受けていた。

 

「そんな! 2人が一瞬で……!」

 

ルカが驚愕の声を上げた時、マックスがルカへと狙いを定める。

 

「うわぁあああああっ!?」

 

ルカが慌てて3機のゴーストで応戦しようとしたが、動揺した状態でまともな操作ができるはずも無く、

 

『フッ………』

 

マックスが不敵な笑みを浮かべ、一瞬で3機のゴーストに撃墜判定を与えると、そのままルカの機体にペイント弾の嵐を見舞った。

 

「くっ………! あっという間に3人も……!」

 

オズマがマックスの技量に舌を巻く。

 

「ッ………! だが!」

 

ブレラがVF-27をマックスの機体に向かわせ、狙い撃つがマックスはそれを避ける。

 

『ほう? 腕はいい………スカル小隊のエースと言った所か………』

 

マックスは興味深げに呟くと、楽しそうな笑みを浮かべる。

ブレラは常人では不可能な機動でマックスの機体に接近、翻弄しようとするがマックスは的確にその動きを見切り、反撃を行う。

 

「チィッ!」

 

ブレラは舌打ちしながら回避行動を取り、反撃を躱す。

ブレラは一度距離を取ろうとしたが、その後ろにマックスが追随し、ブレラを追い詰める。

 

「ブレラ!」

 

オズマが直上から援護の為にペイント弾を放つ。

だが、

 

『甘いな………』

 

マックスは回避行動を取りながらバトロイドに変形。

ガンポッドの狙いを定めると、オズマに向かって放った。

 

「なっ!?」

 

直上からの攻撃をあっさりと回避された挙句、間髪入れず放たれた反撃にオズマは回避が間に合わず、ペイント弾を受けた。

 

「ッ……! オズマ隊長まで………!」

 

ブレラは気を引き締めると、再びマックスへと立ち向かう。

 

「うぉおおおおおおおおおおおっ!!」

 

ブレラはファイター、ガウォーク、バトロイドと変形を繰り返し、果敢に攻撃を仕掛けるも、マックスはその全てに対処して見せる。

 

「何という動きだ………これが本当に生身の人間の動きなのか!?」

 

サイボーグである自分ですら追いつけない反応速度と操縦技術に、ブレラの攻撃は掠りもしない。

 

『中々頑張ったが…………ここまでだ!』

 

マックスは集中すると受けから攻撃に転じる。

 

「ッ!?」

 

ブレラも必死に回避を繰り返すが、まるで詰将棋の様に逃げ場を無くしていき、

 

「ぐっ!?」

 

回避先にあった小惑星の欠片に機体が接触し、バランスを崩す。

その隙を突き、マックスはペイント弾を浴びせかけた。

ペイント弾に染められるVF-27。

 

「これが………伝説のエース…………」

 

ブレラは負けを認めたように脱力し、シートに身を預けた。

 

『こんなところか…………』

 

全ての機体に撃墜判定を与えたマックスは、マクロス・ギガシオンに戻ろうとして、

 

『……………ん?』

 

レーダーが接近する反応を捉えた。

 

『接近する機影………?』

 

マックスがそちらに視線を向けると、接近してくる機体があった。

 

『あれは………赤と白のYF-29?』

 

マックスがその機体を見て呟く。

 

「あの機体は………! アルト先輩!?」

 

ルカがその姿を確認して驚いた声を上げる。

 

「アルト!」

 

ミシェルが呼びかけると、

 

「伝説のエースパイロットに挑めるなんて、滅多にない機会を逃す筈無いだろ?」

 

アルトはそう言うと、

 

「いきなりで悪いが俺の相手もしてもらうぞ!」

 

アルトはそう叫んでYF-29を加速させる。

 

『私に挑むか………いいだろう……!』

 

マックスも不敵な笑みを浮かべて迎え撃った。

マックスは小手調べにファイターモードでガンポッドからペイント弾を放つが、アルトはバレルロールで回避すると、反撃のペイント弾を放つ。

マックスも同じくバレルロールで回避すると、互いにすれ違い、

 

「ここっ!」

 

アルトがバトロイドに変形し、急制動と反転でマックスの背後からペイント弾を見舞う。

 

『フッ………』

 

しかし、マックスは慌てることなく旋回しながらそれを回避し、アルトの機体に向き直ると再びペイント弾を発射。

アルトは直ぐにファイターモードに変形するとその場を離れる。

 

『やるな………だが!』

 

マックスはアルトの後ろに付くと、照準を合わせようとする。

機体が同じならば後は腕の差。

マックスはそう思っていた。

だが、

 

「させるか!」

 

アルトは更に機体を急加速させ、マックスの追撃を振り切る。

 

『何………!?』

 

自身のYF-29とは明らかに違うスピードに珍しく驚いた声を漏らすマックス。

 

『………なるほど、見た目はYF-29だが中身は別物のようだな………』

 

それでもすぐに冷静さを取り戻し、アルトのYF-29が既存の物とは違うものだと察する。

 

『面白い………!』

 

それでもマックスは不敵な笑みを崩さず、それどころか楽しそうな口調だ。

再び向かってくるアルトに、マックスは迎え撃ち、ファイター、ガウォーク、バトロイドの全ての形態を使い、高速機動戦闘を展開。

武装がペイント弾だけとはいえ、互角の戦いを繰り広げる。

 

「流石伝説のパイロット! この改修されたYF-29でも攻めきれない!」

 

『いい機体だ! パイロットの腕も申し分ない! だが、やすやすと倒される私と思うな!』

 

戦いは激しさを増し、掠り合う攻撃も出てくる。

だが、どちらも決定打はなく、紙一重の駆け引きが続いていた。

膠着状態がしばらく続いていたが、

 

「勝負だ!」

 

『受けて立とう!』

 

アルトの言葉にマックスが応え、互いにバトロイドでガンポッドを撃ち合いながら接近。

 

「うぉおおおおおおおおおおっ!」

 

『おおおおおおおおおおっ!』

 

互いに殴れるほどの至近距離まで接近してガンポッドを突きつけ合い、

 

「『ッ………………!』」

 

一瞬の交錯の直後、同時にペイント弾を発射。

互いにペイント弾の色に染まった。

 

「相打ちか…………」

 

アルトは残念そうに、だが、何処か満足そうに呟く。

 

『…………機体性能の差があるとはいえ、この私に撃墜判定を与えるとは…………』

 

マックスは感心した様子でアルトを見据える。

 

『見事だ』

 

マックスはそう言ってアルトを褒めたたえた。

 

「伝説のエースパイロットにそう言ってもらえるとは、光栄だね」

 

そう言われたアルトの口元に笑みがこぼれたのだった。

 

 

 

 

 






はい、マクロスΔ編第13話でした。
皆さんお待ちかねのマックスの登場です。
模擬戦ではスカル小隊とアルトも追加。
マックスの技量は映画で見ても圧倒的でしたからね。スカル小隊やブレラでもこんなもんかと。
そして魔改造YF-29に乗ったアルトとは引き分けに。
魔改造されたYF-29のアルトと引き分けるマックスが凄いのか、魔改造されたYF-29に乗ってたとはいえマックスと引き分けたアルトが凄いのかどっちでしょうね?
さて、次回はいよいよ彼女達が登場。
更には…………
お楽しみに。

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