転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第9話 再会を信じて

 

 

 

 

逃げた原種核の1つが空間ゲートにより逃亡した後。

何故空間ゲートが開いたのか不明だが、先に原種核の浄解を行う事にした。

 

「…………レディーレ!」

 

ハルが浄解の言霊を唱え、原種核がゾンダークリスタルと取り付かれた者達に分離する。

そこに居たのは、カルディナ、フェリオ、アスコット、アルシオーネの4人。

つまり、

 

「逃げたのは腕原種か…………」

 

俺は内心やはりと思っていた。

アニメでも腕原種は最後までしぶとかったからな。

すると、デボネアが消えた事で、『セフィーロの裏』という空間が消えたのか、俺達はセフィーロの城の前に居た。

俺は合体魔神レイアースを見上げる。

イーグルはまだ生きているが、アニメの通り光が『柱』に選ばれた。

 

『やはり柱は……ヒカルだったのだな………』

 

クレフが念話で話しかける。

 

『ヒカル………その柱の証を………』

 

ランティスも光に呼び掛けた。

 

「………クレフと約束したんだ。もし私に柱の資格があるのなら、私の望んでいるセフィーロにしたいと願って良いって………!」

 

『…………ああ』

 

光の言葉をクレフも肯定する。

光は柱の証の剣を掲げると、

 

「このセフィーロから『柱』を無くす! そして、これからのセフィーロは、この国を愛する皆と作っていって欲しい!」

 

光が願いを叫ぶと光の剣から天に向かって光が伸びる。

すると、空を覆っていた暗雲に切れ目が出来ていき、日の光が降り注いだ。

合体魔神レイアースの姿が薄れていき、光、海、風の3人がゆっくりと城へ向かって降下していく。

そして、

 

『願いは叶えられた………』

 

魔神の声が響く。

 

『もう一度セフィーロを訪れ、自分自身の願いの為に戦いたいという汝らの願いは叶えられたのだ…………』

 

「じゃあ、私達をもう一度セフィーロに召喚したのは………!」

 

『お前たち自身だ』

 

光の言葉をレイアースが肯定する。

 

「じゃあ……私達は………」

 

「もう……戻らなくてはならないのですね………」

 

セフィーロへの召喚は、願いがかなえられた時に送還される。

それは、セフィーロの人々との別れの時が来たことを示していた。

海の視線がアスコットに向く。

 

「アスコット…………」

 

「……………ウミ……?」

 

海の声が届いたのかアスコットの瞼が開く。

 

「良かった………最後にあなたを助けられて………」

 

「ッ! ウミッ!?」

 

アスコットは海の言葉を聞いて跳ね起きた。

 

「待って! 僕はまだ君に伝えたいことが………!」

 

「…………………ありがとう」

 

アスコットの言葉の意味を理解しているのか、海は微笑むとその姿が薄れていく。

 

「ウミッ!!」

 

アスコットはその名を叫ぶことしか出来なかった。

 

 

 

「フェリオ…………」

 

風がフェリオの名を呟く。

 

「……………うっ………!」

 

その声に、フェリオも意識を取り戻した。

 

「ッ! フウッ!」

 

状況的にただ事ではないと悟ったのか、跳ね起きて風の名を叫ぶフェリオ。

その姿が薄れて行っているのに気付き、

 

「待て! 行くな! まだ行くなーーーーーーっ!!」

 

別れの時が来ているのだと直感したのか、フェリオは必死に叫ぶ。

 

「忘れません……! あなたの事………絶対に忘れません………!!」

 

風は自分の想いを伝えると、その姿が薄れていく。

 

「フウーーーーーーーッ!!」

 

フェリオの叫びが響いた。

 

 

 

 

『ヒカル………』

 

「ッ! ランティス………!」

 

光にランティスの言葉が届く。

 

「セフィーロは、これからきっと、平和で美しい国になるよね? エメロード姫が居た頃に負けない位…………」

 

『ああ………』

 

光の言葉に迷いなく肯定の意を返すランティス。

光は、城の前に立つランティスを見つめ、涙を浮かべながら、

 

「ランティス……………好き………!」

 

自分の秘めたる想いを口にした。

その告白に、

 

『………俺もだ』

 

ランティスは応えた。

 

「ッ!」

 

光自身は届く事の無い想いだと思っていたのだろう。

ランティスも同じ気持ちだという事を、本人の口から初めて聞いた。

すると、ランティスが前に出ながら降りてくる光に手を伸ばす。

その顔には、不器用ながら微笑みが浮かんでいた。

光もランティスに手を伸ばす。

その姿は今にも消えてしまいそうなほどに薄れている。

そして2人の手が僅かながらも触れ合い、互いの気持ちが通じ合った瞬間、光は悲し気に微笑みながらその姿を消したのだった。

 

「………………」

 

ランティスはしばらく手を伸ばしたまま無言だったが、ゆっくりとその手を戻して掌を見つめると、握りしめて胸に当てる。

 

「…………………ヒカル…………!」

 

その言葉にどれだけの想いが込められていたのだろう。

悔しさ、寂しさ、悲しみ……………しかし、後悔だけはしていないのはわかった。

 

「ランティス…………」

 

愛するものと離れ離れにならなければいけない彼の運命に、俺は同情を禁じえなかった。

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

その少し後、ジェイ達は戦後処理に追われていた。

特にジェイフェニックスを放ったジェイアークは損傷が酷い。

ジェイクォースは完全消滅しているし、ジェイフェニックスという本来のジェイアークには無い必殺技を放ったために、自爆ダメージも酷いのだ。

自動修復でも修理にはしばらくかかるだろう。

なお、ジェイアークは完全なオーバーテクノロジーなので、カーペンターズでちょちょいと修復できるわけでは無いのだ。

因みにジェネシックガオガイガーは殆ど損傷はない。

そして、セフィーロには新たな秩序を作り出す為に、オートザム、チゼータ、ファーレンの代表者たちを招き、情報を交換している。

そんな中、イーグルはランティスから戦いの結果と光達との別れを聞いていた。

 

「そうですか………ヒカル達は元の世界に…………」

 

「ああ…………」

 

「全く………だからそんなに元気が無かったんですね」

 

イーグルは呆れたように言う。

他の者達から見れば平然としているように見えるランティスだったが、親友であるイーグルには落ち込んでいるのが一目で分かった。

 

「イーグル………」

 

「それで? あなたはヒカルの事を諦めるんですか?」

 

「それは…………」

 

「未練があるんですよね? だったら追いかければいいじゃないですか」

 

「しかし、ヒカルは異世界に………」

 

「異世界に行く方法なら、すぐ近くにあるじゃないですか」

 

イーグルはあっけらかんとそう言う。

その時、

 

「何の用だ? イーグル」

 

その場にジェイが現れた。

彼はイーグルに呼ばれてこの場に現れたのだ。

 

「大した頼みではありません。ランティスを、あなたの仲間に加えて頂けないかと思いまして」

 

「何……?」

 

「イーグル!?」

 

イーグルの言葉に、怪訝な声を漏らすジェイと驚愕の声を出すランティス。

 

「あなた達は、いくつもの世界を渡り歩いているんですよね? でしたら、光達の居る世界にもその内辿り着くんじゃないかと思いまして」

 

イーグルはニコニコとそう言う。

 

「ッ…………!」

 

その言葉にランティスは目を見開く。

 

「あ~………まあ、完全なゼロでは無いが、限りなくゼロに等しいとだけは言っておく。世界を渡り歩くとは言え、世界は無限に等しい数が存在している。その中のたった1つの世界をピンポイントで引き当てるなど、砂漠の中で一粒の砂金を見つけるような確率だ」

 

「…………………」

 

ジェイの言葉に、ランティスに僅かに落胆の色が見えた。

その時だった。

 

「あ~~~! やっとみつけたわ!!」

 

大声と共に駆け寄ってくる者が居た。

それはカルディナだ。

 

「お願いや! ウチもあんさんらについて行かせてくれへんか!?」

 

駆け寄ってくると同時に頭を下げるカルディナ。

 

「話は聞いた! ラファーガがゲンシュとかいう奴らに体を乗っ取られたまま異世界に連れてかれたんやろ!?」

 

「…………その通りだ」

 

「ウチはこのまんまラファーガに会えんのは嫌や! お願いや! ウチも連れてってーな!」

 

カルディナは土下座する勢いで頭を下げ続ける。

 

「………………俺の予想が正しければ、ラファーガ………腕原種と遭遇する確率は高いだろう………だが、セフィーロに戻ってこれる可能性は限りなく低いぞ?」

 

「それでもかまわへん! ラファーガに会えるのなら!」

 

俺の言葉にカルディナは迷いなくそう言った。

 

「…………ならば好きにしてくれ。ただし、何かしら働いては貰うぞ?」

 

「もちろんや! タダ飯喰らいになる気は無いで!」

 

カルディナはパッと顔を明るくしてそう言った。

カルディナとの話を終えると、入れ替わる様にフェリオとアスコットが現れた。

 

「ここに居たか!」

 

2人が駆け寄ってきて、

 

「頼みがある!」

 

「僕達を、君達の仲間に加えて欲しい!」

 

出会い頭にそう言って来た。

 

「…………理由は、風と海か?」

 

「ああ………俺だっていつか風と別れなきゃいけないって事は覚悟はしてたさ………だけど! あんな別れ方は納得いかない!」

 

「僕だってそうだ! ゲンシュって奴らに体を乗っ取られて、良い様に振り回された挙句に、想いを伝えられないまま別れるなんて、後悔してもしきれないんだ!」

 

「…………ランティスにも言ったが、彼女達の世界に辿り着ける確率は、砂漠の中で一粒の砂金を見つけるような確率だ。それでもついて来るのか?」

 

「もちろんだ! ほんの僅かでも可能性があるのなら!」

 

「うん!」

 

俺の言葉に2人は迷わずに頷いた。

 

「もし辿り着けたとしても、何年かかるか分からない。もし再会できたとしても、彼女達の隣には、既に別の男が居るかもしれない。それでもか?」

 

「ああ! 例えそうだとしても、このまま別れるよりかはマシだ!」

 

「僕も……! 何もしないで後悔するより、出来る限りの事をしてから後悔したいから……!」

 

「…………………だ、そうだが?」

 

俺はランティスに目配せする。

ランティスはその眼を伏せていたが、顔を上げてその眼を開く。

その表情に、既に迷いはなかった。

 

「頼む………俺も連れて行ってくれ………!」

 

ランティスも決心した。

 

「…………………そこまでの覚悟があるのなら俺からは何も言わん。だが、カルディナにも言ったが何かしら働いては貰うぞ?」

 

「…………それについては考えがある」

 

ランティスは、フェリオ、アスコット、カルディナに向き直ると、

 

「頼む……協力してくれ…………!」

 

そう言って頭を下げた。

その様子に、普段のランティスを知る3人はポカンとするのだった。

 

「クスクス……漸く素直になりましたね、ランティス………」

 

その様子を見て微笑むイーグル。

だが、

 

「………ッ! ゴホッ! ゴホッ!」

 

突然イーグルが咳き込んだ。

 

「ッ!? イーグル!」

 

ランティスが咄嗟に駆け寄って支える。

 

「………大丈夫です……いつもの発作ですよ………」

 

そう言うイーグルだったが、その手には吐いた血がべっとりと付いている。

 

「僕の事は気にせず、ランティスはヒカルを追いかけてください」

 

「イーグル…………」

 

「………………ああ! そう言えばイーグルは病気だったか!」

 

ジェイが思い出したように声を上げたのだった。

 

 

 

 

 

イーグルをジェイアークに連れてきて医療ポッドの中に入れると解析を始める。

 

「ふむ………中々危ない所だったが、大丈夫そうだな。この分なら2、3日で完治できる」

 

診断結果を伝えると、

 

「そうなのですか? オートザムではもう手の施しようが無く、余命幾何もないとまで言われていたのですが…………」

 

「いつも言っている気がするが、赤の星の科学力を舐めんな、ってね」

 

ジェイが得意げにそう言う。

 

「イーグルは助かるのか?」

 

「ああ、心配ない。だから、やる事があるなら早くした方がいいぞ。おそらく4日か5日後には次の世界へのゲートが開くだろうからな」

 

「わかった…………それと、イーグルを助けてくれて、感謝する」

 

ランティスはそう言って頭を下げた。

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

数日後。

無事イーグルが完治した後、

 

「……………………………」

 

俺はポカンとしてあるものを見上げていた。

それは、黒の甲冑の各部に赤の意匠が施された魔神。

右手に巨大盾、左手に剣を装備したその姿。

魔神ザガートを鏡写しの様に反転させたその魔神は、

 

「魔神ランティスじゃねーか………」

 

俺は思わずぼやいた。

魔神ランティスとはスパロボに出てくるオリジナルの機体。

魔神ザガートの姿を反転させた機体で、本来は魔神を持ちえないランティスを戦闘員として使えるようする為の機体だ。

ゲームではザガートがランティスの為に魔神ザガートと共に作り上げた機体だったが、今回はランティス、フェリオ、アスコット、カルディナの4人の心の力を合わせて作り出した魔神だそうだ。

魔神ってそう簡単に作れるもんなの?

いや、ここはそれほどまでに想い人への想いが強かったと思っておこう。

 

「………これで、俺も戦える」

 

ランティスがそう言う。

すると、魔神ランティスの姿が消える。

レイアース達と同じように普段は亜空間で待機させることが出来る様だ。

すると、まるでタイミングを合わせたかのように上空に空間ゲートが現れた。

 

「…………いつものことながら、タイミング良すぎるな………」

 

俺はそうボヤく。

クレフを始めとしたセフィーロの人々に別れを告げ、マクロス・ブレイバーに乗り込もうとした時、

 

「ちょっと待ちなさーい!」

 

「ぷっぷぷぅーーー!」

 

小さな2つの影が飛び込んできた。

 

「この私をランティスから引き離そうなんていい度胸してるじゃない!」

 

1つは妖精のプリメーラ。

 

「ぷう! ぷう!」

 

もう1つは白い餅………もといモコナだった。

すると、

 

「プリメーラ…………俺についてきても、俺はお前の気持ちを受け取ることは出来ないぞ」

 

ランティスがハッキリとそう言う。

言い方はキツイかもしれないが、未練を残すよりかはマシともとれる。

すると、

 

「…………分かってるわよ………! そんな事………!」

 

プリメーラは拗ねたようにそっぽを向いた。

 

「だけど、ランティスのパートナーの座まで渡すつもりは無いわ! ランティスの相棒はこの私なんだからね!」

 

プリメーラはそう言うと、ランティスの肩に腰掛けた。

ランティスは諦めたように息を吐くと、

 

「…………好きにしろ」

 

同行を許したのだった。

 

「お前も来るのか、モコナ?」

 

俺はモコナに問いかけると、

 

「ぷう!」

 

勿論と言うように頷いた。

 

「やれやれ。ハロに続くマスコット枠か?」

 

「ぷぅ~」

 

何となく失敬なと言われている気がした。

 

「まあいい。付いて来たいなら好きにしてくれ」

 

「ぷう!」

 

俺がそう言うと、モコナは肯定するように飛び跳ねた。

 

 

 

 

 

新たな同行者を増やした俺達は、空間ゲートへと突入する。

それから、少しすると、

 

「それにしても、どうして原種が空間ゲートで逃げることが出来たのかな?」

 

ハルが疑問を口にする。

 

「確かにそうだよね………原種やゾンダーが現れる理由は、イレギュラーな私達が世界に来たからだし…………」

 

ルネもそう呟く。

 

「ならば、直接本人に聞くしか無いだろう」

 

「本人?」

 

ルネが首を傾げた。

 

「おい! どうせ聞いているんだろう!? 姿を見せたら如何だ!?」

 

俺は大声で叫ぶ。

 

「ジェイさん?」

 

ルリが俺の様子に怪訝な声を漏らすと、突然モニターが超空間トンネルの映像から映り変わり、

 

『やあ! 暫くだね!』

 

金髪天然パーマの自称神が映った。

 

「な、何だコイツ!?」

 

シンが叫ぶ。

 

「あーーーっ! あの時の邪神!」

 

俺以外に唯一その姿を見た事があるハルが指を指して叫んだ。

 

「知っているんですか? ハルさん」

 

ルリが尋ねると、

 

「うん。簡単に言えば、ジェイにジェイアークを与えて別世界に放り込んだ元凶だよ!」

 

『邪神とは酷いなぁ………これでも次元と空間を司る神の1柱だよ?』

 

「そんな事はどうでもいい………いい加減、本当の事を話して貰いたいと思ってな」

 

『おやおや? 何の事だい?』

 

「とぼけるな。俺達の行く先々で原種やゾンダーが現れる理由だ」

 

『それは前にも言った筈だよ? 君がジェイアークを…………』

 

「もうその理由だけでは説明できないだろう?」

 

『…………………』

 

「最初に違和感を覚えたのは2度目のC.E.の世界を訪れた時。無限に等しい世界の中で、同じ世界に辿り着く可能性など万に一つも無い………が、一度だけなら偶然で片付けることが出来るからその時はあまり気にしていなかった」

 

『…………………』

 

「2回目の違和感はニール達の世界………そこでは世界移動をせず、時間だけを移動する出来事があった。まるで、原種が現れる時代に俺達を送り込んだような……な?」

 

『…………………』

 

「3度目の違和感は勿論2度目のマクロスの世界に行った時だ。1度ならともかく、2度も同じ世界に辿り着くなど、怪しんでくれと言っているようなものだ」

 

『…………………』

 

「そして極めつけが今回の出来事だ。原種が別次元に逃げるという事態が起こった。俺が世界を渡ることによって原種が現れているという理由では、絶対に説明が付かない。ここまで起こっておかしいと思わない方が異常だ。つまり、俺達が世界に流れ着いたから原種やゾンダーが現れるのではなく、俺達が原種やゾンダーが現れる世界、時代に送られていると説明した方がしっくりくる」

 

『……………やれやれ、降参だ』

 

神(?)はおどけながら両手を上に上げる。

 

「やはりか…………!」

 

その様子を見て、俺の推測は確信に変わった。

 

『勘違いしないように言っておくけど、君が世界に流れ着いたから原種やゾンダーが現れるというのも嘘じゃない』

 

「ッ………? どういう意味だ?」

 

『あくまで、僕が君を送り出しているのは、その世界が本来の運命とは違う、次元の歪み、矛盾点が存在する世界だ』

 

「本来の運命とは違う次元の歪みや矛盾点?」

 

『例えば君達の行ったC.E.の世界。最初にゾンダーが現れた事があっただろう?』

 

「俺が連合軍のMAと戦ってた時か!?」

 

シンが叫ぶ。

 

『本来の運命では、そこで君がSEEDに目覚めてMAを倒し、艦数隻を沈め、ミネルバには大きな損害も無く艦隊を撤退させるはずだった。しかし、次元の歪みによって歪められた運命は、ミネルバに大損害を与え、君の同期を始めとした多くのクルー達が犠牲になる流れだった』

 

「何だって!?」

 

「ッ!?」

 

シンやルナマリアが驚愕する。

 

『そしてステラの乗るデストロイとの戦いの時には、君はフリーダムの攻撃からステラを庇い、死ぬことになっていたんだよ』

 

「ッ!?」

 

その言葉にシンは絶句する。

 

『そこに、ジェイアークという異物を放り込んで、その次元の歪みにある一定の指向性を持たせた。その結果、次元の歪みがゾンダーや原種となって現れるという寸法さ。そして、君がゾンダーや原種を倒せば、その歪みが修正され、大まかな本来の運命の流れに戻るという訳さ』

 

「ならば同じ世界に行った事や、原種が世界を渡って逃げることが出来たのはどういう理由だ?」

 

『次元の歪みは、バラバラに起きているんじゃない。ある一つの大きな歪みが、周囲の世界に影響を与えているんだよ』

 

「1つの歪み………」

 

『だから一度運命を修正しても、再び歪みの影響を受けて、運命が狂い出す。そうした時に同じ世界に送っていたんだよ』

 

「なら、腕原種が空間ゲートで逃げ延びたのは………」

 

『大本の歪みの元へ行ったんだろうね。ここまで言えば、その大本の敵が何かは予想がつくだろう?』

 

「………まさか………!」

 

俺はその言葉で最悪の敵を予想する。

 

『だから、周囲の世界から順番に歪みを正していったのさ。今なら、今までの原種とは大した違いが無い位まで弱体化しているよ』

 

その言葉に心の底から安堵した。

流石に『あいつ』と戦いたいとは微塵も思わない。

思わないが、最悪の事態は想定して然るべきだろう。

 

『まあ、想定外なことがしばしばあったけど、おおむね予定通りに事が進んでいると言っていい』

 

「想定外?」

 

『あ~………まあ、言ってもいいかな? まず一つ目の想定外は、最初の世界に原種が現れた事だ』

 

「凄乃皇と融合した瞳原種の事か?」

 

『ああ。僕の想定ではあそこで現れるのは通常のゾンダーの予定だったんだ。君の戦闘経験を積ませるのに、あの世界は丁度良かったからね。ジェイダーまでしかなれなくても、あの世界では無双できるから。所謂チュートリアルステージってヤツだよ』

 

「ッ!」

 

「もう少し言い方を考えろ。その世界出身のハルもいるんだぞ」

 

『やーごめんごめん』

 

全然悪びれてねーなコイツ。

 

「話を戻すが、お前の話し方から察するに、俺にジェイアークを選ばせるように仕向けたのも想定内か?」

 

『それは勿論さ! 人間如きが僕を出し抜けると思っていたのかい? プププ』

 

その言い方にムカッと来る。

 

「で? 続きは?」

 

『ああ、そうそう。2つ目の想定外は君さ。ハル君』

 

「私?」

 

『君がアルマとなったことが2つ目の想定外だ。まさか陰キャな彼がいきなり彼女を作るとは思わないじゃん。いくら神の僕でも予想できなかったよ』

 

「否定はせんが腹が立つな………!」

 

『で、本来はアルマとするためにルネ君を送り込もうとしたんだけど………』

 

「私が本当はアルマに?」

 

『そそ。君はそこの彼を好きになるような物好きだったからね。アルマとなってくれるには都合が良かったのさ』

 

「言わんとすることは分からないでもないけど………ムカつく………!」

 

『だからレプリガオファイガーを選ぶように仕向けたんだけど…………まさかレプリオービットベースごと選ぶとは思わなかったねぇ…………』

 

ああ、そっちも想定外だったのな。

 

『そんで世界を渡る毎に仲間を増やすわ。挙句の果てに勝手にパワーアップさせてジェネシックガオガイガーまで生み出しちゃうなんて………もう想定外のオンパレードだよ。少しは手加減してよね。仕事が増えるんだからさ』

 

知るかそんなの!

 

『まあいいさ。次の世界は次元の歪みの大本の世界だ。まあ、君達には懐かしい世界になるのかな? 並行世界だけど………』

 

「どういう意味だ?」

 

『それは行ってからのお楽しみ。それじゃ…………』

 

そういって神(?)が話を終わらせようとした。

その時、

 

『待て』

 

突然聞いたことのない声が響いた。

同時に襲い掛かるとんでもない重圧。

気を抜けば膝を着いてしまいそうなほど。

 

「な、何だ………!?」

 

俺は思わず振り向いた。

そこには……………

 

「モコナ?」

 

モコナが小さい体ながらも堂々と立っており、赤い筈の額の宝玉が黄色に染まっている。

すると、

 

『まだ黙っている事があるだろう?』

 

再び声が響く。

 

『何だいお前は? 神に向かって無礼な』

 

神(?)がモコナを睨みつける。

だが、

 

『貴様こそ下級神の分際で調子に乗るな…………!』

 

次の瞬間、モコナの背中から大きな翼が広がった。

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

その姿に驚愕する俺達。

その瞬間、

 

『ッ!? うひゃぁあああっ!? お、お前………いや、あなた様はまさか………!?』

 

神(?)が狼狽えながら叫んだ。

 

『な、なんてお方を連れてるんだ君達は!?』

 

神(?)が俺に向かって叫ぶ。

 

「何の事だ?」

 

『そ、そそ……そのお方は、先代の『創造』を司る上級神様だ!!』

 

「『創造』を司る上級神?」

 

さっきモコナはコイツの事を『下級神』と呼んでいたし、要はモコナの方が格上という事か?

そういやモコナも原作ではセフィーロや地球の創造主なんて設定が………

 

『黙れ…………!』

 

『は、ははぁ………!』

 

おおう。

神(?)が平伏してるよ。

 

『さて、お前は肝心な事を話してはいないな?』

 

『ななな……何の事でしょう……!?』

 

『とぼけるか……!?』

 

『いいいい、いえ! 滅相もありません!』

 

『ならば答えよ。貴様が言う次元の歪み………! その原因とは何だ……!』

 

『そ、それは…………』

 

『答えよ……!』

 

『は、はいぃ……! 全てはわたくしめが悪いのでございます! 退屈な毎日を過ごすうち、気の迷いというかなんというか………何か面白い事が起きないかと好奇心で世界の1つに歪みを投げ込んだのでございます……! その結果、想像以上に歪みが広がり、他の世界にまで影響を与え………上位世界にすら僅かながら歪みが生じてしまうほどに………!』

 

『かの者達は………その犠牲者だな』

 

モコナが俺とルネを見る。

 

『そ、その通りでございます………そして、自分の失態を隠す為に、犠牲となった上位世界の2人の魂を使い、世界の運命の修正を思いついたのでございます………!』

 

『何故すぐに『運命』を司る神に伝えなかった……! そうすればここまで大きな問題にはならなかったはずだ………!』

 

『そ、それは……………』

 

『言え………!』

 

『ひぃぃぃっ! い、いえっ、そのっ………! 最近の『天界』には大きな動きがありまして………ある『運命』の女神に伴侶が出来たのでございます。その伴侶がその………『運命』の上級神様や、挙句の果てには最上級神様すら誑し込む程の絆を司る男神であり………『運命』の神に知らせるという事は、最上級神様の耳に入る事になってしまうため…………』

 

『要は己の保身の為に隠蔽に奔走したという事だな…………』

 

『ううっ………!』

 

モコナの一言に言葉に詰まる神(?)。

 

『ど、どうかこの事はご内密に…………!』

 

平伏する神(?)。

どうでもいいが、パッと見は神(?)が羽の生えたモコナに土下座してんだよな。

 

『条件次第では考えても良い』

 

『真ですか!?』

 

神(?)はガバッと顔を上げる。

 

『次の世界を修正した暁には、我の望む世界へ転移させよ』

 

『ッ………そ、それは…………』

 

『出来ぬと申すか?』

 

『い、いえっ! 全身全霊でやらせていただきますっ!』

 

『ならばよい。下がれ』

 

『は、ははっ!』

 

土下座した姿のまま映像が途切れた。

後に残されたのは羽の生えたモコナなのだが、羽が縮んで消えると、

 

「ぷう!」

 

いつもの声をあげた。

宝玉の色も赤に戻っている。

 

「…………ちょいと脳のキャパオーバーだな」

 

俺を含め、全員が呆然としている。

 

「モコナ………お前凄い奴だったんだな」

 

俺がそう言うと、

 

「ぷっぷう!」

 

えっへんと言いたげに胸を張るのだった。

 

 

 

 







本日休みだったので更新です。
レイアース編の最終話です。
早い?
まあ仕方ありません。
そんで、結局割と大人数がついて来ることになったレイアース編です。
カルディナがついて来ることを予想する人は多かったですが、ランティス、アスコット、フェリオ+モコナ、プリメーラがついて来るとは思わなかったでしょう。
そして、スパロボより魔神ランティス参戦!
まあ、1人ぐらい戦闘要員にならないと。
そして次の世界にと思いきや、久々登場の邪神さん。
そして明らかになる真実の数々!
このまま次の世界にと思いきやモコナが想像以上の本領を発揮してしまった。
いや、書いてたらフッと思いついてしまった事なんですけど…………
余りにも反対が多かったらその部分は削除します。
結構ノリと勢いで書いたので。
それからなんとなーく覚えがあるような話がチラッと…………
次の世界はお察しで。
それではお楽しみに。



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