転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
【Side ユウヤ】
ジェネシックガオガイガーが母艦級ZETAを粉砕した後、残ったZETAを全て片付けると、俺はヒュッケバインMk-Ⅲを皆の機体の前に降り立たせる。
「無事か? 皆」
俺がそう聞くと、
『ユウヤ! 一体なんだよそれ!? 一体どういうことなんだ!?』
タリサが我慢できずに疑問を投げかけてくる。
「………見ての通りだ。俺は、GGGの一員なんだ」
『兄様が………GGG………!?』
「ああ………2年前に俺の行方が分からなくなった時に、GGGに保護されてな」
唯依の言葉に俺は頷く。
『では……その機体は………』
「こいつはヒュッケバインMk-Ⅲ。GGGでの俺の愛機って所だ」
俺がそう答えると、
『もしかして………兄様は明星作戦の時にその機体で………?』
「ん? ああ……被害を減らす為に介入したな」
唯依の言葉に頷く。
すると、
『では! やはり明星作戦の時に私を助けてくださったのは兄様だったのですね!?』
「唯依を助けた………? 山吹色の武御雷………ッ! お前、あの時要撃級ZETAに襲われてた!?」
『ッ! はい! 覚えていたのですね!?』
唯依は嬉しそうな表情をした。
「なんつー偶然な………」
俺がそう言うと、
『父様も、同じその機体に助けられたと言っていました。G弾の爆発に巻き込まれそうになった時に、機体を抱えて安全圏まで運んでいただいたと………』
「あ~………あの時か…………そういや今思い出せば、あれ親父じゃねえか………!」
武御雷から降りて礼を言われた衛士の事を思い出すと、あれは確かに親父だった。
全然気付かなかった自分に呆れていると、
『ちょ、ちょ~っと待った!』
ヴァレリオが口を挟む。
『ユウヤがGGGの一員って事にも驚きなんだが、俺は何でさっきから篁中尉がユウヤの事を『兄様』なんて呼んでるかが疑問なんだが?』
『あっ!』
ヴァレリオの言葉に、唯依は慌てて口を塞ぐ仕草をしたが、今更だ。
本気で今まで気付いて無かったのか?
「今更だから言うが、俺と唯依は兄妹だ。母親違いのな」
俺はその事を口にする。
『『『『『『『何ぃ~~~~~~~っ!?』』』』』』』
アルゴス小隊だけに留まらず、レオンやシャロン、崔中尉まで驚愕の表情を浮かべている。
「俺の行方知れずの親父って言うのが、唯依の父親だったんだ。つまり篁大佐って事だ」
俺がそう言うと、
『もしかして、前に篁大佐がユーコン基地に来たのって………』
ブレーメルが声を漏らすと、
「ああ。その時にDNA鑑定をして、俺と親父が親子だって事が証明された。で、1発ぶん殴って色々話を聞いた上でちゃんと解かり合えたんだよ」
『へぇ~。ユウヤが随分と丸くなったと思ってたけど、そんな事があったんだ~?』
シャロンが納得したと言わんばかりにそう言う。
「まあ、俺が変わった大半の理由はGGGに居た事だと思うが………最後の
俺はそう言う。
すると、上空に金色の戦艦が現れる。
『あれは!?』
レオンが叫ぶと、
「マクロス・ブレイバー………GGGの母艦だな」
『マクロス………ブレイバー………あんな巨大なモノが空を飛ぶなんて…………』
崔中尉も驚きの声を漏らす。
その時、
『ユウヤさん! 戦術機の反応が近付いてきてます。多分、ユーコン基地からの援軍だと思います!』
グルンガスト参式の武がそう呼びかけてきた。
『今更かよ………もう全部終わっちまったっつーの!』
タリサがぼやく。
そんな皆を一度見回すと、俺はヒュッケバインMk-Ⅲの背を向けた。
『ッ!? ユウヤ・ブリッジス!?』
クリスカが呼びかけてくる。
「…………俺がGGGの一員だとバレた以上、これ以上皆とは居られない………」
『『『『『『『『ッ!?』』』』』』』』
その言葉で、先程俺が行った別れの言葉の意味が分かったのだろう。
「俺と一緒に居れば最悪、皆にもスパイ容疑が掛けられる………そんな迷惑を掛けるわけにはいかない」
俺は皆から離れる様に歩き出す。
『ちょっとユウヤ!?』
崔中尉も呼び掛けてくるが、俺は歩みを進める。
だがその時だった。
「その事なんだけど…………あなた達もついて来る?」
突然ジェネシックガオガイガーのルネがそう言った。
「ルネ!? 何言って………?」
俺が思わず言い返すと、
「ここに居るのは、ユウヤが信じる『仲間』だよね? だったら最低限の資格はあるよ。ジェイも反対してないし」
「それはそうだが………いきなりそんな事言われても困るだけだろ?」
俺は皆を振り返る。
すると、
『1つ聞きたい。GGGの最終目的は一体なんだ?』
唯依が真剣な眼でそう問いかける。
「…………それはメンバーそれぞれによって違う」
『えっ?』
「GGGは軍隊じゃない。あくまでそれぞれのメンバーがそれぞれの意志で、それぞれの目的の為に集い、作られた組織。戦うかどうかも個人の自由だし、入るのも抜けるのも自由。まあ、タダ飯喰らいにさせる気は無いから何かしら働いては貰うけど」
『ッ…………!』
「序に言っておくと、私と勇者ロボ以外のここに居るメンバーはこの世界出身。だから、そのメンバーの最終目的はこの世界を救う事」
その言葉に、武、純夏、冥夜、千鶴、慧、壬姫、美琴が頷く。
『その者達は………何故GGGに?』
唯依が問いかけると、
『GGGに入ることが、世界を救う為に一番の近道だと思ったからだ!』
武が答える。
すると、
『ユウヤ………お前の目的は何だ? 祖国を裏切ったのか?』
レオンが睨みつけるような目で俺を見る。
「俺の目的か……………最初はこれと言って無かった…………どちらかと言えば、現行の戦術機を遥かに超える機体を貰えるという言葉に飛びついたに近い。それに、GGGの連中にボロクソにやられて、負けず嫌いで意地になってたのも大きいだろう。最近までそれは変わらなかった………」
俺は自嘲気味にそう言う。
「だが、この基地に来て、仲間が出来て、唯依と出会い、親父と会ってそれが変わった」
『何?』
「祐弥・ブリッジス……………
『ッ…………!』
『ユウヤ………』
レオンが僅かに声を漏らし、シャロンも呟く。
すると、
『兄様、私も行きます!』
「唯依!?」
『兄様と共に、世界を救う為に………!』
「だが………」
『もちろん私も行くわよ! 夫がいく所に妻である私が行かないなんてありえないでしょ!?』
「崔中尉!?」
『GGGなんて面白そうな場所に行かねえなんてありえねえだろ!?』
「タリサ!?」
『ま、祖国を取り戻すためにはGGGに居るのが一番早いかね』
「ヴァレリオ!?」
『もちろん私もよ』
「ブレーメル!?」
アルゴス小隊の皆もGGGに来るという。
『ぐっ………!』
レオンは何故か葛藤している様子だった。
『レオン…………』
『ッ………分かっている…………ユーラシア奪還が成れば、ソ連が最大のG元素保有国になる………それを防ぐためとはいえ、同じ人類の研究所を破壊したことに納得してたわけじゃない………!』
レオンは悔しそうに歯を食いしばる。
『ユウヤ!』
「あ? 何だよ?」
レオンがやけくそ気味に呼びかけてくる。
『………GGGは…………正義か…………?』
そう問いかけてきた。
俺は一瞬呆気に取られたが、
「…………さあな。だが………居心地のいい場所だ。多少の隠し事はあるが、無駄な犠牲を出すような真似はしない。それぞれのメンバーの気持ちも、ある程度汲み取ってくれる………現に明星作戦への介入も、あいつらが望んだことだ」
俺は武達に視線を向ける。
『そうか……………なら俺も連れてけ!』
「レオン!?」
俺は驚愕の声を上げた。
コイツだけは絶対について来ないと思ってたからな。
『それじゃ、私もついて行かせてもらおうかしら?』
「シャロン!?」
『ユウヤをそこまで変えた組織に興味があるわ♪』
「お前ら…………」
俺は驚きつつも最後の1機………
チェルミナートルのクリスカとイーニァに視線を向けた。
『ッ…………私は………私達は……………行けない………』
クリスカは苦しそうな表情で目を伏せ、そう答えた。
『クリスカ?』
イーニァも心配そうな表情でクリスカを見上げる。
『私には………祖国を護るという使命がある…………そのために私は生まれた………!』
そう言って顔を上げたクリスカの眼には、涙が浮かんでいた。
クリスカも、葛藤の末の決断だったのだろう。
「………………そうか」
俺はそう言うも、とても残念だという気持ちが沸き上がった。
「ッ!」
俺はクリスカに………一緒に来てほしかったと思っているのか…………!
感じる胸の痛みに俺はそう察する。
その時、風龍と雷龍が前に出てきた。
「失礼………差し出がましいことですが、一言助言をと思いまして」
「風龍、雷龍………」
2人はクリスカの方を振り向くと、
「地球を護る事。それが延いては祖国を護る事でもあります」
「俺達が
クリスカ達に向かってそう言った。
『ッ………!』
その言葉にクリスカは目を見開く。
『………クリスカはどうしたいの?』
イーニァが問いかける。
すると、クリスカは体を震わせ、
『私は………私は…………………お前と一緒に……行きたい…………』
俺を見ながらそう言った。
それを聞いた俺は、自然と笑みを浮かべ、
「歓迎するぜ」
そう言うのだった。
そのままマクロス・ブレイバーへ乗り込んだ俺達。
即座に大気圏を離脱し宇宙へ出た。
その間、俺達は機体の中で待機していたが、宇宙に出て場が安定したので、
「皆、もう機体から降りて良いぞ」
俺がそう言うと、機体から降りる。
俺の元に皆が集まってくると、グルンガスト参式やPTから降りた武達が集まり、歩み寄ってきた。
尚、パイロットスーツに身を包んでいるため、まだ素顔は見えない。
すると、武がヘルメットに手を掛けて脱ぐと、
「ユウヤさん、久しぶり!」
「武もな!」
俺達は握手を交わす。
「そっちがユウヤさんの仲間?」
俺の肩の向こうを覗き込むような仕草で武が聞くと、
「ああ。唯依にタリサ、ヴァレリオ、ブレーメル、崔中尉、レオン、シャロン、クリスカにイーニァだ」
俺は皆を紹介する。
「俺は白銀 武。よろしくな!」
武はそう言う。
続けて、それぞれがヘルメットを取りながら、
「私、鑑 純夏って言います。よろしくお願いします」
純夏が笑顔で言い、
「榊 千鶴です! よろしくお願いします!」
千鶴は背筋を伸ばして礼儀正しく挨拶し、
「彩峰 慧………よろしく」
慧は相変わらず掴み所の無い雰囲気でそう言い、
「わ、私! 珠瀬 壬姫って言います! よろしくお願いしましゅ!」
壬姫は緊張しながら噛み、
「僕は鎧衣 美琴。よろしくね皆」
美琴は相変わらずのマイペース。
そして、
「私は御剣 冥夜と言う。お見知りおきを」
冥夜がやや尊大な言い回しでそう言った。
「ッ!?」
その瞬間、唯依が息を呑んだ。
俺がどうしたのか尋ねようとした時、
「って、まだガキじゃねえか! ジャール大隊の連中とどっこどっこいじゃねえか? コイツがさっきの戦術機の衛士だっていうのか!?」
タリサが思わず叫ぶ。
まあ、確かに見た目は子供なんだが、
「確かに見た目も実年齢もまだ子供だけどな…………こいつらの操縦技術は俺に引けを取らない…………つーか、それぞれの得意分野なら俺以上だぞこいつら」
「嘘ッ!? ユウヤよりも!?」
「ああ。得意分野だけの勝負に限れば、俺の勝率は1割程度だ」
「マジか!?」
ヴァレリオも驚いている。
その時、
「あ、あのっ!」
唯依が冥夜に向かって呼び掛けた。
「む? そなたは…………その強化装備………斯衛か?」
冥夜が唯依を見て一瞬怪訝な表情をしたが、唯依の着ている強化装備を見て所属を察したようだ。
「は、はいっ! 帝国斯衛軍中央評価試験部隊『
唯依が緊張した面持ちで敬礼しながら名乗る。
俺は一瞬怪訝に思ったが、すぐに冥夜の生い立ちを思い出して納得する。
そう言えば冥夜は日本の将軍様の双子の妹で瓜二つと言っていたな。
「篁………確か代々武器の開発に長けた家系であったな?」
「はっ! 光栄でございます!」
そんな唯依の姿に、
「おいおい、いきなりどうしちまったんだ唯依姫?」
ヴァレリオが困惑した声を漏らす。
「あ~、冥夜は日本の将軍様に瓜二つだからな、その所為だろ」
俺はそう言う。
「なるほど………けど、将軍様本人なわけねえよな?」
「まあな」
「でも、それだけ似てるって事は、将軍に連なる家系なんじゃないかしら?」
ブレーメルがそう推測する。
「連なる家系っつーか、双子の妹だ」
俺がそう言った瞬間、唯依がビシッと固まった。
「ふ、双子………? 煌武院 悠陽殿下の………?」
唯依がギギギとブリキ人形みたいに首を回して俺を見た。
すると、冥夜は呆れたように息を吐きながら頭に手を当て、
「ユウヤ殿………仮にもその事を口にするのは禁じられているのだぞ?」
そう言って来た。
だが、俺は軽く笑い、
「
俺がそう言うと、再び呆れたように溜息を吐き、
「まあ、その通りではあるのだが………」
やれやれと言いたげにしながらも、やや楽しそうに微笑む。
「唯依殿と言ったな?」
「は、はいっ!」
唯依は恐縮したように背筋を伸ばす。
「ここGGGではどこの生まれだろうと関係は無く、またどのような権力、強制力も存在しない。そのような態度は不要だ」
「は………し、しかし………」
「GGGに来た以上、我々は対等な仲間だ。そこに上下関係など存在しない」
「は、はあ………?」
唯依は呆気に取られている。
すると、
「イーニァちゃんだっけ? さっきから何かな?」
「ッ!?」
純夏がイーニァに笑みを浮かべて歩み寄った。
クリスカが咄嗟に前に出てイーニァを庇うが、
「ああ、そんなに警戒しないで! 私はただ、さっきから人の心を見てるのが気になっただけだから!」
純夏がワタワタと手を振りながら敵意が無い事をアピールする。
すると、武も歩み寄ってきて、イーニァとクリスカを見つめると、
「…………霞に似てる………」
思い当たるような口調で声を漏らす。
「もしかして2人は、オルタネイティヴ3で生まれたのか………!?」
武がそう言うと、
「「ッ!?」」
2人は激しく動揺した様子を見せた。
「ってことは、さっきのはリーディングか」
武は納得したと言いたげに相槌を打つ。
「何者だお前は!? 何故その機密事項を知っている!?」
クリスカが思わず叫んだ。
すると、武は慌てて、
「ああ、すまない。前に君達と同じオルタネイティヴ3で生まれた子に会ったことがあるんだ。その時にオルタネイティヴ3の事も知ったんだ」
クリスカとイーニァと同じ存在が、他にも?
「私達の他にも、生きている姉妹が居るのか!?」
その言葉にクリスカは激しく反応した。
そう言えば、姉妹の殆どは死んだって言っていたな。
「あ、ああ………今は日本の横浜基地に居るはずだ………」
武がそう言うと、
「そうか…………教えてくれて感謝する」
クリスカは珍しく初対面の人物に礼を言った。
そうこうしている内にマクロス・ブレイバーはオービットベースに到着。
GGGのメンバーを紹介しつつ、ジェイと会う。
「俺がGGGの代表となっているジェイだ。まあ、以前に会った者も居るがな。ようこそGGG……ガッツィー・ジェネレーション・ガードへ」
「あなたが……GGGの代表………」
唯依が驚きながら呟く。
そう言えば唯依は前にジェイに助けられたんだったな。
「GGGは基本、来るもの拒まず、去るもの追わずだ。だが、敵対する者にも遠慮はしないと覚えておいてくれ」
暗に、変なスパイ行動をすれば、容赦なくとっちめるという事だ。
「さて、GGGの仲間になったからには、機体を与えようとは思っているが、諸君らの資質、操縦の腕がどの程度かを知る為に、親睦を兼ねたシミュレーターを行おうと思う」
その言葉にこっちの仲間がピクリと反応する。
「相手は武達7人だ。数も丁度いいだろう」
ジェイがそう言うと、
「しつもーん。数が丁度いいって、こっちはスカーレットツインを含めて9人なんだけど?」
タリサがそう質問した。
すると、
「ああ、クリスカとイーニァの2人は今回は見送って貰う」
「何故だ?」
クリスカが問い返すと、
「2人には先にやる事がある」
「やる事?」
「医療ポッドに入る事だ」
ジェイの言葉に俺は反応する。
「どうしてだ? ケガでもしてるのか?」
俺がそう聞くと、
「いや、2人の体は定期的に特殊な蛋白を摂取しないと細胞が壊死して死ぬようになっているからだ」
「何だって!?」
俺は思わず叫ぶ。
俺はクリスカを見ると、バツが悪そうな表情をして目を逸らした。
「何故………その事を………?」
クリスカが尋ねると、
「この世界の機密など、俺達にとっては在って無い様なものだ」
ジェイはそう言い切る。
「何でそんな事を!?」
そう言ったのはシンだった。
「大方機密を護る為だろう。外部勢力に捕まった場合の情報漏洩を最小限にするためだ」
「ッ! ふざけやがって………!」
怒りの籠った様子でシンが吐き捨てる。
「お、おい……何であいつあんなにイラついてるんだ?」
タリサが俺の腕をちょいちょいとつついて小声で問いかけてくる。
「………聞いた話だが、シンの横に居るステラ………ステラ・ルーシェも同じような措置が施されていたらしい。今でこそ大丈夫だが、当時はジェイが居なかったら死んでいたと聞いている」
「そ、そうか………トラウマだな………」
タリサが思わず冷や汗を流しながら引っ込んだ。
「あらぁ、あの子がもう一人の『ステラ』なのね?」
その話を聞いていたのか、ブレーメルが楽しそうにステラを見た。
そのままクリスカとイーニァは医療ポッドへ。
残りはシミュレータールームへ移動した。
尚、クリスカとイーニァの付き添いはルネだ。
女同士の方が多少気は楽だろう。
そして、シミュレーターにそれぞれが乗り込むと、
「今回は公平を規す為に武達は全機量産型ゲシュペンストMk-Ⅱで、それぞれの武装を選択する形で行い、戦術機チームは、操縦方法は戦術機と同じに。それぞれの機体はガワは一緒だが、スペックは量産型ゲシュペンストMk-Ⅱと同等にする形で行う」
その言葉に、
『機体スペックの差で負けたなんて言い訳を言わせたく無い訳ね……!』
崔中尉が面白そうに呟く。
「更に敵機を撃墜した場合、撃墜した側、された側、両方を戦線離脱とし、常に同数での戦う形となる。そして、最終的に勝利ポイントが多い側の勝利とする」
『って事は、どれだけ撃墜しても、数的有利にはならないって事か?』
ヴァレリオが確認する。
「そう言う事だ。では、戦術機チームの慣れるための時間も含めて、1時間後に模擬戦を開始する」
ジェイはそう言った。
そして1時間後。
シミュレーターで模擬戦が始まった。
戦術機チームの指揮官は唯依。
戦闘フィールドは変哲もない荒野。
所々に岩場や丘、谷もある。
そこを飛行しながら武達の出方を伺うようだ。
『いや~、シミュレーターとはいえスゲェスペックだなコイツ。まるで別物だぜ』
ヴァレリオがアクティブを軽く操作し、宙返りを行って見せる。
『こんだけすげえ機体に乗ってるんだ! あんなガキたちには負けねえ!』
タリサも自信を持った表情で言う。
だが、俺から言わせれば武達を舐め過ぎだ。
『にしても、向こうの子達、皆可愛かったよなぁ~………1人ぐらいお近づ………』
ヴァレリオの言葉が途中で途切れる。
何故なら、ヴァレリオのアクティブは一筋の閃光によって撃ち抜かれていた。
その直後に爆発するヴァレリオのアクティブ。
『VG―――――――っ!?』
タリサが思わず叫ぶ。
『各機散開! 物陰に身を潜めろ!!』
唯依が即座に指示し、それぞれは岩場の影に身を潜めた。
『一体どこから攻撃が!? ロックオン警告は無かったぞ!?』
タリサが驚愕するが、壬姫によるマニュアル射撃だろうな。
岩場に身を隠してホッとする一同だったが、油断は禁物だ。
『ッ!? 上空から飛翔体!? これはミサイル!? きゃぁあああああああああああああああっ!?』
ブレーメルがギリギリで気付いたが、逃げる間もなくミサイルの雨でブレーメル機が爆散する。
『ステラ―――ッ!?』
今のは美琴の汎用武器のリニア・ミサイルランチャーか?
壬姫の狙撃で岩場に隠れることまで想定して予め撃ってたんだろうな………
隠れてから着弾までが早すぎる。
『くっ……! 完全に動きを読まれている!?』
唯依が歯を食いしばるが、
『前方から敵機接近! 数5!』
シャロンが報告する。
『あら? あとは真っ向勝負って事かしら?』
崔中尉が呟く。
『各機! 兵器使用自由! 応戦しろ!』
唯依が叫ぶか早いか、崔中尉が飛び出した。
『さあ、私を滾らせなさい!』
『いっくよ~!』
崔中尉の相手は純夏か。
『お前の相手はアタシだぁ!』
タリサが飛び掛かったのは武の機体。
『シャロン! 奴らをやるぞ!』
『そう簡単には負けられないしね!』
レオンとシャロンは向かってくる慧と千鶴の機体を迎え撃つ。
そして、
『………真剣勝負だ。手加減は無用!』
『冥夜様………』
太刀を持って構える冥夜のゲシュペンストと相対するのは唯依の武御雷。
それぞれの勝負が始まる…………と思いきや、
『え……? う、嘘………』
長刀を抜いて突っ込もうとした崔中尉の機体の懐に、それよりも早く飛び込んだ純夏のゲシュペンストが左手を振り被っており、
『ジェット……………マグナーーーーームッ!!』
左腕に装備されている3本のプラズマステークに電撃をまとわせアッパーの如く繰り出された拳が崔中尉の機体の腹部を貫き、そのまま頭上へ掲げられた。
直後に爆発する崔中尉の機体。
純夏って相手の懐に飛び込んでの一撃必殺が得意なんだよなぁ………
そして、
『な、何だコイツ!?』
タリサが狼狽えた声を漏らす。
タリサの機体の周囲をピョンピョンと跳ね回るような動きで翻弄する武。
コイツの機動力は反則と言うか変態すぎるからな。
普通の機動に慣れた奴じゃ絶対に追いつけない。
ブーストジャンプキャンセルとか三次元機動とか。
そのまま武の動きを追いきれなくなったタリサは、
『ここだっ!』
武のゲシュペンストが左腕のプラズマステークの1本を握って抜き放つと、非実体剣のネオ・プラズマカッターとなる。
そのまま背後から切り裂かれ、タリサ機は爆発した。
『やるぞシャロン!』
『オッケー!』
2機のラプターが一列に並び、更にそれぞれが交差するような動きで相手を攪乱する戦術。
並の衛士や自立プログラム相手には非常に有効な戦術だが、
『…………突っ込む』
慧のゲシュペンストがそれがどうしたとばかりにブーストで突っ込む。
『馬鹿が! 蜂の巣にしてやる!』
レオンとシャロンが突撃砲の両手持ちで慧を狙う。
だが、その直前に千鶴のゲシュペンストが慧の後ろを飛び回りながらメガ・ビームライフルを放つ。
『『ッ!?』』
レオンとシャロンは回避したが、
『ここっ!』
慧がM90アサルトマシンガンで接近しつつ攻撃。
『きゃあっ!?』
シャロンの突撃砲の片方を破壊すると、
『そこよっ!』
千鶴のメガ・ビームライフルがシャロンの機体を貫き、爆散させた。
『シャロン!? この野郎!』
レオンは咄嗟に慧の機体を探したが、その慧はレオンの機体の頭上を取っていた。
そして、
『この技は、叫ぶのがお約束らしい………』
慧のゲシュペンストが空中で飛び蹴りの体勢を取ると、
『究極! ゲシュペンスト・キィィィィック!!!』
普段物静かな慧が叫びながら飛び蹴りの体勢で突撃。
『な、何だそりゃぁぁぁぁぁっ!?』
レオンは困惑した声を上げてその直撃を受け、ラプターは蹴り抜かれる。
まあ、気持ちはわからんでもない。
戦術機で飛び蹴り突撃かまそうとは絶対に思わないだろう。
そのままラプターは爆発した。
そして最後は、
『はぁああああああっ!!』
冥夜のゲシュペンストによる鋭い剣の連撃。
『クッ! 何という鋭く速い太刀筋……! これでは……!』
唯依は必死に防いでいたが、遂に追いつかなくなり長刀が弾かれ、
『一閃!』
一度鞘に納めた後の居合い抜きの一閃により、唯依の武御雷は成す術なく真っ二つとなった。
シミュレーターが終了し、全員が気落ちした状態で筐体から出てくる。
「お疲れ。あいつらの実力はこれで分かっただろ?」
俺は皆に声を掛ける。
「ああ。完敗だ……言い訳する気もおきん………」
唯依は敗北を認める。
だが、
「序に言っておくが、GGGの古参メンバーは、俺やあいつ等よりもさらに強いからな?」
「「「「「「「は?」」」」」」」
その言葉を聞いた皆の唖然とした表情が、とても印象的だった。
【Side Out】
【Side 三人称】
横浜基地…………
その地下で1人の女性が執務室の椅子にまるで待ち構える様に座っていた。
そして、
「もうすぐね……………早く来なさい。白銀………!」
そう呟くのだった。
帝都…………
政威大将軍の居城である帝城の天守に窓から月夜を見上げる少女が居た。
「……………あの夢が真かどうか、もう少しでわかる…………」
その少女は目を伏せると、
「冥夜………………」
大切な『妹』の名を呟くのだった。
はい、マブラヴオルタネイティヴAnother編第20話です。
今回でトータルイクリプス編は終了。
次回から本編に入ります。
武達オルタネイティヴメインキャラの実力が今回露になりました。
それぞれの得意分野は、
武:高機動戦闘
純夏:懐に飛び込んでの一撃必殺
冥夜:剣によるクロスレンジ
千鶴:主に指揮。援護射撃。慧との連携(本人は認めない)
慧:近接格闘戦。千鶴との連携(本人は認めない)
壬姫:長距離射撃
美琴:援護砲撃
こんな感じです。
では、次回をお楽しみに。
レオンとシャロン。最終的にユウヤの仲間に?
-
なる
-
ならない