転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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PHASE―02 不死鳥

 

 

 

ユニウスセブンに向かうミネルバを見送った俺達。

 

「……………ジェイ、どうするの?」

 

ハルが俺に問いかけてくる。

 

「先ほども言ったが、これは人と人との争いだ…………先ほどのデータを閲覧するときに、エヴォリュダーの能力でハッキングを掛けてこの世界の兵器について調べたが、この世界の兵器は、戦術機に比べればかなり性能が良いが、それでもこのジェイアークは頭が二つ三つ飛びぬけている。このジェイアークがどこかの陣営につけば、戦力ではその陣営がほぼ勝ちが確定すると言っていい位にな………」

 

「うん…………この世界のパワーバランスを簡単に崩しちゃうって事だよね………」

 

「そうだ。故に俺達は力を振るう相手を間違えてはならない。この世界の『人』の敵は、同じ『人』なのだから…………」

 

「うん……………」

 

ハルは頷くが、その表情は暗い。

多くの人が死ぬのを見るのが辛いのだろう。

 

「…………………だが」

 

俺は言葉を続ける。

 

「今回の様に、何の罪もない者達が大勢死ぬ場合は話が別だ」

 

「ッ……! ジェイ?」

 

ハルがハッとなって顔を上げる。

 

「俺とて何の関係も無い人達が大勢死ぬと分かっていて思うところが無いわけじゃない。戦争に手を貸す気は無いが、理不尽に命が失われるのなら、救える命は救おうと思っている」

 

「ジェイ!」

 

ハルは嬉しそうな顔をした。

 

「とはいえ、手を出さないに越したことは無いがな。一先ずは彼らの様子を見て、間に合いそうにないなら介入する」

 

まあ、多分4分割が限界なんだろうけど…………

俺はジェイアークの行き先をユニウスセブンに向けた。

 

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

ユニウスセブンに向かったミネルバが、間もなくユニウスセブンの宙域に到着するという時、先にユニウスセブンに到着し、メテオブレイカーによる破砕作業を行おうとしていたジュール隊から緊急連絡が入った。

ユニウスセブンで複数のザフト製MSジンによる襲撃を受けているという報告だった。

更にボギーワンと強奪されたMS、カオス、アビス、ガイアも接近している事を知る。

ミネルバは急遽、戦闘装備による出撃に変更。

白いザクを駆るレイ。

赤いザクを操り、メイリンの姉であるルナマリア・ホーク。

インパルスのパイロット、シン・アスカ。

そして、オーブ所属でありながら作業の手伝いがしたいと申し出、特例で緑のザクを借りることになったアレックスことアスラン・ザラ。

4機のMSがミネルバから出撃した。

ザフト、テロリスト、ボギーワンの三つ巴の戦いとなり、混戦となるが、何とか幾つかのメテオブレイカーの起動に成功し、ユニウスセブンを二分割する。

しかし、それでも大きすぎるため、更なる破砕作業を続けた。

そしてある時、ミネルバからの説得が通じたのか、カオス、アビス、ガイアはボギーワンに撤退していく。

 

「漸く信じてくれたか………」

 

ギルバートはそう零すが、

 

「そうかもしれませんし、別の理由かもしれません」

 

タリアはそう言った。

 

「別の理由……?」

 

ギルバートが問い返すと、

 

「……高度です」

 

「あっ……!」

 

タリアの言葉にアーサーがハッとなる。

 

「ユニウスセブンと共に、このまま降下していけば、やがて船も地球の引力から逃れられなくなります。我々も、命を選ばねばなりません………助けられる者と……助けられない者を………」

 

「艦長………」

 

ギルバートにも、タリアの言葉が苦渋に満ちた決断であることは理解できた。

 

「こんな状況下で申し訳ありませんが、議長方はボルテールへお移りいただけますか?」

 

「え……?」

 

タリアの言葉にギルバートは怪訝な声を漏らすと、

 

「ミネルバは、これより大気圏に突入し、限界までの艦首砲による対象の破砕を行いたいと思います」

 

「ええっ!?」

 

続いて出てきた言葉に、アーサーを始めとしたブリッジ乗員が驚いた表情をした。

 

「か、艦長………それは………」

 

アーサーが狼狽えた声を漏らす。

とても危険な事だと考えるまでもなくわかることだからだ。

 

「何処まで出来るかはわかりませんが、でも出来るだけの力を持っているのに、やらずに見ていることなど、後味悪いですから………」

 

「タリア……しかし………」

 

「私はこれでも運の強い女です。お任せください…………」

 

タリアの言葉に、確かな覚悟を感じたギルバートは、少しの沈黙の後、頷こうと顔を上げ………

 

「……………わかっ『その役目、俺達に任せてもらおうか!』ッ!?」

 

突如として割り込んできた通信にハッとなった。

ミネルバのすぐ横を、ジェイアークが追い越していく。

 

「ジェイアーク……!?」

 

タリアが驚いた表情でその名を呼んだ。

メインスクリーンにジェイの姿が映し出される。

 

「あなたは………!」

 

「ジェイ殿!」

 

タリアとギルバートが叫ぶと、

 

『ユニウスセブンの破壊は、このジェイアークに任せてもらおう』

 

その言葉に、

 

「あなた達が破砕作業を………!? でも…………」

 

タリアがそんな危険な役目を任せるわけにはいかないと声を上げるが、

 

『勘違いするな。『破砕作業』ではない。『破壊』すると言ったのだ』

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

その言葉に驚愕するミネルバのブリッジ要員達。

 

「待って! 今は3分割まで割ることが出来たと言っても、かなりの大質量よ!? そんなものを破壊できるというの!?」

 

タリアが問いかけると、

 

『可能だ』

 

ジェイは迷いなく答えた。

 

「ッ………!?」

 

その答えに思わず絶句するタリア。

 

「………………」

 

タリアはギルバートに視線を向け、どうするかを目で伺った。

 

「………………」

 

ギルバートは一度思案するような表情をして、

 

「君達は、何処の陣営にも協力しないと言っていた………何故手を貸してくれる気になったのだ?」

 

そう問いかけた。

 

『確かに人と人との争いに手を貸す気は無い…………だが、何の罪もない大勢の人間が犠牲になるのを黙って見ていられるほど、薄情な人間でも無いつもりだ。例えこの一撃が、新たな戦乱を呼ぶ切っ掛けになったとしてもな』

 

ジェイはそう答える。

 

「……………………」

 

ギルバートはジェイの目を見つめると、

 

「…………任せていいかね?」

 

「議長!?」

 

ギルバートの判断にタリアが驚いた声を上げた。

 

「ミネルバの艦首砲でも、完全な破壊は難しいだろう………ここは、彼らに任せてみようではないか」

 

ギルバートはそう言う。

 

「…………それが、議長の判断であるのなら………」

 

タリアは渋々と言った様子で了承する。

ギルバートはメインモニターに映るジェイに向き直ると、

 

「そう言う訳だ。お願いしたい」

 

『了解した。ならば、直ちにユニウスセブンに居る全部隊を下がらせろ。巻き込まれるぞ』

 

「わかった………タリア」

 

ギルバートはタリアへ呼びかけ、

 

「…………全軍に通達! これよりジェイアークがユニウスセブンを破壊する。各機は直ちに退避せよ! 繰り返す! ユニウスセブンで作戦行動をしている機体は、直ちに退避せよ!」

 

タリアが全軍へ呼びかけた。

 

 

 

 

 

ユニウスセブンでテロリストのMSジンと戦っていた、インパルスのシンや、ザクのアスランは受け取った報告に驚愕していた。

 

「撤退だと!? この状況で!?」

 

アスランが信じられないと言わんばかりに叫ぶ。

すると、

 

「ユニウスセブンを破壊………? ジェイアークが………!?」

 

続けて受け取った報告に、シンが驚愕の声を漏らした。

 

「彼らが………!?」

 

アスランも驚く。

彼らが機体を振り向かせると、白亜の戦艦が前進しているのを目撃した。

 

 

 

 

 

ジェイアークのブリッジで、ジェイがユニウスセブンを見据える。

 

「数多の嘆き悲しむ魂達よ…………不死鳥の炎に抱かれて眠るがいい…………」

 

ジェイは目を伏せて祈る様にそう呟くと、目を見開き、

 

「ジェイクォォォォォス!!!」

 

その名を言い放った。

ジェイアークの艦首部分に取り付けられていた巨大な錨、ジェイクォースが射出と同時に炎に包まれ、火の鳥となって羽搏いた。

火の鳥は一直線にユニウスセブンに向かっていく。

その様子は、多くのMSパイロットが目撃していた。

アスランやシンも同じくだ。

 

「あれはっ………!?」

 

「火の………鳥…………!?」

 

見たことも無い武装に驚愕の声を漏らす2人。

そして、その火の鳥が一番大きなユニウスセブンの欠片に飛び込むように羽搏くと、次の瞬間、ユニウスセブン全体に瞬く間に罅が広がる。

 

「なっ!?」

 

アスランが思わず声を漏らした。

火の鳥が飛び込んだ場所とは反対側から飛び出ると、火の鳥は弧を描き次の欠片に飛び込み、同じように瞬く間に罅が広がる。

そして、火の鳥が再び飛び出し、最後の欠片に飛び込むと、これも同じく罅が全体に広がり、数秒後に全ての欠片が同時に爆発。

粉々に吹き飛ばされた。

その様子を信じられない様子で眺める者達。

 

「何なんだよ………これ…………?」

 

シンが現実を否定したいと言わんばかりに呟いた。

火の鳥が羽搏いて戻っていくと、再びジェイアークの艦首に収まる。

 

「…………………………ッ!?」

 

ミネルバでその様子を見ていたタリア達もまた、絶句していた。

 

「まさかこれほどとは……………」

 

ギルバートも予想外だと言わんばかりの表情だった。

そしてそれは、テロリスト達も同じだ。

 

「な、何という事だ……………」

 

「我らの悲願が…………」

 

だが、彼らが感じたのは、驚きよりも怒りだった。

 

「よくも…………よくもぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

2機のジンがジェイアークに向かっていく。

 

「しまった! ジェイアークに!」

 

シンが気付くが、距離が離れすぎている。

 

「………………………」

 

ジェイアークのブリッジで、ジェイは向かってくるジンを見据えていた。

 

「……………ッ!」

 

ジェイは一度目を伏せ、何かを考えた後、目を見開いた。

 

「フュゥゥゥゥジョンッ!!」

 

ジェイは飛び上がり、指揮壇後方の鳥型のエンブレム部分からジェイバードへ融合する。

 

『ジェイバード! プラグアウト!』

 

ジェイアークの艦橋と砲台部分が分離、上昇する。

更に変形し、人型を成した。

 

「ジェイダー!! プラズマウイング!」

 

その様子を目撃したアスランとシンは、

 

「変形した!?」

 

「艦橋と砲台がMSに!?」

 

驚愕の声を漏らす。

だが、

 

「コケ脅しをぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

テロリストのパイロット達は臆さずにジェイダーに向かって斬機刀を構えて突撃していく。

 

「我が娘のこの墓標! 落として焼かねば世界は変わらなかった!」

 

テロリストの1人が嘆くように叫びながら、ジンが斬機刀を振り下ろした。

 

『…………………………』

 

ジェイダーは無言で左手を上げると、素手で斬機刀を受け止めた。

だが、更にもう1機のジンがジェイダーに向かい、

 

「ここで無残に散った命の嘆き忘れ、撃った者らと何故偽りの世界で笑うか! 貴様らはぁっ!!」

 

その言葉と共に斬機刀を振り下ろす。

 

『………………………』

 

だが、ジェイはそれもまた右の素手で受け止めた。

 

「何故気付かぬかぁっ!! 我らコーディネイターにとって、パトリック・ザラの取った道こそが、唯一正しきものとぉっ!!」

 

止められても尚テロリストは叫び続ける。

 

「ッ!?」

 

その叫びを聞いたアスランは絶句した。

彼らの言ったパトリック・ザラとはアスランの父親であり、前大戦においてプラントの議長を務め、戦争を激化させた張本人の1人であるからだ。

すると、

 

『………………同情はしよう』

 

そこで初めてジェイダーは口を開いた。

 

『大切な者を奪われ、怒り、猛り、憎む気持ちも分からんでもない……………だがな』

 

ジェイダーは一度言葉を区切ると、

 

『貴様らの八つ当たりに巻き込まれる者達にとっては堪ったものではないぞ……!』

 

その言葉と共に2機の斬機刀を引いてバランスを崩し、同時に両手を裏拳の様に放って2機を同時に吹き飛ばした。

2機は吹き飛ばされるも体勢を立て直し、

 

「貴様ぁっ! 我らの復讐を八つ当たりと愚弄するか!?」

 

そう叫びながら再び向かってくる。

 

『八つ当たり以外の何者でもないだろう。ユニウスセブンに核を撃った者。命じた者。その者達に対する報復ならば正当な復讐だ。止める気は無い。だがな、そいつらと同じナチュラルだからと言って、何の関係も無い者達を巻き込もうとした時点で、それは復讐などではなく、単なる八つ当たりに成り下がる』

 

「ッ…………!?」

 

ジェイダーはプラズマソードを展開し、

 

『お前たちのやっていることは、行き場のない感情を誰かにぶつけたいだけの、単なる八つ当たりだ!』

 

瞬時に2機のジンの四肢を切り落とした。

 

『頭を冷やして、今一度自分の行ったことを顧みるがいい………』

 

ジェイダーはそう言ってプラズマソードを消すと、ジェイアークの方に戻っていくのだった。

 

 

 

 

 






種死編第2話です。
ユニウスセブンはジェイクォースで粉々にされました。
そしてサトーさん達にもお説教。
ここでジェイダー出すつもりは無かったんだけどなぁ………?
何かこうした方が良かったと思ったので。
多分次回はまた時間が飛びます。

この小説のヒロインについて

  • ハル1人だけで十分
  • 異世界毎にヒロイン増やしてハーレム戦艦に
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