転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
【Side 三人称】
襲撃は退けたとはいえ、敵に拠点の居場所を知られたため、すぐに拠点は放棄。
別の場所に戦力を集めることとなった。
マクロス級を始めとした戦艦が次々とフォールドアウトしてくる。
それぞれの艦長が通信で集まり、作戦会議を開く。
その中には、マックスの顔見知りも多く、共に戦えることを喜んでいた。
作戦は、敵が開いたスーパーフォールドゲートを使い、ウィンダミアにフォールドする事。
そして、現在位置から一番近いのは、惑星アルヴヘイムであった。
作戦前の僅かな時間。
カナメはメッサーと話していた。
「アルヴヘイム………」
メッサーが呟く。
「…………ウィンダミアとの戦いの時にも来たけど、その時はまだメッサー君の意識が戻ってない時だったからね」
カナメがそう言うと、
「カナメさん……………」
メッサーがカナメを見つめる。
「どうしたの? メッサー君」
「感謝しています、カナメさん。俺が今こうして生きていられるのは、カナメさんのお陰です」
アルヴヘイムは新統合軍時代にメッサーが駐留していた惑星で、そこでヴァールシンドロームに感染してしまったが、結成して間もなかったワルキューレの………カナメの歌にメッサーは救われたのだ。
「いきなりどうしたの?」
突然感謝の言葉を口にしたメッサーに、カナメは若干の戸惑いを見せる。
「いえ、アルヴヘイムと聞いて、あなたの歌に救われた事を思い出しました」
「そんな………私は別に………」
カナメは恥ずかしくなったのか、頬を染めて視線を逸らす。
「あなたは必ず俺が護ります。だから思いっきり歌ってください」
「メッサー君………」
「俺はあなたを護ります。いつまでも………あなたの傍で…………」
「ッ……………!?」
まるでプロポーズのような言葉にカナメは顔を赤くする。
いや、それはメッサーにとって精一杯の告白なのだった。
作戦が開始されるに伴い、ミラージュはデルタ小隊の正式な隊長として任命される。
作戦は、アルフヘイムの防衛部隊を先鋒の部隊で足止めし、ワルキューレの歌で戦艦のフォールドドライブをブーストさせ、スーパーフォールドゲートに突入。
ウィンダミアへフォールドすることに成功した。
だが、ウィンダミアへ辿り着いたとき、ヘイムダルの旗艦であるバトル・アストレアが強攻型で衛星軌道上まで上昇してきており、Yami₋Q₋rayの歌が響き渡っていた。
更にウィンダミアの遺跡の上空にもう1つのスーパーフォールドゲートが出現。
その向こうには、亜空間に囚われているメガロード-01の姿があった。
更にバトル・アストレアがマクロスキャノンを向けている。
『時は来た! 我らの悲願、今こそこの手で!!』
バトル・アストレアの艦長であり、今回の事件の首謀者であるイアン・クロムウェルが宣言し、バトル・アストレアの各部にYami₋Q₋rayの姿が浮かび上がる。
「レディMを護れ!!」
マックスが叫ぶと、
「オペレーション・ディーバ! 始動!!」
アラドが叫んだ。
すると、ワルキューレの歌声に交じり、シェリルとランカの声が聞こえて来た。
シェリルとランカがワルキューレと共に歌っているのだ。
彼女達が放つフォールドウェーブがYami₋Q₋rayの歌を圧倒し、無効化し、スーパーフォールドゲートを閉じた。
『バジュラ戦役の歌姫達が出てくるとは…………』
イアンの隣に居たシドニー・ハントは意外そうにそう言うが、その言葉にはどこか余裕が伺えた。
「敵の歌は封じ込めた! 一気に行くよ!」
デルタ小隊の隊長となったミラージュが言う。
「スカル小隊! デルタ小隊に後れを取るな! 全機! 突撃ラブハート!!」
「「「「了解!」」」」
スカル小隊隊長のオズマも攻撃のフォーメーションを指示する。
とはいえ、経験豊富なオズマの指揮に比べ、ミラージュは隊長として初めての戦闘なので、戦いながらうまく指揮を執ることが出来ず、判断ミスをすることが目立つ。
「ッ………! やはり私には………!」
どうしてもアラドやオズマと比べて劣っている自分には隊長など無理だという考えが過る。
「ッ! ミラージュ! 後ろだ!」
「ッ!?」
慣れない指揮と戦闘を両立していた所為で、警戒がおろそかになり、後方から接近するSv-303に気付かなかった。
ハヤテの声で気付くが遅い。
Sv-303の銃口が輝き、
「ブロウクンファントム!!」
回転する拳に貫かれて爆散した。
「ッ!? ガオファイガー!」
ミラージュが叫ぶと、
「大丈夫? ミラージュ」
「ルネ……感謝します」
ミラージュは助けてくれたことに礼を言うが、
「気にしなくていい。あと、いくら隊長だからって誰かの真似をする必要は無い」
「えっ………?」
「隊長にもいろいろなタイプが居る。自分から最前線に飛び込んで皆を引っ張っていく隊長。後方で的確な指示を出して部隊を動かす隊長…………因みに私は………」
ガオファイガーがそう言いながら飛翔し、Sv-303に真正面から突撃。
「ドリルニー!!」
膝のドリルで粉砕しながら貫いた。
だが、その周囲からSv-303が集まって来た。
しかし、
「ウルテクビーム!!」
「双頭龍!!」
「シェルブールの雨!!」
「超分身殺法!!」
勇者ロボ達の攻撃が全て破壊する。
そして、
「『勇気』で皆を引っ張っていくタイプの隊長………かな?」
ガオファイガーが集う仲間達を背にそう言った。
「…………………………」
それを呆然と見つめるミラージュ。
「ミラージュは自分の『隊長』を見つければいい。ミラージュは、自分が思ってる程弱くは無いよ」
ガオファイガーはそう言うと、別の戦域へ向かって行った。
「私の………『隊長』…………」
ミラージュはそんなものがあるのかと呟くしか出来なかった。
「敵の歌を封じ込めている内に叩く! 全軍! マクロスキャノン発射用意!!」
マックスが命令を下すと共に、全てのマクロス級がトランスフォーメーションを開始。
マクロス・ブレイバーとマクロス・クォーターもその中に混じっている。
全てのガンシップの砲口がバトル・アストレアへと向けられる。
『………………………』
その状況でも、イアンやシドニーを始めとしたバトル・アストレアの乗組員達は落ち着いていた。
「エネルギー充填130%!」
「全艦! マクロスキャノン発射!!」
マックスの号令と共に、幾条ものマクロスキャノンの閃光がバトル・アストレアへと殺到する。
それらはバトル・アストレアに直撃し、成層圏まで達するほどのキノコ雲を作り出すほどの大爆発を起こした。
並のバトル級なら跡形も残らない威力。
マックス達は、着弾地点を注視していたが、
「ッ!?」
次の瞬間目を見開いた。
爆炎の中にバトル・アストレアのシルエットが浮かび上がり、無傷の姿を現したからだ。
「馬鹿な!? マクロスキャノンの一斉砲撃で無事で済むはずが………!?」
オズマが驚愕の声を上げる。
「ッ!? 敵艦の次元バリアが復活しています! それに、敵の生体フォールド波が増大している!?」
ルカが即座に原因を探る。
バトル・アストレアの各部にはYami₋Q₋rayが腰掛けていたが、それだけでは無かった。
聴こえてくる歌に、今までに無い声が混じっていたのだ。
「ッ…………!? まさか、この声!?」
最初に気付いたのはアルトだった。
そして、
『私の歌を聞きなさい…………!』
そこに現れたのは、暗い金髪で黒いベールと黒いドレスを身にまとい、白目と黒目が反転したシェリルに似た妖艶な姿の女性と、
『皆抱きしめてあげる…………地獄の底まで!』
暗い緑の髪のロングヘアーと牙のようなギザギザの歯が特徴で、体中に黒いベルトを巻いたような服装のランカに似た少女の姿だった。
「あれはっ!?」
ミシェルが思わず声を上げた。
「シェリルとランカを元にしたヴァーチャロイドか!?」
クランもそう察する。
『『『『『『『♪♪♪♪♪♪♪♪♪~♪』』』』』』』
闇シェリルと闇ランカがYami₋Q₋rayと共に歌い出すと、シェリルとランカ、ワルキューレの放つフォールド波が押し返されていく。
「ううっ! 敵の生体フォールド波が、更に強力に………!」
レイナが苦しみながらデータを表示する。
「くっ……! 舐めた真似してくれるじゃない………!」
シェリルも強い言葉を口にするが、その表情は苦しそうだ。
『素晴らしい……! これが覚醒したセイレーンシステムの力………! まさかバジュラ戦役の歌姫達の力すら己の物とするとは………!』
シドニーが興奮した声を上げる。
『最早奴らに用は無い! ワルキューレを………レディMの忌々しい女神共と、古き時代の歌姫を葬り去るのだ!!』
イアンの宣言と共に、バトル・アストレアが再びマクロスキャノンの発射体勢に入り、Yami₋Q₋rayと闇シェリル、闇ランカの歌によって再びスーパーフォールドゲートが開く。
しかし、
「ッ!? この角度………!」
マックスがあることに気付いた。
「拙い! ウィンダミア星の自転によって、射撃ラインがズレた!」
アラドが起きた出来事を叫ぶ。
ウィンダミア星の自転によって遺跡の位置が地平線を越え、スーパーフォールドゲートの開いた位置がバトル・アストレアから見て地平線に掛かる位置までズレてしまったのだ。
「あの位置から、ハイパーマクロスキャノンでメガロードー01を攻撃すれば………!」
エキセドルが危機感を感じながらシュミレーション結果を表示する。
その結果は、ハイパーマクロスキャノンがウィンダミア星の地表を抉り、甚大な被害が予想される結果となった。
「ウィンダミアがっ……!?」
その結果を聞いたアラドが驚愕し、
「何だとっ!?」
「ッ………!」
ウィンダミア出身であるボーグとキースは言葉を失う。
「キャノンの発射を止める方法はねえのかよ!?」
「敵艦内部のシステムを破壊するしかない!」
ハヤテが問いかけ、マックスが答える。
「でもどうやって!?」
ミラージュも問いかけた時、
「その役目は俺達に任せてもらおう!」
ジェイがそう言った。
「GGG!」
アラドが叫ぶ。
「こちらの戦力で敵の防衛線を突破! 次元バリアをガオファイガーのディメンジョンプライヤーで破り、ガンシップを破壊し、敵のシステムを掌握する! マクロス・ブレイバーが敵艦に接触出来れば、ルリの力ならハッキングが可能だ!」
ジェイの言葉に、
「ですが、敵艦の次元バリアの強度はシグル=バレンスよりも上です。今のままではディメンジョンプライヤーでも破れるかわかりません」
クリスが続ける。
「やはり、ワルキューレ達の歌で敵の次元バリアを弱体化させた方が成功率は上がります」
フェルトもそう言った。
すると、
「デルタ小隊はGGGと共に敵艦へ! マクロス・ギガシオンの直掩はスカル小隊に!」
アラドがそう指示した。
『『『『『『了解!』』』』』』
アラドの指示にデルタ小隊は迷いなく返事をする。
「ならば往くぞ! フュゥゥゥゥゥジョン!」
ジェイが飛び上がってジェイバードと融合。
「ジェイバード! プラグアウト!!」
ジェイバードがジェイキャリアから分離し、上昇。
ジェイキャリアが艦首後方から折れ曲がり、巨大な胴体と脚部を形成。
「メガッ……フュゥゥゥゥゥジョン!!」
ジェイバードが分離変形し、頭部と両腕を形成、変形したジェイキャリアの各部にドッキングする。
最後に右腕にジェイクォースがドッキングして、艦橋部分がせり上がってデュアルアイが現れ、額にJジュエルが輝く。
「キングッ………ジェイッ……ダァァァァァッ!!」
全長101mのジャイアントメカノイドが姿を現す。
今、銀河の命運を賭けた戦いが始まろうとしていた。
はい、マクロスΔ編第15話です。
Yami₋Q₋rayに引き続いて闇シェリルと闇ランカを出してしまいました。
これはマクロスΔ編に入ると決めた頃から考えていたネタです。
まあ、予想や期待してた方もそれなりに居るでしょうが………
決め台詞はあんなんで良かったですかね?
次でマクロスΔ編が終わる…………かなぁ?
もしかしたらエピローグでもう一話入るかも………?
と言う訳で次もお楽しみに。