転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件 作:友(ユウ)
デストロイ原種を倒した後、
「どういうことですか!?」
シンが怒鳴る。
シンは、またもやステラを医務室に勝手に連れてきた。
まあ、拘束されない様にシンが威嚇したり、ステラ自身も今はかなり落ち着いている。
シンの頼みで医師はステラを診察したのだが、その結果にシンは怒鳴ったのだ。
「言った通りだ。彼女は今は落ち着いているようだが、彼女がエクステンデッドであることには変わりはない。いつまた前の様に体調が悪くなるか…………」
「そんな………!」
漸く助け出せたのに、ステラの命の危機は去っていないことに、シンは歯噛みする。
だからと言って、再び地球軍に返したとしても、同じことの繰り返しだ。
「私も医師の端くれだ。彼女を救うために全力は尽くすが確約は出来ない」
「ッ…………!」
シンは拳を握りしめる。
「シン………?」
ステラが不安そうにシンの名を呼ぶと、
「ッ……! 大丈夫だよステラ。なんでもない」
ステラを安心させるように笑いかけた。
当然ながら、ステラの事は司令部に報告が行ったのだが、帰ってきた答えは、ステラは、『ベルリンで保護した民間人の少女』となっており、シンに依存しているため、暫くはシンの監視下に置き、様子を見るようにとの指示が来て、グラディス艦長が再び呆れていたりする。
数日後、全世界に向けてデュランダル議長の声明が放送された。
内容はデストロイによる地球軍の西ユーラシアへの侵攻。
映像付きでその恐ろしさを語るデュランダル議長。
その行為に、やや大袈裟に怒りを露にする。
俺達もジェイアークからその放送を見ていたのだが、
「ジェイダーやキングジェイダーはともかく、フリーダムも映ってないね」
ハルが流される映像を見ながらそう言う。
原種に取り付かれたデストロイやキングジェイダーが映ってないのはまだ納得できる。
この世界の物ではない存在を世界に知らせたとしても、混乱しか生まないだろう。
だが、フリーダムまで映ってない事にはハルも疑問を覚えたようだ。
「フリーダムやアークエンジェルがデストロイと戦っている所を知られると、デュランダル議長に不都合があるという事だろうな」
「ジェイが前にデュランダル議長を油断できない人だって言ってたのが、ようやくわかった気がするよ」
更にデュランダル議長の声明は続く。
ラクスに扮したミーアも現れ、聞こえの良い言葉を連ねていく。
更に一連の事件や、これまでの戦争が地球連合さえをも陰で操る軍需産業複合体ロゴスの陰謀であり、これを打倒する事を世界に宣言する。
その後、ミネルバに下された命令はアークエンジェルとフリーダムを討つ『エンジェルダウン作戦』への参加。
これにはアスランも猛反発したようだが、タリアも既に司令部に問い合わせており、命令は覆らなかった。
オーブへ向かう為に、海へと向かうアークエンジェルを担当部隊が追い込んでいく。
そこにミネルバも向かい、これを支援することになっていた。
格納庫でインパルスに向かうシン。
「…………フリーダムを討つのか?」
そんなシンに、俺は声を掛ける。
「ッ……? ジェイさん………」
シンの様子は、やや困惑気味と言ったところ。
シンは顔を逸らし、
「…………わかりません………確かに俺はフリーダムを恨んでいました。家族を失ったとき、上空にフリーダムが飛んでいましたから、直接的に家族を殺したのはフリーダムだと………」
シンは手を握りしめる。
「でも………トダカさんと話をして、自分が何もわかってない唯の子供だったって気付いて………俺だって戦場で何度も引き金を引いてるのに、見てたのは敵ばかりで………外したその先の事なんて何も考えてなかった………違う……敵の兵士の事すら俺は見てなかったんだ………! 俺が今まで討ってきた敵の兵士にも、家族が居て、友人がいて、恋人だっている。頭ではわかってたつもりだった………だけど、何もわかってなかったんだ………!」
シンは悔いるように顔を背けた。
「こんな俺が、フリーダムを恨むのはお門違いなんじゃないかって思うようになって……」
「……………………ならば黙って討たれるのか?」
「……………………それはできません。俺は、ステラを護ると約束したんだ。だけど、恨みのままフリーダムを討つ気はもうありません」
「そうか…………ならば、ケジメを付けるぐらいの気持ちでいいんじゃないか?」
「ケジメ?」
「少なくとも、シンの家族の死にフリーダムが関わっていた可能性はあるのだろう? ならば、自分の気持ちにケジメを付ける為に行って来い」
「ジェイさん…………」
「だが無理はするな? お前にはステラが居るんだからな」
「はい!」
シンは吹っ切れた顔をして、インパルスへ向かった。
【Side 三人称】
ミネルバから発進したインパルスは、アークエンジェルを護る様に戦っているフリーダムへ向かう。
「でやぁああああああああっ!」
フリーダムに向かってビームライフルを撃つインパルス。
その攻撃に気付いたフリーダムはひらりと避ける。
「相変わらず速い!」
すると、フリーダムがインパルスに向かってくる。
ビームライフルを撃ってくるフリーダム。
「ッ!」
シンは咄嗟に右腕と頭部を護る様にシールドを構える。
一発はコクピットのすぐ横を外れ、もう一発はシールドに弾かれた。
「レイの言った通りだ……!」
シンは、出撃前にレイからのアドバイスとして、フリーダムは絶対にコクピットを狙わないと聞いていたのだ。
そしてシンがフリーダムと戦うもう一つの理由。
それはステラの為だ。
ステラがミネルバに乗艦を許されているのは、自分がエースと言える立場にいるからだとシン自身何となく感じていた。
逆に言えば、ここでフリーダムに無様に敗北してしまえば、ステラを護れなくなってしまうかもしれない。
その可能性もシンは気付いていた。
「フリーダム………! アンタに恨みが無いとは言わないけど、今はステラを護る為に!!」
シンが叫ぶと『種』が弾ける。
インパルスはフリーダムに接近戦を仕掛け、ビームサーベルで切り結ぶ。
更に距離を取ったところでシールドを投げると、そのシールドに向かってビームライフルを撃ち放った。
絶妙な角度でシールドに当たったビームは反射し、角度を変えてフリーダムの肩を抉る。
しかし、フリーダムは直ぐに向かってくると、インパルスの左腕と頭部を一瞬で切断する。
「ッ!? やっぱり速い! メイリン! チェストフライヤーとフォースシルエットを!」
シンはミネルバに破損した部位の交換部分を要求。
すぐさま発進し、インパルスは完全な姿を取り戻した。
シンが仕切り直しだと気合を入れ直そうとした時、突如として周囲を爆発が襲った。
「ッ!? 何だ!?」
驚愕するシン。
見れば、先にアークエンジェルを追い詰めていたザフトの地上戦艦、『ユーレンベック』がミサイルや大砲を乱射していた。
「ウィラード隊長!? 何を!?」
インパルスごと巻き込みかねない攻撃にタリアが抗議したが、
『ゾンダァァァァァァァァァァァァァァッ!!』
ユーレンベックが紫の光に包まれ形を変えていく。
「ゾンダー!? まさか! ウィラード隊長が!?」
タリアが叫んだ瞬間、ゾンダーが体中の火器を乱射し始めた。
その攻撃は、アークエンジェルやフリーダムだけでなく、ミネルバやインパルス、他のザフトMSにも及ぶ。
『ゾンダァァァァァァァァァァァァァァッ!』
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
フリーダムがゾンダーに向かい、フルバーストを放った。
しかし、それらの攻撃はバリアによって届かない。
「ッ!?」
キラが驚愕した瞬間、
『ゾンダァァァァァァァァァァァァァァッ!』
再びゾンダーが砲撃を開始。
その弾幕の密度に、フリーダムが翼や腕に被弾する。
「うわぁあああああああっ!?」
フリーダムが墜落しかけるが、キラは何とか制動を取りつつアークエンジェルの方へ退避する。
だが、ゾンダーは逃がさないと言わんばかりにその背に狙いを定めた。
そして、
「プラズマソード!!」
上空から一直線に降下して来たジェイダーによって一刀両断にされた。
一瞬遅れて爆発するゾンダー。
ジェイダーのその手には、当たり前の様にゾンダー核が握られていた。
「………………まさか、再びゾンダーが出現するとは…………」
ジェイダーは意外そうにそう呟く。
ジェイダーは、既に原種を倒したため、もうゾンダーは出現しないと思っていた。
いずれ開く別世界のゲートをくぐってこの世界を去るだけだと。
しかし、再びゾンダーが現れた。
それの意味するところは、
「………まだこの世界に、原種が存在するというのか…………」
ゾンダー核を見下ろしながらそう呟く。
そして、この騒動の隙にアークエンジェルはフリーダムを回収し、海の中へと消えていった。
ガンダム種死編第10話です。
今回はぶっちゃけ出来があんまりよくないです。
正直ここをどうするかを全く考えてなかったので、強引に話を合わせました。
結局はゾンダー乱入でフリーダム大破+アークエンジェル逃走です。
次回はアスラン脱走劇?
お楽しみに。