転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
奇しくもZマスターを倒すことに成功した俺達は、地球へと帰還した。
殆どの機体が満身創痍状態ではあったものの、オービットベースに停泊させてあるカナヤゴにいるカーペンターズによってすぐに修理が開始された。
ゴルディオンクラッシャーとして使ったディビジョン艦3隻も、時間はかかるが何とかなりそうだ。
ジェイアークとジェネシックガオガイガーに関しては100%オーバーテクノロジーな産物なので自動修復に任せるしか無いのだが。
そんな中、
「うっ…………!」
オービットベースの医務室でラファーガが目を覚ました。
「ラファーガ!!」
目を覚ましたラファーガに、カルディナが思わず抱き着く。
「カルディナ………!?」
その様子を見て、
「どうやら元に戻ったみたいだね」
アスコットがホッとしながらそう口にする。
「アスコット………!? 俺は一体………? それにここは何処だ……!?」
ラファーガは困惑の声を漏らす。
「…………お前は原種に取り込まれていた」
壁に背を預けて腕を組んでいたランティスが呟く。
「ランティス!?」
「ホンマや! もうあれから3年も経っとるんやで!?」
カルディナが泣きながらそう言う。
「3年!?」
「事の経緯を説明しよう」
タイミングを見計らって、俺は口を挟んだ。
「俺は………敵に利用されていたのか………!」
ラファーガは悔しそうに俯きながら拳を震わせて声を絞り出す。
「気にするな。敵に利用されてたって言うのなら、俺達だって一緒だ。たまたまお前に取り付いた原種がしぶとかったってだけの話だ」
フェリオがそう言う。
「そうやで! それよりも、やっと会えたんや! 今は再会を喜ばんと!」
カルディナが涙を浮かべながらそう言う。
それを見て、ラファーガは優しく笑みを浮かべると、
「心配かけたな………」
そっと頬に手を添えた。
「ラファーガ………」
その様子を見て、これ以上ここに居るのは野暮だと思い、俺達は退室するのだった。
戦いの疲れを癒すために休息期間を設け、数日後………
俺達は、武達との別れをするために、横浜基地へ来ていた。
「ジェイさん………本当に………本当にお世話になりました!」
武が涙ぐみながら感謝の言葉を口にする。
「気にするな。それに、お前達の戦いは終わったわけではない。火星のBETAは居なくなったとはいえ、地球にも………月にも多くのハイヴが残っている」
「はい! そっちは俺達が何とかします! 虎王機や龍王機………皆と一緒に!」
その言葉に、武の後ろに並んでいた純夏達やユウヤ達も頷く。
「ああ………お前達ならきっと勝てる。『勇気ある誓い』と共に進め!」
「ッ………勇気ある………誓いと共に………!」
「「「「「「「勇気ある誓いと共に!」」」」」」」
武の言葉を復唱し、一斉に敬礼する。
その様子に俺は笑みを浮かべると、踵を返して背を向け、
「ではな………」
「じゃあね」
共に居たハルと共に翼を広げて空中に待機していたマクロス・ブレイバーとオービットベースに向かって飛び立つ。
「ジェイさん! 本当に……! 本当にありがとうございました!!」
武が叫びながら手を振る。
それを横目で見ながら高度を上げていくと、武達だけではなく横浜基地の人間の多くが歓声と共に手を振りながら俺達を見送っていた。
俺達がマクロス・ブレイバーへ帰還すると、マクロス・ブレイバーが艦首を空へ向けて発進した。
マクロス・ブレイバーが宇宙へと出ると、
「さてモコナ。これからどうすれば良い?」
最後の原種………Zマスターを倒したわけだが、これからどうすれば良いのか分からずモコナに尋ねる。
「ぷうっ!」
モコナは返事をするように一鳴きすると、飛び跳ねながらメインモニターの前に移動した。
そして、額の宝玉が黄色く染まり、背中に翼が広がると、
『わかっている』
いつか聞いたあの声が響いた。
モコナはメインモニターに向き直ると、
『応えろ………! 次元を司る下級神よ………!』
そう言い放つ。
しかし、何も起きない。
「何も起きないぜ……?」
フェリオが思わずそう漏らした。
「あいつ約束すっぽかすつもりじゃ無いだろうな?」
俺はあいつならやりかねんとそう言うが、
『それは無い。神の約束は絶対。違う事はありえん』
モコナがそう言う。
「じゃあどうしてあの邪神は応えないの?」
ハルがそう聞くと、
『ふむ………何か不測の事態でも起きたか…………?』
モコナがそう言うと、額の宝玉から光を放ち、メインモニターに当てた。
すると、メインモニターが輝き、次の瞬間映ったのは、
『反省しなさい!』
長く靡く蒼銀の髪と大きく広がる白い翼。
その背景には、
『オラッ! オラッ! オラッ! オラァッ!!』
『ぷげっ!? うごっ!? ぶほっ!? ぐふぁっ!?』
左、右、左、アッパカーッ! と思わず口に出しそうなほど格ゲーの如き見事な4連コンボによって宙を舞う邪神と、その拳を繰り出す黒髪の男の後姿が映っていた。
突然映ったその光景に、俺達はポカーンとしていた。
すると、一番手前に映っていた蒼銀の髪と白い翼の持ち主がハッとなったようにこちらに気付いて振り向いた。
その姿は、とても美しい女性だった。
蒼銀のロングストレートの髪に澄んだ碧眼を持った美人系。
『あなた方は…………』
その視線がモコナを捉えると、
『その力………『創造』の上級神様でしょうか?』
そう尋ねた。
『『元』だがな………そなたは………『運命神』か?』
モコナが問い返すと、
『はい、しがない下級神ですが』
『下級神………? その力、『上級神』に迫るだろう?』
『他の下級神よりかは少々優秀なだけですよ』
その女神は微笑んでそう言う。
『所で後ろに居る『次元神』なのだが……………』
『少々お待ちください。あの神が失態を隠蔽していた事が公になったため、私の夫が折檻している所です』
「折檻?」
その女神の言葉に俺は思わず背後の邪神たちを見る。
『うぉらぁああああああああああっ!!』
『ぎゃああああああああああああああああっ!?』
とんでもない拳の乱打に俺は『折檻』のレベルでは無いのでは?と内心思う。
『あの次元神が失態を隠していた事で運命の修正が非常に大事になっていまして………そのしわ寄せが我々『運命神』に来ているので機嫌が悪いのですよ。まあ夫は絆の神なので、直接は関係ありませんが、妻である私と上級神様の負担が大きいので、その憂さ晴らしも込みです』
すると、その視線が俺を捉え、
『あなた方は、あの次元神によって運命を狂わされてしまった方々ですね?』
「まあ、そうなるのだろうな」
俺が答えると、その女神が深々と頭を下げ、
『この度は我々天界の神が大変なご迷惑をおかけしてしまった事、深くお詫び申し上げます』
そう謝罪の言葉を口にした。
そう言えば、あの邪神に謝って貰った記憶が無いな。
「いえ、あなたが頭を下げる事ではありません。悪いのは全部後ろにいる邪神の所為なので…………それに、転生した事自体については不満はありません。恋人や仲間も出来て、結構楽しくやっているので」
俺の言葉に女神は頭を上げると微笑み、
『そう言っていただけると助かります。それに、あなた達の行動のお陰で運命の修正が随分と捗っている事を改めてお礼申し上げます』
すると、
『時に運命の女神よ。我らはその次元神と約束を交わしているのだ。今回の世界の歪みの修正が成功した暁には、我の望む世界へ転移させるという、な』
モコナがそう言う。
『また勝手なことを…………』
その女神は呆れた視線を邪神へ向けた。
『神の約束であれば違える事は出来ませんね。あなた、折檻は一先ず後回しにしてください』
女神が邪神をボコっていた男の神に声を掛けると、拳の乱打が中断し、首根っこを突かんでこちらに引きずってきた。
『ほれ』
『うごご…………』
その男神が首根っこを持ったままこちらに邪神を突き出す。
その顔は見事にパンパンに腫れ上がってア〇パ〇マンのようになっていた。
『次元神よ。約束通り次元の歪みの大本を修正した。約束通り我が望む世界へと送ってもらうぞ………』
『い、いえ………それはこの件を黙っていていただくという条件で交わした約束で、バレた以上その約束は無効…………』
『運命神に知られたのは貴様の落ち度。我らの知る所ではない。こちらは約束通り世界の修正を完了させたのだぞ。3年もかけて』
『ううっ…………』
『それとも、我々がその世界に行く事で貴様に何か不都合でもあるのかな?』
『そ、それは…………』
邪神が言いよどむと、
『言えやコラ!』
男神がドスの利いた声で脅しをかける。
『ヒィッ!? そ、それはその…………その世界も次元の歪みの影響を受けていて、本来とはかけ離れた世界になってると言いますか、何と言いますか…………』
「またかよ…………」
俺は思わずため息を吐く。
『今回の世界が歪みの大本と聞いていた筈だが?』
モコナが確認すると、
『い、いえ! 確かに今回の世界が歪みの大本であることは違いありません! ただ、影響を受けてしまった世界までは元通りにならず………』
『我々が思っている世界とは、大きく異なっていると?』
『は、はい………』
『………………まあよい。分かっているとは思うが、我々を魔法騎士の3人の少女たちが居る世界へ送って貰う』
『か、畏まりました』
『では、門を開けよ』
『た、直ちに!』
邪神がそう言うと、マクロス・ブレイバーの進行方向に空間のゲートが開いた。
『では、行くとしよう』
モコナの言葉でマクロス・ブレイバーが発進する。
そのゲートを潜り抜けるとき、
『運命の女神と絆の神よ。そやつの仕置きは任せる』
『えっ? ちょっと!?』
『言われずとも遠慮なく』
『ぎゃ、ぎゃぁあああああああああああああああっ!?!?』
邪神の悲鳴をバックに俺達は次の世界へ向かうのだった。
はい、マブラヴオルタネイティヴAnother編最終話でした。
エピローグなので短いです。
見覚えがあるような無い様な神様たちが出てきましたが気にしない様に。
次の世界は光達が居る世界なのですが、その世界も一筋縄ではいきそうになく………?
光達の元の世界が1990年代の地球だと何時から錯覚していた!?
ってわけで、その世界もクロスオーバー世界になるのでお楽しみに。
P.S:今日はこの後やる事があるので返信はお休みします。