転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

198 / 205
第35話 並行世界の記憶

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

凄乃皇・弐型の力により、人類は初めてG弾を使わないハイヴ攻略に成功。

まだBETAの生き残りが居ないかの監視期間を設けるものの、佐渡島はBETAの手から解放された。

そして、横浜基地へ帰還したA-01部隊だったが、一悶着起きていた。

 

「ちょっと! あんた達がGGGだなんて聞いて無いわよ!?」

 

水月を筆頭として武達は詰め寄られていた。

まあ、当然の反応ではあろうが。

 

「えっと、黙っていた事についてはすみません………俺達がGGG所属だと早いうちからバレると面倒なことになりかねなかったので………」

 

武は謝りながらそう言う。

 

「まあ、面倒なことになるだろうということはわかる………世界中の国々がGGGの正体を暴くために躍起になっているのだからな………だが、この際だ。我々に説明はしてほしいな?」

 

みちるがそう言った時、

 

「はいはい、あんた達、そこまでにしときなさい」

 

夕呼が数人を引き連れてブリーフィングルームに入ってきた。

 

「敬礼!」

 

みちるの号令で全員が敬礼する。

 

「そう言うのは良いっていつも言ってるでしょ?」

 

夕呼は面倒くさそうに手をひらひらと振ると、

 

「香月副司令、そちらの者達は?」

 

まりもが夕呼が引き連れてきた人物に視線を向ける。

1人は黒髪の男性、1人は黒髪の女性、最後の1人はフードを被っていて顔を隠している。

 

「あんた達が話してたGGGの人間よ」

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

その言葉に武達以外のヴァルキリーズが驚愕する。

 

「ジェイだ。一応GGGの代表という事になっている」

 

「ルネ。GGGの一員。ガオガイガーの操縦者」

 

「私の紹介は後のお楽しみで」

 

ジェイ、ルネと名乗ったがフードを被った人物は楽しそうな声色でそう言う。

 

「ふ、副司令!? 何故GGGの人間が此処に!? いえ、白銀達もGGGだったわけですが、そう言う事では無く………」

 

「ま、私は以前からジェイの事は知ってたしね」

 

狼狽えるみちるに夕呼は平然と答える。

 

「ふ、副司令は以前からGGGと接触していたという事ですか!?」

 

「いいえ、私が知っていたのはあくまでジェイと彼の戦艦であるジェイアークだけ。GGGという組織の事は、彼らが発表するまで知らなかったわ」

 

「そ、それは一体どういう………」

 

「まず、彼らが何者かからだけど、彼らはこの世界の人間じゃないわ」

 

「この世界の人間じゃない………!?」

 

孝之が困惑の声を漏らす。

 

「並行世界………パラレルワールド………異世界………言い方は色々あるけど、この世界とは別の、違う歴史を辿った世界………彼らはそんな世界からやってきたの。お馴染みのGNドライブも、別の世界の地球で開発された物らしいわ」

 

その言葉にポカンとする一同。

 

「信じられない?」

 

夕呼がそう聞くと、

 

「ゆ、夕呼が突拍子の無い事を言い出すのはいつもの事だけど………流石にそれは………」

 

まりもが何とか口を開く。

夕呼を名前で呼んでいる事から動揺している事が分かる。

すると、

 

「ま、当然よね。私だって何の前振りも無くこんな話されても頭おかしいんじゃないのとしか思わないわ」

 

夕呼はあっけらかんとそう言う。

 

「ならば、俺達が別の世界から来たと言う証を見せよう。モコナ、プリメーラ」

 

ジェイがそう言うと、フード付きローブを纏っていた人物のローブの中から、2つの影が飛び出した。

 

「ぷっぷぷう~!」

 

「ぷはっ! 窮屈だったぁ~!」

 

飛び出してきたのはバスケットボール程の大きさの白い餅のような生物……モコナと、手乗りサイズの人型の妖精、プリメーラだった。

 

「な、何この生物っ!?」

 

「よ、妖精!?」

 

ヴァルキリーズのそれぞれが驚愕の声を漏らす。

 

「俺達が渡り歩く世界は一つではない。剣と魔法があるようなファンタジーな異世界にも行ったことがあるのでな。この2人はそこで仲間になった2人だ」

 

「ぷう! ぷう!」

 

「プリメーラよ! この私の姿をよーく目に焼き付ける事ね!」

 

自己主張するように飛び跳ねるモコナと、背中の羽で宙に浮きながら左手を腰に当て、右手で人差し指を前に指すポーズで堂々と言い放つプリメーラ。

 

「………で、彼らが渡り歩く世界の中には、この世界に良く似た並行世界もあったのよ」

 

夕呼が言葉を続ける。

 

「ジェイとは、その世界で初めて出会ったわ」

 

夕呼の言葉に騒めくも、おやっと疑問の思う声が漏れる。

 

「副司令、失礼ですが、その者と初めて出会ったのはこの世界とは違う世界でと聞こえたのですが………?」

 

美冴が疑問の声を漏らす。

 

「ええ。間違って無いわ。ジェイと初めて会った『記憶』はこの世界とは別の並行世界………この世界でジェイと会ったのは、今日が初めてよ」

 

「ま、待ってください! それではまるで、副司令は別の世界の記憶を持っているという事に…………」

 

「ええ、その通りよ。私だけじゃなくて、そこに居る白銀達も並行世界の記憶を持ってるわ。ああ、何で持ってるかなんて聞かないでよ。私にも分からないんだから………」

 

「本当なの白銀!?」

 

水月が問い詰めると、

 

「は、はい……純夏以外は別の世界の記憶があります。それで3年前の横浜襲撃の時にジェイさんに助けられた時にそのままGGGの仲間に入れて貰ったんです。冥夜達は、前の世界で仲間だったので、ダメ元でGGGに誘ったんですけど、何故か皆『前』の記憶を持ってたのですんなりと仲間になってくれたんです」

 

武はそう言う。

 

「あ、茜ちゃん、信じられる………?」

 

多恵が茜に縋りつく様に問いかけると、

 

「い、いきなり言われても信じられないわよ! 並行世界なんて………」

 

茜は狼狽えながらそう応えると、

 

「じゃあ、もう1つ証拠を見せるよ」

 

フードの人物がそう言うと、前に出てきてフードに手を掛け、フードを外してその顔を露にした。

そのフードの下から現れたのは…………

 

「……………………………私?」

 

晴子が呆然と漏らした。

フードの下から現れた顔は晴子と同じ顔をしていた。

正確には、晴子が10歳程年齢を重ねたらこうなるだろうという顔だ。

再びポカンとなる一同。

 

「は、晴子にそっくり…………!?」

 

「世の中には似た顔の人間が3人いるっていうけど、これは似すぎ………」

 

各々がそう言うが、

 

「残念だけど、彼女はそっくりさんじゃなくて、別の世界の柏木本人よ」

 

夕呼がそう言った。

すると、その女性――ハルはニッコリと笑い、

 

「やあ、私はハル。元の名前は柏木 晴子。よろしくね!」

 

そう言い放った。

その言葉に唖然となる一同。

 

「別の世界の………柏木…………」

 

誰かが呟く。

すると、ハルがこの世界の晴子の前まで歩み寄ると、

 

「なーんか不思議な感じだね。若い時の自分を見るって……!」

 

苦笑して見せるハル。

 

「え……? あ………え………?」

 

晴子は戸惑いを隠せず、うまく言葉が出てこない。

そんな様子を見て、ハルはクスッと笑うと、

 

「弟達を大切にね…………」

 

「えっ………?」

 

その言葉に晴子は言葉を漏らすが、ハルは踵を返してジェイの隣へ戻って行った。

すると、

 

「さてと、信じる信じないは置いといて、次の話よ!」

 

夕呼がそう切り出す。

 

「もし『記憶』の通りなら、12月29日にここ横浜基地にBETAの大群が押し寄せるわ!」

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

その言葉にヴァルキリーズの先任達は驚愕する。

 

「そ、それは本当なのですか!?」

 

みちるが驚愕しながら叫ぶ。

 

「あくまで『記憶』の通りなら、だけどね。今回は前とは佐渡島ハイヴの攻略の方法が違うし、『可能性』の域を出ないわね。その『可能性』は高いと思ってるけど………」

 

「その信憑性は?」

 

まりもが尋ねると、

 

「11月11日」

 

「ッ!」

 

「あの時のBETA侵攻も『記憶』からの情報よ」

 

夕呼はそう言った。

本来予測できないBETA侵攻を予測したことが、何よりの証明だと言っているのだ。

 

「『前』はこの襲撃で甚大な被害を被ったわ。もちろんヴァルキリーズにも無視できない被害があった。後の作戦に影響を及ぼすほどのね…………」

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

その言葉に戦くヴァルキリーズ。

しかし、

 

「まっ! 今回はそんなに悲観することは無いわ。GGGが協力してくれることになってるから」

 

「「「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」」

 

夕呼のその言葉にハッとなる一同。

 

「ああ。ここからは俺達GGGも本格的に協力していこう」

 

ジェイの言葉に、

 

「何故突然………? GGGは人類側の防衛戦に協力こそすれど、大きな反抗作戦には現れないと………」

 

「……………詳しくは言えないが、今まではこの世界の歴史の流れを大きく変えるわけにはいかなかった。とだけ言っておく。こちらにも色々と理由があったのだ」

 

「………………」

 

「だが、ここからはその制約は無いに等しい。本格的に協力させてもらう!」

 

ジェイがそう言うと、

 

「その言葉、頼りにさせてもらうわ」

 

夕呼がそう言った。

 

 

 

 

 

 

そんな日の夜。

 

「私の歌を聞けぇ!!」

 

銀河の妖精、シェリル・ノーム。

 

「皆! 抱きしめて! 銀河の! 果てまで!!」

 

超時空シンデレラ、ランカ・リー。

 

「歌は命!」

 

「歌は愛!」

 

「歌は希望!」

 

「歌は神秘!」

 

「歌は元気!」

 

「聞かせてあげる! 女神の歌を!」

 

「「「「「超時空ヴィーナス! ワルキューレ!!」」」」」

 

戦術音楽ユニット、ワルキューレ。

 

『歌は歓喜!』

 

『歌は欲望!』

 

『歌は絶望!』

 

『歌は狂気!』

 

『歌は闇!』

 

『私の歌を聞きなさい………!』

 

『皆、抱きしめてあげる………地獄の底まで!』

 

『逝かせてあげる! 堕天使の歌で!』

 

『『『『『『『超ダークエンジェル! Yami-Q-ray!!』』』』』』』

 

そしてYami-Q-ray。

歌姫達による超豪華ライブが開催されていた。

元々娯楽の少ないこの世界でこの歌姫達の歌声は正に劇薬だった。

戦いで傷付き、疲れた者達の心を歌姫の歌声が癒し、励まし、生きる気力と活力を与えていく。

ライブ会場となったグラウンドは大盛り上がりだ。

 

 

 

 

こうして、気力十分のまま12月29日を迎える事となるのだった。

 

 





はい、マブラヴオルタネイティヴAnother編第35話です。
思ったよりもネタが無くて短くなった。
ハルと晴子の出会いでした。
それだけでは盛り上がりに欠けたので歌姫ライブを追加。
まあ、この世界にとって彼女達の存在は最高のエンタメでしょう。
次回は横浜基地防衛戦になります。
ガオガイガー大暴れの予定。
お楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。