転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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第37話 桜花作戦(前編)

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

BETAの襲撃をGGGの活躍により、最小限の損害で乗り切った横浜基地。

 

「皆お疲れ様。良くやってくれたわ」

 

作戦後に集まったヴァルキリーズとジェイ、ルネ、ハルに労いの言葉をかける夕呼だったが、すぐに表情を引き締め、

 

「疲れてる所悪いけど、次の作戦の話よ。次の作戦呼称は『桜花作戦』。本作戦の目標はオリジナルハイヴ。最優先事項………最深部『あ号標的』の完全破壊」

 

「「「「「「「「「「ッ!?」」」」」」」」」」

 

「オリジナル………!」

 

「………ハイヴ……!?」

 

夕呼の言葉にジェイや武達以外が驚愕する。

 

「因みに『あ号標的』は地球上でオリジナルハイヴにしか存在しない超大型反応炉の戦略呼称よ」

 

夕呼の言葉に、

 

「ですが………! 何故甲20号目標より先にオリジナルハイヴを……!? 戦略情報を持つ個体が潜伏した可能性を否定できない以上甲20号目標の破壊を優先すべきでは無いでしょうか?」

 

まりもが質問を投げかける。

この世界では、各ハイヴに独立した作戦立案機能と指揮命令系統があり、それらが緩やかに統合される複合ピラミッド型と言われているからだ。

すると、夕呼はBETAの実際の指揮系統は複合ピラミッド型ではなく、オリジナルハイヴを頂点とした扇形であることを説明した。

 

「そんな…………!?」

 

「それじゃあ凄乃皇のデータは既にオリジナルハイヴに………!?」

 

「その通りよ」

 

甲21号作戦で既に凄乃皇のデータは収拾されており、オリジナルハイヴに送られているだろう事を確認する。

 

「これでわかったでしょ? 無理をしてでも真っ先にオリジナルハイヴを攻略しなければならない理由。結局世界中のハイヴとそこに属する個体は、オリジナルハイヴの命令に従っているだけって事なのよ」

 

逆に言えば、頭さえ潰せば人類にも勝機はあるという事だ。

そして、作戦概要が説明される。

まず、世界中の国々が協力して敵支配外延部にあるハイヴに向かって一斉に攻撃を行い敵の注意を引く。

ヴァルキリーズは凄乃皇と共に宇宙へ上がり、衛星軌道上からオリジナルハイヴに降下。

一気にオリジナルハイヴに突入し、あ号標的を叩くという段取りだ。

その際、凄乃皇には操縦者としてみちるが搭乗し、遥もオペレーターとして同乗することなる。

そして、GGGもその直掩に付くことになった。

しかし、

 

「ジェイアークとアルゴス小隊は別行動を取る」

 

GGGで行ったブリーフィングの中でジェイがそう言った。

 

「何で!?」

 

オリジナルハイヴに突入できると意気込んでいたタリサが不満そうな声を上げた。

 

「お前達には役目がある」

 

ジェイはそう言うと、地図に表示されたハイヴの1つを指した。

 

「甲26号『エヴェンスクハイヴ』。お前達………正確にはユウヤだが、このハイヴに行かなければならない」

 

「…………前に行ってた、『運命のキーパーソン』って奴か」

 

「その通りだ」

 

ユウヤの言葉にジェイが頷く。

 

「お前達の役目は、このハイヴに現れる特殊個体、『超重光線級』の撃破」

 

「『超重光線級』…………!」

 

「『前』の世界でジェイアークも超重光線級と戦った事はある。その時の戦闘データは渡しておくが、今までのパターンから言って超重光線級もZETA化している可能性が高いだろう」

 

「ッ!」

 

ジェイの言葉に緊張感が増すユウヤ。

 

「ヒュッケバインMk-Ⅲの性能なら問題無いだろうが、一応注意しておいてくれ」

 

「わかった」

 

そう言って頷くユウヤだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして12月31日。

横浜基地からヴァルキリーズが世界の運命を背負い、宇宙へ向けて飛び立った。

宇宙でマクロス・ブレイバーと合流し、作戦の開始を待つのだった。

 

 

 

 

 

日を跨いで1月1日。

甲26号『エヴェンスクハイヴ』近郊。

ソ連の東に位置するこのハイヴにも戦術機部隊が攻撃を仕掛けていた。

だが、その最中未確認の巨大BETAが出現。

更にそれは機械化しており、従来の光線属種とは比較にならない威力と速射性を持つ個体であった。

その未確認ZETAの出現により、エヴェンスクハイヴ攻略に当たっていたソ連軍は大打撃を受け、瞬く間に劣勢に陥る。

ソ連軍はその個体を『Г(ゲー)標的』と呼称し、撃破を試みるが、圧倒的な火力と後続として現れる機械化した重光線級ZETAと要塞級ZETA。

他にも数々のZETAが現れてГ標的を倒すどころか近付く事すら出来ない状況であった。

各部隊が劣勢に陥り士気が低下する中、一つの部隊が戦場に現れた。

それはジャール大隊。

現在はプラーミァ中隊と名を変えていたが、以前ユウヤ達と関わりのあった部隊であり、隊長のラトロワ中佐を始めとして行方知れずとなっていたが、ある基地に匿われ今日まで生き延びていた。

更に隊長であるラトロワはソ連軍の中では『氷の魔女』として有名な衛士であり、彼女の参戦は低下していた士気を持ち直す事にも成功していた。

しかし、いくらラトロワが有名だとしても所詮は少し腕が立つだけの一部隊に過ぎず、戦況を覆すには至らなかった。

 

『それにしても何て数よ!? これでフェーズ3って………分類間違ってるんじゃないの!?』

 

『こんな数、何処から出てきやがったんだ!?』

 

『ぼやくなキール! 気が滅入るだろ!?』

 

『ちっくしょう! 直線ならたかが10数キロだってのによ!』

 

『だから泣き言言うなって! カムチャツカの時と同じだよ!!』

 

プラーミァ中隊の隊員達がボヤきながらBETAの合間を縫うように進んでいる。

しかしその時だった。

突如として後方から閃光が飛来し、次々とBETAとZETAが吹き飛ばされていく。

 

『何だ!?』

 

ラトロワが振り返ると、そこには地上近くを飛行してくる白亜の戦艦ジェイアーク。

そして、その甲板の上に立つヒュッケバインボクサーと量産型ゲシュペンストMk-Ⅱの部隊だった。

 

「こちらGGG。これより援護する!」

 

ヒュッケバインボクサーのパイロット、ユウヤが通信で全域に呼び掛けた。

 

『この声………まさかあの時の坊や!?』

 

ラトロワが聞き覚えのある声に驚愕する。

すると、

 

「カタパルトキィィィィィィック!!」

 

ヒュッケバインボクサーがジェイアークから飛び降りると、急降下と共に飛び蹴りでBETAの群れの中に突撃。

地面ごと周囲のBETA群を吹き飛ばした。

そして、

 

「よう。久しぶりだなラトロワ中佐。苦戦してるみたいじゃねえか!」

 

『ユウヤ………ブリッジス…………!?』

 

『貴様! 何故ここにっ!?』

 

副官であるナスターシャが思わず問いかける。

 

「言った通りだ。俺達GGGはお前達を援護する」

 

『GGG!? 貴様が!?』

 

「ユウヤだけじゃないぜぇ!」

 

そう叫びながらジェイアークから飛び降り、メガ・ビームライフルで次々とBETAを倒していくタリサの量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ。

 

「そうそう。俺達もいるんだ」

 

ヴァレリオが、

 

「ふふふ」

 

ステラが、

 

「滾ってきたわよ!」

 

亦菲が、

 

「フン」

 

レオンが、

 

「あらあら」

 

シャロンが、

 

「いっくよー!」

 

イーニァが、

 

「来るぞユウヤ!」

 

クリスカが、

 

「各機! 油断無くBETAに対処しろ!」

 

そして唯依が。

それぞれがBETAと戦闘を開始する。

更に、

 

「全砲門開け! ミサイル発射管解放! 砲・雷撃戦用意!」

 

『リョウカイ』

 

ジェイアークが武装を展開。

 

「撃てぇ!!」

 

ジェイの号令と共に反中間子砲とメーザーミサイルが発射される。

反中間子砲はBETA、ZETA問わずバラバラにしながら突き進み、メーザーミサイルは爆発と共に大量のBETAを吹き飛ばす。

 

「へっ……流石ジェイアーク………とんでもねぇ火力だ………」

 

それを見たユウヤが呟く。

だがその時、衝撃波がジェイアークを襲った。

 

「うわぁっ!?」

 

「何事だ!?」

 

その衝撃はジェイアークを揺らがせ、ハルの軽い悲鳴とジェイの驚愕の声が響く。

 

『はいゔホウコウヨリシコウセイノジュウリョクハガハナタレタモヨウ』

 

トモロがそう報告する。

 

「指向性の重力波!? まさか!」

 

その単語を聞いてジェイはハッとなる。

次の瞬間、ハルの髪が赤く染まり、

 

「原種だ!」

 

原種の出現を感じ取った。

ジェイがハイヴを見据えると、エヴェンスクハイヴの地上構造物(モニュメント)の頂上に人影があるのに気付いた。

ジェイはモニターでその人影を確認すると、

 

「ッ………! ラファーガ………腕原種か………!」

 

そこに居たのはラファーガの姿をした腕原種だった。

 

「待っていたぞ。ソルダートの紛い物…………いや、もはや貴様を紛い物と侮りはせん。我々の目的の最大の障害として排除する!」

 

腕原種のその言葉は、ジェイを『敵』として認めたという証明だった。

 

「ッ………! 腕原種………! 今日こそラファーガを返してもらうぞ! フュゥゥゥゥゥジョンッ!!」

 

ジェイは艦橋から飛び上がって鳥のようなエンブレムからジェイバードと同化する。

 

「ジェイバード! プラグアウト!」

 

ジェイアークからジェイバードが分離、上昇する。

艦橋上部から頭が現れ、続いて腕が展開し、同時に砲台部分が垂直に伸びて脚部を形成する。

 

「プラズマウイング!」

 

そのまま背中に孔雀の尾羽のような形の10枚の赤い光の翼を展開すると、

 

「ジェイダー! メガッ……フュゥゥゥゥジョン!!」

 

その翼が伸びてジェイダーの各部を包み込む。

それと同時に、ジェイキャリアーが艦首部分のすぐ後ろから折れ曲がり巨大な胴体と脚部を形成。

光に包まれたジェイダーが3つの光に別れると、光の1つはジェイキャリアーの艦首上部に落ちる様に接触すると、頭部となって現れ、ジェイクォースが分離。

残り2つの光はジェイキャリアーの両側面に回り、それぞれドッキングして巨大な腕となる。

ジェイクォースが右腕に装備され、額にJジュエルが輝くと共に艦橋部分が上にスライドしてデュアルアイが現れた。

 

「キングッ………ジェイダァァァァァァァァッ!!!」

 

虹色の10枚の羽のような光と共に名乗りを上げると、その光が消えてその姿を現す。

 

「あれがキングジェイダー………データじゃ見た事あったが………スゲェ………」

 

ユウヤが思わずそう零す。

 

『な、何だ!? 戦艦が巨大な戦術機に………!?』

 

『嘘だろ!? なんてデカさだ!?』

 

プラーミァ中隊の面々から驚きの声が漏れる。

すると、

 

「現れたなキングジェイダー…………ここを貴様の墓場にしてやる………!」

 

腕原種はそう言うと、地上構造物に溶ける様に同化すると、地上構造物が紫の光を放ちながら形を変え始めた。

その形は巨大な腕。

 

「地上構造物と同化したか! ユウヤ! 悪いがそちらの応援は出来ない! 超重光線級は任せる!」

 

キングジェイダーはそう言うと腕原種に向かって行く。

 

『喰らうが良い! 超重力波!』

 

腕原種が輝き、超重力波が放たれる。

 

「はぁあっ!」

 

キングジェイダーはそれを紙一重で躱すと懐に飛び込み、回し蹴りを放って巨大な腕の手首付近に叩き込んだ。

それによって大きく仰け反る腕原種。

 

『ぬおぉっ!? やるなキングジェイダー! だが、ここからだ!』

 

腕原種は拳を握ると大きく振りかぶって殴り掛かってくるのだった。

 

 

 

一方、ユウヤ達はアルゴス小隊の参戦によってある程度優位に立てるようにはなったが、BETAの数が多く、思うように進めないでいた。

 

「チィ! 数が多い!」

 

ユウヤがぼやく。

 

「ヤバいぜ! もうすぐ凄乃皇が大気圏に再突入する時間だ! このままじゃ極大照射を撃たれちまう!」

 

タリサがそう言う。

 

「ジェネシックガオガイガーが直掩に付いてるから防げるとは思うが………」

 

「万が一って事もあり得るしね……!」

 

ヴァレリオとステラが可能性を危惧する。

戦闘を行いながら言葉を交わす。

 

「兄様! どうしますか!?」

 

唯依がユウヤに決断を求めると、

 

「…………………ッ!」

 

ユウヤは決意したように顔を上げると、

 

「フルインパクト・キャノンで奴までの道を抉じ開け、Gソード・ダイバーで突撃する!」

 

「「「「「「ッ!?」」」」」」

 

その言葉に全員が驚く。

 

「待ってください兄様! いくらヒュッケバインでもそのような大出力の武装を立て続けに使えばエネルギーが………!」

 

エネルギーが尽きればグラビコン・システムも動かず、防御の要であるG・テリトリーも消失してしまう。

そこを囲まれて袋叩きにされては流石のヒュッケバインMk-Ⅲでも危うい。

唯依はそれを危惧していた。

すると、ユウヤは笑みを浮かべ、

 

「そこはお前らを信じるだけさ」

 

何でもない様にそう言った。

 

「ユウヤ……」

 

「ユウヤ……」

 

「ユウヤ……」

 

「ユウヤ……」

 

「ユウヤ……」

 

「ユウヤ」

 

「ユウヤ……!」

 

「兄様……」

 

それぞれから名を呼ばれる。

そして、

 

「へっ! そこまで言われたらしゃあねぇ! きっちり守ってやるから遠慮なくぶっぱなしやがれ!」

 

タリサが笑みを浮かべてそう言う。

 

「夫を支えるのは妻の役目だもの。後は任せなさい!」

 

亦菲も自信満々にそう言った。

 

「兄様………わかりました!」

 

唯依もそれを認めた。

 

「よおし! やるぞ皆!」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

「イーニァ!」

 

「うん!」

 

ユウヤの呼びかけにイーニァが答え、AMガンナーのコントロールをユウヤへ渡す。

以前と同じようにヒュッケバインボクサーがAMガンナーを持つと、その砲口を超重光線級ZETAへと向けた。

 

「「T-LINK! ツインコンタクト!!」」

 

クリスカとイーニァが能力を共鳴させ、グラビコン・システムの出力を上げる。

AMガンナーの砲口に黒い光が集中していく。

するとその時、超重光線級が動き出し、その9つのレーザー照射膜をヒュッケバインボクサーへと向けた。

 

「ッ!」

 

「あいつ! ユウヤを!」

 

「兄様!」

 

その矛先がヒュッケバインボクサーへと向いたことに気付いた面々が声を上げる。

 

「ユウヤ!」

 

クリスカがユウヤに注意を促す様に呼び掛けた。

 

「チィッ! 避けてる暇は無い! このまま撃つ!!」

 

ユウヤの決断は速かった。

 

「フルインパクト・キャノン! いっけぇええええええええええええええっ!!」

 

ユウヤが引き金を引き、黒い4条の閃光が放たれた。

それが射線上のBETAを消し飛ばしながら超重光線級ZETAへ向かう。

しかし次の瞬間、超重光線級ZETAから極大照射が放たれた。

黒と白の閃光がぶつかり合う。

極大照射のプラズマ爆風と衝撃波とフルインパクト・キャノンの重力波が辺りを蹂躙していく。

 

「くおおっ…………!」

 

ユウヤが声を漏らした瞬間、大爆発が起こった。

 

「うわぁあああああっ!?」

 

「うぉおおおおおおおっ!?」

 

「くぅぅぅぅぅっ!?」

 

「きゃぁあああああっ!?」

 

「ぐぅぅぅっ!?」

 

「うううっ!?」

 

「兄様ぁぁぁぁぁっ!?」

 

その爆発の威力は、衝撃波だけで量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを吹き飛ばすほど。

他の戦術機は言わずもがな、だ。

衝撃波が収まった時、

 

「くっ…………ッ! 兄様!?」

 

唯依が機体を起こし、前方を確認すると、そこにはフルインパクト・キャノンと極大照射のぶつかり合いで起きただろう大爆発の跡地にモクモクと黒煙が上がっており、巨大なクレーターが出来上がっていた。

 

「これは…………ッ!?」

 

唯依はその光景に声を漏らしたが、モニターの片隅にAMガンナーが大地に横倒しになっているのを発見した。

 

「AMガンナー………!? イーニァ!」

 

唯依はAMガンナーに近付いて通信を繋げる。

 

「………ううっ………!」

 

イーニァはうめき声を漏らす。

バイタルにも特に異常は無く唯依はホッと息を吐く。

しかしすぐにハッとなり、

 

「兄様は!?」

 

ヒュッケバインボクサーの姿を探す。

しかし、何処にも姿は見当たらない。

 

「ユウヤ!?」

 

他の皆も起き上がり、ユウヤの姿を探す。

 

「ユウヤ………!?」

 

「まさか、さっきの爆発に巻き込まれて……!」

 

最悪の予感が脳裏を過る。

 

「ユウヤはそう簡単にやられたりしないわ!」

 

亦菲は強気な口調でそう言う。

 

「兄様…………」

 

唯依は祈る様にその名を呼ぶ。

すると、次の瞬間、爆発の黒煙を切り裂いて何かが飛び出した。

 

「あれは………!」

 

「ユウヤ!!」

 

シャロンが気付いたように声を上げ、レオンがやっぱりかと言いたげに笑みを浮かべながらその名を口にした。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

それは、巨大な剣の形をした戦闘機のような物に乗ったヒュッケバインMk-Ⅲだった。

その巨大な剣はボクサーパーツが変形した重力剣である。

 

「クリスカ! 頼む!」

 

「T-LINK! フルコンタクト!!」

 

重力剣の刀身に重力場が発生し、剣状に留める。

 

「行くぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

ユウヤはその狙いを超重光線級ZETAへと定めた。

超重光線級ZETAは連続照射でヒュッケバインMk-Ⅲを撃ち落そうとする。

しかし、ヒュッケバインMk-Ⅲの纏うG・テリトリーがレーザーを捻じ曲げ、本体へは届かない。

超重光線級ZETAは最後の足掻きと言わんばかりに体中から突起物を放ったが、

 

「喰らえ!! グラビティー・ソード・ダイバァァァァァァァァァッ!!!」

 

ユウヤは突起物に機体を掠めながらも吶喊。

接触直前に離脱する。

重力剣は突起を軽々と突き破り、超重光線級ZETA本体を貫いた。

超重光線級ZETAはその身体に大穴を開ける。

その背後で重力剣が再びボクサーパーツの形へと変形すると、上空から離脱したヒュッケバインMk-Ⅲが降下してきてそのままボクサーパーツと再合体。

それと同時に超重光線級ZETAが大爆発を起こし、その身を粉々にした。

そして、

 

「俺達の………勝ちだ………!」

 

ユウヤは勝利を宣言した。

 

 

 

 

「五連メーザー砲!!」

 

キングジェイダーが指先から放つメーザー砲が腕原種のバリアを打ち破り、その身体の一部を吹き飛ばす。

 

『ぬぉおおおおおっ!? 何故だ!? 何故ここまで一方的に………!?』

 

腕原種が驚愕の声を上げる。

 

「3年もあれば、さらに強くなるには十分な時間だろうが………!」

 

腕原種は、ジェイの強さをセフィーロの時点の強さで計算していた。

しかし、今はそれから3年の月日が経過している。

その間、ジェイとて何もしなかったわけではない。

ジェイは己の未熟を自覚しているため、訓練を欠かしたことは無いのだ。

 

「腕原種! 貴様の敗因は人間の『成長』を侮った事だ!」

 

キングジェイダーは右腕を突き出すと、

 

「ジェイクォォォォォォォス!!」

 

右手のジェイクォースにJパワーが集中。

射出と共に炎が火の鳥を形作って羽搏いた。

 

『くっ………!』

 

火の鳥が腕の先から飛び込むと、瞬く間に罅が原種の体全体に広がる。

直後、溢れるJパワーの解放によって原種の体は粉々となった。

だが、

 

「原種核を確保できていない!?」

 

戻ってきたジェイクォースは原種核を確保していなかった。

すると、上空に腕原種がラファーガの姿で浮遊していた。

 

「やるなキングジェイダー………今回は負けを認めよう………」

 

腕原種はそう言う。

 

「逃がすと思っているのか!?」

 

キングジェイダーがそう言うと、

 

「フッ、そう急くな。我々との決着を付けたければ、地球人が火星と呼ぶ星まで来ると良い…………はあっ!!」

 

腕原種がそう言うと、腕から重力波を放つと人為的に猛吹雪を発生させ、視界を塞ぐ。

 

「くっ………!?」

 

その猛吹雪が収まった時、腕原種の姿は何処にも無かった。

 

「しまった………逃げられたか………!」

 

キングジェイダーは思わずそう零す。

 

「………………火星………か…………」

 

腕原種の残した言葉に、キングジェイダーは一抹の不安を覚えるのだった。

 

 

 

 






はい、マブラヴオルタネイティヴAnother編第37話です。
桜花作戦の前編………と言うかトータルイクリプス編の最終決戦編ですね。
まあ当然のことながら超重光線級はZETA化してパワーアップ。
やっと久々に出てきた腕原種。
でも逃げました。
そんでユウヤ達には色々と奮闘していただきこんな感じに。
流石にフルインパクト・キャノンとGソード・ダイバーの連続攻撃はやり過ぎましたかねぇ?
次回は武達のターンです。
お楽しみに。




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