転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第8話 集いし『勇気』が起こす奇跡

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

闇の中にあるデボネアの居城。

そこでデボネアは唸っていた。

 

「おのれ……もう少しで次の『柱』を抹殺できたものを………! セフィーロの者共の心も不安や恐怖だけではない。勇気や希望が生まれ始めている…………! あの異世界の者共の所為か……! 忌々しい奴らめ………!!」

 

デボネアが怨嗟の声を呟くと、

 

「くくく………焦っているようだな、デボネア」

 

突然声が響いた。

 

「ッ!? 何者だ!?」

 

デボネアが叫ぶと、目の前に黒い穴が現れ、そこから5つの人影が姿を現した。

 

「貴様らはセフィーロの………! 消えろっ!!」

 

デボネアは間髪入れず暗黒弾を放った。

だが、

 

「ブラックホール!」

 

その暗黒弾は腸原種のブラックホールに吸い込まれる。

 

「そう慌てるな。我々は貴様に共闘を申し込みに来た」

 

腕原種がそう言う。

 

「共闘だと?」

 

「貴様も分かっている筈だ。奴らが此処に辿り着けば、貴様に勝ち目は無いと」

 

「ッ………! 世迷い事を……!」

 

デボネアはそう言うが、一瞬言葉に詰まったのを腕原種は見逃さなかった。

 

「フッ………そこで手を組もうというのだ。我々でも奴らを始末することは出来るだろうが、貴様と手を組んだ方がより確実なのだ」

 

「ッ…………何が望みだ?」

 

デボネアがそう問うと、

 

「邪魔者の始末と機界昇華だ」

 

「……………………よかろう。この我とて魔法騎士達を始末できるのなら丁度いい」

 

「フッ…………では行くぞ!」

 

すると、原種達が紫の輝きに包まれ、

 

「「「「「原種融合!」」」」」

 

デボネアと共に、紫の光が一つとなった。

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

ランティスを救出し、光がノヴァを受け入れて事態が一段落した後、さほど間を置かずに俺達はセフィーロの崩壊しかかっている大地の端に来ていた。

その理由は腕原種が口にした『セフィーロの裏』という言葉。

消滅した大地の後には、闇が広がっている。

その闇の向こう側にデボネアや原種達が居るという事だ。

既にセフィーロは崩壊寸前まで迫っており、今はクレフの力で何とか食い止めている状況だ。

もう一刻の猶予も無い。

尚、ワルキューレとランカ、シェリルはセフィーロの人々の精神の安定の為に城に残って貰っている。

 

「行くよ! 海ちゃん! 風ちゃん!」

 

光が2人に呼び掛け、

 

「炎の……矢ぁぁぁぁぁっ!!」

 

「水のぉぉぉぉぉぉっ………龍ぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

 

「緑の………疾風!!」

 

3人の魔法が闇に覆われた大地の向こう側に穴を開ける。

 

「今だ!」

 

その穴へ魔神達が飛び込み、キングジェイダーとマクロス・ブレイバー、ツクヨミも後に続いた。

闇を抜けると、天地が逆転したセフィーロの裏側に出る。

そこには、闇の城と呼ぶに相応しい黒い水晶のような城があった。

 

「大地の裏側にこんな場所があったのか!」

 

シンが思わず口にする。

 

「正に灯台下暗しだな」

 

アルトもそう言う。

そして闇の城を見据えると、

 

「あそこにデボネアが要るのか!」

 

そう言って光達は闇の城へ向かおうとした。

なので、

 

「待てお前達」

 

俺は彼女達を呼びとめる。

 

「どうしたのよ?」

 

海が聞き返してきたので、

 

「態々罠が仕掛けられているかもしれない敵の拠点に飛び込んでいく必要も無いだろう?」

 

「えっ? ではどうするんですの?」

 

風が疑問の声を漏らしたので、

 

「ルリ」

 

俺はルリに呼び掛けた。

 

「了解しました。マクロス・ブレイバー、トランスフォーメーション開始」

 

「了解。トランスフォーメーション、開始します」

 

マクロス・ブレイバーが変形を開始し、強攻型へと変形する。

 

「ちょ、ちょっとまさか………!?」

 

海が何かを察したようで引きつった声を漏らした。

変形したマクロス・ブレイバーは右腕を構成するガンシップをデボネアの居城へ向け、

 

「マクロスキャノン………発射!」

 

マクロスキャノンをぶちかました。

マクロスキャノンが着弾し、大爆発に呑まれるデボネアの居城。

 

「い、一切容赦なくぶちかましたわね…………」

 

海が再び引きつった声を漏らし、

 

「デボネアは!?」

 

光が声を上げる。

 

「この程度で倒せる相手でも無いだろう。倒せたのならそれはそれで構わないが」

 

俺はそう言う。

未だに爆炎が残るデボネアの城があった場所。

だが、次に起こったことは俺の予想を遥かに超えるものだった。

 

『…………原子分解』

 

爆炎が消し去られ、

 

『………ブラックホール』

 

残っていた煙や塵が吸い込まれていく。

そこに居たのは、

 

「なっ!? あ、あれは!?」

 

俺は思わず声を上げた。

そこに居たのは巨大な闇色の体色をした合体原種。

全高は1㎞程。

長くとぐろを巻いた腸が下半身。

体にはあばら骨が覆うようにむき出しになっており、頭には長い耳。

左手には長く鋭い赤い爪。

右腕は太く発達した剛腕となっている。

そして、本来瞳原種の瞳があるはずの部分にはどこか女を思わせる仮面のような顔が存在していた。

 

「合体原種!?」

 

ガオファイガーが叫ぶ。

 

「だが、前に見た合体原種とは色が違う!」

 

撃龍神も叫んだ。

 

「それに、本来赤い瞳があるはずの所に、仮面を付けています!」

 

ビッグボルフォッグが更に差異を口にする。

 

「まさか………瞳原種の代わりにデボネアと融合したのか………!?」

 

俺はそう推測した。

すると、

 

『その通りだ。紛い物のキングジェイダーよ』

 

腕原種の声が響いた。

 

「ッ!」

 

俺や仲間達は身構える。

 

『デボネアはマイナス思念そのもの。我々のエネルギー源にはもってこいの存在だ』

 

「チッ………」

 

俺は思わず舌打ちする。

すると、

 

「何をぼさっとしている? 奴が親玉なのだろう!? ならば倒すだけだ!!」

 

ソウルゲインが先陣を切る様に飛び出す。

 

「ッ………! アクセルの言う通りだな! 怯んでいる暇はない! 全員で一斉攻撃を仕掛ける!!」

 

「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」

 

俺の呼びかけに全員が応えた。

 

「五連メーザー砲! 反中間子砲! 全メーザーミサイル発射!!」

 

「ブロウクンファントム!!」

 

「ウルテクビーム! 全斉射!!」

 

「唸れ疾風! 轟け雷光! 双頭龍!!」

 

「プライムローズの月! シェルブールの雨!」

 

「必殺! 大回転魔弾!!」

 

「ソリタリーウェーブ………ファイアー!!」

 

「マーグキャノン!!」

 

「こいつで!」

 

「いっけぇぇぇぇぇっ!!」

 

「でぇぇぇぇい!」

 

「くらぇええええええええっ!!」

 

「クレイモア!!」

 

「ハウリングランチャーXモードっと………わおわおーん!」

 

「風刃閃!!」

 

「青龍鱗! くらえぃっ!!」

 

「さくっと行きますの………」

 

「狙い撃つ!!」

 

「うぉおおおおおおっ!!」

 

「ミサイル発射!!」

 

「ターゲットロック……発射!」

 

「紅い稲妻ぁっ!!」

 

「蒼い竜巻ぃっ!!」

 

「翠の疾風っ!!」

 

全員による攻撃が雨霰の様に合体原種に殺到する。

それらの攻撃は直撃したかに思えたが、

 

『原子分解』

 

攻撃が原子分解されて塵に変えられていく。

 

『ブラックホール』

 

そして、その塵が腸のブラックホールに吸い込まれて無傷の姿を見せつけた。

 

「無傷!?」

 

ハヤテが信じられない様に叫んだ。

すると、

 

「これは………! 以前と同じです! 原種は、原子分解エネルギーを防御膜として使い、全ての攻撃を無効化しています!」

 

ビッグボルフォッグが解析して叫んだ。

 

「そんな!? 全ての攻撃を無効化!?」

 

ミラージュが驚愕の声を上げる。

 

「くっ! 近接攻撃は自殺行為という事か………!」

 

すると、合体原種の右腕が輝き始める。

 

「備えろ! 攻撃が来るぞ!!」

 

俺はそれに気付いて叫んだ。

次の瞬間、右腕から超重力波が放たれた。

 

「緊急回避!」

 

その一撃は回避行動を取ったマクロス・ブレイバーのすぐ横を通り過ぎる。

だが、

 

「「「「「うわぁああああああああああっ!?」」」」」

 

「「「「「きゃぁあああああああああああああああっ!?」」」」」

 

「「「「「ぐぅうううううううううううっ!?」」」」」

 

直撃はせずともその衝撃だけで、全員の機体は軽々と吹き飛ばされた。

地面に叩きつけられる。

 

「ぐっ………! なんて威力だ……!」

 

俺は何とか起き上がる。

他の皆も起き上がり始め、致命的なダメージを受けた者は居ないようだ。

すると、レイアース、セレス、ウィンダムが輝き始め、一つになる。

3体の魔神が融合した合体魔神レイアースだ。

そして、両手を組んで前に突き出し、

 

「「「閃光(ひかり)の螺旋―――っ!!」」」

 

合体魔法を放った。

その魔法は、各個人が放つ魔法とは比較にならない威力を持っていたが、

 

『原子分解…………ブラックホール』

 

今までと同じく原子分解されてブラックホールに吸い込まれる。

 

「ッ!?」

 

「そんなっ!?」

 

「閃光の螺旋まで!?」

 

光達は驚愕の声を上げる。

 

『無駄な事を………ハァァァァァッ!』

 

合体原種の右腕が輝き、全方位に衝撃波が発生した。

 

「うわぁあああああああっ!?」

 

「「きゃぁあああああああああっ!?」」

 

合体魔神レイアースは吹き飛ばされて地面に激突する。

 

「くそっ! マイブラザーズがいなきゃ、前に合体原種を倒した収束ソリタリーウェーブも使えないッゼ!」

 

マイクが悔しそうな声を上げる。

 

『諦めろ心弱き者共よ………大人しく機界昇華の時を待つがいい………』

 

合体原種がそう言うが、

 

「そんなの………お断りだよ!」

 

ガオファイガーが飛び立つ。

先程ブロウクンファントムを放った時に右腕も分解されてしまったが、

 

「ハンマァァァァァッ………コネクトッ!!」

 

マーグハンドとなったゴルディマーグと合体し、ゴルディオンハンマーを掴む。

 

「ジェイ! 私が突っ込む! 援護して!」

 

ガオファイガーの言葉に、

 

「わ、わかった!」

 

俺は咄嗟に答える。

合体原種は右腕を輝かせる。

俺は右腕を突き出し、

 

「ジェイクォォォォス!!」

 

ジェイクォースを放った。

合体原種の放った超重力波とぶつかり合い、押し負けて弾かれる。

 

「ジェイクォースが……!?」

 

「押し負けた!?」

 

それを見たハルやシンが驚愕の声を上げる。

だが、それは予想していた。

押し負けはしたが、超重力波も拡散してその威力を失っている。

その隙にガオファイガーが合体原種の頭上を取った。

 

「ゴルディオンハンマァァァァァッ!!」

 

その体を金色に輝かせ、ゴルディオンハンマーを振り下ろそうとするガオファイガー。

 

『フン………!』

 

すると、合体原種の耳が開き、無数のピアス型のミサイルが放たれた。

 

「ッ! はあっ!」

 

ガオファイガーは咄嗟にピアス型のミサイルにゴルディオンハンマーを振り下ろし、光に変える。

だが、続けて放たれたピアス型のミサイルの第2波が迫っていた。

 

「プロテクトウォール!!」

 

ガオファイガーは咄嗟にプロテクトウォールを張った。

防御フィールドにピアス型のミサイルが着弾する。

 

「ぐぐぐ…………!」

 

スターガオガイガーのプロテクトウォールでは防ぎきれず、吹き飛ばされてしまったが、ガオファイガーはその時よりも改良されて出力も上がっている。

何とか堪えることが出来ていた。

 

「……………ッ!」

 

ガオファイガーはタイミングを見計らって合体原種に飛び掛かろうとしていた。

だが、

 

「あぐっ!?」

 

正面とは別に、背後からピアス型のミサイルが襲い掛かり、ステルスガオーが損傷する。

 

『貴様の防御フィールドは前面にしか展開できない弱点がある』

 

「ッ!」

 

すると、合体原種は左手を振り上げ、

 

『くらえ』

 

ガオファイガーに向かって振り下ろした。

 

「ッ!?」

 

「がぁああああああっ!?」

 

その一撃は、ガオファイガーの両腕を肩から切断。

更にゴルディオンハンマーをも断ち切る。

 

「ルネッ!? ゴルディマーグ!?」

 

俺は思わず叫んだ。

ゴルディマーグの超AIは無事のようだが、ゴルディオンハンマーとしての機能は完全に破壊されている。

 

「うぉおおおおおおおおおおおっ!!」

 

俺は反射的に合体原種に向かい、

 

「ジェイクォース!!」

 

腕に装着したまま直接ジェイクォースを発動。

その状態で合体原種に飛び掛かった。

しかし、

 

『馬鹿め』

 

合体原種は右手で俺を鷲掴みにする。

 

「ぐぁああああああああああっ!!」

 

右腕で握られ、完全に拘束される。

 

『アベルの残せし災いの紛い物………カインの遺産の複製品………やはり本物には遠く及ばん』

 

その言葉と共に、握る力が強くなる。

 

「ぐぁああああああっ!!」

 

いくら強靭なキングジェイダーの装甲でも、合体原種のパワーの前にはその耐久力を超えてひびが入り始める。

 

「キングジェイダーが!!」

 

シンが叫ぶ。

 

「各機! キングジェイダーの援護を!!」

 

ミラージュの言葉に皆が攻撃を再開するが、まるで堪えていない。

 

『大人しくしていろ心弱き者共よ。先にアベルの残せし災いの紛い物を消去するのでな』

 

その言葉と共に、更に力が強まった。

 

「うぐぁああああああああっ!!」

 

俺は悲鳴を上げる。

 

「ッ………そんな事………させない………!」

 

両腕を失ったガオファイガーが立ちあがる。

 

「うぁああああああああああああああっ!!!」

 

そのまま生き残ったスラスターを全開にして合体原種へ飛び掛かった。

 

「ドリルニー!!」

 

膝のドリルを向けながら膝蹴りを繰り出す。

しかし、

 

『愚かな…………!』

 

合体原種の爪が横薙ぎに振るわれた。

ガオファイガーの頭部と両足が宙を舞う。

 

「ルネッ!?」

 

その瞬間を見た俺は悲痛な声を上げた。

その直後、

 

「まだっ!」

 

信じられない事に、ルネはフュージョンアウトして生身で合体原種に飛び掛かった。

 

『愚か者の極みだな………カインの遺産の複製品無くして何ができる?』

 

合体原種はそう言ったが、

 

「セフィーロは意志の世界………信じれば矢は飛ぶし岩は砕ける………それなら! 私が『勇気』を信じる限り、生身だろうと攻撃は通る!!」

 

その言葉と共に繰り出したウィルナイフが合体原種の頭部に突き刺さり、

 

『ぬぁああああああああああっ!?』

 

大きく仰け反らせた。

 

「一矢報いたよ………」

 

だが、

 

『おのれ! この虫けらめぇぇぇぇっ!! 塵になるがいい!!』

 

怒りの籠った声を上げた合体原種が、ルネに向かって原子分解の能力を発動させた。

 

「ッ!?」

 

その光にルネが飲み込まれそうになり、

 

「ルネッ!! ジェイクォース!!」

 

俺は咄嗟にジェイクォースを放った。

合体原種の気がルネに逸れていたため、ジェイクォースを放つだけの隙があったのだ。

放たれたジェイクォースが俺を握っていた手の薬指と小指を突き破りながら下から飛び出し、ルネの前に身代わりとなる様に火の鳥が立ち塞がった。

 

「今の内に……ルネをっ!」

 

俺は声を絞り出す。

 

「ルネさん!」

 

合体魔神レイアースが咄嗟に飛び込んでルネを確保。

その場を離れた瞬間、ジェイクォースが原子分解されて消え去る。

 

「ジェイッ!」

 

「ルネを頼むっ………!」

 

俺がそう言うと、

 

『愚か者を救う為にキングジェイダー最強の武器であるジェイクォースを失うとは………やはり貴様は紛い物だ。本物のJであればそのような愚は犯さなかっただろう』

 

その言葉と共に再び握る力が強まる。

 

『消えろ、ソルダートJの偽物め!』

 

「ぐっ……ああっ………!」

 

もはや叫ぶ力も失われようとしていた。

 

「…………………俺は所詮………偽物で紛い物…………そんな事、俺が誰よりもよく知っている…………」

 

自分自身を『J』ではなく『ジェイ』と名乗った時から。

俺はジェイアークを手に入れただけの一般人。

 

「俺は『戦士』でも『勇者』でもない………ただそれを演じていただけの………唯の道化…………そんな事は、言われなくても分かっている…………」

 

改めて事実を自覚したからか、Jジュエルの力が急速に失われていくのを感じる。

もはやここまでか………

だが、

 

「……………脱出しろ、ハル」

 

せめてハルだけは………

俺の愛するハルだけは生き延びて欲しいと思い、そう言う。

 

「お前が生き延びれば………まだ希望は繋がる………生きてくれ………ハル………」

 

俺は最後の願いをハルへ伝え、

 

「嫌だ!!」

 

ハルはそれを拒否した。

 

「私は逃げない! 最後までジェイと一緒に居る!!」

 

「ッ………! ハル………俺は偽物で紛い物なんだ………こんな俺に付き合う必要は無い………」

 

俺はそう言いかけ、

 

「ジェイは偽物でも紛い物でもない!!!」

 

より強い言葉でその言葉を否定された。

 

「ジェイはジェイだよ…………! 私が愛したのは、ここにいるジェイだけなんだから………!」

 

「ハル…………」

 

ハルの言葉に、俺は思わず何も言えなくなった。

 

「ハルさんの言う通りだ!」

 

「シン………?」

 

「俺達もジェイさんだったから旅についてきたんだ! この人と一緒なら大丈夫だって! そう思わせてくれたのはジェイさんなんだ!!」

 

「ジェイは、いい人!」

 

「ステラ………」

 

「私はそこまで付き合いは長くないけど、この人なら信じても大丈夫だって思ってるわ!」

 

「ルナマリア…………」

 

「私もハルさんと同じ気持ちですよ?」

 

「ルリ…………」

 

「私が好きになったのは、ここに居るあなたなんです。ジェイさん」

 

「ッ…………!」

 

「演じてるだけの道化だって!? そんなの、誰だってそうだ! 演じてない人間なんかいないぞ! ジェイ!」

 

「アルト………」

 

「人形だった私に『愛』というものを教えてくれたのはお前だ、ジェイ! 出会えたのがお前だったから、私はお前を愛せたのだ!!」

 

「ラミア………」

 

「少なくとも、俺はお前を頼りないと思ったことは無い」

 

「キョウスケ………」

 

「そうそう! こうやってみんなあなたについてきてくれてるのよ、ジェイ!」

 

「エクセレン………」

 

「そのような腑抜けた姿を見せるな! 立って見せろ!!」

 

「アクセル………」

 

「そんな事は気にしないから頑張れ、ってことですのよ?」

 

「アルフィミィ………」

 

「まあ、中々楽しい毎日を送らせてもらってることには感謝してるわ」

 

「レモン………」

 

「これでも俺はお前に感謝してるんだぜ? お前がいなかったら、俺は死んでたんだ」

 

「ニール………」

 

「もちろん俺達もっス!」

 

「だね!」

 

「はい」

 

「リヒティ……クリス………フェルト………」

 

「お前が居たからフレイアは助かったんだ! そのお前が偽物なんて、誰にも言わせねぇ!!」

 

「ハヤテ………」

 

「しっかりしてくださいジェイさん! あなたは、弱い人じゃない!」

 

「ミラージュ………」

 

「…………もう一度飛べ、ジェイ」

 

「メッサー…………」

 

「これだけはハッキリ言えるよ……ジェイ」

 

「ルネ………」

 

「例えソルダートJがここに居たって、私はジェイを好きになった!」

 

「ッ………!」

 

「だから諦めないで! ジェイ!」

 

「ハルッ………!」

 

皆の声に、Jジュエルが輝きを取り戻していく。

その時、何処からともなく歌が響いてきた。

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

セフィーロの城では戦闘の影響か、揺れが酷くなってきていた。

人々の間には不安が広がり、ワルキューレやシェリル、ランカの歌でも不安は拭いきれない。

その時、強い揺れによってステージが崩れ、歌が中断してしまった。

それにより、より強い恐怖と不安がセフィーロの人々の間に広がった。

その時、

 

「“あおいみひとつ ひかれてふたつ こころもえている”♪」

 

フレイアが歌を口遊み始める。

 

「「「「「遠い記憶に 重ね合わせた 懐かしい歌声♪」」」」」

 

その歌にワルキューレ全員が合わせる。

 

「「「「「「「行く道も 来た道も 間違いなど1つも無い とても幸せだから♪」」」」」」」

 

更にシェリルとランカが歌を重ねる。

すると、それを見ていたミラや子供達が互いに見合わせると頷き、

 

「「「「「「「「「「光の海の向こう側 祈りの歌を届けよう♪」」」」」」」」」」

 

一緒に歌い出した。

すると、レイナが空間モニターを大きく表示し、セフィーロの言葉で歌詞が表示される。

 

「「「「「「「「「「遂げたい思い命が燃える♪」」」」」」」」」」

 

それにより、セフィーロの人々も歌を歌い始め、

 

「「「「「「「「「「生まれた喜びを奏でよう ――愛してる♪」」」」」」」」」」

 

皆が歌う歌が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『『『『『『交わした言葉 空に浮かべて 口ずさむメロディー♪』』』』』』』』』』

 

聞こえて来た声にキングジェイダーは顔を上げる。

 

「美雲………?」

 

『『『『『『『『『『私の奥の 深い所で やがて銀河になる♪』』』』』』』』』』

 

「フレイア!」

 

「カナメさん………」

 

「これは………ワルキューレの歌?」

 

ハヤテ、メッサー、ミラージュが反応し、

 

「それだけじゃない! シェリルやランカも歌っている!」

 

アルトが叫ぶ。

 

『『『『『『『『『『喜びも 悲しみも 満ちる様に息吹いていく まるでライブみたいに♪』』』』』』』』』』

 

「聞こえる………セフィーロの皆の歌が…………!」

 

「歌ってる………皆が………」

 

「希望の歌を………歌っています………」

 

光、海、風が響いてくる歌に皆の心を感じ取った。

 

『『『『『『『『『『「大きな胸に抱かれてる やさしい歌を響かせて♪」』』』』』』』』』』

 

すると、魔神の手の上に乗っていたルネも歌い始めた。

 

『『『『『『『『『『「愛に満ちた身体が燃える 新たな未来へと温もりを託して♪」』』』』』』』』』』

 

すると、ルネは促す様にレイアースを、光達を見上げた。

 

『な、なんだこの歌は………!?』

 

合体原種は突然聞こえて来た声に狼狽え始めた。

そして、

 

「光の海の向こう側 祈りの歌を届けよう♪」

 

「遂げたい想い命が燃える♪」

 

「生きる喜びあなたの元へ♪」

 

光、海、風も歌い始めた。

 

『『『『『『『『『『「「「「「「「大きな胸に抱かれてる やさしい夢を響かせて 愛に満ちた身体が燃える♪」」」」」」」』』』』』』』』』』

 

更にハルやルリ、ラミアまで歌を口遊み始め、

 

『『『『『『『『『『「「「「「「「新たな未来へと温もりを託して♪」」」」」」」』』』』』』』』』』

 

「「「「「「「「「「――心から愛してる♪」」」」」」」」」」

 

それぞれの想い人の姿を思い浮かべながら、最後の一小節を口にした。

その瞬間、レイアースの、光の前に光の玉――『柱の証』が現れた。

 

『ぬぅ!? これはまさか………!』

 

「私が………『柱』…………」

 

その意味を理解した光が『柱の証』に手を伸ばす。

エメロード姫の柱の証の形は王冠だったが、光が手を伸ばした先にあったのは剣の柄だ。

光がその剣の柄を掴むと光の剣が現れる。

 

「感じる………これはセフィーロの人達の心………GGGの皆が教えてくれた、勇気と希望!」

 

光がその想いを感じる様に目を伏せる。

 

「私が柱に選ばれたときは、私の思った通りのセフィーロにすると決めていた。だけど、今は………今だけは!」

 

光がその剣を掲げ、

 

「皆の『勇気』を束ねて、あいつを倒せる『力』に!!」

 

歌と共に集まっていたセフィーロの人々の勇気が剣に集まり、7条の光となって再び放たれた。

その光の1つはキングジェイダーに。

残りの6つの光は大破したガオファイガーへと向かった。

 

「こ、この光は………!?」

 

『コレハ………!』

 

困惑したジェイにトモロが言葉を発する。

 

「何が起きた!?」

 

『きんぐじぇいだーノカクブソウガあっぷでーとサレテイル』

 

「アップデート!?」

 

ジェイが驚く間もなく、次の瞬間、

 

「ガォオオオオオオオオオオオオンッ!!」

 

大破したガオファイガーの各部の内、胴体――ファントムガオーを包んだ光の中から、勇ましき獣の咆哮が響き渡った。

ファントムガオーを包み込んだ光は形を変え、鋼の獅子の姿を形作る。

 

「あれは……ライオン………?」

 

風が呟く。

 

「あれはまさか!?」

 

「ギャレオン!?」

 

超竜神と撃龍神が驚愕の声を上げる。

 

「鬣や色など、細部に僅かな違いはありますが、ギャレオンに間違いないようです!」

 

ビッグボルフォッグが自分の知るギャレオンのデータと比べてそう言う。

そしてそれを見たルネは、

 

「あれは………もしかして…………!」

 

ルネは決意した表情になると、レイアースの手から飛び降りた。

 

「ルネさん!?」

 

光が驚愕するが、

 

「ギャレオォォォォォォォォンッ!!」

 

ルネが右手のGの紋章を輝かせながら叫んだ。

その瞬間、

 

「ガォオオオオオオオオオオオオンッ!!!」

 

ギャレオンが再び咆哮を上げて飛び立つ。

そしてルネは右手を掲げ、

 

「フュージョン……!」

 

その言霊を口にすると共に身体を丸め、緑色の光に包まれると、その光をギャレオンが飲み込んだ。

 

「ギャー! ルネが食われた!?」

 

その光景を見て思わず叫ぶ海。

だが、直後にギャレオンが変形を開始する。

ライオンの姿が瞬く間に人型となり、胸にギャレオンの頭部を携えた姿となった。

 

「ガイガー!!」

 

その名を叫ぶガイガー。

 

「ガイガーだって!?」

 

シンが驚きの声を上げる。

 

「ガオファーとは違うのか!?」

 

アルトも驚く。

ガイガーは自分の手を見つめると力強く握りしめる。

 

「凄い……ガイガーなのに力が漲る………これが………ジェネシックガイガー………!」

 

そして、すぐに合体原種を見上げると、

 

「はぁああああああああああっ!!」

 

バーニアを吹かして突撃した。

狙いはキングジェイダーを捉えている右腕。

 

『カインの遺産を手に入れたとはいえ、偽物には変わりなし! 叩き潰してくれる!』

 

合体原種はキングジェイダーを掴んだままガイガーに殴り掛かった。

すると、ガイガーは両腕の爪を展開。

 

「ジェネシッククロー!!」

 

殴り掛かってきた合体原種の右手に同じく右腕を繰り出した。

その瞬間、眩い輝きと共に合体原種の指が破壊される。

 

『何ぃぃぃぃっ!?』

 

驚愕の声を上げる合体原種。

その時、

 

「うぉおおおおおおおおっ! ジュエルジェネレイター、出力全開!!」

 

『リョウカイ!』

 

キングジェイダーが出力を上げ、拘束を振り解いて脱出した。

 

『しまった!』

 

合体原種は声を漏らす。

 

「ルネ………」

 

キングジェイダーはガイガーを……ルネを見下ろした。

 

「ジェイ………」

 

ルネが見上げていると、ジェイは頷いた。

心配ないと言わんばかりに。

すると、

 

「ガイガー! 奴は俺が引き付ける! その間にファイナルフュージョンを!」

 

「えっ!」

 

ジェイの言葉にガイガーが振り向くと、先程のギャレオンと同じように大破したガオファイガーの各部に光が宿り、その姿を変えていた。

右肩のライナーガオーⅡは鮫の形をしたメカに。

 

「ブロウクンガオー!」

 

左肩のライナーガオーⅡはイルカ型のメカに。

 

「プロテクトガオー!」

 

右足のドリルガオーⅡは螺旋状のドリルを装備したモグラ型のメカに。

 

「スパイラルガオー!」

 

左足のドリルガオーⅡは放射状の刃のドリルを装備したモグラ型のメカに。

 

「ストレイトガオー!」

 

そして、ステルスガオーⅢは黒鳥の姿をしたメカに姿を変えた。

 

「ガジェットガオー!」

 

ガイガーはそれぞれの名を叫ぶ。

 

「よぉし………ジェネシックマシン!!」

 

ガイガーは合体の為にそれらのマシンの総称を叫んだ。

だが、

 

「ッ!? 反応しない!?」

 

それらのジェネシックマシンは動かなかった。

 

「何っ!?」

 

キングジェイダーも思わず振り返る。

 

『はっ! 何かは知らんが当てが外れたようだな』

 

合体原種は鼻で笑う。

 

「ルリ! ジェネシックマシンにアクセスして原因を探ってくれ!」

 

キングジェイダーはルリに呼び掛けた。

 

「分かりました! クリスさんとフェルトさんも協力をお願いします!」

 

「「了解!」」

 

「リヒティさんに艦の操舵を全て任せます!」

 

「了解っス!」

 

ルリは自分の能力をフルに使用し、ナノマシンの光を浮かび上がらせながらジェネシックマシンへとアクセスを開始する。

 

『喰らえ!』

 

合体原種が耳から無数のピアス型ミサイルを発射する。

 

「五連メーザー砲! 反中間子砲!」

 

キングジェイダーの放った攻撃がピアス型ミサイルを貫通し、合体原種へと到達する。

しかし、

 

『原子分解……ブラックホール……!』

 

先程の光によって威力は上がっているが、決定打には至らない。

 

『フン。出力は上がったようだが、最強武器たるジェイクォースが無い今、この我をどうやって倒すのかな?』

 

合体原種は嘲笑うようにそう言う。

 

「…………………」

 

キングジェイダーは何も言わなかったが、もうその眼には諦めの色は無かった。

その時、

 

「ッ! これは!」

 

クリスが気付いたように叫んだ。

 

「何か分かりましたか?」

 

ルリが聞くと、

 

「はい、どうやらあのマシンの制御を司るAIに当たる回路のデータが破損………いえ、データそのものが存在していないようです!」

 

「つまり、今のあのマシンは運転手の居ない車と同じという事ですか……!」

 

クリスの言葉をルリはそう例える。

マシンそのものに問題は無く、マシンを動かすためのAIの回路も存在するが、そのAIにデータが無い為、動かすことが出来ないのだ。

 

「ッ………! ガオーマシンのデータを使って動かすことは出来ませんか!?」

 

「マシンそのものが未知の技術なのでなんとも………ですが、やってみます!」

 

「お願いします!」

 

3人が必死に打開策を見つけようとする。

そして、

 

『『『『『………………ッ』』』』』

 

その3人を見つめる5つの視線があった。

 

 

 

『いい加減諦めろ! 貴様らに勝ち目は無い!』

 

合体原種は耳からピアス型ミサイルを無数に全方位に発射する。

 

「くっ!」

 

その攻撃には、それぞれが耐え凌ぐので精一杯だった。

その為、撃ち落し切れなかったミサイルがジェネシックマシンに降り注いだ。

 

「ああっ! ジェネシックマシンが!?」

 

ガイガーが思わず悲痛な声を漏らす。

いくらジェネシックマシンとは言え、動かなければその真価を発揮できず、簡単に破壊されてしまう。

 

『残念だったな。大人しく消え去るがいい!』

 

「クッ……!」

 

キングジェイダーとガイガーが悔しそうに歯噛みする。

しかしその瞬間、爆煙を切り裂いて5つの影が飛び出した。

 

「ジェネシックマシン!?」

 

「ルリ達が間に合ったのか!?」

 

驚愕して確認するが、

 

「い、いえ、流石にこの短時間では………」

 

クリスとフェルトは自分達では無いと首を振る。

 

「なら如何して………?」

 

ルリが疑問の声を零した瞬間、

 

『歌は歓喜!』

 

プロテクトガオーから闇カナメの声がした。

 

『歌は欲望!』

 

『歌は絶望!』

 

続けてスパイラルガオーとストレイトガオーから闇レイナと闇マキナの声がした。

 

『歌は狂気!』

 

ブロウクンガオーから闇フレイアの声がして、

 

『歌は闇!』

 

ガジェットガオーから闇雲の声が響いた。

 

『『『『『超ダークエンジェル! Yami-Q-ray!!』』』』』

 

「Yami-Q-ray!?」

 

ハヤテが思わず叫んだ。

 

「Yami-Q-rayがジェネシックマシンのAIの代わりを!?」

 

キングジェイダーも驚愕の声を上げた。

 

「ありがとう、Yami-Q-ray…………よぉぉぉぉし! ジェネシックマシン!!」

 

ガイガーが空高く飛翔しながらジェネシックマシンを呼ぶ。

 

Yami-Q-rayによって制御されたジェネシックマシンがガイガーの周りに集った。

 

「堕天使達の導きによって、今、破壊神が蘇る!」

 

ガイガーがそう言い放つと、

 

「ファイナル………フュージョン!!」

 

ガイガーの両腰から緑色の電磁竜巻が発生し、更に下半身が回転することでE.M.Tフィールドを形成。

そのE.M.Tフィールドの中に各ジェネシックマシンが突入してくる。

下半身が回転した際に反転した両足に、スパイラルガオーとストレイトガオーがドッキング。

スパイラルガオーが右脚部を、ストレイトガオーが左脚部を形成する。

次にガイガーの両腕が肩から背中に移動し、ガイガーの胴体を貫通する空洞が現れる。

すると、ブロウクンガオーとプロテクトガオーが尾に当たる部分を変形させながら左右から後ろ向きに突入。

ガイガー内部の中央でドッキングし、ブロウクンガオーが右の肩部と上腕部、プロテクトガオーが左の肩部と上腕部を形成する。

更にガジェットガオーが、ガイガーの背部に逆さ向きに降りてきて、その足で両肩を掴むようにドッキング。

バックパックを形成した。

そしてガジェットガオーに装着されていた推進器が前腕部となって上腕部にドッキング。

それぞれから手が現れ、両腕を形成した。

最後にフルフェイスヘルメットが装着され、赤い鬣を思わせるエネルギーアキュメーターを靡かせたジェネシックメカノイドが誕生した。

 

「ガオッ! ガイッ! ガァァァァァァッ!!」

 

電磁竜巻を吹き飛ばしながら、名乗りを上げたジェネシックガオガイガー。

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

その姿を見た一同は驚愕する。

 

「あれはガオガイガー!? ですがあの姿は……!?」

 

ビッグボルフォッグが驚きながらそう口にすると、

 

「あれはジェネシックガオガイガーだ」

 

「ジェネシック………?」

 

「……………ガオガイガー………?」

 

超竜神と撃龍神が声を漏らす。

 

「お前達の知るガオガイガーやガオファイガーは、言い方は悪いがギャレオンの中に残されたデータで再現した、デッドコピーに過ぎない。あのジェネシックガオガイガーの姿こそ、オリジナルの………真のガオガイガーなんだ」

 

「真のガオガイガー……」

 

「カッコいい!」

 

ビッグボルフォッグと天竜神が声を漏らした。

すると、ガオガイガーは合体原種を見据え、右腕を振り被ると、手首から先が回転。

 

「ブロウクン………マグナムッ!!」

 

腕を繰り出すと共に射出される。

 

『ッ! そんなもの弾き飛ばして………!』

 

合体原種はそう言いながら左の爪を突き出す。

しかし、ブロウクンマグナムは原種の爪を砕きながら突き進んできた。

 

『な、何ぃっ!?』

 

驚愕の声を上げる合体原種。

 

『おのれぇ……! 粉々になるがいい!!』

 

今度は耳から無数のピアス型ミサイルを放つ。

ご丁寧にガオガイガーの全方位を包むように放った。

だが、ガオガイガーは戻ってきた手首をドッキングさせると、左腕を突き出し、

 

「プロテクトシェード!!」

 

左腕のフィールド発生フィンが展開し、防御フィールドを発生させる。

ガオファイガーは前面だけの展開だったが、ジェネシックガオガイガーのプロテクトシェードは360°全方位に展開可能であり、全てのミサイルを防いで爆発させ、その爆風すら押し返しながら合体原種に影響を与えた。

 

『ぬぉおおおおおっ!?』

 

驚愕の声を上げる合体原種。

 

「す、凄い…………」

 

シンが思わずそう零す。

 

「なんて強さだ………!」

 

アルトも驚きの声を漏らした。

 

『くっ! いくら足掻こうと、この原子分解の防壁ととブラックホールの前には、どのような攻撃だろうと無力!』

 

それでも合体原種が脅威な事に変わりはない。

 

「ルネ………俺達の力を合わせるぞ!」

 

「うん!」

 

キングジェイダーの言葉にガオガイガーは頷き、

 

「皆! ジェネシックガオガイガーは破壊に特化しすぎてる! 核を摘出するような器用な真似は出来ない! 核の摘出は皆に任せる!」

 

勇者ロボ達にそう呼びかけた。

 

「隊長………!」

 

「了解だ! 任せてくれ!」

 

超竜神と撃龍神がガオガイガーの声に応えると、

 

「「シンメトリカルアウト!」」

 

超竜神と撃龍神が合体を解除。

そして同時に合体する相手をシャッフルして再び合体する。

 

「幻っ……竜ぅぅぅぅじぃぃぃぃぃん!!」

 

「強ぉぉぉぉぉぉ龍ぅぅぅぅぅじぃぃぃぃぃぃん!!」

 

シャッフルドッキングによって誕生する幻竜神と強龍神。

 

「行くよ皆! ガジェットツール!!」

 

ジェネシックガオガイガーの尾を形成するガジェットガオーの首の第5・6・7節が分離。

空中で分解しつつ両腕にナックルガードとして装着されると、

 

「ヘル! アンドヘブン!」

 

両腕を広げ、右手に攻撃のブロウクンエネルギーを、左手に防御のプロテクトエネルギーを集中させ、それを合わせる。

 

「ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ………」

 

更に、キングジェイダーが飛び立つと、

 

「ジェイフェニックス!!」

 

キングジェイダーの全身が赤く発光し、背中から不死鳥の尾羽のような光が10本発生した。

 

『これは………自らをジェイクォースの代わりにするだと!?』

 

キングジェイダーが赤い炎に包まれ、巨大な不死鳥と化す。

 

「不死鳥は………炎の中から蘇る!!」

 

『じぇねれいてぃんぐあーまーサイダイシュツリョク! ゼンりみったーカイジョ!!』

 

不死鳥は力強く羽ばたき、更に激しく燃え上がる。

そのまま合体原種へと突撃し、

 

「ウィータァァァァァァァッ!!!」

 

同時にガオガイガーも背部スラスターで突撃。

更に、

 

「吹けよ氷雪! 轟け雷光!」

 

「唸れ疾風! 燃えよ灼熱!」

 

「「マキシマム・トゥロン!!」」

 

原種核確保の為に4匹の龍が放たれた。

 

「メルティングサイレン!!」

 

ビッグボルフォッグが原種のバリアを無効化し、

 

「ディスクP! セットオン! ドカドカーンV!!」

 

マイクの歌がGストーンの出力を上げる。

 

「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」

 

ガオガイガーのヘル・アンド・ヘブン・アンリミテッドとキングジェイダーのジェイフェニックスが合わさって合体原種に衝突。

 

『ぬぉおおおおおおおおおっ!? 原子分解が追い付かん………!? しかし、ブラックホールで飲み込んで………!』

 

「待っていたぞ! この瞬間を! コード麒麟!!」

 

原子分解の防壁をガオガイガーとキングジェイダーの攻撃を防ぐために費やしたために、他の部分の防壁は解除されていた。

その瞬間を狙い、ソウルゲインの必殺の一撃が合体原種へと届いた。

 

『何ィッ!?』

 

「例えブラックホールだろうと………撃ち貫くのみ!!」

 

突撃して来たアルトアイゼン・リーゼのリボルビング・バンカーが合体原種の腸の部分に突き刺さり、撃鉄が落ちると共に破裂させる。

 

『しまった!? 腸が!』

 

ブラックホールを発生させるための腸が潰され、防ぐ手立てはなくなった。

そして、

 

「これがっ………!」

 

「私達のっ………!」

 

「「力だっ!!!」」

 

ジェイフェニックスとヘル・アンド・ヘブン・アンリミテッドが合体原種を貫いた。

 

『ぬわぁああああああああああああああああああああああああああっ!?!?!?』

 

合体原種は断末魔の叫びと共に身体を崩壊させていった。

その際に合体原種の首が宙を舞う。

すると、

 

『おのれセフィーロの者共………! おのれGGG………! おのれ魔法騎士!!』

 

デボネアの声が響いた。

 

「デボネアァァァァァッ!!」

 

合体魔神レイアースが柱の証の剣を構え、一直線に向かってきて、デボネアの顔を貫く。

 

『ぎぃやぁああああああああああああああっ!?!?!?』

 

その一撃により、デボネアも完全に消え去った。

そして、フェニックスが消えた時には、右手に原種核の1つを確保しつつも、全身が灰色になり、全てのエネルギーを出し尽くしたキングジェイダーの姿が露になる。

そして、幻竜神が2つ、強龍神が1つの原種核を確保していた・

だが、

 

「1つ足りない!?」

 

ガオガイガーが原種核の数が合わない事に気付く。

すると、合体原種の崩壊した体の煙の中から、一つの原種核が飛び出す。

 

「ッ! 待て!」

 

ガオガイガーが声を上げると、

 

「デルタ小隊! 原種核を確保します! 続け!」

 

「「「了解!」」」

 

ミラージュの言葉でデルタ小隊が原種核を追う。

速度自体はデルタ小隊の方が速かったため、さほど間を置かずに確保できるだろうと誰もが思っていたが、

 

「なっ!?」

 

ハヤテが声を漏らした。

突如として原種核の前に空間ゲートが現れ、原種核はその中に消えていったのだ。

空間ゲートは直ぐに閉じてしまい、追う事は不可能となってしまう。

 

「馬鹿な………何故…………?」

 

目の前で起こった信じられない事に、キングジェイダーは驚愕の声を漏らす。

戦いには勝利したが、大きな疑問を残す結果となるのだった。

 

 

 

 

 






はい、レイアース編第8話です。
遂にやっちまったぜ、な第8話。
ジェネシックガオガイガー出しちゃったよ………
いや、ルネがキングジェイダーに乗り込んで2人でジェイフェニックスでもよかったんですけどね。
以前からジェネシックも出したいという欲望に駆られてまして、ジェネシック出す方法を考えた結果、セフィーロのご都合主義でやったれ! な考えに至りました。
Yami-Q-rayを仲間に引き入れたのは、今回のネタを思いついたからですね。
そんで、結局逃げ伸びた腕原種。
コイツどうしようかと悩んだ結果、まだ引っ張ることにしました。
つー事はラファーガが?
ってなことでレイアース編では仲間になる奴は居ないと言っときながら、ついて来る奴いたりします。
誰かは次回。
お楽しみに。

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