転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
【Side まりも】
国連軍横浜基地に所属するこの私、神宮司 まりもは唖然としていた。
先日突然この基地の副司令であり、昔からの馴染みである夕呼に突然教官の任を言い渡された。
夕呼の無茶振りはいつもの事だけど突然過ぎるわ。
元々教官でA-01部隊の皆も私の教え子だけど………
今期の新任少尉達が優秀で総戦技演習も1発でクリアしたから、彼女達が任官した時点で手持無沙汰となっていた。
その為夕呼は私を大尉にしてA-01部隊に入れたわけだけど………
数ヶ月も経たずに軍曹に戻されるとは思わなかったわ。
教官職に戻るにしても、来期の訓練生が入る頃だと思ってたし。
しかも、
「あ、その子達2ヶ月以内には任官させるつもりだから。来月の中ごろには総戦技演習やるわよ」
更なる無茶振りを言い渡された。
私は思わず。
「2ヶ月!? 無茶言わないでよ! 通常は歩兵としての訓練で3~4ヶ月! そこから戦術機の訓練で1~2ヶ月は必要よ! 2カ月なんて通常の半分以下の訓練期間で戦場に出すなんて、1人の人間としても1人の軍人としても認められないわ!」
私は思わずバンッと机を叩いて夕呼に詰め寄った。
だが、
「平気よ? あの子たちは『特別』だから」
夕呼は飄々とした雰囲気でそう言う。
「特別優秀なのだとしたら、尚更しっかりと訓練を受けさせるべきよ! いくら何でも2ヶ月以内なんて………!」
私は尚も食い下がるが、
「まりも。命令よ………!」
真剣な眼でそう言われてしまう。
『副司令』として命令されてしまえば、軍人である私は否という事は出来ない。
「…………了解しました! 出過ぎた真似をいたしました! 訓練生教官の任! 謹んでお受けいたします!」
敬礼をしながらそう言うが、内心納得してるわけじゃない。
私が踵を返すと、
「まりも」
夕呼が私を呼び止め、私は一度足を止める。
「あなたが怒ることも理解できるわ。でも心配しなくても大丈夫。先ずは1日やってみなさい。それでも納得できなければもう一度私の所に来ればいいわ」
顔は見えないが、いつもの薄い笑みを浮かべているだろう事が容易に想像できた。
「………了解しました」
私はそう言うと部屋を出る。
新しく教え子たちになる子がどのような子達かは分からない。
けど、私の教え子になったからには無駄死にさせるような事は絶対にさせない。
その為に私ができることは、心を鬼にしてその子達を鍛え上げる事だけ。
例えそれで、私が憎まれたとしても…………!
私は翌日からの訓練に、そう決意したのだった………………
…………………決意したのだったが…………
「タケルちゃん! 普通に走るって楽しいねっ!」
ニコニコと笑みを浮かべながらグラウンドをランニングする赤毛の少女。
名を鑑 純夏。
新しく私が受け持った訓練生の1人なのだが、満面の笑みを浮かべてグラウンドを走っている。
「ああ。そうだな」
その横を走る新しい教え子の中では唯一の男子、白銀 武。
その男も鑑ほどでは無いにしろ、楽しそうな笑みを浮かべて走っていた。
いや、その2人だけではない。
新たに配属となった7名の訓練生。
その誰もが大なり小なり笑みを浮かべて走っていた。
普通なら、訓練中にそのようなだらしない顔をするなと一喝している所なのだが…………
「教官! 終了しました!」
その速さが訓練兵は疎か、正規兵すら余裕で周回遅れにさせるほどの速度で走られては、怒るに怒れない。
小柄で体力に難がありそうな珠瀬 壬姫や鎧衣 美琴ですら余裕で正規兵の平均………いや、最高記録すら余裕で上回る。
「よ、よし! 次はケージにある装備を担いで10㎞行軍だ!」
私は次の指示を出す。
すると、白銀がケージに用意してあった装備を見ると、
「教官! 失礼ながら完全装備で行って良いでしょうか!?」
自分からよりキツイ訓練を望む始末。
「………ほほう?」
私は動揺を隠しつつ『鬼軍曹』を装い、
「どうやら余程体力が有り余っていると見える! ならば全員完全装備だ! 序に分隊支援火器のダミーも担いで行け!!」
私はそう怒鳴った。
だが、
「「「「「「「了解!」」」」」」」
これまた全員嬉しそうに返事をする。
いったい何なのこの子達………?
そう言えば今朝の自己紹介の時も、殆どの子……
正確には鑑以外の子達から、まるで久しぶりに会った恩師を見るような目で見られたのよね………
なんでかしら?
あの子達に見覚えは無いのだけど…………
それはともかく榊に珠瀬って、榊首相と珠瀬事務次官と同じ苗字よね?
彩峰もかの彩峰中将と同じ苗字だし………
そのご令嬢たちが2年前に行方不明になったって当時のニュースでやってたけど………まさかね?
あとは御剣。
あの容姿は紛れもなく将軍家に関わりがある。
夕呼…………一体何なのこの子達………?
だが、この子達の凄さはまだ序の口だった。
私が座学で例題作戦を出せば、完璧な答えに更に上乗せされて返ってくる。
小銃の組み立てを行えば小隊の平均3分半。
白銀と彩峰は3分を切り、最も遅い鑑ですら4分前後。
狙撃訓練でも、全員が高評価。
珠瀬に至っては全ての距離でど真ん中。
そして模擬短刀を使う近接格闘訓練では、人数が奇数の為、1人余るので私が珠瀬の相手をしていたが………
「やぁあああああああああっ!!」
「くっ!? なっ!? ちぃっ!?」
7人の中で最も近接格闘戦が苦手だと聞いていたが、私でも凌ぐのが精一杯なレベルだ。
一撃の攻撃こそ軽いが、小柄な体を活かした連続攻撃を繰り出してくる。
他のメンバーは、
「鑑さんよろしく~」
「よろしくね鎧衣さん」
鑑と鎧衣。
2人の間にはほんわかとした空気が流れていたが、
「………シッ!」
「わっ!? ……っと!」
数度の軽い打ち合いの後、一瞬の隙を突いた鋭い突きを鑑が繰り出す。
そしてそれをギリギリとはいえ避けて見せる鎧衣。
今の、私だったら避けれたかしら?
「こんのぉぉぉぉぉ~~~~~っ!!」
「甘い甘い……!」
榊の繰り出す連続攻撃を悠々と捌き切る彩峰。
彩峰は悠々と防いでいるが、榊の攻撃も速く鋭く巧みで並の兵士であればあっという間に勝負はついている。
それを捌き切る彩峰の技量が異常なのだ。
更に、
「ふっ! はっ!」
「よっ! ほっ!」
御剣と白銀が互角の打ち合いをしている。
2人の近接格闘技術は互角らしく、カカカカカンッと模擬短刀がぶつかり合う音が響く。
いや、それ以前に何でそんな速度で打ち合えるの!?
「流石だなタケル! 私とここまで打ち合えるとは!」
「刀だったら話は別だろ? 数発防ぐだけで精一杯だよ!」
「今の私の剣を数発受け止めるだけでも大したものだ!」
そんな言葉を交わしながら打ち合うスピードは更に上がる。
「…………………………」
正直、私教官としての自信無くしそうなんだけど………………
そして夕呼、1つ言っていいかしら?
…………………この子達、訓練の必要ある?
はい、オルタネイティヴAnother編第22話です。
短いですがキリが良いのでここまでにしました。
はい、スーパーな207B分隊の面倒を見ることになったまりもちゃんの話でした。
当然ながらアクセルの訓練を受けていた207B分隊の面々は生身でも強いです。
正規兵レベルでも相手にならないという。
原作と比べると、
武:全能力平均的に大up
冥夜:剣術特大up、近接格闘戦大up、他小up
千鶴:指揮能力特大up、射撃能力大up、他小up
慧:近接格闘戦特大up、他小up
壬姫:射撃能力特大up、他小up
美琴:戦況把握能力特大up、射撃能力中up、他小up
こんな感じでしょうか?
因みに能力小upでもそこらのエースレベルは完封できる能力です。
次回はそれなりに時間飛んで、11月11日の佐渡島からのBETA上陸の時になるかと。
お楽しみに。
本日が盆休み最後なので連投はここまでです。
最後の休みなので返信もお休みします。(何の関係も無い!?)