転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第7話 ランティスの危機! 届け光の想い!

 

 

海とタータ、タトラの決闘により、チゼータとの停戦が決まり、城へと戻ってきた俺達。

正式に停戦を結ぶため、タータ、タトラの2人を城に招き入れることになった。

城の入り口では風が不安そうな表情で待っていたが、海の姿を見て安堵し、タトラとも気が合う様子を見せていた。

その時、ファーレンの龍のような姿をした移動要塞『童夢』が出現。

ファーレンと関わりがあった風が迎え撃とうとしたが、『戦いに来たわけではない』と少女の声が響き、ファーレンの第一皇女であるアスカという少女が、お付きのサンユンという少年と共に現れた。

何でも、以前風がファーレンに連れ去られ、脱出する際、『次は一緒にお茶をしましょう』という約束を守りに来たそうだ。

アスカは、とっくに風に絆されていたらしい。

そのまま停戦を結ぶために城へ招き入れたが、そちらはセフィーロの人間で行うため、俺達は別行動だ。

その間、俺達が何をするかと言えば、

 

「やっほう!! ご機嫌だぜ!!」

 

セフィーロの荒れ狂った空を、難なく飛び回る3機のVF-31カイロスプラス。

ハヤテが機嫌良く叫びながら自由に操縦する。

 

「これが………改修されたVF-31………」

 

ミラージュが予想以上だと言わんばかりに呟く。

 

「…………………」

 

メッサーは無言で機体の調子を確かめていた。

今は空いた時間で改修が終わったVF-31の慣熟飛行を行っていたのだ。

 

「3人とも、どう? 新しいカイプラちゃんの調子は?」

 

マキナが3人に問いかける。

 

「最高だぜこいつは!」

 

ハヤテは不満など在るはずが無いというように叫び、

 

「はい。正直、想像以上です……」

 

ミラージュも頷き、

 

「こちらも問題は無い。機体性能が飛躍的に上がっている分、慣れは必要だがな」

 

メッサーもそう評した。

 

「GSライド、ウルテクエンジン、テスラ・ドライブ、各システムも問題無し!」

 

レイナが各機体のデータを確認しながらサムズアップする。

 

「ほえ~。ハヤテ、楽しそうに飛んどるわ~!」

 

その様子を眺めながらフレイアは笑顔でそう言う。

 

「凄い性能ね………ジェイさん達が、安易に技術提供をしなかった理由がよくわかるわ」

 

カナメもそう漏らした。

各々が心行くままに飛んでいたが、

 

「ッ……! ジェイさん」

 

ルリが何かに気付き、報告してくる。

 

「どうした?」

 

俺が聞き返すと、

 

「城の中で微弱な振動を検知。波形パターンから察するに、戦闘が行われているようです」

 

「戦闘……!? まさか!」

 

その瞬間俺はハッとなった。

そう言えばランティスがノヴァに攫われる展開があった筈。

もしかしてそのタイミングか!?

しかも、フェリオやラファーガと言ったセフィーロの主力になる戦士達も居ない。

このままでは予想外の事が起きかねない。

 

「すぐに救援に向かうぞ!」

 

俺はそう言った。

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

海と風はタータ、タトラ、アスカ、サンユンと共にクレフの下へと向かっていたが、その途中で赤い体色をした今までとは違う大型の人型の魔物が現れた。

海達も応戦するが、その魔物は非常に高い再生能力を持っており、苦戦していた。

 

「緑の疾風!」

 

風の風魔法で魔物の動きを止め、

 

「たぁあああああああああっ!!」

 

海が直接剣で斬りかかった。

しかし、その攻撃を空を切る。

 

「ッ!?」

 

魔物はその場にはおらず、海は魔物の姿を見失った。

 

「上よ!」

 

タトラの声で居場所が分かるが、その時には魔物はアックスを振り被っていた。

 

「ハッ!?」

 

避けられない事を悟る海。

そのままアックスが振り下ろされ、

 

「ッ!?」

 

海は目を瞑った。

しかし、いつまで経っても痛みは来ない。

海が恐る恐る目を開けると、

 

「おおおおっ!」

 

ジェイが光剣でアックスの一撃を受け止めていた。

 

「ジェイ!」

 

海が声を上げると、

 

「ウィルナイフ!」

 

遅れて飛び込んできたルネが短剣の一撃で魔物を吹き飛ばした。

 

「ルネさん!」

 

風も嬉しそうな声を上げた。

 

「無事か!?」

 

「ええ! 何とか!」

 

ジェイの問いに海が答える。

それを聞いたジェイは魔物に向き直る。

魔物は腹部を抉り取られていたが、その傷が瞬く間に再生した。

 

「再生?」

 

ルネが声を漏らす。

 

「そうなのよ! その魔物は直ぐに傷が治っちゃうの!」

 

海が叫ぶ。

 

「そう言う系の敵は、核となる部分を破壊するか、再生不能なほどの大ダメージを与えるかの二択だね」

 

ルネは冷静にそう言った。

 

「随分と落ち着いているな?」

 

タータが慌てないルネを見て、怪訝そうに呟く。

 

「別に。私達にとって、敵が再生するなんて日常茶飯事」

 

ジェイやルネは再生がデフォルトのゾンダーや原種と戦っているので、今更敵が再生した所で驚きなど無い。

 

「行くぞ、ルネ!」

 

「うん!」

 

立ち上がった魔物に2人が飛び掛かる。

 

「はぁあああああああああっ!」

 

ジェイが高速移動で敵をかく乱しつつ両腕を斬り落とし、

 

「でやぁああああああああああっ!」

 

その隙にルネが頭部へとウィルナイフの一突きを食らわせて粉砕する。

魔物は倒れるが、再び再生を始めた。

すると、腕を大砲のような形に変化させて、魔力弾を放ってくる。

 

「ハル!」

 

「任せて!」

 

ジェイの呼びかけにハルが到着し、障壁で光弾を防いだ。

更に後続としてワルキューレが現れた。

 

「好き勝手やってくれるじゃない!」

 

美雲が叫ぶと魔物を睨みつけ、

 

「燃え上がる瓦礫の上に立っている いつからか何故だろうか忘れたけど♪」

 

歌を歌い出した。

 

「「息継ぎも出来ない炎の中では 探しても見つけても意味がないよ♪」」

 

そこにフレイアが歌を重ねる。

 

「「壊せ 超えろ 過去のエクスタシー たとえ最悪でも 未来を選べ♪」」

 

「行・く・よ♪」

 

「「「「ギリギリまで Love Forever 悶えるほど歌えば 魂は蜷局を巻き yeah」」」」」

 

ワルキューレが全員で歌い出し、その歌の波動が拡がり、魔物を飲み込む。

 

「ギ…………」

 

魔物はたじろぐように後ずさった。

 

「「「「「それでもまだ叫べば 生きることに滾れば その先は♪」」」」」

 

その瞬間、ジェイとルネは同時に飛び出し、

 

「「はぁああああああああああああっ!!」」

 

2人で魔物をX字に切り裂いた。

その直後、

 

「破滅の純情!♪」

 

美雲のソロのフィニッシュと共に、魔物は爆発して消え去った。

 

 

 

この場を乗り切ったジェイ達だったが、既にランティスはノヴァの手によって攫われており、光は非常に情緒不安定な状態だった。

ノヴァの真実を知ったからだ。

ノヴァは光の心の影が生み出した存在。

エメロード姫を討った時に光の心にあったやるせなさや後悔。

そう言った強い心の感情がセフィーロに『ノヴァ』という光の分身、もう1人の光を生み出してしまったのだ。

そのノヴァがランティスを傷つけ、攫った事を光は自分自身がランティスを傷つけたと思ったのだ。

光はランティスと友人だったイーグルの下を訪れ、ランティスが攫われた事を話した。

謝る光だったが、イーグルは光を励まし、そしてあることを決意した。

それは、もし自分が『柱』として選ばれたのならセフィーロに残り、その代わりに柱システムを解明するためにオートザムの科学者たちを招き入れる事。

そして同時に、光も自分が『柱』に選ばれたら『自分が思った通りのセフィーロにする』事を決心した。

2人はクレフの下を訪れ、決心したことを話し、クレフもそれを受け入れた。

イーグルは和議を結んだことを伝えるため、一度NSXに帰還することになった。

去り際に、光に『ランティスは光の事が好き』だという事を言い残して。

そして光は海と風に自分が『柱候補』であることを打ち明け、自分が思った通りのセフィーロの事を話そうとした時、城の前にノヴァの黒と赤の魔神、『レガリア』が現れた。

光達は直ぐに魔神を召喚。ノヴァを迎え撃った。

 

「ノヴァ! ランティスは何処にいるんだ!?」

 

光が問いかけると、

 

『ランティスは私のものだ!』

 

「ノヴァ!」

 

『ヒカルが好きなものは、全部キライ!』

 

ノヴァは叫ぶと、手から光弾を放つ。

光達はそれを躱す。

 

「皆、キラーーーイ!!」

 

ノヴァは癇癪を起す様に叫びながら両手で強力な光弾を放つ。

光はそれを躱し、

 

「ノヴァ、違うんだ! 私は……私は……!」

 

光は説得するように呼び掛けながら接近するが、ノヴァは剣を繰り出してきたため光は受け止める。

そのまま押し返されて体勢が崩れると、ノヴァは左手で光弾を放った。

 

「うわぁああああああああっ!?」

 

光は咄嗟に防御するも、吹き飛ばされて地面に落ちる。

 

「光!?」

 

「光さん!?」

 

海と風が叫ぶ。

海がレガリアを睨みつけると、

 

「氷のぉぉぉぉぉっ! 刃ぁぁぁぁっ!!」

 

無数の氷の刃を放った。

 

『何っ!? うぁああああああっ!?』

 

見た事の無い魔法にノヴァは驚愕しながら直撃を受け、吹き飛ばされた。

 

「海さん!? その魔法!?」

 

風が思わず問いかけると、

 

「少し前に覚えた魔法よ」

 

海がそう言うと、

 

『どうしてっ!? 私、ヒカルの為にやっているのに!?』

 

ノヴァは本気で理解できないと叫ぶ。

 

「ノヴァ………」

 

『ヒカルが、死んでからしか好きな人と一緒に居られないのかって、エメロード姫と戦った時に思ったから………! だから! ヒカルの為にヒカルが好きな奴を皆殺してあげるのに!!』

 

それがノヴァの行動原理だった。

ノヴァは光がエメロード姫に止めを刺すときに強く思った感情によって生まれた存在。

だからそのような考えを持ってしまったのだ。

すると、両手を向かい合わせにしながら腰溜めに構え、稲妻が迸る。

 

「あっ!」

 

何を放つかを悟った光も同じ構えを取った。

そして、

 

「「紅い稲妻っ!!」」

 

同時に紅い稲妻を放つ。

互いの中央で激突した魔法は相殺した。

すると、

 

「ノヴァは……私の心の一部だ」

 

「「えっ!?」」

 

光の告白に、海と風は驚愕する。

 

「エメロード姫をこの手にかけた時の、やりきれない心が生み出した………影……!」

 

「光の心の………」

 

「影………?」

 

光の言葉に、ノヴァを見る2人。

すると、

 

『絶対に………殺す!』

 

ノヴァは凶悪な笑みを浮かべると、その手に光剣を生み出し、掲げた。

 

『稲妻っ………!』

 

レガリアの剣に稲妻が降り注いだ。

 

「ッ!?」

 

光は驚愕する。

何故なら、その魔法は『彼』が良く使っていた魔法だったから。

 

『……招来!!』

 

振り下ろされる剣から雷撃が放たれる。

それは、3体の魔神を飲み込み、吹き飛ばした。

 

「「「きゃぁああああああああああっ!?」」」

 

3体の魔神は地面に倒れる。

 

「キャハハハハハハハハッ!!」

 

笑い声を上げるノヴァ。

 

「その……魔法は………」

 

『そう! ランティスの魔法だよ!』

 

光の言葉に、ノヴァは肯定と共にその名を告げる。

 

「何故………?」

 

光が疑問の声を零すと、

 

『だって………』

 

ノヴァがニヤリと笑みを浮かべると、レガリアの胸にある珠が輝くと、その内部が露になった。

そこには囚われたランティスの姿。

意識がないのかぐったりとしている。

 

「ランティスーーーーーーーッ!!」

 

その姿を見た光が思わず叫んだ。

 

『キャハハハハハハッ! 稲妻………!』

 

ノヴァは楽しそうに高笑いを上げながら、再びランティスの魔法で追撃をかけようとして、

 

『ッ!?』

 

突如として突進して来た物体に横殴りに吹き飛ばされた。

 

『あぐっ!? 何っ!?』

 

ノヴァが振り返ると、

 

「フュージョン……!」

 

戦闘機のような姿が変形し、人型となる。

 

「ガオファー!!」

 

その名を名乗るガオファー。

3体の魔神の前に降り立つと、

 

「少し遅れたね」

 

「その声……! ルネさん!?」

 

光が叫ぶ。

 

「そう。そしてこの機体はガオファー」

 

「ガオファー?」

 

「詳しい話は後、それよりも………」

 

ガオファーがレガリアを見上げ、その内部に囚われているランティスを見据える。

 

「ランティスだね………」

 

『何だお前は!』

 

ノヴァが叫ぶとガオファーに向かって光弾を放った。

ガオファーは跳躍して躱すと、両腕にクローを展開し、

 

「ファントムクロー!!」

 

そのままレガリアに向かって殴り掛かった。

 

『チッ……!』

 

ノヴァは舌打ちしつつ、剣で受け止める。

激しい火花が散るが、

 

『…………ハッ』

 

小さく笑みを浮かべると、

 

『はぁっ!!』

 

勢いよくガオファーを押し返した。

 

「ッ……!」

 

ガオファーは軽く吹き飛ばされるも、体勢を立て直してうまく着地する。

すると、

 

『ハッ! 威勢よく出てきた割には大したこと無いね!』

 

ノヴァは鼻で笑いながらそう言い放つ。

 

「…………みたいだね」

 

その言葉に、ガオファーは特に否定しなかった。

だが、

 

「それなら………ガオーマシン!!」

 

ガオファーが叫ぶと、オービットベースから3機のガオーマシンが発進した。

ドリル戦車型のドリルガオーⅡ。

ロケット型のライナーガオーⅡ。

ステルス戦闘機型のステルスガオーⅢだ。

 

「ファイナルッ………フュージョン!!」

 

ガオファーの腹部から金色の電磁竜巻、ファントムチューブが発生。

ガオファーがファントムチューブに飲み込まれ、各ガオーマシンもファントムチューブの中に突入していく。

 

『ッ! 何をする気か知らないけど!』

 

ノヴァが攻撃しようと剣を掲げたが、再び側面から攻撃を受ける。

今度はミサイルによる攻撃で、爆発に呑まれた。

 

『ッ!? 今度は何っ!?』

 

ノヴァが叫んで振り返ると、4機の戦闘機が向かってきていた。

それは、

 

「デルタ1より各機。ガオファーのファイナルフュージョン完了までの時間を稼いでください」

 

「デルタ2了解」

 

「デルタ3、了解だぜ!」

 

「デルタ4、了解!」

 

3機のVF-31と1機のYF-29であった。

デルタ1がミラージュ、デルタ2がメッサー、デルタ3がハヤテ、デルタ4がアルトだ。

 

「攻撃開始! 人質に当てないよう細心の注意を!」

 

ミラージュの号令と共にバルキリーの部隊が攻撃を開始。

ガンポッドやビーム機銃による攻撃を食らわせる。

 

『ッ!? このっ!』

 

攻撃がレガリアに直撃し、一瞬怯むも、即座に光弾で反撃する。

だが、バルキリーの部隊は散開するように避け、

 

「フォーメーション、ウラヌス!」

 

逆に連携による集中攻撃を受けた。

 

『きゃぁあああああっ!?』

 

ミサイルやビームの集中砲火を受け、ノヴァは悲鳴を上げる。

尚、ランティスには当てないよう攻撃は四肢や背中を中心に行われた。

 

『このっ! よくもやったなぁ!!』

 

ノヴァは怒りに震える声を上げる。

だがその時、ファントムチューブが内側から吹き飛ばされ、

 

「ガオッ! ファイッ! ガァァァァァァッ!!」

 

デルタ小隊が稼いだ時間で誕生した勇者王が名乗りを上げた。

 

『ッ!?』

 

その気迫に一瞬怯むノヴァ。

 

「ルネさん……その姿は………?」

 

「これがガオファイガー。ガオファーが3機のガオーマシンと合体して誕生する勇者王の名を冠するファイティングメカノイド!」

 

「ガオファイガー………」

 

感嘆の声を漏らす風と、

 

「変形合体って………本当にロボットアニメの世界ね…………」

 

呆れたようにツッコミを入れる海。

すると、

 

『どいつもこいつも私の邪魔をしてぇぇぇぇぇっ!!』

 

ノヴァが激昂するように声を上げると、

 

『稲妻ぁっ!』

 

レガリアの掲げた剣に稲妻が落ちる。

 

「ッ! ウォールリング!」

 

ガオファイガーは即座に腹部のファントムリング発生装置から防御用のウォールリングを生み出し、

 

『招来!!』

 

レガリアが雷撃を放つと同時に、

 

「プロテクトウォール!!」

 

防御フィールドを展開。

雷撃を受け止め、五芒星を描いて反射させた。

 

『ッ!? きゃぁあああああっ!?』

 

跳ね返されるとは思ってなかったノヴァは避ける間もなく被弾した。

 

『くっ……! このっ、こっちにはランティスが居るのよ? それでも攻撃するって言うの!?』

 

「「「ッ!?」」」

 

その言葉に魔法騎士の3人は動揺するが、ガオファイガーは迷わずに1歩踏み出す。

 

「ランティスを助け出すためにも、その魔神を行動不能にする必要があるし」

 

『ッ!?』

 

「それに人命救助は私達にとって日常茶飯事。今更そんな事では迷わない!」

 

そう言い放つガオファイガー。

 

「ルネさん………ッ!」

 

迷いなきその姿を見て、気を引き締め直す光。

すると、

 

「光………ランティスの名を呼んで」

 

「えっ?」

 

ガオファイガーの言葉に光は声を漏らす。

 

「ランティスは今、あの魔神に取り込まれてる状態。それを外から無理矢理引き剥がせば、どんな影響があるか分からない。なら、内側から拘束を解いてもらった方がいい。その為にも、ランティスの意識を取り戻させる必要がある。その為には、光の声が必要」

 

「私の………声…………?」

 

「そう。光の声なら、きっと届く」

 

「でも………私は………」

 

「前も言ったよ、光」

 

「えっ?」

 

「それを決めるのは光じゃない。決めるのはランティス」

 

「………だけど………」

 

「私の見立てでは、結構脈アリだと思うけど?」

 

「えっ……?」

 

「少なくとも全くの脈無しってわけじゃない事は間違いない。後は、光の『勇気』だけだよ」

 

「私の………勇気…………」

 

「好きな人に告白するって言うのは、女の子にとって一番『勇気』が要ることだからね」

 

「ルネさん…………」

 

「頑張れ。恋する女の子」

 

ガオファイガーはそう言い終えると、再びレガリアに向き直った。

光は、以前ノヴァに言われた事を思い返していた。

それは、『好きになって貰えないのに、どうして好きになるの?』という言葉。

 

「………好きになって貰えないのに………好きになるのは…………!」

 

その瞬間光は目を見開き、

 

「自分の心に、嘘が吐けないからだ!!」

 

そう言い放った。

 

「自分にだけは、嘘を吐きたくないから!!」

 

光は全ての感情を込め、

 

「ランティスーーーーーーーーーッ!!!」

 

ランティスの名を叫んだ。

その瞬間、ピクリと僅かにランティスの瞼が動いた。

 

『ッ!?』

 

思わず見下ろすノヴァ。

 

「ランティス………ランティスーーーーーーッ!!」

 

更にその名を呼ぶ光。

すると、ランティスの瞼がゆっくりと開かれていき、

 

「ヒ………カ…………ル……………」

 

その名を口にする。

 

「ランティス!」

 

「ヒ……カル………」

 

もう一度呼ぶ声に、ランティスも確かに光の名を呼んだ。

 

「目を覚ました! これなら!」

 

ガオファイガーがランティスを助けるための行動を起こそうとした。

その時、別方向から無数の巨大な針のようなものが飛来した。

 

「うわぁああああああっ!?」

 

その攻撃にレイアースが被弾。

そのまま地上に倒れる。

 

「光!?」

 

予想外の攻撃にガオファイガーが叫ぶ。

直後に振り向けば、そこには巨大な耳のような形を思わせる石像と、巨大なあばら骨を思わせる石像が存在していた。

 

「あれはまさか………耳原種と肋骨原種!?」

 

ガオファイガーがその正体を推測する。

すると、それぞれの石像の頂点にアルシオーネの姿をした耳原種と、フェリオの姿をした肋骨原種が姿を現した。

 

「アルシオーネ…………」

 

「…………フェリオ………」

 

海と風がその姿を見て呟いた。

すると、

 

『くだらない茶番はもうやめなさい!』

 

『全くだ。愛だの友情だの、そのような感情は、マイナス因子を生み出すための元凶にしかならないというのに………』

 

2体はそう言葉を発する。

 

「茶番ですって………!?」

 

「愛や友情が、マイナス因子を生み出す元凶とはどういう事ですか!?」

 

海と風が思わず聞き返した。

 

『どうもこうも、言葉通りの意味よ!』

 

『愛は憎しみを………友情は孤独や虚しさを感じる元凶だ!』

 

原種達はそう言う。

 

『故にお前達生命体は、ゾンダーに昇華されるべきなのよ!』

 

耳原種が叫ぶと、耳のような石像の周囲から、巨大なピアス型のミサイルが発射された。

それが再び魔法騎士達を襲おうとしたが、

 

「反中間子砲!!」

 

迸った閃光がそれらを全て撃ち落した。

 

「原種の相手は、俺に任せてもらおう!」

 

降下して来たのは白亜の戦艦ジェイアーク。

 

『くっ! 紛い物とはいえアベルの残せし災い! どこまでも我らの邪魔をするか!』

 

肋骨原種が忌々しそうに吐き捨てると、

 

「行くぞ! フュゥゥゥゥゥジョン!」

 

ジェイが飛び上がってジェイバードと融合する。

 

「ジェイバード! プラグアウト!」

 

ジェイバードがジェイキャリアと分離。

更にジェイキャリアが変形して胴体と脚部を形作る。

 

「メガッ……フュージョン!!」

 

ジェイバートが3つに分割し、頭部と両腕を形作ってジェイキャリアにドッキング。

巨大なジャイアントメカノイドとなる。

 

「キングッ……ジェイッ……ダァァァァァッ!!」

 

全高101mのキングジェイダーが姿を現す。

 

「デカッ!?」

 

海が思わず叫んだ。

 

「ここは俺に任せて、お前達はランティスを!」

 

キングジェイダーがそう言うと原種に向き直る。

 

『アベルの残せし災いの紛い物め………俺の能力で原子分解してやろう!!』

 

迎え撃とうとする原種。

すると、

 

「フェリオ………」

 

風が後ろ髪引かれる思いで肋骨原種に振り返る。

 

「風はあっちに行きなさい!」

 

「ッ!? 海さん!?」

 

海の言葉に、風は思わず聞き返す。

 

「こっちは私達で何とかするわ。風はフェリオが心配なんでしょ?」

 

「…………え、ええ………」

 

「だったら行きなさい!」

 

海はそう言うとレガリアの方へ向かって行く。

 

「風! もしかしたらあいつ等はフェリオの真似をしてくるかもしれないけど、騙されちゃダメよ!」

 

海は最後にそう呼びかけた。

 

「海さん……………」

 

風は少し葛藤したが、顔を上げるとキングジェイダーと共に原種の方へ向かった。

 

「フェリオ!」

 

風が肋骨原種に呼び掛けた。

だが、肋骨原種は風に見向きもせず、キングジェイダーに敵意を向け続けている。

 

『原子分解!!』

 

「反中間子砲! 五連メーザー砲! 同時斉射!!」

 

肋骨原種が能力を発動させると共に、キングジェイダーも攻撃を放つ。

キングジェイダーの攻撃は原種に届かなかったが、原種の能力もキングジェイダーには届かなかった。

 

『チッ!』

 

舌打ちする肋骨原種。

 

『これでも喰らいなさい!』

 

耳原種が無数のピアス型ミサイルでキングジェイダーを全方位から狙うが、

 

「メーザーミサイル!」

 

全身から発射されたメーザーミサイルが全てを迎撃した。

 

『おのれ忌々しい!』

 

耳原種がそう吐き捨てる。

すると、

 

「戒めの風!!」

 

風が放った風魔法が原種達に纏わりつき、拘束しようとする。

 

『この風は!?』

 

『くっ!』

 

完全には拘束できないものの、十分に動きは阻害できている。

 

「今だ!」

 

キングジェイダーが必殺のジェイクォースを放とうとする。

すると、

 

『やめてくれ、風』

 

肋骨原種がフェリオの声で話し出した。

 

「ッ! フェリオ………」

 

『目が覚めたんだ。魔法を解いてくれ』

 

一瞬動揺する風。

 

「騙されるな、風!」

 

キングジェイダーがそう言うが、

 

『俺を信じてくれ。風』

 

肋骨原種が更に優し王な言葉で風を揺さぶりにかける。

 

「フェリオ………本当に目が覚めたのですか?」

 

『ああ、本当だ』

 

風の言葉に即座に頷く肋骨原種。

一瞬だが、してやったりの笑みを浮かべた。

すると風は、

 

「では、一度ハルさんの浄解というものを受けてください」

 

『ッ!?』

 

風の言葉に、肋骨原種は目を見開く。

 

『な、何を言ってるんだ? 俺はもう目が覚めたって………』

 

「目が覚めたとはいえ、その体に原種が取り付いているのは違いありません。またいつ原種に意識が乗っ取られるか分からないので、早く浄解を受けて安心させてください」

 

風がシレっとそう言うと、肋骨原種は目付きを変えて風を睨みつけ、

 

『食えない奴め……!』

 

忌々しそうにそう吐き捨てた。

 

「本物のフェリオなら、私が食えない女だという事はご承知の筈ですから」

 

風はニッコリと笑いかける。

だが、その笑みには静かな怒りが込められていた。

その怒りと共に風の力が高まって行き、

 

「碧の………旋風!!」

 

放たれた風の新魔法が原種達の動きを封じる。

 

『ぬぁあああああっ!?』

 

『う、動けん……!』

 

「今です! ジェイさん!」

 

風が叫ぶと、

 

「ジェイクォォォォス!!」

 

キングジェイダーの腕から不死鳥が羽搏く。

 

『『ッ!?』』

 

その光景を見た原種達は目を見開き、

 

『超重力波!!』

 

ジェイクォースの側面に超重力波が撃ち込まれ、狙いが逸らされる。

そしてその攻撃は同時に原種達の拘束を解いた。

 

「今のは超重力波!? 腕原種か!?」

 

キングジェイダーがそちらに振り向くと、巨大な岩でできた腕が存在し、その上にラファーガの姿をした腕原種が立っていた。

 

『耳、あばら。ここは退くぞ』

 

腕原種の言葉に、

 

『くっ! 覚えてなさい!』

 

『この借りは必ず返してやる!』

 

そう言い残して2体は姿を消す。

 

「待て!」

 

キングジェイダーが叫ぶが、

 

『慌てるな。我々と戦いたくば、『セフィーロの裏』に来ると良い。そこにデボネアとやらも居る』

 

腕原種はそう言い残すと姿を消した。

 

「セフィーロの裏………?」

 

風はその言葉を口にした。

 

 

 

 

一方、レガリアと戦うガオファイガー達。

ガオファイガーが突進し、レガリアに組み付いた。

 

『ッ! コイツ!』

 

ノヴァもも振り解こうとしていたが、ガオファイガーのパワーはそう簡単に振り解けるものではない。

すると、

 

「ランティス! 聞こえる!? これからあなたを助け出す! 隙を見て拘束を振り解いて!」

 

ガオファイガーが叫ぶ。

 

『…………わかった』

 

ランティスは念話でそう返す。

それを確認すると、ガオファイガーがレガリアから手を離し、レガリアは飛び退く。

すると、

 

「ゴルディマーグ!!」

 

「よっしゃぁっ!!」

 

ガオファイガーが叫ぶと、勇ましい声と共に、オービットベースからゴルディマーグが発進してくる。

それと同時に、

 

「システムチェェェェンジ!!」

 

ゴルディマーグがその姿を変えていく。

 

「ハンマァァァァァ………コネクト!!」

 

ガオファイガーが右腕にゴルディマーグのボディが変形した巨大な右腕、マーグハンドをドッキングさせる。

 

「ゴルディオン………ハンマァァァァァッ!!」

 

巨大なハンマーがその右腕に握られ、ゴルディオンハンマーから放たれる余剰エネルギーがガオファイガーを金色に輝かせる。

 

「………………何か、見た目はピコピコハンマーなのにやたらとカッコいいわね」

 

それを見た海が思わず呟く。

 

「光! 海! レガリアの動きを止めて! その瞬間にランティスを助け出す!」

 

ガオファイガーの言葉に、

 

「わかった!」

 

「何とかやってみるわ!」

 

2人は応える。

 

「海ちゃんは左を! 私は右から行く!」

 

「分かったわ!」

 

レイアースとセレスがレガリアに向かって行く。

 

『このっ! そう簡単に………!』

 

ノヴァは光剣を振り上げた。

しかし、

 

「俺達の事も忘れんなよ!」

 

4機のバルキリーがブレイクフィールドを展開しながら突っ込んできた。

両腕と肩の付け根に突撃し、レガリアを怯ませた。

 

「海ちゃん!」

 

「ええ!」

 

「「たぁあああああああああっ!!」」

 

その隙を突いた光と海が、レガリアの右腕と左腕に組み付いた。

 

「今よルネ!」

 

「お願いルネさん! ランティスを!!」

 

その瞬間に2人が叫び、ガオファイガーがマーグハンドから光の杭を引き抜く。

 

「ランティス! これからあなたをレガリアから引き抜く! キツイだろうけど我慢して!」

 

ガオファイガーの言葉に、

 

『構わん! やれ!!』

 

ランティスは迷わずにそう答えた。

そして、ガオファイガーがレガリアに向かって急降下しつつ、

 

「ハンマァァァァァッ………ヘルッ!」

 

光の杭をランティスが捉えられている珠に向かって撃ち込み、ゴルディオンハンマーでさらに奥深く叩き込む。

 

「ッ! 稲妻っ……! 招来!!」

 

その瞬間、ランティスが自らに雷を落とし、拘束から脱する。

 

『いやぁああああああああああああっ!!』

 

悲鳴を上げるノヴァ。

そして、マーグハンドから巨大な釘抜きが展開。

 

「ハンマァァァァァッ………ヘブンッ!!」

 

それを光の杭に引っかけ、勢いよく引き抜く。

それはランティスが捉えられていた珠を確保しており、共に引き抜かれた。

 

「光!」

 

ガオファイガーが光に呼び掛ける。

 

「ランティス!!」

 

光が叫びながらレイアースの両手で引き抜かれた球を受け止めた。

 

「光! 海! 離れて!」

 

「「ッ!」」

 

ガオファイガーの言葉で2人は咄嗟に飛びのく。

 

「警告するよノヴァ。すぐに魔神を捨てて脱出して」

 

『舐めるなぁ!!』

 

ノヴァは光剣をクロスさせて手裏剣の様に投げつける。

だが、

 

「フッ!」

 

ゴルディオンハンマーの一振りであっさりと光になって消える。

 

『なっ!?』

 

ノヴァが驚愕する。

すると、ガオファイガーがゴルディオンハンマーを大きく振りかぶり、

 

「レガリアよ! 光になれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

その叫びと共にゴルディオンハンマーを振り下ろした。

 

『このぉっ!!』

 

ノヴァは再び光の剣を生み出して受け止めようとしたが、ゴルディオンハンマーに触れた傍から光になって消えていく。

 

『ッ!?』

 

そのままレガリアの腕、頭の順で消えていき、ノヴァは咄嗟にレガリアから脱出。

その直後にゴルディオンハンマーが完全に振り下ろされ、光となって消え去った。

 

 

 

戦いの後、光はランティスを仲間達に託して1人でノヴァと対峙。

自分の心を、ノヴァを受け入れる事を伝え、ノヴァと和解。

ノヴァは光と融合を果たし、光は欠けていた心の一部を取り戻したのだった。

 

 

 

 

 






はい、レイアース編第7話でした。
書き出したら完成してしまった。
明日は更新するか分かりません。
なんか3話分ぐらい一気に進んでしまった。
何だかんだでアニメの通りランティス攫われました。
まあ、ゴルディオンハンマーで救出をやりたかっただけなんですけど。
アニメと違ってイーグルは来ませんでした。
GGGという仲間が居るので、イーグルも無茶をする必要は無かったって事で。
尚、デボネアが現れなかったのは、ワルキューレの影響でセフィーロの人々の心がアニメ程不安や恐怖に呑まれてないので、セフィーロに現れる力が無かったという設定。
さて、次回はいよいよ最終決戦。
お楽しみに。


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