転生特典に量産型の機体のみという縛りがあったのでジェイアークを選んでやった件   作:友(ユウ)

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PHASE―15 『運命』を切り拓く時

 

 

 

 

デュランダル議長がデスティニープランを発表した後、早々に拒否を表明したのはオーブとスカンジナビア王国だった。

他の国は、まずデュランダル議長に会談を申し入れたいという反応だったのだが、その中で大西洋連邦だけは少し毛色が違った。

他の国と同じようにデュランダル議長とコンタクトを取ろうとはしているが、月のアルザッヘル基地で軍が出撃準備を進めているようだった。

それに気付いたザフトもミネルバを含めた艦隊を派遣。

だが、それと共にレクイエムが発射されアルザッヘル基地に着弾。

一撃で壊滅に追いやった。

それをモニターで見る俺やシン。

 

「何だよ………これ………?」

 

シンは唖然としていた。

 

「議長………レクイエムを直したのか………? プラントを撃とうとした兵器を………!」

 

シンは拳を握りしめる。

 

「まあ、確かに兵器としては現状この世界最高峰に有能だろう。地球にも届かせることが出来る射程。中継ステーションさえあればどこにでも撃ち込める目標の自由度。そして威力。これほど便利な兵器も他に無いだろうな」

 

俺はレクイエムをそう評する。

 

「けど、だからって、あんなものをわざわざ直すなんて………!」

 

「デュランダル議長にとって、プラントを脅かす兵器すら、手段の一つに過ぎないんだろう」

 

俺は自分の考えを言った。

 

「こんな物を使ってまで、デュランダル議長はデスティニープランを推し進めようっていうのか…………!」

 

そして俺はモニターに別の情報を映す。

 

「これを受けてオーブ軍が出撃。アークエンジェルとエターナルも第一次中継ステーションに向かっている。まあ、当然だな。一次中継ステーションを落とせば、次が来るまで時間が稼げる」

 

「ッ………ジェイさん!」

 

シンは急かす様に俺を見てきた。

 

「もう少し待て。あとちょっとだ」

 

俺はそう言いながら、艦橋前方に見える、デスティニーとガイアを見つめた。

 

 

 

 

【Side 三人称】

 

 

 

 

結果を言えば、第一次中継ステーションの破壊は成功した。

ミーティアを装備したストライクフリーダムとインフィニットジャスティスを中心に、ネオのアカツキ、ムラサメ隊、ドムトルーパー3機により、数の差を物ともせずに中継ステーションに迫った。

途中でミネルバを含む増援部隊が到着したものの、ハイネのデスティニーとレイのレジェンドはメサイアに配属が変更しており、ルナマリアのインパルスしか居なかった。

更にはイザークとディアッカの支援もあり、最終的にミーティアのビームソードによって中継ステーションは切断された。

そして、アークエンジェルとエターナルはそのままダイダロス基地のレクイエム本体へ向かう。

だが、先行していたオーブ艦隊が一斉攻撃を行うが、ザフトが修復していた時に追加した陽電子リフレクターにより防がれ、更には突如現れた小惑星を改造した移動要塞、メサイアが現れ、ネオ・ジェネシスと呼ばれるガンマ線レーザー砲によって、艦隊の約半数を壊滅に追い込む。

そして、追い打ちとばかりにハイネのデスティニー、レイのレジェンドを含むMS部隊が出撃。

デスティニーとレジェンドは、ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスと相対し、他の部隊はエターナルを標的とした。

デスティニーとレジェンド相手では、キラとアスランも突破は容易ではなく、完全に足止めを喰らっていた。

 

「オーブ艦隊は!? どうなっているんだ!? レクイエムは!?」

 

アスランが確認を取ると、

 

『スサノオ、クサナギ、ツクヨミはシグナル確認。後ダメです。状況混乱!』

 

そう返答が来るがその直後、後続のMS部隊が出撃し、オーブ主力艦隊へ向かっていると報告が来る。

 

「オーブ艦隊へ!?」

 

「死角に乗せられたか………! 拙いぞキラ! このままではレクイエムが……!」

 

キラとアスランの言葉には焦りが伺える。

デスティニーとレジェンドの攻撃に、キラとアスランも対処で手一杯だ。

 

「今討てなければ、一次中継点も復活する!」

 

アスランの言葉通り、既に破壊されることを見越していたのか、次の中継ステーションがポイントへ向かっていた。

 

「オーブが撃たれる………!」

 

アスランに最悪の光景が過る。

それを後押しするように、追撃して来たインパルスとミネルバが接近。

エターナルとアークエンジェルに迫る。

 

「ッ……………!」

 

カバーに入りたいが、デスティニーとレジェンドの苛烈な攻撃がそれを許さない。

 

「これではこちらも動けない………!」

 

アスランが思わずそう言う。

 

「…………悪く思うなよ、アスラン」

 

「キラ・ヤマト………貴様だけは………」

 

デスティニーとレジェンドのコクピットで、ハイネとレイがそう呟き、インフィニットジャスティスとストライクフリーダムへ接近する。

 

「くっ………!」

 

「このままでは……!」

 

キラとアスランが歯噛みしつつ、迎え撃つために機体を動かした。

だがその瞬間、2機と2機の間を切り裂くように、一発のビームが飛来、通過した。

 

「「「「ッ!?」」」」

 

突然の事に、4機はそれぞれ距離を取った。

そして、そのビームが飛んできた方を見ると、そこには青を基調とした機体色のデスティニーが存在していた。

 

「あのデスティニーは………シン!?」

 

アスランが驚きの声を漏らす。

 

「シン! 無事だったか!」

 

レイは表情を綻ばせながら叫ぶ。

 

『………………………』

 

そのデスティニーは、何も応えずに進み出て、向かい合う4機の中央で横向きの状態で停止した。

 

「シン……………」

 

アスランは内心焦っていた。

ここでもう1機デスティニーが参戦すれば、何とか保っている拮抗状態が崩れ去り、大勢が決してしまうと。

そして、アスランの視線の先で、シンのデスティニーが動き…………………ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスに背を向けた。

そして、

 

『…………行け!』

 

シンから通信が入った。

 

「シン!?」

 

その行動に驚きの声を上げるアスラン。

 

『行ってレクイエムを止めるんだ!!』

 

「ッ………!? シン…………お前…………!」

 

シンの言葉に、驚きながらも顔を綻ばせるアスラン。

すると、

 

『勘違いするな! アンタ達やアスハを認めたわけじゃない! けど、今のデュランダル議長は止めなきゃいけない! それぐらいは分かっているつもりだ…………! それに、オーブを撃たせるわけにはいかない…………あの国は、俺の故郷なんだ!』

 

シンの言葉に、

 

「ああ…………ああ………! それでいいんだ! シン!」

 

迷いなきシンの瞳を見て、アスランは安心したように笑みを浮かべる。

すると、

 

「シン!? どういうつもりだ!?」

 

レイが怒りの混じった声色でシンに問いかけた。

 

「レイ…………これが俺の出した答えだ………俺は、デュランダル議長を止める!」

 

「お前もギルを裏切るのか………! シン!!」

 

レイがその言葉と共にビームライフルを放つ。

シンはそれを回避すると、

 

「やめろレイ! 俺はお前と戦う気は無い!」

 

シンは叫ぶが、

 

「ギルを裏切る奴は許さない! 例えお前でも……!」

 

レイはそう叫んで攻撃を続ける。

シンも仕方なく反撃に出ると、

 

「レイ! デスティニープランは言うほど良いもんじゃない! 人の自由を奪い、人の可能性を否定するものだ!」

 

シンはそう叫ぶ。

 

「そんな事は無い! デスティニープランはギルが言うように、人類最後の防衛策だ! 人が戦いを止める為に必要なものだ!」

 

「確かにそれを受け入れれば戦いは無くなるのかもしれない! だけど、それは同時に人が人であることを止めなければいけないんだ!」

 

攻撃の応酬の中、レイとシンは言葉をぶつけ合う。

その最中、

 

『何やってる!? 早くレクイエムへ!』

 

シンがアスランにそう急かす。

 

「だが………」

 

シンを見捨ててはいけない。

アスランはそう思っていた。

すると、

 

「アスランは行って! アークエンジェルも!」

 

「ッ!? キラ!?」

 

キラの言葉にアスランは驚きの声を上げる。

 

「ここは、僕とエターナル…………そして彼で抑えます! あとは全てレクイエムへ!」

 

キラはそう言いながらハイネのデスティニーを牽制する。

 

「えっと………命令です!」

 

キラは准将というこの場では最も高い階級を持っている。

オーブ軍であるアスランやアークエンジェルのクルーはその命令には従わなければならない。

キラは、それほど重要な事であると判断したのだ。

アスランとマリューは葛藤しつつもラクスの言葉で決心し、レクイエムへ進路を取った。

 

「ッ! 行かせるか!」

 

それに気付いたレイが追撃しようとしたが、その前をビームが遮る。

 

「話は終わってないぞ! レイ!」

 

シンのデスティニーがその前に立ちふさがった。

 

「話を聞かない奴に何を話すことがある!?」

 

レイはドラグーンを展開、全方位からビーム攻撃を仕掛ける。

シンはそれを回避やビームシールドで防御しつつしのぎ切ると、

 

「話を聞かないのはどっちだ!? 一方的に要望を突きつけ、反対されたら武力で攻め滅ぼし、言う事を聞かせる! それが話か!?」

 

高エネルギー長射程ビーム砲を放った。

 

「チィッ!」

 

レイはビームシールドで受けるが、勢いで吹き飛ばされる。

その隙にシンはアロンダイトを抜き、

 

「そんなので手に入れた平和は『平和』なんかじゃない! 単なる『支配』だ!!」

 

そう言い放ちながら光の翼を広げ、分身を発生させながら高速で接近する。

 

「ギルは、支配者になろうなどとは思っていない……!」

 

レイはそう言い返しながらビームライフルを撃つが、シンはそれを躱し、

 

「ああそうさ! 議長は『支配者』になろうとしてるんじゃない! 自分も『支配されようとしている』んだ! 『遺伝子』っていう『支配者』にな!!」

 

そのままアロンダイトを振り切ってビームライフルを切断した。

 

「ッ!?」

 

ビームライフルが爆発し、レジェンドが後退する。

その時、

 

「シン!? レイも! 何やってるの!? 何で2人が戦ってるのよ!?」

 

2人の戦いに気付いたルナマリアのインパルスが接近して来た。

すると、その前を遮る様にビームが通過する。

 

「ッ!?」

 

ルナマリアはインパルスを停止させると、ビームが飛んできた方を見上げた。

そこには、

 

「シンの邪魔はさせない………!」

 

ビームライフルを構えたガイアが存在していた。

 

「ガイア……!? もしかしてステラなの!?」

 

インパルスの前にガイアが立ちはだかる。

戦いは、佳境を迎えようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 





ガンダム種死編第15話です。
もう少し進みたかったけど、間に合いそうにないのでここでいったん区切ります。
今回は原作とはまるで違うシン君の選んだ選択です。
レイと戦う道を選びました。
ハイネとキラは蚊帳の外。
因みにデスティニーはジェイアークの光子エネルギー変換翼を利用してデスティニーのデータから機体を修復したという設定。
実際に出来るかどうかは知りませんが。
それでは次もお楽しみに。


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