転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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PHASE―12 護りたいモノ

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

ヘブンズベース攻略戦の後、シンとレイはその功績を称えられ、フェイスに任命された。

そしてその直後、ヘブンズベースから逃走したジブリールの居場所が判明。

ジブリールの潜伏先。

それは何とオーブであった。

正確には、オーブのセイラン家だ。

だが、それを聞いたシンはショックを受ける。

よりにもよってオーブがジブリールを匿った。

それを聞いたシンが感じたのは、裏切りに近い感情であった、

ギルバートは直ぐに艦隊をオーブに派遣。

更に本気であることを示すために、今やザフトの中でも名高いミネルバに出撃を命じた。

オーブ近海にザフトの艦隊が接近するが、オーブ政府は国民にこの事を知らせず、避難勧告すら出さずにいた。

ザフトはオーブにジブリールの引き渡しを要求したが、現オーブの代表であるユウナは声明を発表。

それは、『ロード・ジブリールなる人物は、我が国内には存在しない』というものだった。

しかしこの状況の中、そんな言葉が通じるはずも無く、ギルバートは武力行使を命令。

艦隊から次々とMSが発進する。

そんな状況でもオーブ軍は政府からの命令が出ず、出撃できないでいた。

それどころか、未だに避難勧告すら出ていないありさまだ。

漸くユウナの命令が出て軍が出撃するものの、既に国内の至る所に侵入を許し、また、現在のセイラン家に忠誠心など殆どなく、士気も低かったため、オーブ軍のMSは次々と撃破されていった。

その頃、オーブの秘密ドックで修理を行っていたアークエンジェルでは、侵攻されるオーブを黙って見ていられず、カガリがムラサメ隊と共にスカイグラスパーで出撃しようとしていた。

しかし、それに待ったをかけたのがキサカとエリナだ。

2人はカガリの父親のウズミの遺言があると伝え、とある場所に案内した。

そこにあったのは1機のMS。

黄金の装甲を持つそのMSの名はアカツキ。

ウズミがカガリに遺した護る為の剣だった。

カガリはアカツキに乗りこみ、ムラサメ隊と共に出撃する。

カガリはまず国防本部へ向かい、ユウナに自分を本物のカガリ・ユラ・アスハだと認めさせると、即座にその権限においてユウナを国家反逆罪で逮捕、拘束せよとの命令を出した。

オーブ軍の一佐で現状の司令官だったソガは、ユウナに対する鬱憤もあり、躊躇なくユウナを殴った。

更にユウナは5、6人の兵士に取り押さえられるというユウナ1人を拘束するには多すぎる人数で拘束される所から、ユウナを始めとしたセイラン家の信頼は地に落ちていた事が伺えた。

カガリを最高司令官に置いたオーブ軍は士気を取り戻し、カガリの指揮で総崩れだった防衛線を立て直していく。

更にカガリの乗るアカツキは、ヤタノカガミと呼ばれる特殊な装甲を使っており、ビームを反射する装甲だった。

ビーム兵器が主流になりつつある現在、その装甲は非常に有効なものだった。

アカツキやムラサメ隊の活躍もあり、戦線を押し返していくオーブ軍。

だがその時、戦闘区域にミネルバが到着した。

艦内では、

 

「ジブリールは?」

 

「まだ見つからないようだ。中々頑固に抵抗されているようだ」

 

シンの問いかけにレイが答える。

シンは俯いたまま何かを考え込んでいた。

 

「あ………シン………」

 

その様子に気付いたルナマリアが声を掛けようとしたが、

 

「初手から4機出ることもあるまい。俺だけで良いだろう」

 

レイがそう言った。

すると、

 

「いや……俺が行く」

 

シンはそう言う。

 

「え……? だってシン……」

 

オーブはシンの故郷であり、攻め入ることなど望んではいないと思っていたルナマリアがシンの言葉に驚愕する。

 

「ああ、やめておけ」

 

「レイの言うとおりだぜ? やめとけやめとけ」

 

レイの言葉にハイネも同調する。

だが、

 

「俺が行く!」

 

シンはそう言うと立ち上がり、格納庫へのエレベーターに乗り込む。

 

「オーブを撃つなら…………俺が撃つ!」

 

その決意と共に扉が閉まった。

すると、

 

「今のシンの顔……………怖かった…………」

 

ステラが悲しそうに呟いた。

 

 

 

ミネルバからデスティニーが発進すると、案の定ブリッジのクルーには驚きが走った。

シンは出撃するや否や、次々とムラサメを撃墜していく。

デスティニーに気付いたカガリは、当然ながらヘブンズベースでのデスティニーの活躍も知っており、今彼に来られたらオーブ軍は壊滅の危機に瀕すると直感した。

 

「こいつに来られたら、オーブは……!」

 

カガリはデスティニーに攻撃を仕掛ける。

 

「チィッ! 何だよこれは………!」

 

シンはアカツキからの攻撃を防ぎつつ、見たことも無い黄金のMSに舌打ちする。

シンは一撃で仕留める為にデスティニーの左背面に装備されている高エネルギー長射程ビーム砲を展開し、それを放つ。

アカツキは直撃を受けるが、ヤタノカガミにより、そのビームは反射。

そのままデスティニーに跳ね返ってきた。

咄嗟に躱したデスティニーだったが、

 

「ビームを弾く……!?」

 

シンは驚愕し、確かめる為にビームライフルを放った。

それはアカツキの頭部に当たったが、先程と同じく跳ね返り、ノーダメージだ。

 

「ならば!」

 

シンは、ビーム攻撃は効かないと即座に判断し、デスティニーの右背面部に装備されている大型対艦刀アロンダイトを引き抜き、構える。

更に光の翼を広げ、高速移動で分身を生み出しながらアカツキに向かっていく。

 

「くぅぅっ………!」

 

「でやぁああああああああああっ!!」

 

そのスピードに声を漏らすカガリ。

そのままデスティニーがアカツキへ接近して行った時だった。

突如として真下の海中から赤い光が飛び出し、2機の間を引き裂くように上昇していく。

 

「何だっ……!?」

 

「あれはっ……!?」

 

カガリとシンは思わずその赤い光を見上げた。

その正体は、独特な形状を持つ戦闘艇、ジェイバードだった。

すると、

 

『スタンダップ!』

 

ジェイバードが変形。

ジェイダーとなる。

 

『ジェイダー!! プラズマウイング!』

 

ジェイダーは赤い光の翼を発生させ、デスティニーの前に立ちふさがった。

 

「久しぶりと言うべきか? シン」

 

「ジェイさん………!? まさかゾンダーが現れたんですか!?」

 

ジェイダーの出現に、シンはそう予想した。

だが、

 

「いいや。ゾンダーは関係ない。これは、俺の個人的な感情によるお前に対する介入だ」

 

ジェイダーはそう言い放つ。

 

「俺に対する………介入………?」

 

その時、カガリがハッとなり、

 

「お前! もしかして手を貸してくれるのか!?」

 

カガリは期待を込めた声でそう問いかける。

しかし、

 

「勘違いするな。俺はオーブに味方するつもりはない」

 

視線だけをアカツキに向け、そう言うジェイダー。

 

「だが………」

 

そう言いながらデスティニーへ視線を戻すと、

 

「この状況を利用するのはそちらの勝手だ。俺はこのバカに用があるのでな」

 

そう言ってデスティニーを………シンを睨みつけた。

 

「ッ…………!?」

 

その睨みに、シンはコクピット内でたじろぐ。

 

「ッ……………!」

 

カガリは一瞬考えたが、即座に機体を反転させ、国防本部へと飛翔していった。

 

「あっ! 待て!!」

 

シンが後を追おうとしたが、その前にジェイダーが立ち塞がる。

 

「ジェイさん! 何で……! ジェイさんは戦争には関わらないと………!」

 

立ち塞がるジェイダーにシンはそう叫ぶ。

 

「言ったはずだ。これは俺の個人的な感情による、お前個人への介入だと。仮に出撃したのがレイやルナマリア、ハイネだったならば、俺は姿を現すつもりはなかった。だが、出撃したのがお前だったから我慢できずに介入させてもらっただけだ」

 

ジェイダーはそう言い返した。

 

「だから何で………!?」

 

何故自分だったら介入したのかと、理由を問いかけるシン。

 

「シン…………お前は自分が何をしているのか本当に理解しているのか?」

 

「ッ………!?」

 

ジェイダーの問いかけにシンは虚を突かれたようになる。

 

「何故お前がオーブを撃つ?」

 

「それはっ………オーブがジブリールを匿うから………!」

 

「それはお前である必要はないだろう? 何故お前が出る必要がある?」

 

「ッ………どうせオーブが撃たれるなら…………せめて俺が撃とうと………!」

 

シンが答えたその瞬間、ジェイダーが一瞬でデスティニーに接近。

その頭部を殴りつけ、吹き飛ばした。

 

「うわぁああああああああああっ!?」

 

悲鳴を上げるシン。

 

「シンッ……!?」

 

「そんな…………何故ジェイダーが………」

 

タリアやアーサーがその様子を見て驚愕する。

だが、それと同時に接近するアークエンジェルを発見。

ミネルバはそちらと戦闘を行う事になった。

吹き飛ばされたデスティニーは、何とか体勢を立て直す。

 

「もう一度聞くぞ、シン。何故お前がオーブを撃つ?」

 

「だからそれは………どうせオーブが撃たれるなら………」

 

同じことを繰り返そうとしたシンを、ジェイダーは再び殴りつけた。

 

「お前の手に入れた『力』は、そんな事をするために手に入れた『力』か!?」

 

強い口調でジェイダーが言った。

再び吹き飛ばされるデスティニー。

 

「ッ………何を……!?」

 

「そもそも、先ほど言ったジブリールを匿っているからという理由も、本当かどうか怪しい」

 

「えっ…………?」

 

「俺から言わせれば、デュランダル議長はジブリールを口実に、オーブを滅ぼそうとしているようにしか見えないが?」

 

「そ、そんな事………!」

 

「ならば何故いきなり武力行使に踏み切った? 調査隊を受け入れるよう要請したり、一時的に国の出入りを禁止してもらい、ジブリールを逮捕する協力を要請したりする方が先じゃないのか? その上でそれを断られたら改めて宣戦布告すればいいだけだろう?」

 

「うっ……………」

 

ジェイダーの言葉に、シンは狼狽える。

だが、

 

「そ、そんな…………そんな筈無い!」

 

シンは自分の間違いを否定するように叫び、デスティニーを操作する。

 

「議長がそんな事……!」

 

デスティニーがアロンダイトを構え、ジェイダーに斬りかかった。

だが、

 

「バカが………!」

 

ジェイダーは一瞬でデスティニーの後ろに回り込むと、その背中に蹴りを叩きこむ。

 

「うわぁああああああああああああっ!?」

 

シンが悲鳴を上げながら、デスティニーが近くの島に墜落していった。

 

 

 

 

 

「シンッ!?」

 

その様子をモニターで見ていたステラが立ち上がりながら叫んだ。

 

「ジェイさんが………何で………!?」

 

ルナマリアも困惑している。

 

「ッ……………」

 

レイは黙ってモニターを睨みつけるように見ていた。

すると、ステラが突然駆け出し、エレベーターに駆け込む。

 

「ステラ!? 何を!?」

 

ルナマリアが叫ぶと、

 

「シン……! 護る!」

 

その言葉と共に扉が閉じた。

 

 

 

衝動のままに格納庫へ駆け込んだステラ。

そこでは、ヨウランを始めとした整備班が忙しそうに駆け回っており、ステラを気にしている人物はいない。

そこでステラは、自分が使えそうな機体を探す。

すると、ある1機で目が止まった。

それは、自分がザフトに捕まった時に共に奪還されたMS、ガイア。

あの時中破した機体を、ミネルバの戦力とするために修復されていたのだ。

 

「ッ!」

 

ステラは迷わずにそのガイアのコクピットに向かう。

そこでヨウランがステラに気付いた。

 

「あっ!? こらっ! 何やってるんだ!?」

 

ヨウランが叫ぶが、ステラはコクピット内に飛び込むと、シートに座ってシステムを起動する。

デュアルアイに光が灯り、ガイアが動き出した。

その時、ブリッジにヨウランから報告が入り、ガイアのコクピットに通信が繋がる。

 

『あなた! 何をやっているの!?』

 

タリアが叫ぶ。

すると、

 

「シン……! 護る………!」

 

ステラはそう言うと、

 

「出せ!」

 

ステラはタリアに叫んだ。

 

『無茶言わないで! そんな事出来るわけが………!』

 

「出さないと…………吹き飛ばす!!」

 

ステラが叫ぶと、強引に歩き出してカタパルトに移動。

当然ながらハッチは閉まっていたが、ステラはビームを撃って内側からハッチを破壊。

獣のような姿のMA形態に変形すると、助走をつけて一気に飛び出した。

ステラは、近くに居た艦船を足場に、デスティニーが落ちた島へと向かった。

 

 

 

 

デスティニーが落ちた島では、尚もデスティニーとジェイダーが戦っていた。

 

「うぉおおおおおおおおおおっ!!」

 

シンがデスティニーのパルマフィオキーナで攻撃しようとするが、その手がジェイダーに届く前に回し蹴りが叩きこまれ、デスティニーが吹き飛ぶ。

 

「くっそぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

シンが叫びながら立ち上がり、両肩のビームブーメランを手に持って投げつけた。

2つのビームブーメランは弧を描きながらジェイダーを挟み込むように迫るが、

 

「フン…………」

 

ジェイダーが右手を薙ぎ払うように振ると、2つのビームブーメランは真っ二つに切り裂かれた。

その手には、赤い光の剣、プラズマソードが発生している。

 

「ッ………!」

 

シンは自分の攻撃が相手に通用しないことに歯噛みする。

その時、

 

「シンッ!!」

 

その声と共に数発のビームがジェイダーを襲う。

 

「ッ!? ステラ!?」

 

その場にガイアが現れ、MS形態に変形するとデスティニーを護る様に立ち塞がる。

 

「ステラ!? どうして……!?」

 

シンが思わず問いかけた。

 

「シンは………私が護る!」

 

ステラはそう叫んでジェイダーにビームライフルを連射。

しかし、ジェイダーは高速で動き、掠りもしない。

そして一瞬にしてガイアに接近すると、ビームライフルを切り裂いた。

 

「くっ………まだまだぁ!」

 

ステラは叫ぶとビームサーベルを抜き、ジェイダーに斬りかかる。

だが、ジェイダーはビームサーベルを持つガイアの右手を左手で抑えて止めた。

 

「………………ステラ………何故来た?」

 

ジェイダーは問いかける。

 

「シン………護る!」

 

ステラはガイアを飛び退かせると、MA形態に変形して再び飛び込む。

しかし、ジェイダーが放った軽い裏拳で横方向に吹き飛ばされた。

 

「うあぁああああっ!?」

 

「ステラッ!?」

 

シンが叫ぶ。

 

「ジェイさん!? 何でこんな事!?」

 

シンが抗議するようにそう叫ぶが、ジェイダーはガイアの方を向き、

 

「ステラ…………今のこいつにお前が命を懸ける価値は無いぞ?」

 

そう言った。

 

「ッ…………でやぁあああああああああっ!!」

 

ステラはガイアを立ち上がらせ、再びジェイダーに飛び掛かるが、先程と同じように軽い裏拳で吹き飛ばされる。

 

「何故なら、今のこいつはお前を命懸けで護ろうとした『男』ではない。自分のやるべき事を見失い、八つ当たりの様に癇癪を起こして他者に当たるだけの、単なる『ガキ』だ」

 

「ッ……………!?!?」

 

そのジェイダーの言葉に、シンは今までにないショックを感じた。

ジェイに『単なるガキ』と呼ばれたことが、とても苦しい。

だが、

 

「違う!!」

 

ステラが力強い否定の言葉を叫んだ。

 

「シン、約束した! ステラを護るって! だからシンは、絶対に護ってくれる!」

 

「ッ!?」

 

今度はステラの言葉に衝撃を受けた。

 

「ならば思い知らせてやろう…………」

 

ジェイダーは静かにそう言うと、プラズマソードを構えた。

 

「次に向かってきたときは、コクピットを貫く!」

 

ガイアを見据えてそう言うジェイダー。

 

「ッ………!」

 

ステラはジェイダーを睨みつける。

 

「次に向かってきたとき、お前は『死』ぬ」

 

「ッ!?」

 

その言葉に、ステラは動揺する。

エクステンデッドには、暴走や反抗を抑制するために、ブロックワードと呼ばれる特殊な暗示が施されており、それを聞かせることで行動を抑制させる事が可能となっている。

そして、ステラのブロックワードは『死』だ。

シンがステラと初めて会ったとき、酷く死に対して動揺していたのは、シンの『死ぬ気か』という言葉がブロックワードに引っかかってしまったためでもあった。

だが、

 

「…………シン………ステラ、護る………!」

 

同時にあの時のシンの『護る』という言葉がステラのブロックワードを打ち破る『想い』となってステラの心を震わせる。

ステラはガイアを立ち上がらせると、迷いなくジェイダーへと向かって言った。

 

「でやぁああああああああああっ!!」

 

ステラは迷いも恐怖も無くジェイダーへ斬りかかる。

しかし、その動きはジェイダーには手に取る様に見えていた。

ビームサーベルの一撃を、余裕を持って躱すと、宣言通りにコクピットを狙ってプラズマソードを振り被った。

この直後にステラの命は刈り取られる。

そう思われた。

だが、

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

叫びと共に、シンの中で『種』が弾けた。

 

「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

シンはデスティニーのトップスピードでジェイダーに接近。

繰り出されるプラズマソードにパルマフィオキーナを叩きつける。

 

「ステラは俺がっ…………!」

 

だが、プラズマソードとパルマフィオキーナでは出力が違いすぎる。

止められても一瞬のみ。

プラズマソードが一瞬止まった直後、デスティニーの腕が切り裂かれていく。

だが、左半身から展開された高エネルギー長射程ビーム砲の砲口がジェイダーの腹部に押し付けられ、

 

「ッ!?」

 

「………俺が護るっ!!!」

 

その言葉と共に放たれた。

ビームによってジェイダーは吹き飛ばされ、海面に叩きつけられた。

 

「シンッ!」

 

ステラが嬉しそうな声を上げる。

 

「ステラッ!」

 

シンもステラの名を呼ぶ。

 

「ごめんステラ……! 怖い思いをさせて………」

 

シンはそう謝るが、

 

「ううん。シン、護ってくれるって、信じてた」

 

ステラは笑みを浮かべてそう言った。

その時、水が流れる音と共に、ジェイダーが海面から立ち上がった。

腹部には焦げ目がついているが、大きなダメージは無い。

 

「ッ………!」

 

シンは直ぐに身構える。

だが、

 

「………………それでいい」

 

「えっ…………?」

 

ジェイダーの言葉にシンは声を漏らした。

ジェイダーには、もう戦闘の意思は見えなかった。

 

「もう見失うなよ。自分が護るべきモノを…………」

 

「ッ……!」

 

その言葉にシンは目を見開く。

 

「ジェイさん………まさか、それを俺に教える為に…………!?」

 

シンは、何故ジェイが自分の前に立ちはだかったのかを理解した。

 

「……………お前は何処かほっとけないからな」

 

優し気な声でジェイダーはそう言った。

 

「ジェイさん……………ありがとうございます!!」

 

シンは万感の思いを込めて頭を下げた。

ジェイダーがそのまま背を向けた時、

 

「…………うっ……! ううっ………!?」

 

ステラが苦しそうな声を漏らした。

 

「ステラ!?」

 

シンは咄嗟に倒れそうになるガイアを支える。

 

「ステラ!? どうしたんだ、ステラ!?」

 

シンは必死に呼びかけるが、

 

「シ、シン…………!」

 

ステラは苦しそうにシンの名を呟くだけだ。

そこでシンはハッとなり、

 

「まさか………タイムリミットなのか!?」

 

エクステンデッドの調整期間のタイムリミットが遂に来てしまったのだ。

何の調整も無しに、ここまで持ったことが奇跡だろう。

 

「ステラ…………!」

 

やっと護るべきものを取り戻したのにとシンは悔しさで歯を食いしばる。

その時、ハッと顔を上げた。

 

「ジェイさん!!」

 

シンはジェイに呼び掛ける。

そして、

 

「俺達は…………投降します」

 

「投降…………? それならオーブに…………」

 

「違います! 俺はあなたに…………ジェイアークに投降します!」

 

「ッ………!?」

 

「そしてお願いします! ステラを………ステラを助けてください!!」

 

そう叫ぶシン。

 

「このままザフトに居ても、きっとステラは助けられません………多分オーブでも…………だから、ステラを助ける為に、あなたを頼りたいんです!!」

 

「シン…………」

 

「俺の出来ることならなんでもやります! どうかお願いします! ステラを………ステラを助けてください!!」

 

「それが………ザフトを裏切る行為だとしてもか?」

 

「はい……! 俺は、ステラを護ると約束した………いえ、俺は、ステラを護りたいんです!!」

 

シンは、ステラを護るのは約束の為ではなく、自分自身の思いだと言い放った。

すると、

 

「いいんじゃないの?」

 

浄解モードのハルが飛び出してきてそう言った。

 

「ハルさん…………」

 

「少なくとも、ジェイの御眼鏡には適ったんでしょ?」

 

「まあな…………」

 

ハルと言葉を交わすと、ジェイダーはデスティニーに向き直る。

 

「いいだろう。お前たち2人をジェイアークで受け入れよう」

 

ジェイダーがそう言うと、背後の海から水飛沫が上がり、ジェイキャリアが浮上して来た。

ジェイダーはデスティニーとガイアを抱えてジェイキャリアに飛び乗った。

 

「ジェイアーク、戦線を離脱する!」

 

『リョウカイ』

 

ジェイアークはデスティニーとガイアを乗せ、空の彼方へと消えていった。

 

 

 

 

その後、大気圏外より新たなるフリーダム、ストライクフリーダムが現れ、戦局が一変。

甚大な被害を出しつつも、オーブ軍はオーブ本土を守り切ることに成功した。

しかし、この戦闘でセイラン家のユウナとウナトが巻き込まれて死亡。

更に戦闘の最中、ジブリールが乗っていたと思われるシャトルが発進し、大気圏を離脱していった。

最終的に旗艦が撃沈されたザフト軍だったが、ミネルバ艦長のタリアの判断でジブリールはオーブを離れたと判断。

ザフト軍は撤退する事となった。

 

 

 

 

 

 







ガンダム種死編第12話です。
まさかここでシンとステラをジェイ達が確保するとはだれが予想したでしょうか!?
シンに対し個人的にジェイが介入。
結構きつめのショック療法みたいな?
さて、シンというエースパイロットを失ったザフトはこれからどうなるのか!?
次回もお楽しみに。




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