転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第17話 ユーコンテロ(前編)

 

 

【Side ユウヤ】

 

 

 

 

また少し時が経ち、9月21日。

この間にもオルソン大尉の発案で交流の機会が設けられたりしたが、それは置いておこう。

…………まさかクリスカ達の裸を見てしまったなんて誰にも言えん。

それはともかく、俺達は間近に迫ったインフィニティーズとの対戦の為に対策を練っている所だった。

まあ、正直な話、今の俺ならインフィニティーズ相手とは言え、単機で全滅させる自信はある。

GNドライブへの理解の差もあるしな。

しかし、それでは衛士の腕で勝っただけであり、開発部隊の本幹である機体性能で勝つわけではない。

まあ、その機体性能を引き出すためにも、テストパイロットには優秀な衛士が選ばれてはいるのだが。

あーだこーだ言っていると、ブリーフィングに崔中尉が乱入。

先に対戦した戦闘データを渡す代わりに、俺との1日デートを要求してきた。

結果は部隊の皆はその条件を呑み、タリサのお目付け役付きだが崔中尉とデートすることになってしまった。

だが、異変は車でリルフォートへ向かう途中に起こった。

アルゴス小隊と連絡を取っていた通信が途絶し、更にはリルフォートから基地施設へ向かう民間の輸送車が荒っぽい運転ですれ違った。

しかも、タリサが言うにはそれに乗っていたのはリルフォートで飲食店を経営していたナタリーだという。

俺達は、ただ事では無いと感じ、至急引き返した。

 

 

 

基地に戻った俺達が見たのは、彼方此方で爆音や銃声が聞こえ、兵士達の躯が転がる戦場だった。

 

「ッ………! これは一体……?」

 

俺が呟くと、

 

「見ろっ!」

 

タリサが指を指す。

その方向には煙が上がっていた。

あの方向は確か……!

 

「あの方向………ハンガーよ!」

 

崔中尉が叫ぶ。

 

「くそっ! ふざけやがって!」

 

俺は吐き捨てながら急ぐためにアクセルを踏む。

だが、目の前のT字路に突然複数の民間輸送車が立ちはだかったと思えば、武装した人間が並び、警告も無しに発砲して来た。

 

「ッ!」

 

軍用車の為、フロントガラスも防弾製で簡単に貫通されることは無かったが、タイヤを撃たれてパンクし、バランスが大きく崩れて横転した。

 

「ッ………!? 2人とも、大丈夫か?」

 

這い出した俺が2人に問いかけると、

 

「なんとか……ね……」

 

「……畜生! いきなり撃ちやがって……!」

 

2人が答える。

奇跡的に3人ともかすり傷で済んでいた。

横転した車がバリケードのようになって武装集団から身を隠す盾になってくれていたので、その後ろから前方を確認する。

すると、新たな民間輸送車が現れ、民間の作業服に身を包んだ人物が降りてきた。

 

「動くな!」

 

その人物が警告を飛ばす。

しかし、その声には聞き覚えがあった。

 

「この基地は我々が制圧した! 抵抗は無意味だ!」

 

その声は、俺達が良く訪れていたリルフォートの飲食店を営んでいるナタリーの物。

 

「ッ………!? ナタリー………?」

 

タリサが呆然とした声を漏らす。

 

「おい………冗談だろ…………?」

 

タリサは動揺を隠せない様子で思わず姿を晒した。

それも仕方ない。

俺もこの基地に来てまだ2ヶ月足らずだが、ナタリーには随分と世話になっている。

それ以前から交流のあったタリサにとっては驚愕ものだ。

 

「何だよ………何やってんだよお前………! 何とか言えよ!?」

 

タリサは叫ぶ。

俺と崔中尉は様子を伺っていた。

 

「ナタリー!!」

 

タリサがその名を叫んだ瞬間、タリサの足元に威嚇射撃が行われた。

 

「ッ!?」

 

「アジア人のあなたならわかるでしょ? ユーラシアの難民が、どのような目に遭っているのか?」

 

「えっ……?」

 

「世界は………国連は助ける命を選んでいる………弱者を切り捨てている………!」

 

「それは………」

 

ナタリーの言葉にタリサは言葉に詰まる。

 

「だから私達は………RLFは世界を修正する!」

 

RLF………難民解放戦線か…………

 

「ユーラシアの同胞を開放し、富を独占する者達を粛正する!」

 

ナタリーは強い口調でそう言うと、

 

「お願い! 私達の戦いに加わって!? ここの平和は理解できるけど、納得できないって前にいってたわよね!?」

 

「お前………何言ってるんだよ………?」

 

ナタリーの勧誘に、タリサは問い返す。

 

「虐げられ、差別される人たちを救う為に、誰かが戦う必要があるのよ!」

 

ナタリーは必死な様子で呼び掛けている。

だが、

 

「……………その『戦い』が………人類を敗北という未来へ近付けている事を、理解しているのか?」

 

俺はそう言葉を投げる。

 

「ッ………!? 何言って………?」

 

「お前達の気持ちもわからんでもない。だが、お前達の言う難民たちを救う為に戦い、富を独占する者達を粛正する………仮にその通りになったとしよう。それでその後は?」

 

「えっ…………?」

 

「お前達が勝ったとて、人類がBETAに負けたら意味が無いだろ。お前達の言う難民も、弱い者達も、全て殺されて終わる」

 

「そ、そんな事にはならない! 民は我々が護る!?」

 

その言葉に答えたのは別の人物だった。

 

「しっかりと訓練して来た軍人が命を懸けて食い止めているBETAを、武装して多少訓練した民間人が勝てると本気で思っているのか? 笑わせるな! お前達は、不平不満を何かにぶつけたくて八つ当たりしているだけだ! いくら大義名分を掲げようと、後の事を考えていないお前達は、単なるテロリストだ!」

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

俺の言葉に、全員が一瞬動揺する。

その瞬間、何かが横切ったように突風が吹くと、周辺が煙に包まれた。

 

「煙幕!?」

 

「一体誰が!?」

 

タリサと崔中尉が驚いた声を上げるが、俺には分かっていた。

この煙幕はボルフォッグの物だ。

 

「タリサ! 崔中尉!」

 

俺は2人を促す様に叫ぶと、その場を脱出。

自分の足でハンガーへと向かった。

 

 

 

 

 

ハンガーに辿り着くと、XFJ計画の整備班を始めとしたメンバーは無事で、ヴァレリオ、ブレーメル、唯依は発進準備にかかっているらしい。

俺もタリサと共に強化装備に着替えて発進準備に取り掛かったが、崔中尉とクリスカが戦術機を貸して欲しいと言い始めた。

問い詰められているヴィンセントと通信先の唯依だったが、

 

「……………俺からも頼む」

 

「ユ、ユウヤ!?」

 

『ブリッジス少尉!?』

 

俺の言葉にヴィンセントと唯依は驚いた声を漏らすが、

 

「この状況、味方は1機でも多い方がいい。それに………この2人なら大丈夫だ」

 

「ユウヤ………」

 

「ブリッジス………」

 

『……………ローウェル軍曹! ストライクイーグルを2機とも立ち上げろ!』

 

「本気ですか!?」

 

『責任は私が取る!!』

 

その一言で全ては決まった。

 

 

 

 

『まだかよ!? 早くしろ!!』

 

タリサが不知火弐型の中で声を上げる。

 

「分かってる! 無茶言うな!」

 

ヴィンセントがそう返すが、

 

『無茶でもなんとかしろよ!』

 

タリサは声を荒げる。

まあ、気持ちはわかる。

 

『何イラついてんだよお前?』

 

事情を知らないヴァレリオが問いかけると、

 

『………ナタリーが………ナタリーがテロリストだったんだよ………!』

 

タリサは絞り出すようにそう呟いた。

 

『『「ッ!?」』』

 

ヴィンセントとヴァレリオ、ブレーメルが驚愕で息を呑んだ。

 

『くそっ! 何考えてんだよ!? 訳解かんねーよ!!』

 

ガンッと殴りつける音が聞こえた。

 

『………今はありのままを受け止めるしかねーだろ』

 

ヴァレリオは非情とも言える………だが的を射た言葉を投げる。

 

『ッ………! 分かってるよ……そんなの!』

 

『ならいい。じゃないと、次に死ぬのはお前だぜ』

 

『ッ…………』

 

俺にはかける言葉を見つけられない。

俺自身、GGGのスパイみたいなものだからだ。

その時、爆音と共に震動が走る。

 

『近い! 距離12000南東の方向!』

 

ブレーメルが報告する。

整備班が慌ただしくなり、発進準備を急ぐ。

 

「………………ヴィンセント。整備兵を下がらせろ!」

 

俺はそう言う。

 

「ユウヤ!? 何言って………!?」

 

「時間が無い! 強引に出撃する!」

 

俺は機体を強引に動かし、機体拘束を引き剥がし始める。

以前の戦術機ならフルブースト位しないと無理だろうが、GNドライブとEカーボン製の機体なら、多少の無茶は効く。

 

「お、おいユウヤ!?」

 

「早くしろ!!」

 

俺は強い口調でそう言うと、

 

「ああもう! 総員退避!!」

 

ヴィンセントの言葉で整備兵達がわらわらと逃げていく。

俺はそれを確認すると、

 

「ユウヤ・ブリッジス少尉! 出撃する!」

 

機体拘束を引き千切りながら機体を進ませる。

他のメンバーも俺に倣って強引にハンガーから発進している。

すると、

 

「ユウヤ! タリサ! 長刀は帝国から借りた実戦用だ! 大事に使えよ!」

 

ヴィンセントから通信が入る。

基本俺達のハンガーには模擬弾しかない。

実弾が配備されているのは、実戦に出る機体か警備部隊程度だ。

だからこそ、テロリストは警備部隊の待機所を優先的に狙ったのだろう。

すると、

 

「ビーム兵器は使えないのか?」

 

クリスカがそう発言したが、

 

「それだけはやめろ!」

 

思わず強い口調で反論してしまった。

 

「ッ……し、しかしこの非常時では………」

 

「どんな理由があろうと絶対にビーム兵器は人に向けるな! 後悔したくなかったらな………!」

 

「ユウヤ…………?」

 

崔中尉が怪訝な声を漏らす。

 

「ッ!? 悪い、少し熱くなり過ぎた。ナタリーの事、俺も結構気にしてるみたいだ……」

 

俺は何とか言い訳を口にした。

 

「敵は俺が片付ける。皆は自己防衛に専念してくれ!」

 

俺は長刀を手に取って飛び出した。

俺は周囲を確認すると、向かってくるのは戦術機が8機。

だが、GNドライブは非搭載。

機械的な動きから自立制御機か!

まず、2機が36㎜突撃砲を乱射してくるが、

 

「射線が見え見えだ!」

 

自立制御の射撃などほぼパターンは決まっている。

弾丸を掻き潜りながら接近。

すれ違いざまに2機を両断して爆発させる。

他の機体も応戦してくるが、

 

「遅ぇっ!!」

 

GNドライブの動きは自立制御では対処できないようであっさりと俺を見失い、簡単に墜とすことが出来た。

続けて4機、5機、6機、7機目と立て続けに撃破し、最後の1機に狙いを定めた時、背後から近付いてきた機体にその機体は真っ二つにされた。

その機体は山吹色の武御雷。

唯依か!

 

『流石だな、ブリッジス少尉!』

 

唯依はそう言って微笑んだ。

すると、援軍は無い様で一先ず落ち着くことは出来た。

ふと見ればクリスカの機体が撃破した機体を物色しており、

 

「実弾装備の突撃砲が2門ある。1つは貴様が使え」

 

そう言ってクリスカの機体が俺に突撃砲を差し出してきた。

 

「サンキュ。使わせてもらうぜ」

 

射撃武器はあった方がいいからな。

すると、

 

「各機、使用可能な兵装を確保しろ。トラップサーチは怠るな」

 

唯依がそう指示した。

とりあえず全機に1つ以上の武器が行き渡り、

 

「この7機で臨時の変則二個小隊を編成する。指揮は私が。副官は崔中尉とする」

 

「ま、居候の身だし妥当ね。で? これからどうするの?」

 

「市街地戦用のA207演習場まで移動し、情報収集の拠点とする」

 

「なるほど、遮蔽物が多くて防衛向きね」

 

唯依の案に崔中尉も否は無い様だ。

 

「ローウェル軍曹! 整備班は現時刻を以てハンガーを放棄! 機密書類を処分した上で対爆シェルターに避難しろ!」

 

『了解! 現在整備チームに欠員無し! ハイネマンのおっさんは今日、本社で会議だそうです!』

 

「そうか。だとすれば、ボーニングのシェルターに避難しているに違いない」

 

唯依はハイネマンの無事を祈る様に目を伏せた。

すると、

 

「篁中尉。私は原隊に復帰する」

 

クリスカがそう言う。

 

「何言ってんだ馬鹿! 隊長の機体を東側にやれるかってんだ!」

 

タリサが叫ぶ。

クリスカ自身にそのような意図は無いのだろうが、そうなる可能性の方が高いだろう。

 

「却下する! 今単独行動は危険だ」

 

唯依はそう言って却下する。

 

「ッ………私はっ………! 私は行かなくてはならないんだ! 頼む!」

 

その必死な様子から、クリスカはイーニァが心配なのだろう。

 

「篁中尉。俺達はもう敵に認識されている。演習場に向かうにしろ、待ち伏せ対策は必要だ。イーダル小隊のハンガーは迂回には丁度いい。ソ連の援軍も来ている可能性もあるし、そんな話じゃない」

 

「………………」

 

俺の言葉に唯依が一考していると、レーダーに近付いてくる反応を捉えた。

だが、反応は小さく、車のサイズだ。

そちらに視線を向けると、近付いてくる1台の車両が見えた。

 

 

 

 

 

車に乗って合流したのはソ連軍の軍人であり、クリスカの上官のサンダーク中尉だった。

サンダーク中尉をクリスカの機体に乗せ、移動を開始する。

その途中、サンダーク中尉が手に入れた情報を共有した。

敵は軍人ではなく、民兵や難民の志願者を訓練したレベルの兵士だろうという事。

ナタリーもその1人か………

イブラヒム隊長は、別行動での生存を確認しており、おそらく未だ司令部に潜伏中だという。

そして、ソ連軍の基地へ行くか米軍の基地へ行くかで意見が割れたが、どちらにも危険がある為、唯依はヴァレリオとブレーメルを米軍の基地へ。

残りは予定していた市街地演習場で情報収集し、ソ連軍の基地へ向かう、双方に保険をかける策を取った。

崔中尉から戦力分散の危険も危惧されたが、敵は最大で108機の戦術機を手に入れ、その内約20機がGNドライブ搭載型であり、こちらの戦力では太刀打ちできないと結論付けた。

…………まあ、GNドライブの切り札を使えばGNドライブ搭載型の大半を墜として有利に進めることも出来るだろうが………まだ見せるつもりは無い。

サンダーク中尉と崔中尉もその案を了承し、ヴァレリオとブレーメルは別行動を取った。

市街地演習場へ向かった俺達だったが、程なく敵の援軍が到着。

24機の戦術機が迫っていた。

 

「接敵まで200秒! 畜生、連中誘導弾を装備してきやがったぞ!」

 

タリサが報告する。

 

「敵影24。内誘導弾装備8。更にGNドライブ搭載型が3機………市街地の機動格闘戦なら一縷の望みぐらいあるかもね」

 

崔中尉がそう言う。

 

「ちょっとでも飛んだら終わりだよ! 空中であの数の誘導弾は振り切れない!」

 

タリサはそう言うが、GNドライブ搭載型なら別にどうとでもなるんだが?

まだ非搭載型の考えが抜けていないな。

その時、

 

「篁中尉。愚策でもここは戦力を分けるしかない。一隊はここで機動防御。残りをβ-01基地へ向かわせるのだ」

 

サンダーク中尉がそう進言する。

 

「それって………残る奴を生贄に逃げろって事じゃんか!」

 

タリサが思わず叫ぶ。

まあ、確かに普通であれば生き残る可能性はゼロに等しいだろう。

だが、

 

「わかった。その役目は俺が引き受ける。全員で、β-01に向かってくれ」

 

「ちょっとユウヤ!」

 

俺の言葉に崔中尉が思わず声を上げた。

 

「勘違いしないでくれ。別に死ぬ気は無い。俺の腕は皆知っての通りだろ? それに、誘導弾もGNフィールドならある程度防げる。お前らが思ってるよりも、可能性は高いぜ」

 

最悪切り札を使えば斬り抜けられるだろうしな。

 

「俺を信じてくれ………唯依!」

 

俺の言葉に、唯依は葛藤していたようだが、

 

「ホワイトファング1より各機……! この場はアルゴス1に預ける!」

 

最終的に俺を信じてくれた。

 

「任せろ!」

 

「ッ……! 遮蔽物を利用して匍匐飛行! 続け!」

 

離脱していく奴らを見送ると、俺は近付いてくる敵機に向き直る。

そして、

 

「敵機総数24。内GNドライブ搭載型3………フッ………舐められたもんだぜ!」

 

俺は真正面から姿を現す。

すると、早速誘導弾を放ってきた。

 

「馬鹿が! GNドライブ搭載型に普通の誘導弾が当たるかよ!」

 

瞬時に横に移動し、ミサイルの誘導センサーを振り切る。

そのまま接近し、突撃砲と長刀で近くの誘導弾装備の3機を撃墜。

 

『何っ!?』

 

敵兵らしい驚愕の声が聞こえた。

 

「この程度の数と腕で、俺が殺せると思ってるのかよ!?」

 

放ってくる誘導弾を縦横無尽に移動しながら躱しながら近付き、立て続けに5機を撃墜。

これで誘導弾装備の戦術機は全て墜とした。

 

「へっ、チョロいもんだ………ッ!?」

 

俺が咄嗟に機体を動かすと、赤い閃光が横切った。

 

「今のは………!」

 

俺がそちらに振り向けば、GNドライブ搭載型の1機がビームライフルを構えていた。

 

「………………テメェ、ビーム兵器を人に向かって撃つって事が、どういう意味か分かってるんだろうな?」

 

俺は思わず低い声で問いかけた。

 

『当たり前だ! この『力』はGGGが我々に与えてくれた希望の『力』! 我々難民を見捨てなかったのはGGGだけだ! GGGは我々難民の味方………! 彼らが与えてくれた力は貴様らのような下賤な軍人が使っていいものではない!!』

 

何言ってんだコイツ?

いや、確かにGGGは難民キャンプの支援とか慰問ライブとかやってたけどよ………

それでも難民全体から見れば、救えた命は僅か。

ジェイ達は自分の行いが偽善で自己満足だという事も理解して行動していたな。

 

『GGGが与えてくれたこの『力』でユーラシアの同胞を開放し、富を独占する者達を粛正する!』

 

「チッ!」

 

俺は思わず舌打ちする。

 

「今すぐにビーム兵器の使用を止めろ! そいつはBETAと戦うための『力』だ! 人に向かって使っていい『力』じゃない!」

 

『ほざくな!』

 

再びビームライフルを構える敵機。

 

「ッ! GNフィールド!!」

 

俺はGN粒子を放出し、防御フィールドを展開する。

弾かれるビーム。

 

「ッ!」

 

『逃がすな! 撃てっ!』

 

他のGNドライブ搭載型の戦術機もビームライフルを放ってきて、更に自立制御機体も突撃砲を放ってくる。

 

「くそがっ!」

 

俺は吐き捨てながらGNフィールドを展開しつつ回避に専念する。

やがてGNフィールドが限界に近付いてきた。

 

『止めだ!』

 

3機がビームライフルを構えた。

その瞬間、上空から赤い光が急降下してきて俺の前に着弾する。

だが、衝撃はそれほどない。

何故なら、

 

「…………こちらはGGG。難民解放戦線に告げる」

 

目の前に居たのは、全高25mを超える大型の人型ロボット、ジェイダー。

 

「直ちにビーム兵器の使用を停止せよ! 繰り返す! 直ちにビーム兵器の使用を停止せよ! お前達はビーム兵器の使用条件に違反している!」

 

ジェイダーは胸の前で腕を組みながらそう言い放った。

 

『GGGだと!? 馬鹿なっ!?』

 

『GGGは、我々難民の味方では!?』

 

敵兵から同様の声が聞こえた。

すると、

 

「勘違いするな。我々は何処の味方でもない。ただ、無意味な人死には望まないだけだ。故に、GNドライブやビーム兵器の技術をこの世界の人間に与えた………だがその与えた『力』を同じ人に向けると言うのなら、お前達に『力』を持つ資格は無い………!」

 

『何故ッ!? 我々は苦しむ同胞たちの為に……!』

 

「内輪揉めをしたいなら自分達の力だけで行え。借り物の『力』で手に入れた栄誉など、虎の威を借りた狐に過ぎん」

 

『内輪揉め………ですと……?』

 

「ああ。俺達の視点から見れば、同じ地球人類で争っている仲間割れに等しい」

 

『ッ………………! 各機! 攻撃開始!』

 

『し、しかし………!』

 

指揮官らしき女が叫ぶが、動揺の声も聞こえる。

 

『奴はGGGの名を語る不届きものだ! 本物のGGGが我々難民の敵になるはずが無い!』

 

「…………………何を言っても無駄のようだな…………」

 

ジェイダーはそう言うと組んでいた腕を解くと、

 

『我らの『力』! 思い知れ………!』

 

次の瞬間、閃光が走った。

ジェイダーは敵部隊の後ろで光剣を振り切った状態で背を向けており、自立機動の機体は全て切り裂かれており、有人機であるGNドライブ搭載型の機体は四肢が斬り落とされてダルマにされていた。

 

「お前達に与えた『力』は俺達の力のほんの一部に過ぎない…………よく覚えておくんだな」

 

ジェイダーはそう言う。

 

「やっぱ半端ねえな、ジェイダー………」

 

俺は思わずそう漏らすのだった。

 

 

 






はい、マブラヴオルタネイティヴAnother編第17話。
テロ編前編です。
調子こいたテロリストがジェイダーにボコされるの図。
まあ相手が所属の無い難民だったからこの程度で済んだという感じ?
次回はどうなるのでしょう?

レオンとシャロン。最終的にユウヤの仲間に?

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