転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第34話 希望の光

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

佐渡島奪還作戦に現れたGGGにより、各戦域では人類側の有利に傾き始めていた。

 

「デルタ小隊! 2時方向の光線級の群れを叩きます! 行きますよ!」

 

3機のVF-31と1機のYF-29がレーザー属種がいるにも関わらず大空を飛び、攻撃を仕掛ける。

 

『嘘だろ!? 戦闘機がレーザーを躱してやがる!? なんて機動性だ!?』

 

それを見ていた戦術機の衛士が驚愕の声を上げる。

 

「稲妻っ………! 招来!!」

 

黒い騎士の姿をした魔神ランティスが晴れている筈の空から雷を剣に落としその雷をBETA群に向けて放った。

 

『ジーザズ………まるで神の裁きだ…………』

 

国連軍の衛士が呆けた声を漏らす。

 

「これ以上やらせるかよ!!」

 

光の翼で飛び回るデスティニーが多彩な武装でBETAを殲滅し、インパルス、ガイアがそれぞれ地上と空から援護している。

 

『何て火力………! BETAがゴミのようだ……!』

 

次々と吹き飛ばされていくBETAに思わずそう漏らす衛士。

 

「でやぁぁぁぁっ!」

 

蒼い巨人ソウルゲインが拳や蹴りの格闘戦で次々とBETAを粉砕していく。

 

『あの巨体でなんて動きをしやがるんだ………!?』

 

信じられない声を上げる衛士達。

 

「お掃除ですのよ………」

 

落ち武者のような姿のペルゼイン・リヒカイトが全身から熱線を放ち、蹂躙していく。

 

『お、鬼だ………鬼は本当に存在したんだ………!』

 

その姿と強さから、そう恐れ戦く帝国軍の衛士。

 

「狙い撃つぜ!」

 

アシュセイヴァーがスナイパーライフルではるか遠くの標的を撃ち抜く。

 

『何だ!? 一体どこから狙撃しているんだ!?』

 

その場で戦っていた衛士達は、援護するその姿を捉えられずに困惑する。

それぞれが人類軍を援護していた。

 

 

 

 

そして、帝国の斯衛部隊を援護していたユウヤ達だったが、

 

「切り裂け! ファングスラッシャー!!」

 

ヒュッケバインボクサーの巨大な手がファングスラッシャーを投げつけ、BETAを次々と切り裂いていく。

 

「喰らえタコ助ども!!」

 

ヴァレリオの乗る量産型ゲシュペンストMk-Ⅱがメガ・ビームライフルでBETA、ZETAを問わず撃ち抜いていく。

 

「うぉりゃああああああ! ジェット・マグナム!!」

 

タリサの乗る量産型ゲシュペンストMk-Ⅱが左腕のプラズマステークを要撃級ZETAに撃ち込み、破壊する。

 

「へへっ! アタシ好みの武器だ」

 

タリサは得意げに笑う。

そんなタリサの後ろから突撃級ZETAが迫っていたが、それがビームに撃ち抜かれた。

 

「タリサ、油断はダメよ」

 

ステラが微笑みながらそういう。

ステラの量産型ゲシュペンストMk-Ⅱのメガ・ビームライフルだった。

 

「ステラ! サンキュー!」

 

タリサは礼を言うとBETAに向き直る。

 

「ったく、気楽なもんだぜ………」

 

呆れたように言うレオン。

 

「まあまあ、そうなる気持ちもわかるでしょ?」

 

それを宥めるシャロン。

 

「確かにな………この機体、量産型なのに現行のどの戦術機より………いや、GGGからサンプルとして送られたGN-Xすら余裕で上回ってやがる………!」

 

レオンは量産型ゲシュペンストMk-Ⅱの性能に舌を巻く。

 

「こんなものを新入りの私達に軽々と渡すぐらいなんですもの………GGGの技術力は底が知れないわ。ユウヤのヒュッケバインボクサーなんていい例だわ」

 

「カタパルトキィィィィィィック!!」

 

シャロンの視線の先でユウヤがカタパルトキックでBETAの群れのど真ん中に突撃して地面ごと周囲のBETAを吹き飛ばした。

 

「…………確かにな」

 

レオンがそう呟いていると、突如として別方向からBETAが吹き飛ばされてきた。

 

「な、何だ!?」

 

レオンは思わず身構えたが、

 

「…………すまんな。こちらの担当範囲は持ち直したのでこちらの応援に来た」

 

そう言って現れたのは、キョウスケのアルトアイゼン・リーゼと、

 

「援護射撃、いっくわよ~~~~!」

 

分身するほどの超スピードで何十機に増えたように見えるライン・ヴァイスリッターのハウリングランチャーによる援護射撃。

瞬く間に数を減らしていくBETA。

 

「「………………」」

 

それを見て黙り込むレオンとシャロン。

更に、

 

「ブーストッ!!」

 

背中のブースターを展開したと思ったら一瞬で姿が消えて敵陣に突っ込んでいくアルトアイゼン・リーゼ。

頭部のプラズマホーンに電撃が奔り、要撃級ZETAどころか突撃級ZETAも真正面から打ち砕いて行く。

その先に居るのは要塞級ZETA。

 

「撃ち抜くっ! 止めてみろ!!」

 

アルトアイゼン・リーゼは右腕のリボルビング・バンカーを構えると要塞級ZETAに向かって繰り出し、切っ先を胴体に突き刺す。

そして、次の瞬間撃鉄が落ちるとその衝撃がバンカーを伝って内部に浸透し、内側から要塞級ZETAを破裂させた。

 

「どんな装甲だろうと………撃ち貫くのみ………!」

 

決め台詞を言い放つキョウスケ。

 

「な………何と言う力………!」

 

祐唯がそれを見て呆然と呟く。

すると、

 

「…………キョウスケの奴、よくもまああんな欠陥だらけの機体を使いこなせるよなぁ………」

 

ユウヤが呆れたように言う。

 

「欠陥…………?」

 

祐唯が唖然として呟く。

これだけの戦果を挙げているのに何故と言いたげな表情だ。

 

「いや、俺もあの機体のコンセプト聞いたけどよ、それが『絶対的な火力を以て正面突破を可能とする機体』だぜ? まあそれだけならまだ必要な場面もあるだろうし開発しようとする気持ちもわからんでもないけどよ、その結果が『分厚い装甲と陸戦機にあるまじきハイパワーブースターを搭載し、その出鱈目な重量比推力による爆発的な加速で非常に高い近接戦闘能力を持つ』だぜ? いや、それだけだったらまだいいんだけどよ、それに反比例して機体バランスメチャクチャだし、その加速Gはとんでもねえし、俺はシミュレーターだけで吐いたぞ? 普通の人間が乗ったら無事じゃすまない。ハッキリ言って、開発者の視点から見れば、あの機体は欠陥中の欠陥だ。そんなもんを乗りこなすキョウスケの方がおかしいんだよ」

 

「そ、そのような機体で…………」

 

ユウヤの言葉に祐唯は唖然としていたが、

 

「んで、更に頭おかしいのが、そんな機体を改修して、短所を改善するどころか、更に長所を伸ばす方向に持っていった開発者なんだよ」

 

「何っ!?」

 

ユウヤの続けて言われた言葉にさらに驚く。

祐唯も開発者側の人間なので、その異常性はよくわかるのだろう。

 

「装甲を重装甲にして武装も大型化。それで重くなった機体重量を飛ばす為にブースターも大型化。んでその所為で機体バランスが更にガッタガタになったもんだから、本来空を飛ばすための推進装置をバランサーにして無理矢理バランスを取ったのがアレだ」

 

ユウヤはアルトアイゼン・リーゼを見ながらそう言った。

 

「…………その開発者は…………まともな人間なのか?」

 

祐唯は思わずそう零した。

 

「俺は頭おかしいんじゃねえのと思ってる。ジェイ達がアルトアイゼン・リーゼへの改修の事を『マ(・)改造』って言ってたからな。『マ(・)ジで頭のおかしい改(・)造(・)』の略なんじゃねえかと思ってる」

 

ユウヤはそう言う。

しかし、ジェイやルネ達の言う『マ(・)改造』は、『確実に頭のおかしいマ(・)リオン博士による頭のおかしい魔改(・)造(・)』であることはユウヤ達は知る由もない。

 

 

 

 

 

 

 

その頃、旗艦である最上では、

 

「GGGの参戦により、各部隊の損耗率が急激に低下!」

 

「GGGの参戦前より損耗率が平均80%低下! 90%を超えている所もあります!」

 

オペレーター達からの報告に、艦長である小沢は戦いた。

 

「たった1部隊の参戦で、これほどまでに戦況が変わるとは…………」

 

「これがGGGの力ですわ。艦長」

 

小沢の言葉に淡々と答える夕呼。

 

「…………情けない限りですな………他者の力を借りねば自らの国も守れないとは………」

 

小沢は目を伏せた。

GGGと言う別の世界の者達の力が無ければ、故郷を護れない己への情けなさと怒りが入り混じっていた。

だが、

 

「ご安心を、艦長」

 

夕呼は静かに告げた。

 

「人類がいつまでもGGGに頼りきりでは無いという事を証明して見せますわ」

 

夕呼がそう言った時、

 

「A-02! 作戦区域に到達します!!」

 

ヴァルキリーズのオペレーターである遥からそう報告が上がった。

 

「………さ、始めましょ」

 

 

 

 

 

『ヴァルキリー・マムよりヴァルキリーズ! A-02は現在砲撃準備態勢で最終コースを進行中! 砲撃開始地点に変更なし! 90秒以内に被害想定地域より退去せよ!』

 

砲撃開始地点の敵を一掃していた武達にA-02が到着するという知らせが届いた。

 

「遂に来たのか………」

 

武がグルンガスト参式から近付いてくる影を見つめた。

岩場の影から現れるA-02…………凄乃皇・弐型。

だがそれは武達の『記憶』にある物とは少し違っていた。

何故ならば、今の凄乃皇・弐型からはオレンジ色の疑似GN粒子が大量に放出されていた。

その背部には武達の吹雪から回収したと思われる疑似GNドライブが付いており、その数は合計10基。

通常のGNドライブ搭載機とは比較にならぬ量のGN粒子が放出されている。

 

「す、スゲェ………GNドライブが10基も…………!」

 

武は思わず呟いた。

その時、遠方からビームが飛んできて凄乃皇・弐型に直撃する。

 

「ッ!? 光線級ZETA!? 全滅させたと思ったのに………!?」

 

武は念の為にレーザー属種だけは全滅させるよう動いていたのだが、まだ温存されていた光線級ZETAが居たようだ。

しかし、

 

「ッ!? なんて分厚いGNフィールド!」

 

GNドライブ搭載型戦術機のGNフィールドでも集中的に攻撃を受ければ危ない光線級ZETAのビーム攻撃も、10基のGNドライブから生み出されるGNフィールドは完全に防いでいた。

すると、凄乃皇・弐型の前面の装甲が展開。

砲撃発射体勢に入った。

 

『凄乃皇、粒子圧縮率95………96………97………98………99………100%!』

 

遥の報告と共に、砲口にエネルギーがチャージされて行き、

 

『GN粒子………解放!』

 

夕呼の宣言と共に、その胸部から巨大な粒子ビームがハイヴに向かって放たれた。

紅の閃光が地面を抉り、ハイヴの地上構造物(モニュメント)に直撃。

それを消し飛ばした。

元々の凄乃皇・弐型は主機にBETA由来のG元素を利用したムアコック・レヒテ型抗重力機関であったが、それは兵器としては非常に不安定であり、00ユニットと言う超高性能な演算装置があって初めて使える様になるレベルだ。

しかし、今回の凄乃皇・弐型はGNドライブを複数搭載することで、元の凄乃皇・弐型と同等……いや、それ以上の攻撃、防御、移動能力を保持しつつ、安定性が比べ物にならない位上昇している。

その為、今回の凄乃皇・弐型は完全無人の遠隔操作で動いていた。

そして、その光景を見た小沢がポツリと零した。

 

「ハイヴが………砕けた………人類がとうとう………我々は………我々は遂に、彼奴らに一矢報いたのだ……ッ!!」

 

まるでその呟きに反応するように全ての戦場で鬨の声が上がった。

 

 

 

 

「中々の威力だな………攻撃力だけならアルヴァトーレ以上か」

 

そんな中、特に驚きもせずにそう呟くジェイ。

GGGの面々は、感心する声を漏らしてはいるが、さほど驚いている様子は無い。

まあ、凄乃皇を超える兵器など幾らでも見た事があるからだが。

攻撃力だけならキングジェイダーやジェネシックガオガイガーは言わずもがな。

マクロス・ブレイバーのマクロスキャノンでも余裕で上回るだろう。

それでもその光景は、この世界の人間にしてみれば希望の光だった。

第2射が放たれ、基部に大打撃を与える。

『前』はここで00ユニット……純夏が自閉モードに入ってしまい、墜落してしまったが、今回の凄乃皇はそのような事にはならない。

続けて第3射が放たれ、更なる打撃を与えた。

だが、そのまま第4射の準備に入ろうとした時だった。

 

「師団規模以上のBETA群が地下を移動中! 前回の出現時と波形が一致しています!」

 

オペレーターから緊急の報告が来る。

 

「出現予測地点は!?」

 

「作戦域の広範囲に広がっています!」

 

「佐渡島全域にBETAの出現を確認!」

 

その報告に、

 

「まだこれほどの数のBETAが………」

 

小沢は驚愕の声を漏らす。

しかし、夕呼は取り乱さない。

こうなることは知っていたからだ。

 

「いくらBETAが出てきても、凄乃皇の砲撃なら………」

 

一網打尽に出来る。

そう確信していた。

だが、

 

「ッ!? 新たな掘削振動と思われる反応を感知! なにこれ!? 速すぎる!!」

 

オペレーターが狼狽えた声を上げる。

 

「どうした!? 正確に報告せよ!」

 

小沢がそう声を上げると、

 

「も、申し訳ありません! 新たなBETAの大規模地中侵攻と思われる反応を捉えたのですが、その速度が速すぎるのです。地上まで残り1000m………800………ああっ! もう500m!」

 

「ッ! 出現予測地域は!?」

 

夕呼が叫びながら問いかけると、

 

「A-02作戦区域に1つ! 帝国斯衛部隊が展開している区域に2つです!」

 

「なんですって!?」

 

 

 

 

 

武達も異変に気付く。

突如として地面が揺れ出したのだ。

 

『何だ!?』

 

みちるが叫ぶと、

 

『ヴァルキリー・マムよりヴァルキリーズ! BETAの大規模地中侵攻と思わしき反応をキャッチ! 警戒してください!』

 

遥から報告が来る。

 

『こんな急に!?』

 

茜が驚きながら叫ぶと、更に揺れが激しくなり、凄乃皇・弐型の前方500m程の所から地面を突き破って巨大な円柱が聳え立った。

 

『なっ!? 何だあれは!?』

 

みちるが驚愕しながら叫ぶと、

 

「母艦(キャリアー)級!!」

 

武が叫ぶ。

 

「母艦級!? 何よそれ!?」

 

水月が聞き返すと、

 

「体内に無数のBETAを搭載して地下を掘り進む母艦のような役目を果たすBETAです! ッ………! しかもZETA化してる! ユウヤさんの時と同じか!」

 

武はそう言いつつ母艦級ZETAを見据える。

 

「でも、凄乃皇の前に居るのなら、さっきの砲撃を受ければいくらZETA化した母艦級でも………!」

 

武は凄乃皇の攻撃なら母艦級ZETAも倒せると判断した。

だが、まっすぐ立っていた母艦級が首を擡げ、回転する頭部を凄乃皇に向けた。

 

「ッ! ま、まさか!?」

 

武はその様子に冷や汗を流す。

その直後、母艦級が凄乃皇に向かって突進して来た。

 

「やばいっ! 夕呼先生!」

 

『GN粒子を全てGNフィールドに回しなさい!!』

 

『りょ、了解!!』

 

凄乃皇が発射準備を中断し、GNフィールドの濃度を高める。

その瞬間、巨大削岩機の如き母艦級ZETAの前面がGNフィールドに衝突する。

凄まじい衝撃をまき散らしながら、凄乃皇は母艦級ZETAの突進を受け止めた。

だが、

 

「拙い! GNフィールドは物理攻撃に弱い! このままだと………!」

 

その視線の先で、母艦級ZETAの切っ先が徐々にGNフィールドに食い込み始めていた。

母艦級ZETAの直径は約180mであり、凄乃皇の全高130より遥かに大きい。

GNフィールドが突破されれば一撃で粉砕されてしまうだろう。

 

「くっ! やらせるか! オメガ・ブラスター!!」

 

武はグルンガスト参式のオメガ・ブラスターを発射。

母艦級の側面に大穴を開けた。

それでも母艦級は止まらず、執拗に凄乃皇を狙っている。

凄乃皇を最大の脅威と認識しているのだろうか。

 

「あの穴に撃ち込めれば………!」

 

美琴がラーズアングリフ・レイヴンの背部に備え付けられた2発の対艦ミサイルを発射。

グルンガスト参式が開けた穴目掛けて飛翔する。

体内から破壊すれば、さしもの母艦級ZETAでもただでは済まない。

だがその時、穴の内側から大量のZETAが湧き出しミサイルに接触。

表面で爆発し、現れたZETAが吹き飛ばされるが母艦級に致命的なダメージは与えられなかった。

 

「ああっ!?」

 

美琴が声を上げる。

すると、再び穴を塞ぐようにZETAが穴の周辺を埋めてしまう。

 

「こいつら、母艦級の傷を埋めてる………!」

 

千鶴が予想外だと言わんばかりの声を漏らす。

 

「ッ! 狙い撃ちます!」

 

壬姫が狙撃で傷を埋めるZETAを撃ち抜いていくが、倒した傍から次々と後続が穴を埋めていく。

 

「そんな………!」

 

「これではキリがない………!」

 

冥夜がそう言うが、あまり時間は残されていない。

あと1分ほどでGNフィールドが突破されてしまうだろう。

すると、

 

「皆! 可能な限り母艦級の装甲を削って!」

 

「委員長!? 何をする気だ!?」

 

千鶴の言葉に武が聞き返すと、

 

「パターンTBSで奴を一気に貫くわ! 彩峰! 力を貸しなさい!」

 

「…………わかった」

 

その言葉に慧が頷く。

すると、ビルトビルガーとビルトファルケンが飛び立つ。

 

『何をする気だ!?』

 

みちるが叫ぶと、

 

「説明は後です! 伊隅大尉! ヴァルキリーズ全員で可能な限り奴にダメージを与えてください!」

 

『ッ……! 他に手は無い! ヴァルキリーズ! ありったけの火力を奴に叩き込め!!』

 

その言葉でヴァルキリーズ全機が攻撃を開始。

 

「うぉおおおおっ! ドリルブーストナックル!!」

 

グルンガスト参式が背中のドリルを両腕に装着し、ロケットパンチの如く的に向かって放った。

 

「F2Wキャノン! ロング・レンジモード!」

 

冥夜が量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改のF2Wキャノンのバレルを展開させ、強力なビームを発射する。

 

「連続で狙い撃ちます!」

 

壬姫のアシュセイヴァーがスナイパーライフルを構えると、ビームが連射される。

それは、全弾同じ場所に寸分たがわぬ精度で撃ち込まれていた。

 

「収束荷電粒子砲! いっけぇ!!」

 

美琴がラーズアングリフ・レイヴンの最大火力武装である収束荷電粒子砲を発射。

それらの攻撃が母艦級ZETAの表面を穴だらけにする。

しかし、それでいて尚母艦級ZETAは凄乃皇を狙い続ける。

そして、いよいよGNフィールドが突破されるという時、

 

「ビルガー! 高機動モード!」

 

慧が叫ぶとビルトビルガーの赤い装甲がパージされ、白くスマートな姿を現した。

更に背中にウイングが展開。

身軽になったことで今までよりスピードが増し、ファルケンと同等以上の機動力を発揮する。

 

「ファルケン! TBSモード!」

 

ビルトファルケンもウイングが展開し、機動力が増す。

そのまま2機が加速していくと、

 

「彩峰! タイミングを合わせなさいよ!」

 

千鶴がそう呼びかけると、

 

「榊はいつも一呼吸遅い」

 

「あなたが早いのよ!」

 

そんな言い合いをしながらも、2機は加速を続け、テスラ・ドライブの能力によりブレイク・フィールドが展開される。

 

「最後くらい息を合わせなさいよ!」

 

「………そだね」

 

その状態で母艦級ZETAの下へ左右それぞれに回り込むと、

 

「彩峰行くわよっ!!」

 

「おおおおおおおぉぉぉっ!!」

 

そこから母艦級ZETAへ向けて同時に突撃。

 

「「ツイン・バード………!」」

 

2機が交差しながら母艦級ZETAを貫いた。

 

「「……ストラーーーイク!!!」」

 

ブレイク・フィールドによる2機同時交差突撃。

それがパターンTBS………ツイン・バード・ストライクだ。

ビルトビルガーとビルトファルケンに貫かれた母艦級ZETAは頭部の回転を停止させ、その場で崩れ落ちたのだった。

 

 

 

 

 

一方、帝国の斯衛部隊の方へ現れた母艦級ZETAだったが、

 

「一気に飛び込む! 援護しろ!」

 

キョウスケが叫ぶと、

 

「は~いはい! いつもの事だもんね!」

 

エクセレンが軽いノリで返事をする。

すると、

 

「弾幕、いっくわよ~! それそれそれ~~~~!!」

 

ライン・ヴァイスリッターが超スピードで分身しながらハウリングランチャー・Eモードの連続射撃を行う。

それと同時にアルトアイゼン・リーゼがブーストで突っ込み、頭部のプラズマホーンに電撃を宿らせながら突撃。

ライン・ヴァイスリッターの攻撃を雨霰の様に受けて怯んだ母艦級ZETAに突っ込み、仰け反らせた。

しかし、仰け反った先に既にライン・ヴァイスリッターが先回りしており、

 

「さらにもう1つ!」

 

ハウリングランチャー・Bモードの実弾の3連射により仰け反った頭が跳ね返されるように叩き落とされる。

 

「まだだ!」

 

そこへアルトアイゼン・リーゼがアラヴァンチ・クレイモアを展開。

無数の火薬入りの特注チタン弾を母艦級ZETAに放ち、その装甲をボロボロにしていく。

 

「こいつもな!」

 

更にそこへ右腕のバンカーを突き刺すと、その横にライン・ヴァイスリッターが現れ、ハウリングランチャーの砲口をねじ込む。

 

「止めを撃つぞ!!」

 

キョウスケのその言葉と共にライン・ヴァイスリッターのハウリングランチャーの砲口がXモードへと変形し、

 

「了解! せ~のっ!」

 

エクセレンの掛け声と共にアルトアイゼン・リーゼのリボルビング・バンカーの撃鉄が引かれる。

そして、

 

「「いけぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」」

 

リボルビング・バンカーの全弾発射とハウリングランチャー・Xモードの最大出力砲撃の同時攻撃により、母艦級ZETAは空高く打ち上げられ、盛大な爆発と共に粉々になった。

 

「何て連携攻撃だ………」

 

それを見たユウヤが思わず呟く。

 

「ユウヤ!」

 

クリスカの呼びかけにハッとなると、残りの1体の母艦級ZETAが口を開き、体内から大量のZETAを吐き出し始めた。

 

「あれだけの量のZETAが広範囲に展開すると厄介だ。今の内に片付ける!」

 

ユウヤがそう言うと、

 

『だがどうやって………? その機体は見た所近接格闘戦用ではないのか?』

 

祐唯がそう問いかける。

 

「まあな。その見立ては間違ってねえ………」

 

『ならばどうやって…………』

 

「へっ、まあ見てろよ………!」

 

ユウヤは得意げにそう言うと、

 

「イーニァ! フルインパクト・キャノンを使うぞ!」

 

通信でイーニァにそう呼びかける。

 

『うん! 分かったよ、ユウヤ!』

 

AMガンナーのイーニァがそれに応える。

ヒュッケバインボクサーが加速し、AMガンナーと並走すると、

 

『スラスターカット!』

 

イーニァがAMガンナーのコントロールをユウヤへと渡す。

 

「テスト用コネクター! 3番、4番解放! 牽引グリップセット!」

 

AMガンナーの後方が展開し、持ち手のようになると、ヒュッケバインボクサーの腕がそこを掴む。

そのまま地上へ着地し、地面を削りながら強引に減速すると、AMガンナーを母艦級ZETAへと向けた。

 

「クリスカ! イーニァ!」

 

ユウヤが2人に呼び掛けると、

 

「『了解! T-LINKツインコンタクト!!』」

 

2人の力がグラビコン・システムを最大限に発揮させ、尚且つ安定させる。

 

「ジェネレーターコネクト! ターゲットロック!!」

 

ユウヤは照準を母艦級ZETAへ合わせ、ロックオンを完了させる。

AMガンナーにある4門の砲口に重力エネルギーが集中し始め、黒い光が集まっているように見え始めた。

 

「フルインパクト・キャノン!! いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

4つの砲口から放たれる黒き閃光。

G・インパクトキャノンの4門同時斉射。

それがフルインパクト・キャノンだ。

黒き閃光が母艦級ZETAを飲み込み、全てを圧し潰す。

それは体内から現れたZETAも全て巻き込み、逃すことは無かった。

放たれた重力結界が消えると、全てが押しつぶされ、圧縮されてクレーターとなった大地だけが残った。

 

 

 

 

 

この日、人類は歴史に残る劇的な大勝利を収めるのだった。

 

 

 

 

 






はい、マブラヴオルタネイティヴAnother編第34話です。
昨日は色々と用事があったので更新できませんでした。
まあ、今回もやりたいことを詰め込んだらちょっと強引感が増しました。
千鶴と慧のツインバードストライクから始まってキョウスケとエクセレンの変則ランページ・ゴースト。
母艦級を吹っ飛ばしたのはやり過ぎだと思ってる。
でも2人の愛の力ならやってくれると信じて。
でもって締めはユウヤとクリスカ、イーニァのフルインパクト・キャノンでした。
にしても原種が出てこないのはまあ、すみません。
もうちょい引っ張らせてもらいます。
では次もお楽しみに。

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