転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
第1話 セフィーロと
世界の狭間から新たな世界に辿り着いた先で見たものは、何処までも続く荒廃した大地と暗雲が広がる空に、雷鳴が轟く世界だった。
「何か今までとは毛色が違う世界だな…………」
俺は思わず呟く。
今までは新たな世界に辿り着いたときは宇宙か、もしくは地上でも普通に空や陸地があった。
明らかに普通ではない光景に、やや戸惑いの感情が出てきた。
尚、本来宇宙ステーションであるオービットベースだが、マクロス世界の技術で改良し、アイランド船に近い状態で重力制御も行われているため、重力下でも問題なく航行出来たり浮遊できたりしている。
「ルリ、周囲に人工物や傍受できる通信などは無いか?」
ルリに尋ねると、
「現在確認できる範囲には人工物や通信や信号と思われる電波などは傍受できません。というより、電波そのものが確認できません」
ルリはそう答えた。
「…………無人の惑星なのか………それとも電子機器が発明されてない文明の惑星なのか………」
「何にしても、情報が必要です。リヒティさん、通常航行速度で発進。周囲の探索に入ります。フェルトさんとクリスさんは、周囲の警戒と探索を」
「「「了解(っス)!」」」
ルリの号令でマクロス・ブレイバーが発進する。
そのまましばらく進んでいたが、行けども行けども荒廃した大地が続くばかり。
しかし、
「これは………?」
フェルトが何かに気付く。
「何か見つけましたか?」
ルリが尋ねると、
「はい。メインモニターに望遠映像出します」
フェルトがパネルを操作すると、メインモニターが移り変わり、映像を表示した。
それは、
「……………水晶?」
ミラージュが呟く。
映し出された映像には水晶の様に輝く鉱石で作り出された様な建造物。
まだ距離がある為、そこまで大きくは見えなかったが、
「この距離でこの大きさ………実際はかなり大きい。高さだけならバトル級と同等以上」
レイナがひょいひょいとパネルを操作して、バトル級の強攻型との大きさの比較をモニターに出した。
各々が考察する中、俺は既視感を感じていた。
「どっかで見たような気が………?」
「何だっけ………?」
俺と同時にルネも呟く。
ルネもどうやら既視感があるようだ。
「どうしますか?」
ルリが俺に尋ねる。
「まあ他に手がかりも無い。あの水晶のような建造物へ向かおう」
俺がそう言うと、
「了解。本艦の進路をあの建造物へ………」
ルリがそう言おうとした時、
「レーダーに反応! 何かが本艦に接近してきます!」
クリスが叫ぶ。
レーダーには、マクロス・ブレイバーを囲むように無数の反応が現れ始めた。
「映像を!」
ルリの言葉で接近してくる物体の映像を表示する。
すると、モニターに形容しがたい生物が映った。
「何あれ………?」
「生物………なのか………?」
ルナマリアとシンが驚きで声を漏らす。
全体的に茶色の甲殻に覆われているようで、大きさは10m前後で形も様々だが一つ目で昆虫のような羽根で空を飛んでいる。
「バジュラのような生物か………?」
アルトがそう口にすると、
「俺にとってはアインストに近い印象を受けるな………」
対してキョウスケはそう言った。
「アルフィミィちゃんは何か分かる?」
エクセレンがアルフィミィに尋ねると、
「あれはアインストとは違いますの…………あれは、人の思いがそのまま形になったような感じを受けますの………」
「人の思いが………形に…………」
俺はその言葉により強い既視感を感じる。
だが、
「アンノウン、更に接近!」
フェルトが警告を飛ばす。
すると、アンノウンの目玉が光り、光弾を放ってきた。
威力は大したことが無く、ピンポイントバリアで防げるレベルだが、明確な攻撃だった。
俺は外部音声をONにし、
「あ~、こちらに戦闘の意思は無い。繰り返す、こちらに戦闘の意思は無い」
一応呼び掛けてみるが、
「アンノウン、行動に変化無し」
フェルトが淡々と伝えてくる。
「ま、聞くわけないか」
見た目からして話の通じそうにない相手だったし。
「どうしますか?」
ルリが聞いて来ると、
「黙ってやられるつもりはない。自己防衛の為に反撃する」
「了解しました。各パイロットは出撃準備をお願いします」
その言葉で、パイロット達は出撃準備に入る。
各々が各機体に乗り込んだ時、俺は通信を繋げる。
「ミラージュ」
「はい、何ですかジェイさん?」
「勇者ロボ以外の部隊の指揮はお前に任せたい」
「わ、私がですが!? ですが、私は新参者で………」
「そんな事は関係ないさ。GGGの一員になったのなら、俺達は対等な仲間だ。そこに古参も新参も関係無い。生憎他のメンバーはエース気質な奴らが殆どだからな。ちゃんとしたリーダーを任せられる人材が入ったのは正直嬉しい。それにお前の隊長としての資質は、前の戦いで見せてもらった。お前になら任せられると判断したんだ」
「…………わ、私で宜しいんでしょうか?」
ミラージュがやや自信無さげにそう言うと、
「問題は無い。彼女の指揮の腕前は信用に足る」
キョウスケがそう言うと、
「ふざけた指示を出すだけなら聞かんぞ?」
「ちゃんとした指示ならいう事を聞く、と申しておりますのよ?」
アクセルとアルフィミィがそう言い、
「正直、戦いに集中できるのはありがたいからな」
シンも答え、
「俺も指揮は苦手だ。出来る奴に任せたい」
アルトが頷く。
「自信を持てよミラージュ」
「ハヤテ………」
「お前なら出来る!」
「……………はい! わかりました。部隊指揮の任、お引き受けします!」
ハヤテの言葉が最後の後押しとなり、決心した表情で頷いた。
「任せる」
俺はそう言って通信を終えた。
「各機発進。敵性生物を迎撃してください」
ルリの言葉で各機が発進。
空中戦が得意なMSやバルキリー、ライン・ヴァイスリッター、ヴァイサーガ、ソウルゲイン、ペルゼイン・リヒカイトを中心とし、アルトアイゼン・リーゼや勇者ロボ達は甲板からの射撃攻撃を中心に迎撃を行った。
「そこっ!」
デスティニーの放ったビームライフルのビームがアンノウンを貫く。
すると、アンノウンは爆発するわけでもそのまま墜ちるわけでも無く、光になって消え去る。
「消えたっ!?」
シンが驚きの声を漏らす。
「こいつら、倒すと光になって消えてる!?」
ルナマリアも驚きながらビームライフルで撃ち抜く。
「不思議………」
ステラは不思議そうにしながらも、特に動じることなく次々と撃ち抜いていく。
「敵の耐久力は大したことはありません。一撃の威力よりも、広範囲を制圧できる武器で対処を!」
ミラージュがそう言うと、
「了解した! クレイモア!」
キョウスケはアヴァランチ・クレイモアを展開。
前面の敵を纏めて撃ち落とすと、5連チェーンガンを薙ぎ払うように撃ち放った。
「ッ! メッサー中尉! 9時方向の敵を!」
「了解」
ミラージュの言葉にメッサーがそちらを向くと、10匹ほどのアンノウンが近付いてくる。
メッサーはミサイルの照準でマルチロックすると、マイクロミサイルを撃ち放ち、全ての敵を爆破した。
「ハヤテ! 前方の敵を! アルトさんはハヤテの援護を!」
「「了解!」」
「アクセルさんは3時方向の敵を! アルフィミィは彼を援護してください!」
「……いいだろう」
「お安い御用ですことよ」
「エクセレンさんはラミアさんと共に上空の敵の迎撃を! ニールさんも狙撃で援護してください!」
「お任せあれ!」
「了解いたしまたでございます!」
「了解!」
「艦後方は、ジェイアークとガオファイガーに任せます!」
「了解した」
「了解」
ミラージュの指揮に従い戦うことで、効率よく敵を殲滅出来ていた。
大した時間もかからず、敵の残数が1割を切った頃、
「ッ! 新たな反応の接近を感知! 数3!」
フェルトが報告して来た。
「新手か!?」
キョウスケが確認すると、先程の水晶のような建造物があった方向からその反応が向かってきていた。
しかし、それは周りのアンノウンとは違うものだった。
その姿は3体とも人型の機動兵器のような姿であり、それぞれ赤、青、緑の3色に彩られたものだった。
赤い機体は獅子のような意匠を施され、青い機体は竜の、緑色の機体は鳥のような意匠の機体だった。
っていうか、あの3機って………
俺がその3機に思い当たりそうになった時、
「炎の………矢ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
赤い機体が炎を放ち、
「水のぉぉぉぉぉぉぉっ………龍ぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
青い機体が龍の形を象った水を放つ。
「碧の疾風っ!!」
緑の機体が風の刃を放った。
炎、水、風の3属性の攻撃が、残りのアンノウンを飲み込み、消し去った。
「何者なんだ………あいつら………?」
シンが怪訝な声を漏らす。
すると、その3機は手に持っていた剣を構える。
赤い機体が長剣。
青い機体が細剣。
緑の機体が大剣だ。
っていうか、あの3機ってやっぱり…………
「レイアースの
俺はボソッと呟く。
ってことは、この世界はセフィーロで、荒廃した大地と暗雲の空って事は、第2部の崩壊しかけのセフィーロって事か。
俺がそう思っていると、
「お前達は何者だ!? お前達もオートザムから来たのか!?」
少女の声で赤い魔神、レイアースから問いかけられた。
「………俺が話そう」
俺は皆に攻撃を控える様に言い、3体の魔神を見据える。
「こちらはガッツィー・ジェネレーション・ガード。俺は代表者のジェイだ」
俺は外部音声でそう呼びかけた。
「ガッツィー………?」
「ジェネレーション………?」
「ガード…………?」
3体からそれぞれ少女の声が聞こえた。
「先に言っておくが、話し合いを求める相手に武器を向けるのは感心せんな。相手によってはそれだけで敵対行為と見做され、反撃されても文句は言えんぞ?」
俺がそう言うと、3体は顔を見合わせ、戸惑ったような様子を見せる。
「後は、こちらは名乗ったのだ。そちらも名乗るのが筋ではないのか?」
再び問いかけると、3体は頷いて剣を降ろした。
それからこちらに向き直ると、
「私は獅堂 光」
赤い魔神、レイアースがそう名乗り、
「龍咲 海よ」
続けて青い魔神、セレスが名乗り、
「鳳凰寺 風ですわ」
最後に緑の魔神、ウィンダムが名乗った。
「光、海、風か………」
やはりその3人という事は、ここはセフィーロで間違いなさそうだな。
「先程の俺達が何者かという問いかけだが、俺達はこの世界ではない、別の世界………異世界からの来訪者だ」
「異世界!?」
俺の言葉に光が驚愕の声を上げ、
「あなた達も、地球から来たと言うのですか!?」
風が確認するように問いかけしてくる。
「ちょっと待ってよ! 地球にあんな空飛ぶ戦艦があるなんて聞いたこと無いわよ!」
海がこちらを指差しながら叫んだ。
「確かにこちらには『地球』の出身者も多いが………お前達の知る『地球』とは別物だろう」
俺はそう答える。
「どういうことですの?」
風が更に問いかけてくる。
「『地球』と呼ばれる惑星が存在する世界は一つではない。世界は無限に等しい数が存在し、その中に『地球』という惑星がある世界も数多く存在する」
「私達の地球とは違う世界の地球………」
光が驚いたように呟く。
「今度はこちらからの質問だが………この世界はどういう世界なのだ?」
俺からも問いかける。
まあ、セフィーロという事は間違いないだろうが、他のメンバーにも知ってもらうためには現地の人間から喋ってもらうのが一番いいからな。
「…………この世界は『セフィーロ』。『心の強さが力になる世界』だ」
光がそう言う。
「心の強さが力に………?」
ハヤテが怪訝そうに呟く。
「信じられないかもしれないけど、この世界には魔法が存在するの。さっき私達が使ったのも魔法よ」
「魔法だって!?」
アルトが驚き、
「そして、先程まで戦っていた敵は『魔物』………セフィーロの人々の恐れや不安が具現化した存在です」
「魔物………!」
キョウスケが呟く。
「魔法に魔物とは、これはまたファンタジーな世界に来たものだ」
俺は茶化す様にそう言った。
「今度は私達が質問する番だ! お前達はこの世界に一体何をしに来たんだ!?」
光が強い口調で問いかけてきた。
「『何を』……と言われても困るな。俺達はこの世界に偶々流れ着いた存在。特にこれと言った目的は無い」
「偶々流れ着いたですって? セフィーロに来たのは偶然だって言いたいの!?」
「その通りだ。故にこれと言った目的は無い。やるべきことはあるがな」
「やるべき事?」
「俺達がこの世界に来たことによって、『ゾンダー』や『原種』という敵がこの世界に現れる。そいつらを倒すのが俺達のやるべきことだ」
「ゾンダー? 原種?」
「説明が面倒なのでな。出来れば1度の説明で終わらせたい。可能なら、そちらの代表者や指導者を交えて話をしたいのだが?」
俺がそう言うと、3人は顔を見合わせ、
「どうする?」
「話をした感じは、あまり悪い人には見えないけど………」
「こちらを油断させる演技………とも言い切れませんわ」
3人は話し合いながらあーだこーだ悩んでいるようだ。
「俺達が信じられないというのなら、こちらから出向くのは3人。最低限の武装はさせてもらうが他のメンバーはマクロス・ブレイバーと共にこの場で待機。機動兵器も置いていく。これで如何だ?」
こちらから譲歩案を出す。
「……………わかった。クレフの所へ連れていく」
光がそう言った。
「ちょっと! いいの光!?」
海が叫ぶ。
「うん。多分大丈夫だと思う………」
「光さんが言うのでしたら…………」
風も渋々と言った様子で納得した。
そう言う訳で、出撃していた機体はマクロス・ブレイバーに戻り、俺、ハル、ルネの3人であちらに行く事にした。
序に、こちらの様子を仲間に伝える為に、ガオハロも連れて。
マクロス・ブレイバーの甲板に出て、そこで待っていた3体の魔神の前に歩いて行くと、レイアースが膝を着いて手を差し出してくる。
俺達はその手に乗って、水晶の城へと向かった。
城の上層部にある魔神が入る程の数十mの大きさの入り口から中に入り、魔神が着地すると、俺達は床に降ろされる。
すると、魔神の胸の宝玉から光が放たれ、それぞれから少女が降りてきた。
赤い魔神、レイアースからは赤髪を三つ編みにした背の低い少女が。
青い魔神、セレスからは長いストレートの青髪をした少女が、
緑の魔神、ウィンダムからは茶髪で眼鏡をかけた少女が現れた。
それぞれが光、海、風だろう。
すると、
「ぷっぷぷぅ~~~!」
変わった泣き声と共に、白い餅が飛び込んできた。
「モコナ!」
その白い餅を光が嬉しそうに抱き留めた。
「ぷうぷう」
「うん。大丈夫だよモコナ。どこもケガは無いよ」
白い餅のような生物、モコナに光は嬉しそうに答えた。
アレがモコナか。
本当にどういえばいいか分からん生物だな。
原作では世界の創造主とかなんとかだったがこの世界ではどうだろう?
すると、モコナは俺達の方を向くと、光の腕から飛び出す。
「あっ、モコナ!?」
モコナは俺達の前に降り立つと、俺達をじっと見つめる。
すると、
『ハロハロッ!』
今度はルネが持っていたガオハロがモコナの前に飛び出した。
『ハロハロッ!』
ガオハロがモコナの前で跳ねると、
「ぷぅぷぅ!」
モコナも同じように跳ねる。
『ハロッ! ハロハロッ!』
「ぷぅ! ぷぷぷぅっ!」
交互に競うように飛び跳ねる1機と1匹。
「何? あの丸っこいの?」
海が不思議そうに呟く。
「あいつはハロ。まあ、ペットロボットみたいなものだ」
俺はそう答える。
「そう言えば、そちらのお2人は………」
風がハルとルネに目を向ける。
「私はハルだよ」
ハルが人懐っこい笑みを浮かべながら名乗り、
「私はルネ。よろしく」
ルネは淡々と自己紹介する。
「改めて、鳳凰寺 風ですわ」
礼儀正しく挨拶する風。
「私、獅堂 光!」
「私が龍咲 海よ」
残りの2人もそう名乗った。
「じゃあ、クレフの所に案内するよ」
光が先導するように歩き出した。
その後をついて行き、しばらく歩くと、やたら荘厳な扉の前に辿り着いた。
その扉が勝手に開いていき、広い部屋が露になる。
イメージ的には玉座の間のような感じだが玉座は無く、数段高い段差の上に1人の人物が立っていた。
見た目は銀髪の少年で、光よりも背が低い。
まあ、位の高そうな服装を着ているので、知らなくともそれなりに高位の人物だという事が分かる。
その人物の前に辿り着くと、
「よくぞ参られた。異世界からの来訪者よ。私の名はクレフ。セフィーロで最高位の導師だ。『柱』の居ない現在は、私がこの城の指導者となっている」
その少年、クレフが名乗る。
「丁寧な紹介痛み入る。俺はガッツィー・ジェネレーション・ガード………通称GGG代表のジェイだ」
「ハルだよ」
「ルネ」
俺達も名乗り返す。
「話は
「こちらとしても、無用な戦いは避けたいと思っている。こちらこそ話を聞いてくれたことに感謝する」
俺達は言葉を交わす。
すると、
「あなた達って、クレフを見ても驚かないのね………? クレフって見た目子供でしょ?」
海が中々失礼な事を言う。
「立場に年齢は関係ないだろう? 立場が世襲だった場合、若くして継ぐことも珍しくないだろうし、ファンタジーでは若そうに見えて実は数百歳だったっていうのもお約束だしな」
「わっ!? よく分かったわね!? クレフってこう見えて745歳よ!」
「ななひゃっ………!?」
ハルが驚きの声を上げた。
そう言えばハルだけは知らないか。
「そうか。それは驚きだな」
俺は一応そう言っておく。
「あんまり驚いてるようには見えないけどね」
海は呆れる様に呟いた。
「ウォッホン!」
クレフが咳払いする。
どことなくその表情は不機嫌そうだ。
「話を戻すが、そなた達の『敵』であるぞんだー、ゲンシュとやらの話を聞きたいのだが?」
クレフはそう問いかけてくる。
「ああ。ゾンダーと原種というのは…………」
俺はゾンダーと原種について説明する。
すると、
「人の負の感情をエネルギー源に、機械と人を融合させる怪物………」
「成長すると、全ての生物をゾンダーにする物質をバラ撒く………」
「その親玉が原種というわけですの………」
光、海、風が驚きながら口にする。
まあ、機械文明の発達していないセフィーロは、ゾンダーが発生してもあんまり成長しない気もするが。
すると、
「ゾンダーになってしまった人間は、元に戻せるのか?」
クレフが問いかけてきた。
「ゾンダーの核さえ抉り出すことが出来れば、ここに居るハルの特殊能力によって元に戻すことは可能だ」
「そうか………」
俺が答えると、クレフは幾分がホッとした表情を見せる。
「こちらからも、この世界についてもう少し詳しく話を聞きたい」
俺がそう言うと、クレフは少し視線を落とし、それから口を開いた。
「この世界………セフィーロは
このセフィーロは、少し前まで先代の『柱』であるエメロード姫によって平和が保たれていた事。
しかしある時、エメロード姫が彼女に仕える神官であるザガートによって攫われ、同時にセフィーロの平穏が崩れ去り、あちこちで魔物が発生するようになった。
それからエメロード姫によって
冒険の末、3体の魔神を復活させ、激闘の果てにザガートを倒すことに成功した光達だったが、直後にエメロード姫が激昂して襲い掛かってきた事。
実はエメロード姫とザガートは想い合う関係であり、エメロード姫は自らを幽閉し、ザガートへの未練を断ち切ろうとしたが、それは叶わず、『セフィーロの平和よりザガートの幸せ』を願うようになってしまったことがセフィーロの平穏が崩れた真の原因であった事。
その真実を知った光、海、風の3人は、苦悩しながらも『ザガートの死による憎しみに駆られてセフィーロの消滅を願う前に、自分を殺してほしい』というエメロード姫に残った最後の理性の願いを叶えるため、エメロード姫を討った事。
エメロード姫の願いを叶えたことで、地球に戻された光達だったが、しばらく後に原因は不明だが再びセフィーロに召喚された事。
『柱』が消滅したセフィーロは崩壊に向かっており、更に『柱』を目的とした『オートザム』、『チゼータ』、『ファーレン』の3国の侵略を受けようとしており、光達はエメロード姫の愛したセフィーロを護る為、再び戦いに身を投じることを決心したという。
その戦いの中、セフィーロ、オートザム、チゼータ、ファーレンとは違う謎の第5勢力も現れており、戦闘は激化。
その最中に俺達が現れたという。
途中から、光達も交えて話を聞き終えた。
尚、この会話はガオハロを通じてマクロス・ブレイバーの皆にも届いている。
「なるほどな……………」
俺は一通り話を聞き終えると頷く。
「あのっ………!」
光がおずおずと声を掛けてくる。
「今の話を聞いて………この国の『柱』制度についてどう思った……?」
少し言いにくそうに光が問いかけてきた。
「ふむ……………俺の主観で言うのなら……………ふざけたシステムだな」
俺は率直に感じた事を言った。
「ッ!?」
「たった1人が全てを決める世界。確かに絶対的な存在が居れば争いも無く平和が続くのだろうが…………その柱自体に何も自由が無いとなれば、いずれ破綻するのは目に見えている」
「そう………思うのか?」
「ああ。人の心は移ろい行くもので不安定なものだ。いくら心が強くとも、永遠の孤独に耐えられる者など存在しない。世界の平穏の為に使えなくなった『柱』を破棄し、新しい『柱』に挿げ替える。まるで道具………いや、定期的な『生贄』と言った方がいいか………まさしく『人柱』だな」
「人柱?」
海が疑問の声を漏らすと、
「古代から中世にかけて城・橋・堤防などの建設や治水工事の安全と成功を祈り、生きた人を基礎部分などに埋めて神への供物としたとされる人身御供の一種ですわ………そう言われると、言いえて妙ですわね…………」
風は知識として知っていたようで視線を落としながら内容を口にした。
「……………………」
海も視線を落とした。
「…………だが、このままではセフィーロは滅びる。それを食い止めるためには、新たな『柱』を探すしかない」
クレフは苦悶の表情を見せながらそう言い切る。
「この国の行く末は、この国の人間が決める事だ。俺達が口を出す事では無い」
俺はそう言う。
「…………そなた達は、これからどうするつもりだ?」
クレフが気を取り直して顔を上げ、そう問いかけてくる。
「特に行く当ても無いからな。ここを拠点としてゾンダーや原種の出現を待ち構えたいと思っている。もちろんただで居座らせろとは言わない。有事の際にはこちらの戦力を貸し出すことも考えている」
「我々に協力してくれると?」
「防衛戦が主だがな。侵略行為には手は貸さん」
「こちらから侵略することは絶対に無いと断言しよう。こちらが行うのは、次の『柱』が見つかるまで、生き残った人々を守り切る事だ」
「逆に聞くが、こんな怪しい集団をお前達は信じると?」
俺がそう問いかけると、
「ぷっぷぷぅ~~~~!」
突然モコナが飛び上がって俺の頭の上に落ちてきた。
「んがっ!?」
思わず変な声を出す俺。
「ぷぅっ! ぷぅっ!」
モコナは俺の頭の上で嬉しそうに飛び跳ねる。
それを見てクレフがフッと笑うと、
「モコナがそこまで気を許しているのなら、お前達は悪しき心を持つものではあるまい。そもそも、セフィーロの者に危害を加えようとする者達は、この城に入ることも難しいのだからな」
クレフが安心した、そして自信を持った表情でそう言った。
「そうか………ならば、暫く世話になる」
俺はそう言ってクレフと握手を交わすのだった。
はい、新章は魔法騎士レイアースTV版)です。
レイアースの話のタイミングとしては、折られた光の剣が直ってからオートザムが攻めてくる間としています。
つかGGGが居ると、過剰戦力にも程があるから匙加減が重要なんですよね。
その気になったら3国の旗艦全部マクロスキャノンで墜とせそうな気もしますし。
次回はセフィーロの人々との交流になると思います。
お楽しみに。