転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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PHASE―09 巨神激突

 

 

 

「どうして……! どうしてあなたがあんな所に居たんですか!? トダカさん!!」

 

戦闘終了後、ゾンダー核から浄解され、人の姿に戻ったトダカ一佐はミネルバに捕虜として収容され、牢に入れられていた。

そのトダカ一佐にシンが面会を求めてやってきていたのだ。

 

「君は……………あの時の少年か………」

 

トダカ一佐は特に暴れるでもなく大人しく牢に備えられていたベッドに腰掛け、シンに視線を向ける。

その口ぶりから、トダカ一佐もシンの事を覚えている事が伺える。

そして視線をシンから外すと、

 

「私はオーブの軍人だ。あの場に居ても何の不思議も無いだろう?」

 

そう口にする。

 

「そうかもしれないけど……! でも、今のオーブにあなたが命を懸ける価値なんて……!」

 

「……………家族を失った君にとって、ウズミ様やカガリ様の思想が受け入れがたいことは承知している。だがそれは、我々軍の不甲斐なさが招いたことだ。君の家族を守れなくて申し訳なかった」

 

トダカは立ち上がり、シンに向き直ると頭を下げた。

 

「トダカさんが謝ることじゃないです! 悪いのは……!」

 

アスハだとシンが口にしそうになった時、

 

「いいや! 我々軍人の責任だ! オーブの理念を………そして国民を守れなかった我々の弱さが招いたことだ!」

 

トダカ一佐が叫ぶ。

 

「ッ……!?」

 

シンは言葉に詰まる。

すると、シンが振り返り、

 

「ジェイさん! どういうことですか!? ゾンダーになった人間は、ストレスから解放されて真面になるって言ってたじゃないですか!」

 

後ろに居た俺達にそう叫ぶ。

 

「確かに、ストレスが原因で性格がねじ曲がってしまっていた場合は、ストレスから解放されれば真面な性格になる。しかし、この人の場合は、ストレスの原因はオーブの理念やアスハ家が原因ではないという事だ」

 

「えっ………?」

 

「おそらくこの人は、オーブの理念やアスハ家を本気で信じているのだろう。この人のストレスの原因は、今のオーブや、セイラン家に対するものに思える」

 

「そんな………!?」

 

「そうだな………命令とはいえ、オーブの理念に反する行いをしなければならなかったことには、歯痒さを感じていたよ………」

 

トダカ一佐が呟く。

 

「トダカさん………」

 

「少年。君は、家族を失った原因が地球軍への恭順を拒んだ当時のウズミ様の判断にあると思っているのかもしれない。だが、当時の連合に恭順した場合のオーブの姿が、今のオーブだ」

 

「それは………」

 

「そして、当時マスドライバーを有しているのもオーブのみ。となれば、真っ先にザフトの標的になるのもオーブだ。そうなれば、結局は一番の被害を被るのもオーブとなり、先の大戦と同等。もしくはそれ以上の被害を受けていただろう」

 

「…………………じゃあ………じゃあ結局は俺の家族は死ぬしかなかったって言うんですか!? それが、『運命』だとでも言うんですか!?」

 

シンは涙を流しながら叫んだ。

 

「……………戦争に犠牲はつきもの。運が無かった………と言えばそれまでだ。だが、月並みの言葉だが、過ぎてしまった『運命』は変えられない。しかし、これからの『運命』は変えられる」

 

「これからの………『運命』………?」

 

「ご家族を亡くされてしまった気持ちはわかる。私とて、先の大戦………いや、今回の戦いでも多くの戦友や部下を失っている」

 

「ッ…………!?」

 

その言葉にシンは絶句した。

何故なら、シンは今回の出撃でもムラサメを何機も墜としたし、戦艦も何隻も沈めている。

その中に、トダカ一佐の言う戦友や部下もいるのだろう。

 

「先に言っておくが、君を恨む気は無い」

 

「ッ!? どうして……!? 俺はっ………!」

 

「皆覚悟はあっただろう。オーブの為に命を賭す覚悟が………無念に散った者達もいるだろうが、それを誰かの責任として問うてしまえば、それは彼らの魂を汚してしまう事になる、と私は考える」

 

「…………………」

 

「君とて、自分が護りたいものの為に戦っただけなのだろう?」

 

「ッ………!」

 

シンはハッとなる。

 

「話を戻すが、君の家族は軍人ではない。私の様に誰かを恨むな、とは言わない。しかし、それに囚われ続ける事だけはしないで欲しい。君は生きている………『未来』があるのだから…………」

 

「未来…………」

 

「その手から零れ落ちてしまった物もあるだろう…………しかし、新たにその手にしたものもあるはずだ」

 

「……………………あ」

 

シンは手を見つめ、ハッとしたように目を見開いた。

 

「…………レイ………ルナマリア………ヨウラン………皆……………………………ステラ」

 

絆を紡いできただろう者達の名を呟くシン。

 

「君は、その新たに手にしたものを護る為に戦うと良い……………『定められた運命』ではない………君のその手で『運命を切り拓け』」

 

「運命を………切り拓く…………」

 

「私が言えるのはこのくらいだ………」

 

面会時間が終わり、シンは立ち去ろうとした。

すると、

 

「…………少年」

 

トダカ一佐が最後に声を掛ける。

シンが振り向くと、

 

「…………立派になったな」

 

トダカ一佐が微笑みながらそう言った。

 

「ッ!?」

 

シンは思わず目を見開き、咄嗟に顔を逸らした。

まるで、その言葉を受け取ることを拒むように。

シンはそのまま早足でその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

その後、ミネルバは修理と補給の為に再び足止めされることとなった。

しかし、その間にステラの体調が悪化。

タリアは生きたまま本国に引き渡すために延命措置の続行を指示。

だが、シンがその話を聞いており、ステラを護る為に地球軍に返す事を決意。

レイの助けもあり、ステラを連れてインパルスでミネルバを飛び立った。

俺は、飛び去ろうとするインパルスに通信を繋げる。

 

「シン」

 

『ジェイさん………!? 止めないでください』

 

シンは通信が入ったことに驚いたようだが、すぐに真剣な顔になってそう言う。

 

「別に止める気は無い。だが、『覚悟』は確認しておきたくてな」

 

『覚悟?』

 

俺の言葉に、シンは怪訝な声を漏らす。

 

「ああ。彼女を地球軍に返すにあたって、お前は2つの『覚悟』をしなければならない。1つは懲罰を受ける覚悟。お前のやっていることは完全な軍規違反だ。必ず罰は受けなければならない」

 

『そのくらい………!』

 

俺の言葉に、シンは迷わずに答えようとしたが、

 

「最悪は銃殺刑だとしてもか?」

 

『ッ………!?』

 

俺の言葉にシンが一瞬驚愕の表情をする。

 

「お前のやっていることはそれだけの可能性があるという事だ」

 

アニメのSEEDでも、勝手にラクスをザフトに返したキラに、ラミアス艦長が一度銃殺刑を言い渡してるからな。

その時はキラが軍人ではないという理由で見逃されたけど。

 

『ッ………………はいっ!』

 

その問いに対し、シンは覚悟を持って頷いた。

 

「…………もう一つは、再び戦場でその子と相まみえる覚悟だ」

 

『ッ………! それは、絶対に彼女を戦場には出させないと約束させます!』

 

シンはそう叫ぶ。

 

「仮に相手がその約束に頷いたとしても、それを大人しく守ると思うか? いや、その相手自身が約束を守ろうとし、約束を破りたくなくても、上から命令されれば従わざるを得ない。そうなれば、再びその子は記憶を消され、お前の敵として現れることになるだろう。お前にまたその子と戦う『覚悟』があるか?」

 

『そ、それは…………』

 

俺の問いかけにシンは俯きながら考えを巡らせる。

悩んでいたようだったが、何かを決意したように顔を上げるシン。

 

『その時は、もう一度俺がステラを助けて見せます!!』

 

そう言い放った。

 

「ならばいい」

 

『えっ………?』

 

俺の言葉にシンは呆けた表情をする。

 

「そこまでの『覚悟』があるなら俺は何も言わん。行け」

 

『ジェイさん…………はい!』

 

シンの返事に答えるようにインパルスはブーストを吹かし、夜の闇へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

その後、戻ってきたシンは当然ながら逮捕された。

協力したレイと共に営倉に入れられる。

だが、しばらく後に司令部から要約すれば、無罪放免とする指示が下され、シンとレイは釈放された。

だが、司令部から緊急の報告が入り、至急ベルリンへ向かうよう指示が出される。

ベルリンは巨大なMSデストロイによって壊滅しており、現在はフリーダムとアークエンジェル、ストライクルージュ、ムラサメ数機が戦闘していた。

ミネルバで出撃できるMSは、シンのインパルスとハイネのグフのみであり、苦戦は必至だった。

そこで、

 

「グラディス艦長」

 

『ジェイ殿? 何か?』

 

「民間人の被害を抑える程度の協力はしよう」

 

『ッ………! お願いするわ。このままではあまりにも被害が多すぎる』

 

「了解した」

 

巻き込まれる民間人が流石に多すぎるため、行動を開始することにした。

 

「フュゥゥゥゥゥゥゥジョンッ!!」

 

ジェイバードへと融合する。

 

「ジェイバード、プラグアウト!」

 

ジェイバードが分離、人型へと変形した。

 

「ジェイダー!! プラズマウイング!」

 

光の翼を広げ、ジェイダーとなった俺は飛翔。

 

「プラズマソード!!」

 

市街地に落ちようとするミサイルやビームを切り払う。

また、ジェイキャリアもメーザーミサイルやレーザーでミサイルを撃ち落し、ジェネレイティングアーマーを纏った本艦でビームの盾になる。

シンのインパルスがビームを掻い潜ってビームサーベルでデストロイの腹部辺りを切り裂く。

すると、デストロイがビームを乱射。

市街地にも被害が及ぶ。

だが、その様子はまるで子供が怯えているかのようにも思えた。

 

『どうしてこんなことを…………何でそんなに殺したいんだ!?』

 

シンは被害が出る市街地を見てそう叫んだ。

再びデストロイに向かっていくシンのインパルス。

だがそこに、

 

『やめろ! 坊主!!』

 

紫色のウィンダムが叫びながらインパルスに接近、そのまま体当たりをして、

 

『あれに乗っているのは。ステラだぞ!!』

 

ネオがそう叫んだ。

 

『ッ………!?』

 

シンが動揺して息を呑んだのが分かった。

 

「ネオ!」

 

デストロイがインパルスに向くが、フリーダムがレール砲を放ってデストロイのコクピット付近に着弾。

 

『きゃぁああっ!?』

 

インパルスのビームライフルでコクピットがむき出しになっていたステラに破片が降り注ぐ。

 

『何をやっている!? 的になりたいのか!?』

 

キラが棒立ちのシンに叫んだ。

ネオがフリーダムに立ち向かったが、瞬く間に戦闘不能にされ、地上に墜落する。

 

『シン! どうしたの!? 何やってるの!? シン!?』

 

棒立ちのインパルスにグラディス艦長から 叱咤が飛ぶが、シンはデストロイのパイロットがステラと聞いて動揺していた。

 

「シン!」

 

俺はインパルスに近付いて呼び掛ける。

 

『ジェイさん………ステラが…………』

 

「俺に言った『覚悟』を忘れたのか!?」

 

俺はシンに叫んだ。

 

『ッ!?』

 

シンはハッとなって顔を上げた。

 

『そうだ………俺は誓ったんだ…………もしステラがもう一度敵として現れても、絶対にステラを助けるって!!』

 

シンは操縦桿を握りしめ、真剣な顔でデストロイを見据える。

 

『ありがとうございます、ジェイさん!』

 

シンは再びデストロイへと向かって言った。

 

「シン………頑張れよ」

 

俺は再び民間人の救助へと向かった。

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

 

「いやぁああああああっ!!」

 

ステラの叫びと共に、デストロイ胸部の大型ビーム砲が放たれ、市街地を蹂躙していく。

 

「やめるんだ! ステラ!」

 

シンのインパルスがデストロイに接近、ステラに呼び掛ける。

 

「死ぬのはダメ………怖い……!」

 

デストロイは両手の指からビームを放つ。

しかし、まともに狙いはつけられておらず、インパルスには当たらない。

そんなデストロイに、インパルスは武装を解除した状態で近付いていく。

 

「ステラ! 大丈夫だステラ!」

 

インパルスに向けられる砲口を気にせず、シンは叫ぶ。

 

「君は死なない!!」

 

「ッ!?

 

シンの言葉にハッとなるステラ。

 

「君は俺が………! 俺が護るからぁ!!!」

 

約束を叫ぶシン。

その瞬間、ステラの脳裏にシンとの交流の記憶が過る。

 

「ッ…………シン?」

 

ビームを放とうとしたデストロイの腕が下がっていく。

 

「ステ………ラ………?」

 

その行動にその名を零すシン。

 

「シンッ!」

 

「ステラッ!」

 

思いを通わせる2人。

行動を停止したデストロイに、周りは怪訝そうに思うが、様子を見守る。

だが、その時、デストロイの足元の地面が盛り上がり、その下からトゲの付いた紫色の球体―――原種核が現れてデストロイに同化していく。

 

「ッ!? 原種だ!!」

 

それを察知したハルが叫んだ。

その瞬間、デストロイのデュアルアイに怪しい赤い輝きが灯る。

突如として動き出すデストロイ。

 

「!?」

 

突如として動き出したデストロイに、ステラは操縦桿を握って止めようとしたが、全くコントロールが効かない。

 

「やめるんだ、ステラ!」

 

シンは叫ぶが、胸の砲口にエネルギーがチャージされ始める。

 

「逃げてシンッ!!」

 

ステラが直感のまま叫ぶ。

 

「ステラッ!?」

 

シンは叫ぶがデストロイは止まらない。

 

「やめろーーー! もう!!」

 

その時、キラのフリーダムがビームサーベルを構えて急降下して来た。

デストロイの胸部の砲口にビームサーベルを突き立てようと、突進する。

だが、

 

「なっ!?」

 

ビームサーベルは、デストロイを覆うバリアに阻まれた。

そのまま胸部のビームが発射され、フリーダムとインパルスはその光の中に消えた………

かに思われたが、

 

「大丈夫か?」

 

ビームが発射される直前、ジェイダーがインパルスとフリーダムを抱えてその攻撃を回避していた。

 

「ジェイさん!?」

 

「ッ……!?」

 

ジェイダーは2機を離すと、デストロイに向き直る。

そのデストロイは、紫色の光に包まれると、周辺のMSや建物の残骸を吸収しつつ巨大化していく。

それを見て、

 

「こ、これはまさか………ステラがゾンダーに…………?」

 

シンが思わず呟く。

 

「メイリン!」

 

タリアはメイリンに確認を取るが、

 

「素粒子Z0反応無し………あれはゾンダーではありません!」

 

「何ですって!?」

 

メイリンの報告にタリアは驚愕する。

 

「ゾンダーじゃない!? なら、あれは………!?」

 

「原種だ」

 

その疑問にジェイが答えた。

 

「ジェイさん……!?」

 

『ジェイ殿、原種とは………?』

 

シンと、通信でその言葉を聞いていたタリアがそう聞くと、

 

「簡単に言えば、ゾンダーの親玉だ。だが、その力はゾンダーを遥かに凌ぐ……!」

 

「そんな………ステラ!!」

 

シンはデストロイに向かって叫ぶ。

デストロイは周りの残骸を吸収し、既に全長が100mに達しようとしていた。

更にバックパックが変形し、機械で出来た巨大な翼を形成する。

 

「ッ!?」

 

次の瞬間、デストロイの全身から、無数のミサイルや砲弾、ビームが放たれた。

それは先ほどまでのデストロイなど比にならぬ位の勢いで周囲の街を破壊していく。

しかも、その攻撃には途切れが無い。

アークエンジェルやミネルバも何とか迎撃しているものの、このままでは撃墜は時間の問題だろう。

 

「この絶え間ない攻撃…………こいつはまさか、翼原種か!?」

 

翼原種の特性は無限攻撃。

ミサイルや弾丸を瞬時に作り出す能力なのだろう。

すると、

 

「ッ………………お願いだ、ジェイさん………! ステラを………ステラを助けてくれ!!」

 

シンが懇願するように叫んだ。

 

「うむ。もとより原種は俺の敵でもある。任せてもらおう」

 

ジェイダーはそう言うと、デストロイ原種に向かっていく。

 

「原種が相手となれば、こちらも出し惜しみするわけにはいくまい!」

 

ジェイダーの背後からジェイキャリアが前進して来た。

 

「ゆくぞ!!」

 

ジェイダーが叫ぶと、

 

「メガッ……フュージョン!!」

 

ジェイキャリアが艦首後方から直角に折れ曲がり、巨大な胴体と脚部を形成する。

ジェイダーが変形し、艦橋部分と砲台部分が分離。

同時に砲台部分が左右に分離した。

艦橋がそのままジェイキャリアの艦首上部にドッキングし、艦首に取り付けられていた巨大な錨、『ジェイクォース』が分離。

更に分離した砲台部分の先が変形し、マニピュレーターが現れる。

そのまま砲台が艦首の両サイドに接続され、巨大な腕となる。

ジェイクォースが右前腕の内側に装着されると、最後に艦橋部分のJジュエルが輝いて上部にスライドし、デュアルアイが現れる。

 

「キングッ………ジェイッ………ダァァァッ!!」

 

この世界において、初めてキングジェイダーがその姿を現した。

その姿を見た者達は、全員が驚愕した。

 

「せ、戦艦が人型に変形した………!?」

 

ミネルバのアーサーが思わず声を漏らす。

 

「こんな隠し玉があったなんて………」

 

タリアも驚愕している。

キングジェイダーは地上に降り立ち、デストロイ原種と相対する。

向かい合う白と黒の巨神。

すると、デストロイ原種が右腕前に突き出し、指先からビームを放つ。

だが、それと同時に、

 

「五連メーザー砲!」

 

キングジェイダーも左手を突き出し、指先からメーザー砲を放った。

互いの中央で激突する。

だが、その威力には差があった。

キングジェイダーの放ったメーザー砲が、デストロイ原種のビームを押し返していく。

デストロイ原種も抗おうとしたが、メーザー砲はそのままデストロイ原種の右腕を貫いた。

爆発する右腕。

すると、デストロイ原種は体勢を崩しながらも無数のミサイルを発射する。

四方八方からミサイルがキングジェイダーに殺到するが、

 

「全砲門斉射!!」

 

五連メーザー砲と反中間子砲を含め、キングジェイダーの全身からメーザーミサイルやレーザーが発射され、その全てを撃ち落した。

 

「す、凄い…………」

 

キングジェイダーの力に圧倒されるアーサーを始めとした他の面々。

 

「うぉおおおおおおおおおおっ!!」

 

キングジェイダーは懐に飛び込み、豪快な回し蹴りを叩きこんだ。

吹き飛ばされ、転倒するデストロイ原種。

それでも起き上がろうとしていたが、キングジェイダーは右腕を真っすぐに突き出すと、

 

「ジェイクォォォォォォス!!」

 

右腕に備え付けられた巨大な錨、ジェイクォースにエネルギーを集中。

射出と同時に炎に包まれ、火の鳥を形作った。

 

「あれはっ! ユニウスセブンを破壊したっ………!」

 

見覚えのある光景にシンが叫ぶ。

火の鳥は羽搏きながらデストロイ原種に向かい、立ち上がろうとしたその胸の中央を貫く。

直後に爆発するデストロイ原種。

 

「ステラッ!?」

 

爆発したデストロイ原種に思わず声を上げるシン。

だが、火の鳥がキングジェイダーに戻っていき、その手に再び装着されると、ジェイクォースの先には、原種核が確保されていた。

 

「ッ!?」

 

キングジェイダーはそのまま右手で原種核を掴む。

 

「ステラッ!」

 

シンは反射的にインパルスを操作してキングジェイダーの下へと急ぐ。

すると、キングジェイダーの頭部からハルが現れ、原種核の下へと飛んできた。

そして、

 

「テンペルム…………ムンドゥース………インフィニ………トゥーム………レディーレ!!」

 

ハルが浄解の言霊を唱え、原種核が光に包まれる。

原種核が縮んでいき、ゾンダークリスタルと、そしてステラとなってそこに居た。

ただ、ゾンダーの時とは違い、ステラは気を失っている。

 

「ステラ!!」

 

シンが焦りを隠せずに叫ぶ。

キングジェイダーが地面に手を降ろすと、シンも即座に着陸してインパルスから降りる。

そのままキングジェイダーの手に駆け寄っていくと、ハルがサイキック能力でステラを浮かしてシンの下へと降ろした。

 

「ステラッ!」

 

シンはそれを横抱きで受け止めながらステラに呼び掛ける。

すると、ステラは薄く目を開け、シンに視線を合わせると、

 

「シン………来てくれた………」

 

「ッ………ああ………約束したじゃないか………ステラは俺が護るって………!」

 

「シン…………」

 

ステラは嬉しそうに笑みを浮かべながら再び眠りにつく。

 

「ステラ………!?」

 

シンは一瞬ハッとしたが、すぐに寝息を立てていることに気付き、ホッとする。

 

「よかったね、シン」

 

それを見ていたハルが邪魔をしない様にゾンダークリスタルと共に静かに飛び去る。

 

「護るから………絶対に俺が……ステラを護るから………!」

 

シンは今度こそ守り抜くと、自分に誓いを立てるのだった。

 

 

 

 

 






ガンダム種死編第9話です。
種死編にてキングジェイダー初登場です。
はい、予想通りステラとデストロイが原種に取り込まれることとなりました。
で、ステラは生存です、はい。
でも、まだ問題は解決したわけではないのでどうなるのかはお楽しみに。



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