転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
【Side 三人称】
マクロス・ブレイバーがオートザムと戦っていた時、セフィーロ城の上空で待機していたジェイアークでは、メインコンピューターのトモロが状況の把握に努めていた。
その時、
『………ム、コレハ………』
トモロが気付いたように声を漏らした。
外の状況が動いたのではない。
ジェイアーク艦内のとある場所のデータが信じられない状態になっていたのだ。
『シンジラレナイ。ハヤスギル………』
そう言葉を漏らすトモロだったが、危機感や焦燥感を感じさせるものではない。
言うなれば嬉しい誤算と言った所だ。
だが、また別のデータが更新された。
『コレハ………せふぃーろジョウナイニナゾノえねるぎーハンノウヲカクニン』
セフィーロ城でも異変が起こり始めていた。
【Side Out】
クレフの所で状況の推移を見守っていた俺だったが、突然トモロから通信が入った。
「どうしたトモロ?」
俺が問いかけると、
『じぇい。シロノナイブニナゾノえねるぎーハンノウヲカクニンシタ』
「何?」
『イチヲオクル』
トモロの言葉と共に空間モニターが表示され、セフィーロ城の簡単なマップとエネルギー反応が起こった位置が表示された。
「ここは………」
「ッ!? そこはアルシオーネを幽閉している部屋だ!」
フェリオが叫んだ。
その直後、
「ッ!?」
クレフが何かを感じ取ったように動揺した。
「導師!?」
咄嗟にフェリオが支えるが、
「大丈夫だ………城内に、魔物が現れた………」
「「「「「ッ!?」」」」」
その言葉に驚く一同。
それを聞いて俺は、IDアーマーを展開する。
「イィィィィィィィクイィィィィィィィップ!!」
赤い光と共にアーマーを装着すると、
「俺が城内に現れた魔物を倒す。お前達は民間人の護衛に回ってくれ」
「わかった。任せて!」
俺はハルや仲間達にそう言うと駆け出した。
魔物の場所はトモロがナビゲートしてくれる。
しばらく進んでいると、壁を破壊して茶色の甲殻を持った一つ目の魔物が現れ、
「ラディアントリッパー!!」
俺は光剣を抜いて即座に切り裂く。
魔物は一撃で真っ二つになって消えた。
「この程度なら問題無いな」
魔物の強さを確かめた俺は、次の場所へと急ぐ。
何度か遭遇する魔物を倒していると、
「稲妻っ………招来!!」
目の前に現れた魔物が雷撃の魔法によって粉砕された。
「むっ………!?」
俺はその場を注視すると、爆煙の向こうから黒髪で黒い鎧を纏い、魔法で生み出しただろう光剣を構えた男性が現れた。
黒髪で黒い鎧に光剣を使う男と言えば、ランティスか………
将来的に光のお相手になる男性だったな。
「…………お前は………」
ランティスが俺の姿を見て口を開こうとした時、
「ッ!」
俺は即座に光剣を構えてランティスに向かって突進する。
「ッ!?」
ランティスは咄嗟に剣を構えたが、
「はぁああああああっ!!」
俺は構わずに光剣を突き出した。
その一撃は、
「………ギ………ギギ…………」
ランティスの背後から襲い掛かろうとしていた魔物の目玉を串刺しにした。
俺が光剣を抜くと、魔物は消滅する。
「………驚かせたか?」
俺が問いかけると、
「………いや、助かった」
ランティスは静かに礼を言う。
「名乗り遅れたな。俺の名はジェイ。魔法騎士達とはまた違う異世界からの来訪者だ」
俺がそう名乗ると、
「…………ランティスだ。お前達の事は導師クレフから聞いている」
ランティスも名乗り返した。
「そうか………今は緊急事態だ。現れた魔物を倒すのが先決だと思うが?」
「異論は無い」
互いに言葉を交わすと、
「「はぁああああああああっ!」」
互いに剣を突き出した。
俺の剣がランティスの背後から現れた魔物を貫き、ランティスの剣が俺の背後に現れた魔物を貫く。
「「………………」」
俺達は互いに視線を交わすと、再び現れ始めた魔物に向かって行った。
【Side 三人称】
魔物は、居住区画にも現れ始めていた。
「はぁあああああっ!!」
「たぁあああああっ!!」
「うぉおおおおおおっ!!」
「魔獣召喚!!」
ラファーガやカルディナ、フェリオ、アスコット達が魔物を食い止めている。
それでも止めきれない魔物達が、セフィーロの人々に襲い掛かろうとする。
その中には、ミラを始めとした子供達の姿もあった。
「「「「「きゃぁあああああああああっ!?」」」」」
悲鳴を上げる子供達。
しかしその時、赤い光が辺りを照らし、魔物の攻撃を受け止めた。
それは、
「大丈夫? 安心して! 必ず護るよ!」
浄解モードとなって障壁で魔物の攻撃を受け止めたハル。
更に、何発もの銃声が響き、魔物が次々と斃れていく。
そこには、ハヤテやミラージュ、メッサー、キョウスケ、エクセレン、ラミアといった、残っていたGGGのメンバーが銃を構えていた。
更には、
「白虎哮! くらえいっ!!」
アクセルが素手で魔物を殴り飛ばし、
「さくさく、さくさく、行きますの………」
小柄な体に似合わない太刀を振りかざし、静かに魔物を切り裂くアルフィミィの姿。
「アルフィミィちゃん………どこから出したのそれ?」
エクセレンが思わずツッコミを入れた。
「アクセルも良く化け物相手に素手で殴りかかれるな………」
ハヤテも素手で魔物を倒すアクセルに若干引いていた。
「フン。この世界は意志の強さが力となるのだろう? ならばこのような有象無象に後れを取る理由などある訳が無いんだな。これが!」
そう言いながら再び魔物を蹴り飛ばすアクセル。
蹴り飛ばされた魔物は物凄い勢いで吹き飛び、壁に激突して消滅した。
「ほえ~、兄さんもやるもんやなぁ」
カルディナが感心した声を漏らした。
すると、
「意志の強さが………力になる………」
美雲が呟く。
ワルキューレの歌は、魔物達には通じないと思っていた。
だが、アクセルの言葉でその考えは間違っていたと思い直したのだ。
意志の強さ。
即ち、思いや心の強さ。
それが力になるなら、思いを伝える歌は、決して無力では無いと。
その想いは、カナメやマキナ、レイナも同じようだった。
互いに頷き合うと、立ち上がると同時に衣装がステージ衣装へと変化した。
そして、
「「「「ワルキューレがとまらない ワルキューレがとまらない ワルキューレはとまらない ROCKIN MY JET COSMIC LOVE TAKE OFF!♪」」」」
4人が同時に歌い出した。
突然歌い出したワルキューレに何事かとこの場の面々が振り返ったが、
「ギ………ギギ…………」
魔物達が怯んだような仕草を見せた。
「これは………」
「魔物達が………怯んでいる………?」
「まさかワルキューレの歌で!?」
メッサー、ミラージュ、ハヤテが驚きの声を漏らした。
「よくわからないが、今がチャンスだ!」
フェリオが叫びながら大剣を振るう。
すると、その一撃は魔物を一刀両断に分割した。
「なっ!? これは……!?」
その事にはフェリオ自身が驚愕する。
「何や今の威力!?」
カルディナも驚愕の声を上げた。
フェリオも相当な剣の使い手ではあるが、今ほどの剣の威力は無かった筈だからだ。
「はぁああああああああああっ!!」
今度はラファーガが剣を振り下ろすと、剣圧による衝撃が魔物を数匹纏めて消し飛ばした。
「なっ!? 俺の剣も!?」
ラファーガも驚きの声を漏らした。
「これは………ワルキューレの歌で彼らの力が増幅されている!?」
ミラージュがそう予測した。
カルディナが両手に短剣を持って踊る様に振るいながら魔物を切り裂いていく。
「ホンマや! 体がよう動くわ!」
カルディナが声を上げた。
ワルキューレの歌の後押しを受け、この場の魔物は次々と殲滅されていった。
【Side Out】
ランティスと共に城内の魔物を倒していた俺は、ランティスの剣の力で柱の証のある部屋の前に転移して来た。
ランティスは邪悪な意思を感じて此処に来たのだ。
この部屋にはランティスの剣か、クレフの指輪が必要であり、普通なら何人たりとも来ることが出来ない場所なのだが………
すると、扉の前に影が浮かび上がり、1人の女の姿となった。
青白い肌と性悪そうな顔をした年増な女の姿。
オバサンと言っても良いかもしれない。
コイツがラスボスのデボネアだったか………
「お前は………!?」
ランティスが問いかけるが、
『フッフッフッフッフッフ………』
デボネアは薄ら笑いを零しながら幽霊が物を透過するように扉の奥へと消えていく。
「待て!」
ランティスは咄嗟に後を追おうとした。
だが次の瞬間、眩い光が扉の奥から放たれた。
「うっ……!」
俺は咄嗟に目を庇う。
『ぎゃぁああああああああああっ!』
デボネアの悲鳴が聞こえたかと思うと、城内が光に包まれた。
暫くして光が収まると、城内からデボネアの姿は消え、魔物も消滅したようだった。
尚、外でオートザムと戦っていたシン達から、イーグルと名乗るオートザムの司令官を捕虜にしたとの報告があり、若干驚いたのは秘密だ。
レイアース編第4話です。
今回は生身での戦いが主でした。
前回出せなかったランティスも登場。
スパロボでも魔神ランティスに乗って戦闘可能キャラとして登場したのは驚きでしたね。
でも魔神ランティスの唯一の不満は攻撃技に『稲妻招来』が無かったことです。
自分にとってあの魔法剣がランティスの代名詞と言っていいほどなので。
『稲妻』の言葉で剣に雷を受けて『招来』の言葉と共に放つあの技は、リアルタイムで見てた自分にはぶっ刺さりましたんで。
因みにアニメではザガートも使ってたりします。
序にワルキューレの歌は魔物にデバフ、味方にバフを掛ける万能支援技となりました。
尚、これでもフレイアが居ないので万全とは程遠いという………
そのフレイアですが何時になったら出てくるのでしょうね。
次もお楽しみに。