転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第5話 回り始める運命

 

 

 

明星作戦に武達を実戦訓練と称して応援に行かせたのだが、

 

「機械で出来たBETAが現れた?」

 

武達と、護衛にこっそりとついて行かせたボルフォッグから、そう報告を受けた。

その強さは、現行の戦術機の36mm砲や120mm砲を物ともせず、要塞級に至ってはS-11の爆発にも耐えたそうだ。

グルンガスト参式やパーソナルトルーパーの敵では無かったようだが、武達が応援に行かなければ甚大な被害が出ていてもおかしくなかったという。

武達の戦闘データを詳しく見てみると、報告の通り要撃級型、突撃級型、要塞級型の3種が確認されている。

能力的にはそれぞれ元になったBETAの能力が飛躍的にアップした状態になっており、特に防御力に至っては現行の戦術機の武装では歯が立たない事が分かった。

そして、

 

「破壊された機械のBETAの破片を調べたところ、僅かですが素粒子Z0反応が確認されました」

 

ボルフォッグがそう報告する。

 

「素粒子Z0…………ゾンダーか…………」

 

俺はそう呟く。

 

「機械化されたBETAは、ゾンダー化したBETAという事か………」

 

「ですが、バリアシステムや再生能力などは確認されていません」

 

ボルフォッグが通常のBETAとの差異を指摘する。

 

「俺の当てずっぽうだが、ゾンダーのエネルギー源はストレスなどのマイナス因子。だが、BETAは簡単に言えば資源回収の為の重機のようなものだ。BETA自身に感情などは無いからな、エネルギーが足りないのだろう」

 

「なるほど………確かにその通りかもしれません」

 

ボルフォッグが納得したように頷いた。

 

「問題は、このゾンダー化したBETAが横浜ハイヴだけに発生した特殊事例なのか、それとも他のハイヴでも起きうることなのか………だな」

 

「私の計算では、要撃級型、突撃級型を倒すだけでも、この世界の兵装では艦砲射撃や大型ミサイルの直撃が必要であり、要塞級型に至っては、艦砲射撃、大型ミサイルの直撃が数十発。もしくは核攻撃やG弾のような大量破壊兵器の使用が必要となります」

 

「ゾンダー化したBETA…………仮にZETA(ゼータ)とでも呼ぶか………ZETAが100体規模で出てきたら、現行の戦術機部隊ではほぼ詰みという事か………」

 

適当に呼び名を決めてボルフォッグに尋ねると、

 

「残念ながら…………」

 

ボルフォッグが申し訳なさそうにしながらも肯定する。

 

「現状の人類の戦力で、もしも世界中のハイヴにZETAが1%でも現れた時のシュミレーションです」

 

ボルフォッグがメインモニターに結果を表示すると、1年足らずで人類の勢力圏が全てBETAに侵略されてしまった。

 

「そして、もしG弾を戦力として大量に使用してしまえば、大規模な重力偏差によって大津波が発生。ほとんどの大陸が海に呑まれると計算結果が出ています」

 

「大海崩って奴か………」

 

そう言えばそんなスピンオフがあった気がするな。

 

「そんな………! どうにかならないんですか!?」

 

武が必死に問いかけてくる。

 

「…………………」

 

俺は少し考える。

 

「ジェイさん!」

 

武がもう一度俺に呼び掛ける。

俺はその呼びかけに武を見据えると、

 

「あまり気は進まないが………そうも言っていられんか…………」

 

「何か方法があるんですか!?」

 

俺の言葉に、武は期待するような表情になった。

 

「ああ…………要は、人類をZETAと互角に戦える領域まで引き上げればいい」

 

「それって…………」

 

「技術提供しかあるまい」

 

地球が滅びる寸前になっても内輪もめを止めないこの世界の人間に技術提供をしても大丈夫なのかという疑問はいくらでも湧いて出てくるが、その前に人類が滅ぼされてしまえば本末転倒だ。

 

「でも、技術提供って何を提供するんです? 流石にGSライドやウルテクエンジンを教えるわけにはいきませんよね?」

 

シンがそう言うと、

 

「それは当然だが………俺が考えているのは、疑似GNドライブだ」

 

「疑似GNドライブだって……!?」

 

俺の言葉に声を上げたのはニールだ。

 

「正確には、疑似GNドライブとそれに付随するビームライフルとビームサーベル。それからEカーボンとそれに合わせた基本フレームだな。いっその事手本にGN-Xでも組み立てて送りつけてやろうかとも考えている」

 

「GN-Xって、アレか………」

 

ニールはGN-Xと聞いて複雑そうな表情をする。

そう言えばニールは、ティエリアを庇った所為とは言え、GN-X相手に中破させられてたな。

 

「実際、この世界の技術レベルでギリギリ再現できそうなものが疑似GNドライブなんだ。Eカーボンも、この世界の戦術機の装甲に使われているスーパーカーボンの上位互換だから生成方法さえ分かれば量産もそこまで苦労しないだろう。全ての戦術機を疑似GNドライブ製にするのはしばらくは無理だろうが、エース専用機として少数を配備するのは1年位で行けるんじゃないかと思ってる」

 

「まあ、しゃあねえか………」

 

ニールはため息を吐くが、文句はない様だ。

 

「あとは、人類側の準備が整うまでは、俺達がZETAを食い止めるしか無いだろう」

 

大まかに方針を決め、行動を開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

ある日、世界に激震が走った。

GGGを名乗る組織から、世界中に戦術機の主機及び装甲、フレーム、武装の技術提供が行われたのだ。

更に国連、日本、米国などの主要国家には実際に組み上げられた機体も送られている。

そして、同時にその技術に対する使用条件のような警告文も添えて。

その内容は、

【この技術は、新たに確認された機械化されたBETAに対抗するための物である。ビーム兵器を向けて良いのはBETAのみであり、同じ人類にこの武器を向けることは許されない。この条件が護られない場合、相応の対処を行うため覚悟されたし】

というものだった。

警告文はともかく、世界中の技術者たちは、提供された技術データに狂喜乱舞した。

既存の戦術機を圧倒的に超える性能。

スーパーカーボンの完全上位互換であるEカーボンの生成方法。

机上の空論だった光学兵器。

それらを全て実現可能なレベルで纏められていたからだ。

世界中の国々は、挙ってその提供された技術で戦術機を改良、製造を始めた。

日本でも1年ほどで疑似GNドライブを備えた戦術機が少数ながらも配備され始め、時折佐渡島から現れるZETAに対しても有効な抑止力となっていた。

まだ数が少なく、ハイヴを攻められるほどではないが、GNフィールドを備えた戦術機は、レーザーを弾き、空中からの攻撃を可能にしたため、優先的に光線級を殲滅する事で、通常の戦術機部隊への被害を格段に抑えることに成功していた。

しかし、何処の国も最初に譲渡された機体………GN-Xを超える機体を開発できた所は無い。

その為国連軍は、アラスカ、ユーコン基地にて先進戦術機技術開発計画、通称『プロミネンス計画』を進め、更なる高性能機の開発を急いだ。

その理由は、GGGを脅威に感じているからであった。

これほどの技術をあっさりと公表し、BETAとの戦力バランスを取ったGGGの存在を脅威と見る者が出てきても不思議では無い。

逆に、GGGこそがBETAを操って地球を侵略している黒幕では無いかとの声も出始めていたりした。

そして、日本もまた新しい戦術機の開発を急いでいたが、成果は芳しくなく、日本単独だけでは開発は難しいと判断し、日米共同戦術機開発計画であるXFJ計画を発動。

アラスカ・ユーコン基地に技術者を派遣し、新しい戦術機の開発を行おうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

【Side Out】

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………と、言う訳でユウヤ。お前にはアラスカのユーコン基地に行ってもらう事になった」

 

訓練終了後の夕食の時間に、俺はユウヤにそう言った。

 

「………何がと言う訳なんだ?」

 

ユウヤは思わず怪訝な表情で聞き返してきた。

 

「以前にもお前は世界の運命に影響を与えるキーパーソンだという事は説明したと思うが…………」

 

「あの話かよ」

 

「お前が大きく関わる計画がアラスカのユーコン基地で始まるわけだ」

 

「つっても、技術提供したなら既に運命変わってるんじゃねえのか?」

 

「いや、世界情勢を見ていると、確かに技術は大きく進歩しているが、BETAとの戦力差に大きな差が無い以上大まかな流れは共通しているようだ。その証拠に、内容の格差こそあれど、プロミネンス計画が既に発動し、XFJ計画が始まろうとしている」

 

「で? そのXFJ計画とやらに俺が参加して辻褄を合わせろって?」

 

「ああ。だからと言ってお前の行動を制限するつもりはない。好きにやってくれればいい。それが多分、一番いい様な気がする」

 

「………つーか、俺ってMIA扱いだろ? そんな計画に参加できるのか?」

 

「その辺はルリに頼めばいくらでも改ざん出来る。まあ、知り合いに会った時の為のカバーストーリーは必要だろうからな。即興で考えたものだが、MIAになった事件の時、記憶を失って放浪。気が付いたときには見知らぬ場所。そこで特殊部隊と遭遇し、保護されるものの機密の関係から外部に連絡を取ることが不可能になった。そのまま特殊部隊に参加し、幾度も実戦を潜り抜けた。しかしある作戦の折に壊滅状態となり、部隊は解散。通常任務に復帰することになった………てな感じで如何だ?」

 

「嘘と本当が半分ずつぐらいだな」

 

「嘘の中に真実を混ぜた方が、信用されやすいと言うだろう?」

 

「まあいい。分かった。お前が必要だと言うのならそうなんだろう」

 

ユーコン行きを了承するユウヤ。

 

「頼む…………ああ、それとこれだけは教えておく」

 

「何を?」

 

「お前の父親の事だ」

 

「ッ!?」

 

「お前の父親の姓は『タカムラ』………これだけは教えておく」

 

「タカムラ……………」

 

ユウヤは複雑そうな表情でその名を呟く。

ゾンダーから浄解された事で、幼いころに日本人の血が混じっている事で馬鹿にされたストレスが解消され、日本人嫌いは無くなっていたが、その原因である父親に対しては何かしら思うところがあるんだろう。

 

「そういうわけで、ユウヤはこれから1週間位GN-Xのシミュレーターな。流石にヒュッケバインMk-Ⅲと、疑似GNドライブを使っているとはいえ現行の戦術機じゃ機体性能に差があり過ぎるからな」

 

「うぇっ………!?」

 

ユウヤは嫌そうな顔をする。

ユウヤは念動力を使えないが、その状態のヒュッケバインMk-Ⅲのスペックをほぼ引き出せる程に操縦技術が上がっている。

そんな状態で何世代も下であるGN-Xを使えと言われれば嫌な顔もしよう。

ユウヤは性能の低さに苦労しつつも、何とかシミュレーターに慣れ、ユーコンに向かう事になるのだった。

 

 

 

 

 







はい、マブラヴオルタネイティヴAnother編第5話です。
本日は休日出勤していた+トータルイクリプスへの繋ぎ回なのでめちゃ短いです。
まさか疑似GNドライブ+その他を技術提供するとは誰も思うまい。
BETAが強化されたため、人類側も底上げが必要となり、こうなりました。
疑似GNドライブを選んだのは、昔脳内妄想してたネタを使いたかっただけです。
まあ、この辺はいろいろ言われるかもしれませんがこのまま行きます。
そして何だかんだでユウヤはユーコン基地へ行く事になりました。
因みにユウヤの操縦技術は、総合的には武達よりも上です。
それぞれの得意分野では若干劣りますが。
それでもこの世界の衛士達と比べればぶっちぎりで強くなってます。
まあ、キョウスケとかエクセレンとかアクセルとかシンとかニールとかアルトとかハヤテとかメッサーとかの異世界のトップエースにシミュレーターで揉まれまくればこうもなろう(多分)。
次回からトータルイクリプス編に入りますが、自分の知識はアニメとWikiやpixivなどの情報サイトからなので矛盾点や抜けてる部分があるかもしれませんがご容赦ください。
とりあえず頑張って明日更新できるようにしたいです。
お楽しみに。

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