転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
【Side 三人称】
キングジェイダーを先頭に、GGGの機体がバトル・アストレアへと突撃する。
Sv-303が反応弾を放ってくるが、
「メーザーミサイル!」
「ソードブレイカー!」
「青龍鱗!」
「それそれそれ~!」
「烈火刃!」
各々が迎撃し、直撃する前に全てを撃ち落す。
しかし、反応弾の爆発が行く手を遮る様に広がるが、
「イレイザーヘッド!!」
超竜神が放ったイレイザーヘッドが爆炎を全て除去する。
その程度でGGGの進撃を止めることは出来ない。
しかし、
「…………ワルキューレ達は………まだ押されているか………」
ジェイが呟く。
闇シェリルと闇ランカが加わったYami₋Q₋rayの歌は凄まじく、ワルキューレやシェリル、ランカも歌ってはいるが、完全に抑え込まれている。
「くっ………!」
「このままじゃ、歌が届かない……!」
美雲やカナメが悔しそうな声を漏らす。
「ハヤテ………皆…………」
フレイアは戦うハヤテ達を見つめる。
ハヤテも、ミラージュも、メッサーも、チャックも、そしてボーグやキースも。
ウィンダミアを護ろうと必死で戦っている。
その時、フレイアの脳裏には、死の間際のヨハンの言葉が蘇っていた。
『激しすぎるルンの輝きは命を縮める………よく考えるのです………何の為に生き、何のために………歌うのか…………』
「何の為に生き、何の為に歌うのか……………!」
ヨハンの遺言を口にするフレイア。
「フレイア?」
その言葉に美雲が振り返る。
すると、
「あきらめない あきらめない あきらめない…………どこまでも…………!」
ルンを輝かせながら、フレイアが歌を口遊む。
それと同時にフレイアの体が仄かな光を放った。
更にフレイアの結晶化が少し広がる。
「フレイア!?」
「いけない!」
カナメと美雲が叫びながら止めようとする。
すると、
「何の為に生き、何の為に歌うのか………」
再びその言葉を口にするフレイア。
「フレイア?」
美雲が声を漏らすと、
「私にとって、『生きる』って事は、ワルキューレとして歌うって事なんよ!」
フレイアは力強くそう言う。
「ワルキューレとして、皆と生き続けたい! ここで歌わんかったら、『生きとる』って言えへん!」
「「「「ッ!」」」」
「ワルキューレとして、皆と生き続けたい……! 全力で生きて……! 全力で歌って……! 全力で……愛して!」
フレイアのその言葉は、ハヤテ達にも届いていた。
「全力で………!」
「フレイア……!」
ハヤテとミラージュが呟く。
「生きて……! 生き抜いて……! 絶対生きたい!! 絶対!!!」
手にWの形を作りながら、フレイアは言い放った。
「なら歌いなさい! あなたの………あなた達の『命の歌』を!」
シェリルが叫ぶ。
「シェリルさん………」
「思いっきり歌って、フレイアちゃん。私達も力になるから……」
ランカは笑顔で、しかしどこか悲し気に言う。
「ランカさん………はい!」
フレイアが力強く返事をすると、
「さあ、響かせるわよ! 私達の『命の歌』を………! 絶対に!!」
「美雲さん………はいな!」
その時、
「おっと! 歌の事ならマイクの事も忘れて貰っちゃ困るッゼ!」
今まで姿を見せていなかったマイクサウンダース13世がブームロボ形態でマクロス・ギガシオンの傍に現れた。
「マイク!」
ランカがその名を呼んだ。
「想いを繋げるのはGストーンも一緒だッゼ! 皆の歌をディスクPに連動させて増幅できるようにしたッゼ!」
マイクはサムズアップしながらそう言った。
そして、
『『『『『『『あきらめない あきらめない あきらめない AIAIAIAIA どこまでも♪』』』』』』』
全員が歌い出した。
その歌を背に、GGGとデルタ小隊がバトル・アストレアへ向かう。
「ウィンダミアを……リンゴ畑を………俺達の手で絶対取り戻す!!」
ハヤテが決意を口にする。
「デルタ小隊! 続け!!」
「「「「了解/ダー/ウーラサー!!」」」」
ミラージュの号令に皆が答える。
「うぉおおおおおおおおおおっ!」
ハヤテが声を上げながらSv-303との戦闘を繰り広げる。
歌うフレイアの体に、結晶化が拡がる。
それでもフレイアは歌う事を止めない。
「ッ…………!」
ハヤテは自然とフレイアとの思い出を思い出していた。
ハヤテは一瞬歯を食いしばるが、すぐに笑みを浮かべた。
「見える………風が見える!」
フレイアが全力で歌っているのなら、自分も全力で、楽しんで飛ぶのだと思ったのだ。
フレイアの歌によって拡張されたハヤテの意識は、Sv-303の動きを完全に見切った。
今まで対処が精一杯だったSv-303を一気に複数機墜として見せた。
ハヤテを先頭に、ボーグ、キース、メッサー、チャックが続くが、ミラージュは一番後方で遅れていた。
「皆に追いつけない…………!」
ミラージュは遅れている自分を不甲斐ないと思っていたが、ハッと気づいた。
今の位置からなら、小隊の全ての状況が把握できている事に。
「見える……!? ここなら皆の動きが……!」
そしてミラージュは突出しているハヤテの機体に複数のSv-303が殺到している事に気付き、各小隊の現在位置から最適な戦術を考え付いた。
「デルタ5、急速降下! デルタ7,3時プラス35°! デルタ3、10時プラス27°! デルタ2、11時プラス3°! デルタ6,2時プラス11°前進!」
「はあ?」
「そっちには……何も……」
ミラージュの言葉に怪訝な声を漏らすチャックとボーグ。
メッサーやキースも訝しむ表情だったが、
「隊長命令です! いくよ! フォーメーションミドガルド!!」
疑問を覚える隊員の中、ハヤテだけは今までと違う自信を持ったミラージュの言葉を疑う事はしなかった。
「了解!!」
即座に命令通りに急速降下を行うと、それを追うようにSv-303殺到。
だが、それは、
「取れた!?」
「奴らの後ろが!」
「こんなにあっさりと……!?」
「フッ………」
驚愕するボーグやチャック、キースと小さく笑みを浮かべるメッサー。
今までその動きを見切ることも困難だったSv-303の動きがミラージュの指示通りに動いたら、あっさりとその後ろを取ることが出来た事に驚愕していた。
「いけぇえええええええええっ!!」
今までの鬱憤を晴らすかの如く怒涛の攻撃が行われ、Sv-303の一部隊を全滅させる。
「よっ! 隊長!」
「いいカンジ!」
「風を読んだ!?」
「見事な風読みだ」
「いい指示だった」
チャック、ハヤテ、ボーグ、キース、メッサーがそれぞれミラージュの指示を褒める。
「ッ……私は、私の空を!!」
それがミラージュの見つけた『隊長』だった。
一番前に出るわけでも無く、後方に陣取るわけでも無く、一歩引いた視点から部隊の戦況を把握し、最適な戦術を選び出す。
それがミラージュの才能だった。
その様子は、マクロス・ギガシオンからでも把握できていた。
「いいぞ! ミラージュ! ガンマ小隊はD7エリアへ!」
アラドがミラージュの才能が開花したことに笑みを浮かべつつ、各部隊の指示を続ける。
それを見たマックスは、
「なるほど……リーダーの才能か………」
マックスから見て、ミラージュにはバルキリー乗りとしての才能は無いと感じていた。
並以上の乗り手にはなれるだろうが、エースにはなれない。
そう決めつけていた。
だが、アラドはそんなミラージュを重宝していた。
マックスはその事に疑問を覚えていたが、今のを見て漸くその答えが分かったのだ。
ミラージュに、『エースの才能』は無くても『リーダーの才能』はあったのだ。
そして、同時に理解した。
やはり自分は『艦長』ではなく『パイロット』なのだと。
マックスは艦長席から立ち上がると、アラドに被っていた艦長の証である軍帽を投げ渡した。
「ッ!?」
アラドは思わず受け取ってしまったが、一瞬どうしたのかと呆ける。
すると、マックスが艦長席を離れ、アラドの隣へ歩み寄ると、
「この席には君の方が相応しい………後は任せた。アラド艦長!」
『天才パイロット』である自分よりも、アラドの方が艦長に相応しいと判断したのだ。
敬礼して言い放つと、最後にマックスは笑って見せ、ブリッジを出ていこうとする。
すると、
「マックス」
エキセドルが呼び止める。
「あなたとは長い付き合いですが、今までで最も優れた判断かと」
その言葉に、マックスは笑みを浮かべて手を飛行機の様に形作る。
まるで、自分はパイロットなのだと宣言するように。
そのままブリッジを出るマックス。
それを見送ったアラドは、マックスから受け取った軍帽を被り、
「飛ぶぞ……! 一暴れ!」
そう宣言した。
マックスは自分のYF-29に乗り込むと即座に発進。
殺到してくるSv-303を卓越した操縦技術で一気に殲滅する。
「なんて風だ!」
それを見たボーグが驚愕し、
「艦長!?」
ミラージュが思わず声を上げる。
「もう艦長ではない!」
「えっ?」
艦長であることを否定したマックスに、ミラージュが声を漏らすと、
「唯の………天才だ!!」
『艦長』という重荷から解放されたマックスは、その『パイロットの才能』を遺憾なく発揮して戦線を押し上げる。
「あらあら、やるわね、マックス司令。それに、ミラージュちゃんも」
それを見ていたエクセレンが敵機を撃墜しつつそう漏らす。
「ああ、いい指示だ。部隊に1人ああいった人材がいてくれるととても助かる」
キョウスケもミラージュの指示を褒める。
「あはは。ウチの部隊は勇者ロボ軍団以外は各々好き勝手やってるようなモノだもね。ミラージュちゃん、ウチに来てくれないかしら?」
「勧誘なら後にしろ」
キョウスケはそう言うが、やめておけと言わない辺り、勧誘そのものは反対していなかったりする。
そんな話をしながらも、この2人は次々と敵機を撃墜していく辺り、実力の高さが伺える。
「玄武金剛弾!!」
ソウルゲインの回転する拳が発射され、Sv-303を貫き破壊する。
「ちょこまかと鬱陶しいが、所詮は機械………俺の心を熱くするには程遠い!」
アクセルがややつまらなそうにそう口にする。
「さくさくいきますの」
ペルゼインの鬼面が大刀を振り回しながら敵機を撃墜する。
眼前の敵を蹴散らしながらGGGがバトル・アストレアへ接近した。
バトル・アストレアの周りには強力な次元バリアが張られていたが、ワルキューレ、シェリル、ランカの歌がマイクによって増幅され、その強度は著しく落ちていた。
「行くよ! プライヤーズ! ディメンジョンプライヤァァァァァッァッ!!」
ガオファイガーが叫ぶと、プライヤーズが合体し、巨大なプライヤーの形を形成する。
「ツールコネクト!!」
そのまま両腕にディメンジョンプライヤーをドッキング。
「はぁあああああああっ!!」
次元バリアに突撃した。
『くっ! あの黒いロボットを止めろぉっ!!』
バトル・アストレアのイアンが叫ぶ。
戦力を集中させようとするが、
「させるかっ!!」
「いっけぇぇぇぇぇぇっ!!」
「きゅうきょくぅ………げしゅぺんすときぃぃぃぃぃっく!!!」
デスティニーとインパルスがビーム砲を薙ぎ払うように放ち、ガイアが急降下の飛び蹴りで戦艦をへし折る様に轟沈させる。
あの間に。
「でやぁあああああああああああああっ!!」
ガオファイガーがディメンジョンプライヤーを振り上げると、次元バリアが引き剥がされるように消失した。
「敵旗艦、次元バリア消失!」
クリスがルリに報告すると、
「突撃します! リヒティさん!」
「合点承知っス! しっかり掴まっててください!」
ルリの言葉でリヒティが舵を切った。
バトル・アストレアに向かって行くマクロス・ブレイバーの強攻型。
『させるものか!』
イアンが叫ぶと、バトル・アストレアはガンシップで直接殴りかかろうとしてきた。
しかし、その一撃はマクロス・ブレイバーに届く前に止められた。
キングジェイダーの手によって。
自分よりも何倍も大きな一撃をキングジェイダーは片手で受け止めていた。
「往生際が悪いぞ! 五連メーザー砲!!」
受け止めた際にガンシップ内部にめり込んだ手から五連メーザー砲を発射。
ガンシップが膨れ上がりながら爆発を起こす。
キングジェイダーは爆炎に包まれたが、既に展開していたジェネレイティングアーマーによって無傷な姿を見せた。
そのままマクロス・ブレイバーが胸部に左腕となっている艦首を撃ち込んだ。
「システム掌握、開始します」
ルリがナノマシンの輝きに包まれ、ハッキングを開始。
バトル・アストレアのシステムを次々と掌握していく。
『敵艦からのハッキングを確認!』
『早過ぎる!? 対処が追い付かない!』
『システム侵食率60%を突破!』
『このままでは………!』
乗組員からの報告に、イアンは覚悟を決めた表情になると、
『このまま奴らの好きにさせてなるものか! 自爆シークエンスを起動せよ!』
『そ、それはっ!』
『構わん! 総員に退艦を命じる!』
『『『『『ッ!?』』』』』
『ヘイムダルの革命は続く………諸君はその力となれ!!』
『『『『『ハッ! 将軍!!』』』』』
道を間違えたとはいえ、イアンのカリスマは人を引き付けるものがあった。
だからこそ今まで乗組員もついてきたのだろう。
尚、シドニーは裏切ろうとしたのが露見した瞬間に射殺されていた。
「敵艦! 自爆シークエンスを起動した模様!」
クリスが報告する。
「タイミング的にはギリギリでしょうか………ジェイさん! ルネさん!」
ルリは迷わずに2人に助力を求めた。
「了解した!」
「任せて!」
キングジェイダーとガオファイガーがバトル・アストレア強攻型の両肩部分に拳を撃ち込む。
エヴォリュダー能力により、直接のハッキングを仕掛けたのだ。
『何事も思い通りに行くと思うな!!』
イアンが叫ぶと、
「敵艦動力炉、臨界点に到達!」
フェルトが切羽詰まった声で報告する。
「そんな!? 早すぎますよ!?」
リヒティが叫ぶ。
「手動で動力炉を暴走させた模様!」
「退艦命令を聞き入れなかった一派が居たんでしょうか………ジェイさん!」
報告にルリがジェイに呼び掛けると、
「仕方あるまい! セイレーンシステムの核を回収し、離脱する!」
キングジェイダーが叫ぶと、ブリッジである頭部に拳を打ち込んだ。
その拳を引き抜くと、そこにはセイレーンシステムの核となっている闇の歌い手の細胞が収められた丸型カプセルが掴まれている。
「総員退避!!」
キングジェイダーの言葉で、ガオファイガーとマクロス・ブレイバーが後退する。
そして…………………爆発が起こらなかった。
「爆発しない?」
ガオファイガーが怪訝そうに呟く。
その瞬間、キングジェイダーの頭部の艦橋に居たハルがその存在を感じる。
「ッ! 原種だ!!」
ハルが叫んだ瞬間、破壊したガンシップが再生し、バトル・アストレアの各部が生き物の様に脈動、紫色に染め上げられていく。
「くっ! ここで原種か!?」
キングジェイダーが予想外だという声を漏らした。
すると、再生したガンシップをバトル・アストレアが掴み、その照準をメガロード-01に合わせる。
「原種がメガロード-01を!?」
アルトが叫ぶ。
「クロムウェルの執念が原種を呼び寄せたとでもいうのか!?」
ジェイがそう言うと共に、ガンシップの砲口にエネルギーの光が集中する。
「やはり原種が融合している分、エネルギーチャージが早い……!」
既に発射準備が完了しているだろう。
今からでは発射を阻止することは出来ない。
「ならば! ジェイクォォォォォォス!!」
キングジェイダーは正面から打ち破ることにした。
いくらバトル級と融合しているとはいえ、ジェイクォースなら打ち破れると判断したのだ。
原種アストレアのマクロスキャノンが発射されると同時にキングジェイダーの右腕から火の鳥が飛び立つ。
膨大なエネルギーの奔流と火の鳥が激突する。
キングジェイダーは、そのままジェイクォースがマクロスキャノンを撃ち破ると予想していたのだが。
「何っ!?」
キングジェイダーは驚愕の声を漏らした。
ほぼ相殺とはいえ、ジェイクォースが弾かれたのだ。
そのままキングジェイダーの腕に戻るジェイクォース。
「相殺しただと!? 馬鹿な、いくらバトル級と融合したとはいえ、原種1体でジェイクォースを相殺できるはずが………」
キングジェイダーがそう言いかけた時、
「ジェイ、あいつは1体じゃない! 2体だ!」
それに気付いたハルが叫ぶ。
「ッ………! 合体原種か!」
キングジェイダーが腑に落ちたように叫んだ。
原種2体ならば、バトル級と融合すればジェイクォースを相殺できるのも頷ける。
更に、原種アストレアは第2射のチャージを始めていた。
普通のマクロスキャノンは冷却時間などの関係で連射は不可能だが、原種が融合している今はいくらでも再生が可能だ。
連射も問題は無い。
「チィ!」
キングジェイダーも、もう一度相殺しようと右腕を突き出した。
だが、
「コード麒麟!!」
突如として原種アストレアのガンシップが中程から切断された。
「フン。態々チャージが完了するまで待ってやるほどお人よしでは無いぞ。これがな!」
ソウルゲインが肘のブレードにエネルギーを集中させ、振り切った体勢でそこに居た。
それでも即座に再生しようと、コードが伸びてくるが、
「エクセレン!」
「はいは~い!」
アヴァランチ・クレイモアを展開したアルトアイゼン・リーゼと、ハウリングランチャーのXモードを構えたライン・ヴァイスリッター。
「「行けぇっ!!」」
同時発射によって再生しようとしたガンシップが粉々に砕かれる。
「わたくしもおりますのよ?」
巨大な斬撃が飛んできて、原種アストレアの右腕を斬り落とした。
ペルゼイン・リヒカイトの一撃だ。
「ジェイさん! 俺達が援護します! ジェイさん達は核の摘出を!」
シンが叫ぶ。
「お前達!」
「俺達だってGGGの隊員です! いつまでもジェイさん達に頼りっぱなしじゃありませんよ!」
シンは自信を持ってそう言う。
「シン………皆………ああ……! そうだな!」
ジェイは気を取り直して原種アストレアに向き直ると、
「俺とガオファイガーの道を切り開いてくれ!」
「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」
キングジェイダーの言葉に全員が答える。
ガオファイガーはゴルディオンハンマーを装備し、キングジェイダーと共に原種アストレアへと突撃する。
その時、原種アストレアの各部からSv-303を元にしたと思われるゾンダーが射出された。
だが、
「狙い撃つぜ!!」
その動きを的確に見切り、ビームを直撃させるアシュセイヴァーのニール。
「たぁああああああああっ!!」
デスティニーに負けない速度で突っ込みながら対艦刀でゾンダーを叩き切るインパルスのルナマリア。
「うぇぇぇぇぇぇぇい!」
MAモードで宇宙を駆け抜けながら背中のビームブレードで敵を切り裂くガイアのステラ。
「ルリ艦長! ゼウスシルエットを!!」
デスティニーのシンがルリに呼び掛ける。
即座にゼウスシルエットが射出された。
これはC.E.の世界で使ったゼウスシルエットのデータを元に、複製、改良したものだ。
ゼウスシルエットとデスティニーがドッキングし、巨大なリニアキャノンを構える。
発射された巨大な砲弾が、原種アストレアの左腕を吹き飛ばした。
「今です! メルティングサイレン!!」
ビッグボルフォッグが原種アストレアのバリアを解除。
「ウルテクビーム全斉射!!」
「双頭龍!!」
「プライムローズの月!」
勇者ロボ達が頭部へ攻撃を集中。
一時的にセンサー類を無効化する。
そして、
「今だ! ジェイクォォォォォォス!!」
キングジェイダーが放った火の鳥が胸部を貫通。原種核の1つを確保した。
そして、
「ハンマァァァァァッ………ヘルッ!!」
原種アストレアの腹部に向かって光の杭を打ち込むガオファイガー。
「ハンマァァァァァッ………ヘブンッ!!」
巨大な釘抜きで原種核を引き抜き、
「光になれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
ゴルディオンハンマーを叩きつけて原種アストレアを光へと帰したのだった。
戦闘後、やはりと言うべきかフレイアは倒れた。
全身に渡って結晶化が進行し、かなりの寿命を削ったことが分かる。
ジェイはハヤテの頼みでジェイアークの医療ポッドでフレイアの治療を試みた。
その結果は、
「ジェイ! フレイアは助かるのか!?」
必死な様子でジェイに問いかけるハヤテ。
「…………結晶化を治し、元々の寿命にすることは可能なようだ」
ジェイはそう答える。
「じゃあ、フレイアは助かるんだな!?」
ハヤテは希望を見出した様子だったが、
「いや、そのためには時間が足りない」
「どういう事だ!?」
ハヤテが問いかけると、
「フレイアの完全な治療には約1ヶ月かかる。だが、俺達がこの世界に居られる時間はあと1週間も無いだろう」
ジェイはそう答える。
「ッ……! 原種を倒したからか?」
「ああ…………時間の許す限り治療は続けるが、残りの時間では20歳前後まで寿命を引き延ばすのが精々だろう。それも安静にしていて………の話だ」
「ッ………何とかならないのか………?」
ハヤテは一途の望みを託すように問いかけるが、
「すまないがそれは無理だ。ゲートが現れたら、俺達が入らない限りブラックホールのような存在となってどれだけの被害を及ぼすか分からない」
ジェイは無情にもそう答えた。
「くそっ………!」
ハヤテは悔しそうに俯きながら拳を握りしめる。
「ハヤテ………」
その様子を心配そうに見つめるミラージュ。
「……………ジェイ。ハヤテには俺の時の様に選択肢は与えないのか?」
アルトがジェイに問いかけた。
「ハヤテ………いや、フレイアはシェリルの時とは状況が違う。お前に選択肢を与えられたのは、シェリルが天涯孤独のようなものだったからだ。だからお前には選択肢を与えられた。だが、フレイアは違う。フレイアにとって『生きる』という事は、『ワルキューレとして歌う』ということだ。フレイアにはこの世界を………いや、ワルキューレを捨てるという選択肢は取れないだろう」
「そうか…………」
アルトは残念そうにしながらも、納得したように引き下がった。
その時、
「ハヤテ………私は大丈夫なんよ」
医療ポッドの中から声がした。
「フレイア! 気が付いたのか!」
「うん。話も聞いとった…………このままやと20歳ぐらいまでしか生きられへんって……」
「フレイア………」
ハヤテは悲しそうな顔でフレイアを見つめる。
「そんな顔せんといてハヤテ。それでも私はワルキューレとして歌いたい………ワルキューレとして皆と一緒に歌い続けたい………! それが私が『生きる』って事なんよ!」
フレイアは辛そうにしながらも明るい表情でそういう。
「フレイア…………!」
ハヤテはフレイアに何とも言えない表情をする。
すると、
「いいえ! もう1つ選択肢があるわ!」
突如として美雲が口を開いた。
「美雲さん………?」
フレイアが怪訝な声を漏らす。
すると、
「私達全員で、ジェイ達について行けばいいのよ!」
「「「「「「「「「「はあっ!?」」」」」」」」」」
その言葉にその場の全員が驚いた。
「いや、美雲? 何言って………?」
ジェイが思わず問い返す。
「あら? 簡単な理屈よ? あなた達と行かないとフレイアは完全には治らない。だけど、フレイアは私達と歌いたい。なら、私達も一緒にあなた達について行けば、問題ないじゃない?」
「いや、そう簡単な話じゃないだろ? 特にワルキューレは現在唯一のヴァールに対抗するための存在で…………」
ジェイがそう言いかけた時、アラドが話の流れをぶった切る様に新情報を話した。
「あ~、それなんだが、おたくらがメッサーを直してくれた時に提供してくれたデータをもとに特効薬が完成しつつある。臨床試験ではほぼ成功を収めてるから、間もなく発表される手筈だ」
「って事は………」
「必ずしも、ワルキューレはヴァールに必要な存在ではなくなるという事だ」
アラドがそう言う。
「残される家族とか………」
「私は元々クローンだから、家族なんて居ないわ」
美雲が堂々とそう言い、
「私、元犯罪者。家族とも疎遠。問題無し」
レイナが何でもない様に口にし、
「私は皆と居られるなら、まあいいかなって」
マキナも特に悩みなく答える。
「ッ……………!」
カナメは一瞬迷った表情を見せた後、メッサーを見つめた。
すると、
「カナメさん。昨日も言いましたが、俺はあなたを護り続けます。あなたが何処へ行こうと………異世界に行こうとも………」
メッサーはカナメにそう言った。
それはカナメが行くというのなら、自分も共に行くという意思表示だ。
「メッサー君………ありがとう………」
背中を押されたカナメの表情にも、迷いはなくなった。
「もちろん私もよ。私がワルキューレのリーダーなんだから!」
ハッキリとそう言うカナメ。
「皆…………!」
その言葉に、フレイアは涙を滲ませる。
「ハヤテ………私生きたい………! 出来るだけ長く…………可能な限り皆と一緒に生きたい………!」
漸く出たフレイアの本音の言葉。
「ああ……もちろんだ………! 俺も一緒に行く……! どこまでも………!」
ハヤテはそう返した。
「………と、言う訳で、これからよろしくね。ジェイ」
美雲がジェイに振り返り、笑みを浮かべながらそう言った。
「…………マジで?」
ジェイは思わず素っ頓狂な声を漏らすのだった。
それから数日。
ワルキューレとハヤテ、そしてメッサーがGGGの一員になる事が決定し、そのための準備が進められていた。
ハヤテとメッサーのVF-31カイロスプラスを受け取り、更に今回の事件でワルキューレと共に戦死したように情報操作もした。
因みに、序とばかりに美雲やワルキューレを兵器呼ばわりしたヘイムダルやイプシロン財団に関してジェイが密かにキレていたため、ルリやルネと共に全力でハッキングして銀河中の晒し物にしておいたり。
そうして全ての準備が整った頃、次の世界へのゲートが開いた。
「皆………今までありがとうな!」
「お世話になりました……!」
ハヤテとメッサー、ワルキューレ達が通信でマクロス・ギガシオンにいるメンバーに別れを告げる。
「ハヤテ…………」
ミラージュはより一層悲しそうな表情をしている。
「ミラージュ………今までホントサンキューな! 俺にとってお前は、バルキリーの教官で、デルタ小隊の仲間で……………最高の相棒だったぜ!」
ハヤテはモニターの向こうでサムズアップして見せる。
「ハヤテ………私は…………!」
ミラージュは何か言いたげにしていたが、言葉が出てこない。
「…………………」
ハヤテも言葉が無い。
「これ以上話してても、湿っぽくなるだけだから、もう行くな! じゃあ皆! 元気でな!」
「あっ! ハヤテ……!」
ミラージュが呼びかける前に通信が切れてしまう。
すると、メインモニターの向こうでマクロス・ブレイバーが向きを変え、ゲートに向かおうとしていた。
その時、
「いいのかミラージュ?」
マックスがミラージュに呼び掛けた。
「御爺様?」
「追わなくていいのか?」
「でも! 私は………」
「後悔しないか?」
「ッ…………!」
その言葉に一瞬ハッとなるものの、再び俯く。
「……………これは私がまだバトル7の艦長だったころの話だが………とある作戦において…………生きて帰れるか分からない………いや、十中八九生きて帰れないと分かっていたその作戦に、サウンドフォースが志願していた」
「サウンドフォース………もしかしてミレーヌ叔母さまが所属していた………」
「ああ、ファイヤーボンバーだ。だが、生きて帰れないと分かっている作戦に、ミレーヌを参加させられるわけはなく、私はミレーヌの志願を却下した」
「それは………」
「だが、作戦を決行する時、あいつは無理矢理ついてきた。生きて帰れないと分かっていても、大事な人達と一緒に居ることを選んだ。それが、あいつの後悔しない選択だった」
「ミレーヌ叔母さまが…………」
「ミラージュ、もう一度聞く。後悔しないか?」
その言葉を聞いてミラージュは一度俯いていたが、目を見開いて顔を上げると、決意した表情になり、
「御爺様! ありがとうございました! そして、後を頼みます!」
ミラージュは一度頭を下げると駆け出す。
「あっ! ミラージュ!?」
チャックが呼びかけるがそのまま駆けて行ってしまう。
少しすると、
「VF-31が発進準備に入っています!」
ブリッジクルーから報告が来る。
「いい。そのまま出してやれ」
マックスがそう言う。
そのまま赤紫のVF-31が発進し、マクロス・ブレイバーを追う。
「よろしいのですか? マックス」
エキセドルが問いかける。
「さあな?」
マックスはそう答える。
これが正しいかどうかは分からない。
ただ、ミラージュの後押しをしただけだ。
「お前の『空』を飛べ。ミラージュ………」
そう呟いてミラージュを見送った。
一方、マクロス・ブレイバーに追いついたミラージュは、
「何やってんだよミラージュ!?」
後を追って来たミラージュにハヤテは驚きの声を上げる。
「あなたを追って来たに決まっているでしょう! ハヤテ!」
「ッ……! でも俺は………!」
「忘れないでください! あなたの隣を歩くのはフレイアかもしれません。でも、あなたの隣を飛ぶのは私だという事を!」
「ッ!?」
ハヤテが驚いている間に、
「ルリ、着艦許可を」
「いいんですか?」
ルリが聞き返すと、
「基本は来るもの拒まずだ。それに、部隊長が出来る人材は欲しい。序にハヤテにもハーレム作ってもらった方が俺の精神的にありがたい」
「一番最後が本音では?」
ルリは呆れたように呟くが、ミラージュに着艦許可を出す。
着艦してくるミラージュ。
その直後に、マクロス・ブレイバーは、ゲートを潜っていった。
その後、ミラージュがマクロス・ブレイバーのブリッジへとやってくると、
「このバカッ! 何でついてきたんだ!?」
ハヤテがミラージュに叫ぶ。
「言ったでしょう? あなたを追って来たんですよ」
「何で………」
「私はあなたが好きです。これから先もずっと、あなたの隣で飛び続けます」
「ッ………!」
ド直球なミラージュの告白にハヤテは何も言えなくなってしまった。
「わーお。熱烈告白ね、ミラージュちゃん」
エクセレンはワクワクした面持ちで呟く。
「…………悪い。その答えはフレイアが治るまで待って貰っていいか?」
ハヤテはそう言う。
「構いませんよ。フレイアが居ないときに答えを貰うのはフェアではありませんから」
ミラージュはあっさりとその言葉を受け取った。
「さて、そっちが一段落したところで、こっちの問題も片付けるとするか」
ジェイがそう言うと、全員が疑問符を浮かべた。
「こっちの問題って?」
ランカが呟くと、
「ルリ」
ジェイの言葉でルリが頷くと、何か操作をした。
すると、ブリッジ内にYami₋Q₋rayの姿が投影された。
「Yami₋Q₋ray!?」
ハヤテが思わず叫ぶ。
「どうして!?」
マキナも誰もが思っているだろう言葉を口にした。
「ルリがバトル・アストレアにハッキングを仕掛けた時に、Yami₋Q₋rayの自意識データをこちらに移しておいたんだ」
ジェイがそう答えると、
「何でそんな事を………?」
ミラージュが問いかける。
すると、
『………どうして………?』
闇雲が口を開いた。
『どうして私達を…………?』
闇雲……Yami₋Q₋ray自身も疑問に思っていた事を口にする。
すると、
「何、単純にお前達の『歌』が失われるのは勿体ないと思っただけだ」
ジェイは平然とそう答えた。
「勿体無いって………お前もYami₋Q₋rayを何かに利用しようっていうのか!?」
ハヤテは少し強い口調で問いかけた。
だが、ジェイは軽くため息を吐くと、
「お前達も、Yami₋Q₋rayの『歌』を兵器として見過ぎだな。単純にそういうジャンルの『歌』として彼女達の歌を聞いたらどうだ? 因みに、俺は彼女たち自身の歌は嫌いじゃない。それ以前に、彼女達が放っていた生体フォールド波は闇の歌い手の細胞があったからだ。それから切り離された彼女達は、少し高性能な自意識を持つヴァーチャロイドだ」
そう答えた。
「そう言われると…………」
「確かに『歌』そのものは悪くないよね………」
「私達の歌を元に作り出されたから、いわば私達の分身」
「光があれば闇がある。彼女達は人の闇の部分を歌にしているだけね」
それぞれが納得したような意見を口にした。
『………………私達は………歌って良いの…………?』
「ああ。まあ、人の迷惑にならない範囲でな」
闇雲の言葉にジェイが答える。
すると、
『………………ありがとう』
何処か嬉しそうに、闇雲が答えた。
他のメンバーも、何処か嬉しそうだ。
すると、
「皆、もうすぐ次の世界っスよ」
操舵手のリヒティが皆に呼び掛けた。
その言葉に前を向くと、次の世界の入り口である光が見えた。
そして、その光を潜り抜けた先に見えた光景は………………
荒廃した大地と暗雲が広がり、雷鳴が轟く世界だった。
はい、マクロスΔ編最終話でした。
そしてごめんなさい!(五体投地)
あの子が出てこなかった!!
いや、GGGが本気出せば、ALIVE~祈りの歌~どころかワルキューレはあきらめないすら歌わずに完封できそうな感じだったので、手抜きに手を抜いてこのような流れになったのですが…………
それでもあの子が生まれるタイミングを失ってしまって…………
それに生まれてもGGGについて来ると、色々困ったことになりそうな感じだったので………
実際は生まれてますが、出番が無かっただけですはい。
ルンもありません(爆)
そして、ワルキューレがついて来ることは美雲の様子で分かっていた方が多いと思いますが、Yami₋Q₋rayまで仲間に引き入れるとは思ってなかったでしょう!
因みにYami₋Q₋rayを仲間に引き入れたのは、次の世界でとあるネタを思いついたからです。
で、ワルキューレがついて来るという事でハヤテとメッサーが付いてきて、ハヤテが来るという事は自動的にミラージュも付いてきました。
GGG内でアルトも入れて新生デルタ小隊でも作ってもらいましょう。
まあ、ハヤテ、メッサー、アルトと癖の強いメンバーを取りまとめるミラージュが大変そうですが。
さて、次の世界ですが…………どこの世界か分かりますか?
答えは次回です。
既に答えは出ていたりしますが…………
お楽しみに。