転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第3話 オートザムとの戦い

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

セフィーロの城に接近してくる鋼鉄の戦艦。

それは、セフィーロに侵攻してきている3つの国の内の1つ、オートザムのNSXであった。

対策を講じるため、クレフの下へ集う一同。

だが、NSXでは着々と攻撃準備が進められていた。

しかし、城を視界に収めた時、見慣れぬ基地が城の上空に浮遊していた事にNSXのクルー達は訝しんだ。

 

「何だあの基地は? あんなもん前に見た時は無かったぜ?」

 

NSXのクルーの1人、副司令官の男であるジェオ・メトロが怪訝な声を漏らす。

 

「ふむ…………」

 

オートザムの司令官である銀髪の青年、イーグル・ビジョンが少し思案顔になると、

 

「ラグナ砲、発射準備」

 

静かに命令を下した。

ブリッジ要員が命令に従い準備を進めていく中、

 

「いきなり撃つつもりか?」

 

ジェオが問うと、

 

「様子を見るだけです。突然攻め込んで大歓迎を受けるより、接近したらどんな反撃があるのか。まず、確かめるべきでしょう?」

 

「………オメェと戦わずに済んで、やっぱよかったぜ………」

 

様子見でいきなり主砲をぶっ放そうとするイーグルに、ジェオは畏れを抱くのだった。

 

「……………ヒカル………ランティス…………」

 

イーグルは、その城に居るだろう2人の名を、静かに呟いた。

 

 

 

 

クレフの下でNSXの様子を伺っていたセフィーロとGGGの面々だったが、

 

『ジェイさん! 敵艦のエネルギー上昇を感知! 主砲クラスの砲撃と思われます!』

 

ルリから緊急の報告が入る。

 

「警告無しの先制攻撃とはやってくれる! ルリ! プロテクトシェード緊急展開!」

 

ジェイが叫ぶと、

 

『了解! 遠隔操作によるプロテクトシェードシステム緊急起動します!』

 

オービットベースの周囲にあるプロテクトシェード発生装置が起動する。

その瞬間、

 

『発射………!』

 

イーグルが淡々と告げた。

NSXの艦首にある2門のラグナ砲の砲口にエネルギーが集中し、一気に解放された。

放たれた2条の閃光は束ねられて一つとなり、セフィーロの城へと迫った。

だが、そのエネルギー砲がプロテクトシェードによって受け止められる。

 

「バリアか!? ラグナ砲を防ぐほどの強度だと!?」

 

NSXの主砲が防がれた事に驚愕するジェオだったが、イーグルは目を細め、

 

「………このエネルギーの流れは………!」

 

リアルタイムで観測していたデータを解析していた時、悪寒が走った。

 

「シールドを張りつつ全速回避!」

 

「りょ、了解!」

 

突然下された、命令にクルーは戸惑いながらも命令を実行する。

NSXが回避行動を始めた瞬間、プロテクトシェードによって受け止められたエネルギーが五芒星を描き、反射された。

跳ね返されたエネルギーは回避行動を取っていたNSXのバリアを掠りながら空へと消えていく。

しかし、NSXは激しい衝撃に襲われていた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉっ!? ラグナ砲のエネルギーを跳ね返しやがった!?」

 

振動に耐えながら、驚愕の声を上げるジェオ。

 

「これは驚きましたね」

 

口ではそう言うが、全く驚いていないように表情を変えないイーグル。

すると、格納庫へ通信を入れ、

 

「ザズ、スタンバイ出来ましたか?」

 

モニターに映ったメカニックの少年、ザズ・トルクが自信を持ってサムズアップをすると、

 

『俺のメカへの愛は、今日も燃え燃えだぜ!』

 

笑みを浮かべてそう答えた。

すると、イーグルは艦長席を立ち、

 

「出ます」

 

そう呟くのだった。

 

 

 

 

 

一方、セフィーロの城では、

 

「あいつら、マジでぶっ放してきやがった!」

 

「民間人が避難してきている所に、警告も無しに攻撃してくるなんて………!」

 

ハヤテとミラージュがオートザムの行動に信じられないという声を上げる。

 

「……助かった。礼を言う」

 

クレフがジェイに向かって感謝の言葉を述べた。

 

「防衛戦に協力するとは言ったからな」

 

ジェイはそう答える。

 

「海ちゃん! 風ちゃん!」

 

光が2人に呼び掛けると2人は頷き、その鎧が変化し、騎士らしい姿へと変貌した。

そして、それぞれの剣を掲げ、

 

「セレス!!」

 

「ウィンダム!!」

 

「レイアース!!」

 

その名を呼ぶと、光と共に姿を消した。

その直後に城の直上の空に空間の穴が開き、そこから3体の魔神が現れた。

 

「間近で見ると、スゲェファンタジーだな………」

 

アルトが思わずぼやいた。

 

「俺達も行くぜ!!」

 

ハヤテが勇ましくそう言ったが、

 

「あ、ゴメン。カイプラちゃんは今は出撃出来ないや!」

 

出鼻を挫くようにマキナがそう言った。

 

「なんで!?」

 

ハヤテが思わず問い返すと、

 

「カイプラちゃんは只今GSライドとウルテクエンジン、及びテスラ・ドライブへの換装作業を始めた所なの。アルアルのデュラちゃんのデータがあるから、そこまで時間はかからないと思うけど、それでも1週間ぐらいは出撃出来ないかなぁ?」

 

マキナが理由を説明する。

 

「畜生………見てることしか出来ねえのか?」

 

「仕方ありません。ゾンダーや原種と戦う上で、GSライドへの換装は必須ですから」

 

「そりゃ分かってるけどよ………」

 

ミラージュの言葉にハヤテが愚痴る。

すると、

 

「念の為に城の防衛としてジェイアークとアルトアイゼン・リーゼ、ライン・ヴァイスリッター、ヴァイサーガ、ソウルゲイン、ペルゼイン・リヒカイトを残す。残りはマクロス・ブレイバーで出撃。魔法騎士達を援護する」

 

ジェイがそう言うと、

 

「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」

 

GGGの面々が返事を返した。

 

 

 

 

手早く出撃準備を完了させ、マクロス・ブレイバーが発進する。

マクロス・ブレイバーの足は速く、程なく3体の魔神に追いつくと、

 

『どうも、GGGマクロス・ブレイバー艦長のホシノ・ルリです。こちらの方が足が速いので乗ってください』

 

ルリが3人にそう呼びかける。

 

「あっ! ありがとう!」

 

「ありがとうございます!」

 

「金色の戦艦って……派手ね」

 

光、風、海がそう言いながらマクロス・ブレイバーの甲板に降り立つ。

そのまましばらく進んでいると、NSXから2機の機動兵器が飛び立った。

それは、オートザムの人型機動兵器であり、メタリックホワイトの機動性と白兵戦に長けた、イーグルの操るFTOと、グリーンのカラーリングと遠距離戦に長けたジェオの操るGTOであった。

 

「イーグル………」

 

光がイーグルの名を呟く。

光は以前オートザムに捕らえられたことがあり、イーグルやジェオ、ザズとも顔見知りになっていた。

 

『これはこれは………少し見ないうちに、随分とお仲間が増えたようですね?』

 

イーグルがいつもの調子で話しかけてくる。

すると、

 

『こんにちは。私はガッツィー・ジェネレーション・ガード、通称GGG所属、マクロス・ブレイバー艦長のホシノ・ルリです』

 

ルリが通信でそう名乗る。

 

『これはご丁寧に。僕はオートザム軍の最高指揮官のイーグル・ビジョンです。こんな可愛らしいお嬢さんが艦長とは驚きです』

 

イーグルも礼儀正しい言葉遣いで名乗り返した。

 

『ありがとうございます。私達GGGは、セフィーロの防衛に協力する事になっています。よって、このまま侵攻を続けるなら戦わなければなりません。ですが、ここで引き返すというのなら、戦う必要は無いのですが?』

 

ルリがそう言うと、

 

『お気遣いありがとうございます。ですが、我々もオートザムの命運を背負ってセフィーロに来たのです。引き返すわけにはいきません』

 

『そうですか………では、残念ですが戦うしかないようですね?』

 

『はい』

 

ルリの言葉にもイーグルは全くの動揺を見せずに頷いた。

すると、

 

『デスティニー、インパルス、ガイアは出撃を。魔法騎士達と共に敵の迎撃をお願いします。敵機の性能は未知数です。十分にご注意を』

 

ルリがそう言うと、

 

「了解! シン・アスカ! デスティニー! 行きます!」

 

カタパルトからデスティニーが発進する。

 

「ルナマリア・ホーク! インパルス! 行くわよ!」

 

「ステラ・ルーシェ! ガイア! 出る!」

 

続いてインパルスとガイアが出撃。

3体の魔神と並び、FTOとGTOに相対した。

 

『イーグル、あの機体は………?』

 

『わかりません。セフィーロの物とも、我々オートザムの物とも違います』

 

2人が言葉を交わすと、

 

『マクロス・ブレイバーはこれより、敵旗艦を狙います。対艦戦闘用意!』

 

マクロス・ブレイバーが進路を変え、NSXへ舵を切る。

 

『イーグル! 敵の戦艦がNSXの方に!』

 

ジェオが叫ぶと、

 

『あちらはザズ達に任せます。こちらの相手も、気を取られて勝てる甘い相手ではないようです……!』

 

イーグルは冷静な声でそう言うと、

 

「行くぞ!」

 

シンが掛け声と共にビームライフルを放った。

 

『シールド』

 

イーグルが呟くと、ビームがFTOに当たる直前に弾かれて四散した。

 

「バリアか!」

 

ビームが防がれた事に、特に驚きもせずに口にするシン。

ゾンダーと散々戦って来たシンにとって、敵がバリアを持っている事は最早デフォルトと言っていいレベルなので、驚く事でも無かった。

 

「それなら!」

 

シンは高エネルギー長射程ビーム砲を展開する。

 

「私だって!」

 

ルナマリアもテレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔を展開した。

 

「「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」

 

同時に砲撃を放つ2人。

 

『ッ!?』

 

だが、即座にFTOは回避行動を取り、その攻撃は空を切る。

 

「躱した!? なんて機動性だ!」

 

『今のは躱さなければあぶない所でした。では今度は、こちらから行きます………』

 

イーグルがそう呟くとFTOの背中にあるウイング型のブースターを広げ、一気に加速した。

 

「速いっ!?」

 

シンが驚愕しながらも回避する。

 

「気を付けて! あの機体は速いわよ!」

 

海が叫んだ。

 

「見れば分かる!」

 

思わずシンは言い返した。

 

「炎の……矢ぁぁぁぁぁっ!!」

 

レイアースが炎の魔法を放つ。

しかし、FTOは瞬時に横に避けて回避した。

 

「水のぉぉぉぉぉぉぉっ………龍ぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

 

セレスが水の龍を象った魔法を放った。

だが、FTOは腕から発生させたビームソードでその龍を切り裂く。

そしてここぞとばかりに背後からGTOが現れ、ビーム砲を放ってくる。

 

「守りのっ……風っ!!」

 

だが、その寸前にウィンダムが風の防御魔法で彼女達を守った。

しかしイーグルは、その間にも解析を続けていた。

セレスのデータを表示する。

 

『水を使った魔法………スピード重視………』

 

次にウィンダムのデータを表示し、

 

『風を使った魔法………攻撃よりも、防御重視……』

 

更にレイアースのデータを表示した。

 

『炎を使った魔法……攻撃重視………剣の威力は3機中で最強……!』

 

イーグルは魔神達の以前までの戦闘データと今回の戦闘データからそれぞれの長所を的確に解析した。

 

『他の3機はまだデータが足りません………ですが、先程の砲撃の威力を見るに、遠距離砲撃型の可能性が高い………』

 

イーグルはMS3機の性能をそう予測した。

そして、

 

『まず、防御力を低下させます』

 

『OK!』

 

ジェオが答えると、GTOが再び砲撃を放ち、牽制を行う。

それぞれが回避するが、その瞬間、FTOが一気に加速。

その狙いはウィンダムだった。

 

「はっ!」

 

風がそれに気付くが、FTOはビームソードを振り被っており、対処は間に合わない。

そのままビームソードが振り下ろされ、

 

「やらせるかぁっ!!」

 

その前にデスティニーが立ち塞がった。

左腕からソリドゥス・フルゴール ビームシールドを発生させ、FTOのビームソードを受け止めていた。

 

「シンさん!?」

 

「下がれっ!」

 

風が呼びかけるがシンが叫ぶ。

 

「は、はいっ!」

 

風は咄嗟に飛び退いた。

その直後に互いに弾き合って距離を取る。

 

『………ビームによるシールド…………中々の防御力ですね。それに、よくこのFTOのスピードについて来れましたね』

 

イーグルは淡々と事実だけを口にする。

 

「はっ! いくら速いって言ったって、ジェイダーやライン・ヴァイスリッター程じゃない! その位のスピードなら、俺だってぇぇぇぇっ!!」

 

その瞬間、シンの中で『種』が弾ける。

デスティニーが背中から大剣アロンダイトを抜き放ち、更に光の翼を広げた。

 

「光の………翼………?」

 

光が呆然と呟く。

 

「うぉおおおおおおおおおおおっ!!」

 

デスティニーが残像を生み出しながら高機動で突っ込む。

 

『ッ!』

 

振り抜いた一撃は躱されてしまうが、シンは構わずに追撃する。

 

『ッ………近距離、中距離、遠距離を高水準でカバーできる性能………これは、全ての距離で戦える万能機………! ならばこの機体を与えられたパイロットは、間違いなくエース……!』

 

イーグルはそれでも冷静に解析を続けていた。

 

『イーグル!』

 

ジェオが援護しようとビーム砲を向けたが、

 

「させない!」

 

ガイアがビームライフルで攻撃する。

 

『チッ! シールド!』

 

GTOはバリアでそのビームを防いだが、

 

「でやぁあああああああっ!!」

 

インパルスが2本の対艦刀エクスカリバーを抜いて連結。

足を止めたGTOに斬りかかった。

その一撃もバリアで受け止められてしまったが、

 

「今よステラ!」

 

ルナマリアの目的は足止め。

呼びかけられたステラはガイアを獣型のMA形態に変形させる。

 

『変形だとっ!?』

 

ジェオが驚愕の声を上げた瞬間、ガイアは空中を蹴って駆け出す。

 

「ブレイクフィールド展開!」

 

ガイアは加速しながら前方にテスラ・ドライブによるエネルギーフィールドを発生させ、

 

「突っ込め! ガイア!!」

 

ブーストで加速しながらGTOに突っ込んだ。

直前でインパルスは退避。

GTOは避ける間もなくガイアの突撃をバリアで受け止めた。

 

『ぬぉおおおおおおっ!?』

 

だが、GTOのバリアは先程までインパルスのエクスカリバーを受け止める為にかなり減衰しており、その状態でガイアの突撃を止めることは出来なかった。

 

『くっ!』

 

ジェオは咄嗟に回避行動を取る。

その瞬間、バリアが打ち破られ、ガイアがそのまま突っ込んできた。

ガイアの背部のウイングのビームブレードがGTOの片足を切り裂く。

 

『くぉおおおおおおっ!?』

 

何とか体勢を立て直すジェオ。

 

『…………こいつぁ………ちと厳しいな…………』

 

ジェオは不敵な笑みを浮かべつつも、冷たい汗を流すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、マクロス・ブレイバーはNSXを射程に捉えていた。

 

『敵艦接近!』

 

『嘘ぉっ。イーグルもジェオも居ないのに………?』

 

NSXのブリッジでザズやクルー達が慌ただしくなる。

 

『イーグルから連絡は!?』

 

ザズがクルーに尋ねると、

 

『ありません! ですが、こちらはザズに任せると…………』

 

『俺、唯のメカニックなんだけど…………』

 

少し情けない声を漏らすザズ。

 

『敵艦、更に接近!』

 

だが、その報告を聞くと。

 

『ああ、もう!』

 

やけくそ気味に叫びながら立ち上がると、

 

『全砲門開け! 対艦戦闘用意!!』

 

ザズが指示を出す。

対してマクロス・ブレイバーは、

 

「敵艦、攻撃射程内に入りました!」

 

クリスが報告すると、

 

「各砲塔回頭! クォーターキャノン発射準備!」

 

「了解」

 

ルリの指示にフェルトが答え、マクロス・ブレイバーの各部に取り付けられている2連装の砲塔10基が回頭し、NSXに狙いを定める。

 

『敵艦の砲門がこちらを向いています!』

 

NSXのクルーがそれに気付いて報告する。

 

『ッ………! 敵の攻撃をバリアで受け止める! その後に一斉射撃で反撃だ!』

 

ザズが指示を出すと、NSXの周囲にバリアが張られる。

 

「クォーターキャノン、発射」

 

ルリが指示を出すと、砲門から一斉に対艦重ビームが放たれた。

閃光がNSXへ向かいバリアに衝突。

激しい揺れがNSXを襲う。

 

『うわぁあああああああああっ!』

 

思わず悲鳴を上げるザズだったが、やがてビームの光が途切れ、揺れが収まる。

 

『耐えきった!?』

 

思わず声を上げるザズだったが、すぐに気を取り直し、

 

『反撃だぁ! いっけぇ!!』

 

ザズの号令でNSXの各部にあるビームの砲門やミサイル発射口から次々と攻撃が放たれた。

 

「ッ! リヒティさん! 回避任せます!」

 

「了解っス! しっかり掴まっといてください! 揺れますよぉ!」

 

リヒティが気合を入れ直して操縦桿を握る。

マクロス・ブレイバーが加速しながら左右に揺れるような機動を見せ、追尾してくるミサイルは対空砲が打ち落とす。

それでも当たりそうな攻撃はルリとオモイカネがピンポイントバリアを操作して防いでいた。

 

『ウソォ……!? 戦艦であんな機動ができるの!?』

 

戦闘機と似たような動きで攻撃の殆どを回避したマクロス・ブレイバーの動きにザズは驚きの声を上げる。

だが、

 

『ッ! ラグナ砲発射準備!』

 

ザズはそう指示を出す。

 

『はっ? し、しかしチャージに時間が………』

 

『出力は50%でいい! 攻撃を続行しつつラグナ砲のエネルギーを溜めて!』

 

『りょ、了解!』

 

クルーは戸惑いながらも返事を返す。

そしてザズは、艦首をマクロス・ブレイバーに向くように指示を出した。

やがて、

 

『ラグナ砲! エネルギーチャージ50%!』

 

『よし! ラグナ砲を敵艦の上部に向けて発射だ!』

 

ザズがそう言うと、クルーも漸くザズの狙いに気付いた。

マクロス・ブレイバーは現在、回避行動を繰り返したことにより、地表にかなり近付いている。

そこでラグナ砲を艦上部に向けて掃射すると、マクロス・ブレイバーが回避するためには下降しなければならないため、大地に激突する。

現在マクロス・ブレイバーはかなりの速度で動いているため、この速度で地表に激突すれば、唯では済まない筈だというザズの考えだ。

 

『了解! ラグナ砲照準………完了!』

 

『ラグナ砲! 発射ぁっ!』

 

ザズの号令でラグナ砲が発射される。

そしてマクロス・ブレイバーがとった行動は………降下だった。

船体が地表に近付き、間もなく激突するだろう。

 

『よおし! 激突だぁっ!』

 

読み通りにいった事でザズは狙い通りといった声を上げた。

だが、

 

「トランスフォーメーション開始」

 

「了解。全艦トランスフォーメーション開始!」

 

マクロス・ブレイバーの後部エンジン部が折れ曲がり、足の様になって大地を滑る。

 

『へっ?』

 

それを見たザズは素っ頓狂な声を上げる。

マクロス・ブレイバーは大地を滑りながら強引に方向転換。

同時に上半身も変形し、強攻型へと変形を遂げた。

 

『せ、戦艦が………変形ぇぇぇぇぇぇぇっ!?』

 

ザズは驚愕の声を上げる。

ザズ自身もメカニックなので、その異常性が良く分かるのだろう。

そして、マクロス・ブレイバーは右腕を構成しているガンシップをNSXへ向けた。

 

『ッ!! バリア出力最大! 緊急回避!!』

 

ザズは咄嗟に叫んだ。

その瞬間、

 

「マクロスキャノン………発射!」

 

ルリの言葉と共に、重粒子反応砲が発射された。

重力波によって捻じ曲げられたビームが竜巻の様になってNSXへ向かう。

その一撃は、NSXのバリアを打ち破り、後部を掠めて空へと消えていった。

 

『艦後部小破!』

 

『艦稼働率80%に低下!』

 

『た、助かった?』

 

ザズがホッとして顔を上げるが、艦の状況はあまり宜しくなかった。

 

 

 

 

 

魔法騎士及び3機のガンダムと戦闘を続けていたイーグルたちだったが、突如としてNSXから緊急通信が入る。

 

『ゴメンイーグル! こっちはピンチだ!』

 

ザズからの通信に、イーグルは少し思案顔になる。

 

『イーグル、どうする?』

 

ジェオが問いかけると、

 

『…………ジェオは直ちにNSXに帰還を。その後、安全圏まで撤退してください。殿は僕が務めます』

 

その言葉に、

 

『殿を務める総司令官が何処にいる!? 殿なら俺が………!』

 

ジェオがそう言うが、

 

『総司令官だから………ですよ』

 

イーグルは笑みを浮かべる。

その笑みを浮かべる時のイーグルは、何かしら考えがある時の顔であることを知っているジェオは、

 

『………あーくそ! 了解だ!』

 

そう言ってイーグルの命令通りにした。

GTOは踵を返してNSXに向かって帰投していく。

シン達は、一瞬追おうという気持ちもあったが、その前にFTOが立ち塞がった。

たった1機残ったという事は、何かしらの作戦があると思い、警戒するシン達。

すると、その視線の先でFTOが動き……………

両手を上に上げた。

 

『投降します』

 

「……………は?」

 

余りの突然な出来事に、シンは素っ頓狂な声を漏らす。

 

「い、いきなり何だよ?」

 

『ですから投降すると言ったんです。このまま戦っても勝ち目がありませんから』

 

淡々とそう言いながら笑みを浮かべるイーグルにシン達は困惑するが、投降すると言った者を撃つほど非情ではない。

罠という可能性もあるが、一先ず捕虜という形でイーグルを確保することにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、レイアース編第3話です。
オートザムとの戦闘でした。
流石に全員でフルボッコは可哀想な気がしたのでガンダムチームだけです。
序にマクロス・ブレイバー対NSXも。
正直FTOのスピードってどんなものか分からない。
アニメでは消えるような描写ですが、まあライン・ヴァイスリッターやジェイダー程では無いだろうと思います。
で、そこそこの戦闘の末、投降して来たイーグルですがはたして………




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